住宅クレーム110番

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J110 News

歩行で床が振動します


<北海道室蘭市・YTさん(会社員・35歳・男)>


 2×6材での枠組工法で建てました。築1年です。
 4メートル四方の部屋なのですが、業者はたわみがあって当然といいます。しかし、部屋正面から1メートルくらいの部分のみ振動が激しく(よく吹き抜けを設ける部分)、震度2程度の地震でTVの上のモノが落ちてしまいます。
 業者が先日、床をめくって検査しましたところ、異常は無いとのことですが心配です。完成が昨年8月で、当年の2月くらいから症状が出始めました(乾燥?)。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 通常、在来工法であれば大引きを束で受けるので、たわみは生じにくいのですが、ツーバイ工法の場合は4メートルくらいであれば、必要なサイズのツーバイ材を布基礎間に渡し中間を受けるようなことはしません。
 床を組む構造材のサイズを決めるときは構造的な強度で決めるのですが、強度と共に“たわみ”も考慮に入れなくてはいけません。
 今回の場合は文面を読む限り、強度的には問題ないが、たわみ的には支障がある、ということと思います。たわみも数値で決められているのですが、揺れる・振動するなどの感覚の問題は簡単には判定できません。
 完成後、半年経って症状が出てきたということなので、床の構造材の乾燥も関係しているかもしれません。問題の程度がわからないので判断できませんが、解決策は床下で中間部分を補強して束で受ければたわみは止まります。


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屋根裏の断熱材について


<北海道登別市・SAさん(主 婦・41歳・女)>



 自宅を新築して今年で8年になります。主人が独身時代に建てた家なので建てた当時のことは詳しくはわからないのですが、普通のお家では屋根裏に上がること、もしくは見ることは可能ですよね? 私の家では押入れの天井に一部上がる所はあるのですが、どうやっても5センチほどしか持ち上がりません。その5センチほどの隙間から覗くと、綿状の黄色い断熱材がビニールシートの上に一面敷き詰められているようです。このような断熱方法ってあるのでしょうか? 壁にも入っていて屋根裏にも敷いてあるということなのでしょうか。住んでいて寒いとか、結露があるということはないのですが、気になります。よろしくお願いします。



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住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


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 通常、断熱工事にはグラスウールを使用し、気密工事には気密シートを使用します。
 使用箇所は床(基礎の外側に断熱材を打ち込む基礎断熱工法もあります)、壁(柱間に入れる軸間断熱と柱の外側に断熱材を張り付ける外断熱があります)、天井(グラスウールを敷きこむ場合と綿状のグラスウールなどを吹き込むブローイング工法があります)に使用します。
 気密シートは断熱材の内部側に張り、隙間風を防御します。すなわち床では床グラスウールの上部(床仕上げ材の下)、壁では壁グラ スウールの内部側(石膏ボード下地にクロス張りであれば石膏ボードの下)、天井であれば天井グラスウールの下側(石膏ボード下地にクロス張りであれば石膏ボードの下)に取り付けることになります。
 したがって今回文面を読むと、「屋根裏(天井裏と同じ)を覗くとビニールシートの上に黄色い綿上の断熱材が一面に敷き詰められている」ということなので、標準通りの仕様で工事が行われていることになります。心配ありません。
 屋根裏に上がる開口部の気密が悪かったり、断熱材がこの部分のみ入っていなかったりすると、この部分で結露したり、屋根裏に室内の空気が流れ込み、湿気がたまり、屋根裏で結露したりすることが生じるので、簡単に開いたりしないようになっていると思います。
 常時、屋根裏を確認したいのであれば、専用の高気密・高断熱の天井改め口が販売されているので取り付けると良いと思います。


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マンションの雨漏り補修工事や調査について


<東京都八王子市・TAさん(主 婦・37歳・女)>



 平成10年秋完成(平成11年3月入居)のマンションに住んでいます。マンションは南向きの7階建てで、私の住居は南と西に面した6階です。
 今年の6月の台風でリビングの天井から雨漏りが発生し、施工会社に補修(エポキシ樹脂注入)をしてもらいました。原因は、上階のベランダの防水シートとコーキングに問題があり、天井のクッラクに雨水が浸入し、雨漏りをしたということでした。
 工事から約2ヵ月が経つことから、張り替えた天井のクロスに浮きとクラックのような斜めシワが数ヵ所目立ちはじめ、再度、施工会社に調査と補修を依頼しました。
 そんな矢先、リビングの北側につながっている和室が雨漏りしました。原因はまだ特定されていませんが、近日中に補修工事に入ります(また、和室の北側の洋間の天井のクロスもシワや継ぎ目のめくれなどが目立ちだしました)。
 マンション全体でこのような雨漏りが起こったのは、わが家のみです。わが家の上階のみが、屋根になっている部分が少ないので、うちだけがこのようなことになったのではないかと思いますが、建物自体も大丈夫なのか不安に感じてしまいます。またエポキシ樹脂注入で補修するものの、進入した雨水によるコンクリートの腐食や劣化、カビ、他の部分への影響なども気になります。
 管理会社を通じ施工業者に調査を行ってもらうのですが、素人なので、専門的なことがわかりません。何に注意をし調査をしてもらえばいいか、アドバイスをお願いいたします。よろしくお願いいたします。



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ハウテックさん

 察するところ、TAさんの上階はルーフバルコニーになっており、ここのアスファルト防水に何らかの問題があり、防水下に水が廻り込み、スラブのクラックを通じて、TAさん宅に水が浸入したものと思われます。本来であれば、上階の防水工事の不具合を発見し、これを是正するのが最も止水する上策となりますが、おそらく、防水の上に保護コンクリートを打設してあるはずで、これを剥がして防水の調査を行うことは専有使用権のあるバルコニーでは困難で、また、間違いなくこれが原因と特定できるものが発見するに至る保証もないため、次善のとりあえずの対応策として、注入を行ったものと拝察されます。これならば、上階の出入りもせずに工事ができるので、まあ、おおむね最初にとられる措置の一番手といえるでしょう。
 私見ですが、注入では滅多に防水は止まりません。なぜかというと、注入自体は確かに効果のある工法なのですが、水の浸入口が特定できていないでするため、対処しているその場所で止めても、水源が止まっていなければ、その水は他の場所に廻って、必ず別の部分で漏水を引き起こすことが経験上ほとんどだからです。ですから、注入が有効なのはある部分でここには水を出しても構わないという場所を設定し、ここに周りから注入をし、水の持っていく場所に追い込んでいくような状況の場合ぐらいでしょうか。地下鉄の階段なんかで漏水部分にステンレスで受け樋を付けているでしょう。ああいう、漏らしていい所に水を追い込むのには有効ということです。
 じゃあ、なんでそんな方法使うのと思われるでしょうが、一体どこから、水が入っているのか特定できていないから、すがる思いでやっているです。コンクリートを剥がすよりお手軽ですし。和室に出ているのもリビングで止められた水がそちらに逃げているのでしょう。施工業者さんもおそらく青くなっていると思います。
 では、どうすれば直るかというと、個人的には上階の防水を直すより手はないと思います。ただ、経験上、防水は平面上破れているケースは皆無で、あっても雨水の集水用のドレンの周りぐらいで後はほとんど立ち上がり廻りでの防水裏への回り込みが主です。ですから、バルコニーの立ち上がり壁(パラペットといいます)やサッシュの周りの埋め戻しやシールの総点検をもう一度やってもらうのが良いかと思います。上の階での作業ですから、施工業者は言いづらくて嫌がるのですが、注入じゃ直りませんから仕方ありません。クラックへの水の浸入は具体的にはコンクリートへの直接ダメージでなく、中の鉄筋を錆びさせ、鉄筋断面の体積を膨張することにより、爆裂という現象でコンクリート表面をさらに亀裂させます。まあ、ラーメン構造(柱と梁で持つ構造)でしょうから、スラブが欠損して、今すぐどうということにはなりませんが、当然、放っておくことでも断じてありません。
 とにかく、上階から止水工事に切り替えるように要望してください。ここで問題となるのは、すぐ素人さんやれ欠陥工事がどうの安心して住めない云々とはじまりますが、起きてしまったことはどうにもなりません。とにかく、直すつもりがあって対処しているのですから、一定の理解を業者にも与えて、是正工事をやらさせてあげてください。そういうコンセンサスが得るのが困難なため、注入などの安易な方向に目を向け勝ちになるんです。メンテナンスフリーの建物はありえません。純然たる瑕疵なので、遠慮せずに言って構いませんが、瑕疵補修をやりやすくできる状況は与えてやって欲しいと思います。


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マンションの換気について


<埼玉県朝霞市・EHさん(会社員・37歳・男)>


 築3年のマンションに住んでいます。新築で購入しました。キッチンの換気扇を一番強い状態で稼動させると、全ての扉が開きにくくなります。特に玄関は子どもが体当たりに近い状態で扉を押さないと開きません。
 3LDKですが、それぞれの部屋に吸気口があり全て開けています。ただキッチンから見える範囲には吸気口が一切ありません。一番近いところでも隣のLDに1つあるだけです。
 換気の点では問題はないのでしょうか? また高気密であることは体感上よく理解できましたが、これが何か弊害をもたらす可能性は無いのでしょうか?



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ハウテックさん

 EHさんのお宅の現象は大袈裟に言えば、日本全国どのマンションでも起こります。なぜか? 排気量に比して、給気量が圧倒的少ないからです。EHさんのお宅はまだ各部屋に給気口があるから良いですが、法定の150φ1個のマンションでは子どもは玄関扉が開けられない所もあります。これはサッシュの隙間から空気が浸入しようとして内圧が高まるため起きる現象ですが、なんでもかんでも高気密、高遮音を導入してサッシュの気密性ばかり上げるから、空気の入り口がなくなってしまったのです。
 じゃあ、給気口を増やせばいいじゃないかと思うでしょうが、音の浸入は嫌がるでしょ? みなさん。防音型の給気口はフィルター類で阻害され、ほとんど給気量が半減してます。お金も掛かるし、フィルターの清掃が必要でメンテナンスフリー好きの日本人の国民性に合いません。だから、ドアが重くなってもそのままなんです。昔は換気かまちといってサッシュに開閉できる小窓がついているのが多かったのですが、現状の高気密のサッシュでは無理です。あちらを取ればこちらということで、防音性をユーザーが喜ぶからこれを尊ぶことだけ言って、それに阻害された換気性能には頬かむりをしているのが実態です。サッシュ製造業者は換気性能なんか関係ないですからね。デベ、住宅メーカーは部材メーカーのいい所だけとって思わぬ所で別のクレームを作ったという好例でしょう。
 レンジフードを回すときは窓をちょっと開けてください。それで済む話です。欠陥とかそういうレベルの話ではないと思います。その補足として24時間換気をつけるマンションが増えていますよね(換気量はレンジフードの20分の1ぐらい)。気密と換気は同時に得られませんから、仕方ありません(お金をかければ、別ですよ)。


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この床下は問題ないの?


<Iさん(42歳・会社員)>


 はじめまして。恐れ入りますが、添付の写真をご覧ください。
 築20年程度の中古住宅(大手メーカーにより建てられた)を購入し、10年住んだ時点で、大幅なリフォームを行いました。
 先日、ガス工事のため、床下収納から除いたところ、添付写真のような状況でした。これは問題ないのでしょうか。それとも処置をしたほうが良いのでしょうか。お忙しいとは存じますが、アドバイスをお願いします。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 送っていただいた写真を拝見させていただきましたが、非常に情報量が少ないので、なかなか断定できません。わかる範囲で答えさせていただきます。
 写真に写っている部分の基礎は、もともと布基礎として施工されたものなのか、独立基礎として施工されたものなのかがわかりませんが(解体した跡があるので、もともと布基礎?鉄筋が見えないので無筋?)、現状としては独立基礎のようになっています。その上に木片が載っていて、さらに床組みが載っているのですが、この写真からは、この家の構造が在来なのかパネル工法なのかははっきりしません。いずれにしても、基礎と土台が緊桔されているようには感じられません。これによって何が問題かというと、地震等に対する強度に心配があるといえます。また、床下の地盤面も場所によって高低差があるように感じられます。これは、建てた当時には無かったとすれば、地盤の沈下があるのかもしれません。
 現在写真に写っている状況が建てた当時からのものなのか、大幅なリフォームをされた時にこうなったのかはわかりませんが、いずれにしても、信頼のできる業者さんにきちんと見てもらい、状況の把握とアドバイスをお願いしてはどうでしょうか? 今すぐ家がつぶれてしまうということはあり得ませんが、この先まだまだ住み続けていくとお考えならば、安心と納得をする上で一度相談されることをおすすめいたします。


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