住宅クレーム110番

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J110 News

珪藻土について


<SRさん>


 こんにちは。Sと申します。よろしくお願いします。
 新築予定なのですが、珪藻土を使用したいと思っています。汚れがつきやすく落ちないとか、崩れてくるとかいろいろ言われていますので、取り入れようかどうしようか迷っています。汚れても多少は自分で何とかできるのかなど知りたいので、教えてください。
 よろしくお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 珪藻土を塗り壁に使用する場合のポイントは、
1)下地の木材の乾燥(乾燥収縮による変位を防ぐために乾燥材を使用する)
2)石膏ボードの張り方(構造的に力の掛かるところとジョイントを合わないようにする)

 乾式工法の下地に柔軟性のない薄い湿式の塗り壁をするので、下地が動かないことが絶対の条件になります。塗装のドライウォールを仕上げるときも同じです。柔軟性のあるビニールクロスが一般的になってから下地に対する認識が甘くなっていますが、塗り壁の場合、根本から変えないとクラック等に対応できずクレームの対象になってしまいます。
 今回の質問は珪藻土に対するメンテナンスのお話ですが、当社では珪藻土が標準仕様になっており、ほとんどに取り入れて施工しています。しかしながら、アフターメンテを含めて問題にはなっていません。当社では床も無垢材を使用し、木製サッシをも標準にしています。安心・安全はもとより、手づくりの味と自然素材の質感を大切にし、経年美化をモットーにしているからです。事前にお客様と十二分に話し合い、納得の上で使用していただきたいと思います。
 手づくりの自然素材を使用することの考え方をしっかり持った上で、アフターメンテのお話をしますと、最初に、簡単な汚れは消しゴムで落とし、次に濡れた布でごしごし削り取る(初めは濡れて黒くなるが乾くと元どおりになります)。最後には部分補修(新しい内は部分塗り替えで対応できます)。何年か経った場合は色が微妙に合わないので、その壁面の塗り替えになります。基本的にはクロスと同様にとらえて良いと思います。


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サイディング間の隙間について


<埼玉県桶川市・TMさん(会社員・45歳・男)>



 外壁取り付けについて教えていただきたい。
 わが家は新築から5年経ちました。サイディング間の隙間にコーキング剤が埋め込まれていますが、それぞれの箇所で隙間の間隔にかなり違いがあり、剥がれている部分もありました。サイディング間の隙間の基準値はあるのでしょうか? 剥がれている部分は隙間が30ミリくらいありますが、問題ないのでしょうか?
 よろしくお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 サイディングの継ぎ目のコーキング幅は、そのサイディングの厚さと同等の幅が基本となります。通常のサイディングは15ミリ程度が普通です。また、三点接着といって、サイディングとサイディングの継ぎ目の下地にバックアップ材を入れて、その下地にコーキングがくっつけば、すぐに剥がれてしまいます。コーキングはサイディングとサイディングの二点接着でなければ、外壁の収縮や構造体の動きに収縮応力ができなくなります。
 本件においては、厚さの何種類ものサイディングを使用することはマレなので、かなり乱暴な施工を行ったように思えます。したがって、三点接着を行っている可能性もあり、これは施工ミスにあたりますので、施工者にきちんと調査していただいて、しかるべき補修を要求すべきと思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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2階に庭をつくりたい


<愛知県豊田市・IHさん(42歳・女)>



 只今、大手ハウスメーカーで建築を予定しています。そこで悩んでいることがあります。何かアドバイスをいただけましたら幸いです。
 キッチン、リビングを2階でと考えています。その2階にキッチンとリビングに面して庭(3.5メートル四方)をつくろうかと考えていますが、防水シートの期限が10年くらいしかないと聞き、躊躇しています。
 10年ごとに2階の庭の芝生などを剥がして前面塗装し直さなければならないのでしょうか? また、費用はどのくらいのものでしょうか? ちなみに庭の下は寝室です。
 よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 このごろは断熱効果や自然とのふれあいを期待して、屋上緑化に取り組む例が増えています。過去には根が防水層を傷めてしまったり、メンテナンスするにしても持ち込んだ土をどけないといけないので厄介だったり、重くて構造計算が必要だったり、さまざまな教訓がありました。その後、「坊根・耐根」のシートができ、人工土壌の軽量化も進み、躯体強度を高めなくても客土することが可能になり、屋上緑化は身近なものになってきています。
 現在はさまざまなメーカーから「育苗・保水・排水」の機能を持ったカセット式のものが販売されており、防水シート、金属防水(金属屋根)の下地にシステム化されています。
 質問の中で期限が10年とあるのは、ほとんどの防水工法が10年保障になっているからと思いますが、むしろ露出した防水よりは直射日光を受けないので有利に働き、もう少し寿命が延びると思います。
 葺き替えについては、やはり緑化システムを一度撤去し、新たに行うことになります。施工のイニシャルコストと耐久性・葺き替えを合わせたランニングコスト、さらにはシステムの安全性、メーカーの信頼性を考え検討してください。


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天井裏の梁の亀裂


<東京都東村山市・MAさん(会社員・43歳・男)>


 6年前に新築で購入しました。先日、キッチンの排水から排水パイプが詰まり、水漏れした際に天井裏に入ってみると、梁に亀裂が入っていました。写真を添付しますが、建ててくれた工務店に電話で問い合わせたところ、乾燥すると亀裂は入りますとのことでした。
 この程度は普通のものなのでしょうか? それとも補修が必要なものなのでしょうか? どうか教えてください。



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建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 梁の亀裂は木材の乾燥による場合と荷重に耐えきれなくなって入る場合があります。木は天然材なので、工務店のお話のように多少の亀裂はやむを得ません。入っている位置も中心より上なので、梁裏側の亀裂状況がわかりませんが、この写真を見る限り大丈夫だと考えます。
 このようなケースで補強が必要になる場合は、亀裂の方向が梁中央下部に向かって深く入っている場合や、亀裂の位置がこの部材を受けている梁などに刺さっている部分に欠き込みがある場合(写真の梁もそうなっています)に、その部分からの亀裂は、単に乾燥だけではなく梁に掛かる荷重により入る場合も考えられますので、その場合はボルトなどでの補強が必要な場合があります。
 しかし、ご相談の梁はそのような状況にはなっていませんので、補強の必要はないと考えます。


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水漏れで集成材の接着力は低下しない?


<長野県上田市・TTさん(会社員・34歳・男)>


 はじめまして。最近非常に不安に思うことがあり、相談に乗っていただけるところがないかと探しているうちに、このHPを拝見したのでメールさせていただきます。
 昨年、家を新築し入居間近に大変な事故が起こりました。2階のトイレから丸3日間、水が漏れ続けたのです。水道メーターから推測すると9立方メートルにも上ります。この事故により、1階・2階の壁紙、床板、2階の天井などすべてが水に浸かってしまいました。
 建築業者は『乾かせば大丈夫』というので、事故後に天井と壁をすべて剥がして2ヵ月後に修復し、ついに入居することができました。表面上は問題なく直り、現在は普通に生活しております。
 しかし当時は考えなかったのですが、最近になって非常に不安になってきた事項があります。果たして集成材は、3日という長期間水にさらされて接着力は低下しないものなのでしょうか? 接着剤は水性高分子イソシアネートです。JAS K6806では浸漬剥離試験や煮沸剥離試験などを規定していますが、いずれも加速試験であるため、私が被った3日間、濡れ続けることに対する接着力の低下については想像がつきません。
 果たして、わが家の柱そして構造用合板は通常の家に比べてどの程度のダメージを受けたのでしょう? 見解をいただければ幸いです。よろしくお願いします。



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ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 専門的なご質問なので、北海道立林産試験場(0166-75-4233)に相談いたしました。
 その結果、JAS(日本農林規格)の認定を受けた構造用の集成材であれば接着に問題はないそうです。しかし、その後の乾燥の状態や、乾燥の過程での木材自体の割れによる性能の低下は考えられるそうなので、ご確認ください。私自身も、構造材が濡れることには注意していますので驚いていますが、心情的にも濡らさないほうが良いのは当然です。また、床下の土や断熱材の状態も心配なので、確認したほうが良いと思います。


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内壁のヒビが大きくなっています


<埼玉県新座市・ETさん(会社員・39歳・男)>


 建売の住宅で築4年になりますが、2年目くらいから内壁にヒビが入りました。最初は1ヵ所だけで、10センチ程度が1年で20センチ程度になったため、工務店に来てもらい、直してもらいました(隙間を埋めただけです)。そして今年4年目でまた同じ部分がヒビ割れ、約30センチになってしまいました。気が付いたら、他の部屋の窓枠の上、天井と4ヵ所みつかり(天井は電気を真ん中にして直線に1本)、また、工務店に来てもらい、同じように隙間を埋めてもらいました。説明では収縮するので仕方ないとのことでしたが、4年経過してもまだこんなことが起きるのでしょうか?
 天井以外は、窓枠の上、天井に向かって約20センチから30センチのヒビです。埋めた部分がまたヒビ割れてくるのはどういうことなのでしょうか? 欠陥ではないかと心配です。工務店は、呼んでも1ヵ月経っても連絡してこないような業者です。ドアの建具の不具合も結局直さずじまいです。どうしたらいいですか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 本件の内壁の種類がわかりませので、断定的な言い方はできませんが、重要な構造部分の欠陥によることが原因なら、外壁にクラック(亀裂)が生じます。集成木材や人工乾燥木材を使用しても、ある程度の内装のヒビは生ずるものです。ドアの開け閉めの不具合があることから判断して、価格を安くするために、自然乾燥木材で構造躯体を組み立てた可能性があります。
 ちなみに昔はほとんどの住宅がこの自然乾燥木材で建築したものです。文面から判断して、塗り壁ならこのようなヒビが入るのも不思議ではありません。また、石膏ボードにクロス仕上げでも、ある程度のヒビが出るものです。
 いずれにしても、外壁に大きなヒビがないのであれば、重大な欠陥と言えないと思いますので、施工者に根気よく交渉して補修していただくべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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出窓が雨漏れを起こすんです


<岐阜県可児市・S・Tさん(会社員・37歳・男)>


 新築で建てて8年目になるんですが、もう4〜5年ぐらい前からなんですが、台風とか風向きによって、1階のリビングの出窓が雨漏れを起こすんです。最初の頃はそれほど気になる程度ではなく、うっすらと染みている程度の状態でしたが、年々ひどくなる一方で、つい先日の台風ではかなりの量(バケツで受けるぐらい)が、漏れていました。
 何度も業者の人には見てもらっているんですが、原因がよくわからない状態が続いていました。が、ようやくわかったのは、屋根の縁の部分のコーキングが切れているのが原因じゃないかとのことです。
 こういった状態であれば、完全なクレームということになるんでしょうか? ぜひ、どなたか教えてください。
 よろしくお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 平成12年の4月以降に新築した住宅には、瑕疵担保責任といって、雨漏りと構造体の竣工時の瑕疵(不当工事)に対して10年間の施工者責任が義務化されました。8年目となるとその以前の建物なので、その法律の範囲外となります。
 このような雨漏りトラブルは、仮に法律の範囲に入っていたとしても、竣工時に瑕疵があったかどうかを判断するのはたいへんに難しい判断を要します。
 本件は瑕疵担保責任の対象外ですが、屋根の部分のコーキングが切れていることがわかっているのであれば、その補修は極めて簡単です。
 施工者に感情的にならず、穏やかに事情を説明して、できるものなら無料で補修していただくように、上手に交渉することが賢明と思われます。  

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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擁壁の欠け・ヒビに関して


<匿名さん>


 初めまして。HPを拝見して、質問したいことがあり、メールさせていただきました。
 建売の新築一戸建て住宅の契約をし、現在、擁壁工事を行っているところです。擁壁の高さは道路から約2.5メートルになります。先日、現場の進捗を確認しに行ったところ、擁壁の一部が欠けているのを発見し、またヒビ割れのようなものも見られました。その写真を添付しました。
 鉄筋のようなものも見えておりますし、擁壁としての強度が十分なのか心配になります。不動産会社に問い合わせたところ、修復をした、とのことなのですが、そんなに簡単に修復ができるものなのでしょうか? おそらく、上からコンクリを塗り直した程度だと思うのですが…。
 どのような原因で写真のような状態になるのか、また上から塗り直せば大丈夫なのかをお教えいただければと思います。

よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

 コンクリートの打設(だせつ−コンクリートを型枠に入れることをダセツという)の不良でしょう。
 本来は打設打ち直しであろうが、型枠から水が漏れていないので、あまり隙間が多いようであれば、ある程度斫り、無収縮モルタルを充填することが良いでしょう。
 ただし、一部の写真を見ての意見です、近くの建築士に相談されることを望みます。


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