住宅クレーム110番

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マンションの吊り戸棚を外したら…


<埼玉県戸田市・匿名さん(会社員・25歳・女)>


 今年の3月にマンションを購入しました。キッチンに吊り戸棚があったのですが、たいへん使いづらかったため、取り外すことにしました。その際、売主営業の方に相談したのですが、「相当重いが、取り外せると思う」との回答でした。そして、先日取り外してみたのですが、戸棚の裏側は全くクロスが張られておらず、天井も開きっぱなしで、24時間換気のための空洞が見える状態でした。特に天井をふさぐのに、この戸棚の上部で覆っただけとは驚きです。
 早速、売主に確認したところ、そういうものだという説明を受けましたが、本当にそういうものなのでしょうか? 県の住宅相談センターにて相談したところ、間違いなく手抜きで無償で修理してもらえると言われたのですが、どうなのでしょうか?
 みなさんのご意見をお聞かせください。



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ハウテックさん

 うーん。通常の工程上では天井、壁のボードを張ってからキッチンをセットしますから、基本的には、吊り戸や流し裏にはボードが必ず張ってあります。クロスは張っていなくても当然構いません。その意味ではやはり良い工事ではありませんね。
 私は同じ世界に身を置く人間なので、手抜きという言葉は使いたくありません。例えば大工さんが、天井下地もボード張りも吊り戸取り付けも全部やるのであれば、これは手抜きでしょうが、マンションは下地は軽鉄屋、ボードはボード屋、吊り戸は流し屋とみんな違う業者です。ですから、吊り戸の上にボードを張らない必然性が生まれてこないのです。それっぱかし、ボードを張らないことでどれだけ手間が抜けるでしょう。ですから、手抜きでそうしたというより、むしろそうしないとならなくていけない条件があったと考えるのが妥当です。たとえば、天井高さを間違えていて、ボードの厚み分、吊り戸の脇のレンジフードなどが納まらず、実は少し埋めこんであるとか、小梁が天井裏にあって下地が組めなかったとか、どんな風に納まっていたのかわからないので、これ以上は申せませんが、経験的にはそんな気がします。開口をあけるほうが手間を食うときもあります。
 住宅相談センターの方はそういう納まりなどわからないでしょうから、通り一辺のアドバイスになると思います。一度、ゼネコンの監督などの経験がある人に見てもらえば、その隠された本当のインチキが判明するのですが…。
 いずれにしろ、結果はおっしゃるとおりの手抜きですが、隠されたインチキも追究してください。それがわかってから、売主に言って直してもらうべきかと思います。


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中古住宅の補修について


<愛知県尾西市・Oさん(会社員・35歳・女)>


 はじめまして。2年前に築19年の中古住宅を購入して、近々、外まわりの補修を考えています。
 一番気になるのが、基礎部分のコンクリートです。2ヵ所だけヒビ割れがひどく、その部分だけコンクリートが劣化しているように思えます。劣化というより、最初からその部分だけコンクリートの質が違うようにも思えます(とても粗い感じです)。1ヵ所は、中の鉄筋(?)の色だと思いますが、茶色い色がにじみ出ています。
 補修には、金額的にかなりかかるだろうと覚悟していたのですが、業者に見積もりを出してもらったところ、驚くほどの安価で…、とても不安になりました(2ヵ所で2〜3万円))。たぶん、ヒビ割れ部分の表面を塗るだけなのだと思います。基礎部分のヒビ割れの補修はその程度で良いのでしょうか? 別の業者が留守のときにその部分を見て、後日、家の者に「これは、大変なことになりますよ」と言い残したということもありました。あまりにも両極端で、いったいどちらが正しいのか…わからなくて困っています。
 基礎部分の補修を依頼するのは、どのような業者が良いのでしょうか? ネットでいろいろと調べたのですが、専門業者がどのような名称で呼ばれているのかがわからなくて、なかなか見つけることができません。補修方法・金額的なものなど、いろいろと相談ができる業者さんが良いのですが…。
 また、1年ほど前から家の中にいると、パシっパシっという小枝が折れるような音がするようになりました。天候や季節に関係なく、昼夜を問わず鳴っています。外壁の関係なのでしょうか? 外壁も塗り直しの予定をしていますが、塗り直しで直ったりするものなのでしょうか?
 いろいろと質問してしまって申しわけありません。何分、住宅に関しては知識が乏しく、わからないことだらけで不安な気持ちでいっぱいです。お手数ですが、ぜひぜひご意見・アドバイス等をお願いいたします。



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建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 まず基礎のヒビ割れについてですが、大きく分けて、コンクリートの乾燥収縮による強度には影響のないヘアクラックと呼ばれるものと、構造クラックという強度が保たれない状態のヒビ割れがあります。これらの補修方法はといいますと、そのヒビ割れ幅によって大きく異なりますし、診断した建築士なり業者によっても若干違うと思います。補修方法には、ヒビ割れ部をV字型に切り取りシーリングする方法、ヒビ割れ部に樹脂を注入する方法、さらにはヒビ割れ部周辺のコンクリートを大きくはつり取り鉄筋のサビを落とし、特殊セメント等で補修する方法などありますが、何を選択するかはその状況により大きく異なります。
 基礎表面が粗い感じというのは、想像でしか言えませんが、ジャンカと言われている現象ではないでしょうか。ジャンカは、コンクリートを打ち込むとき型枠に振動を与え、セメントペーストを隅々まで行き渡せるのですが、それが不十分だと表面に気泡が残り、骨材などが表面に現れてしまう現象です。ジャンカなのであれば、強度的にはあまり影響はなく、表面の補修で十分です。
 あと、音の問題ですが、まず原因をはっきりさせることは必要です。家の構造体や地盤の問題、また水まわりや電気等の設備関連。可能性を考えたら切りがありません。また単純に家以外からの音かも知れません。いずれにしても、信頼の置ける建築士、業者等にご相談されることをおすすめいたします。ただ、注意したいのは、一方的に不安を煽るような言い方をする業者等は信用できません。今や建築業界もインフォームドコンセントが重要です。現在の状況や修復方法などの説明を十分にしてくれる建築士、業者を探してください。各行政機関や各建築士事務所協会などでも相談窓口がございますので、まずはそちらに相談されてはいかがですか。


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新築の外壁のヒビについて


<徳島県板野郡・MSさん(会社員・38歳・男)>


 2003年11月末に新築住宅を大手メーカーさんに建てていただきました。家の周りの地形が、結構大きな一級河川に沿った平地で、支流の川岸より高く造成し、その半年後に地盤調査してから家を建てました。東西に向かって流れる川の上を行き交う風が非常に強く、植栽も十分整っていないため、冬の北西の風が非常に強く感じられる場所になっています。
 外構は個人的に大工さんにお願いして、物干し用のテラス?を1〜2階の間の外壁に固定する形で屋根を取り付けました。その際、固定を確実にするため家の図面を渡し、柱の位置を把握しつつ固定していただきました。
 半年経ったゴールデンウィークに、テラス屋根の固定部付近に外壁のヒビを確認しました。風でテラスの屋根があおられ、外壁を引っ張った感じでヒビが入ったのか?と思いつつ周囲を見渡してみると、窓枠の下から縦や斜めにヒビがあるのを確認しました。さらに家の四隅にもヒビがあり、10m×7.2mの総2階の切妻屋根の家ですが、風の影響だけとは思えない状況になっていました。
 外壁は内側から構造体としてのパネル、防水シート、ラス、モルタル、弾性リシン吹きつけ仕上げとなっています。メーカーのメンテナンス担当の方に連絡し見ていただいたところ、補償範囲なのは0.5mmですが、現状0.35mmとのこと。モルタルの伸縮による亀裂は起こり得るし、その伸縮は1年で落ち着くので、あと半年様子を見て、1年経過時点で補修しましょう。ただし、補修はヒビを埋め込む方法になるので、窓枠から涙が垂れているように見えるかもしれません、ということでした。
 やっとの思いで新築した家の外壁が、半年で斑のある壁になるのが何とも納得できないところです。こんな短期間でも全面補修はできないのでしょうか? 品確法の基準では困難かもしれませんが、社会正義となる顧客満足の点でも全面補修を要求するのは不適切でしょうか?
 ご返答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。



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 新築してまだ7〜8ヵ月しか経たないのに外壁モルタルのヒビ割れがひどく、できれば全面補修してほしい、ということですね。ヒビ割れの原因と責任、美観的な尺度、メーカーとしての対応、そして建て主の許容範囲が解決するための要因として考えられます。

・ヒビ割れの原因としては、モルタル材料や施工、建物の構造体、地盤等の問題が考えられます。しかしそれらを詳しく調査をしなければ、責任は明確になりません。責任と割合がはっきりしなければ、メーカーも補修費を出さないと思います。現時点では、そこまでしてはっきりさせるかどうかの判断をしなければなりません。

・美観的な尺度は、私も見てないので「これはひどい」とかは言えませんが、はっきりしていることは建て主が「これはひどい」と感じているということです。メーカー側は対応する姿勢を見せているので、あとはどこまでしてくれるのか、建て主がどこまで我慢できるかがポイントになると思います。

・ハウスメーカーの対応に関しては、新築が減りだしているので最近は良くなってきているようですが、杓子定規な対応は相変わらずのようです。「社会正義と顧客満足」でどこまで対応してくれるか、一度試してみてはいかがでしょうか。

・建て主の許容範囲は人によって随分と違います。問題を進めていく中でそれなりに決まってきますし、決めざるを得ないことだと思います。この文面だけでは、本当に「ひどく全面補修が必要」なのかの客観的判断が必要だと思いますので、お近くの専門家のアドバイスを受けられることをおすすめします。もしかしたら、新たなを解決方法が見つかるかもしれませんよ。


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マンションのゴミ回収時の騒音と振動


<匿名さん>


 はじめまして。HPを拝見し、どうしたらいいのかわからなく、悩みの相談に乗っていただけるかと思い、投稿させていただきます。
 昨年4月に新築マンションを購入後に引越し、1階住戸なのですが、ちょうど居間の地下部分が、ごみ置き場になっています。週4回、ごみの回収時に、壁や窓ガラスなどにビリビリと振動が走り、ごみの量が多い曜日には5〜10分ほど地響きのような状態になります。短い時間だし…と我慢していましたが、とうとう額縁が落ちてきました。金具が緩んでいたのかもしれませんが、回収トラックのアイドリングのためでしょうか。子ども(2歳)が居間で遊んでいるとき、びっくりして泣き出したり、お昼寝から目覚めたりと、だんだんストレスも溜まりつつあるようです。隣の住戸は真下ではないので、あまり気にならないそうです。回収トラックの来る時間に不在なことが多いから…とも、おっしゃっていましたが。
 そんなに振動って伝わるものでしょうか? 施工上の問題なのか、回収車の振動が大きいからなのか。まず、こういう場合、どなたに相談したらいいのか悩んでいます。ご指南のほど、よろしくお願いいたします。



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ハウテックさん

 最近は階下に駐車場があるマンションが多いので、その騒音についてのクレームはよく聞きますが、車の振動までも伝わるというのはちょっとひどすぎますね。
 推測いたしますに、ごみ置場ということなので、ごみ置場を囲むコンクリートの壁があるはずです。駐車場ですと、以外と外壁部以外は柱ばかりで、柱は固有振動数も大きいので振動が伝わりづらいのですが、ごみ置場の壁ですと雑壁でそんなに厚くなく、これは固有振動数も低く振動を伝えやすい状況になると思います。
 解消するには、この壁を補強するとか、そんなレベルの話はとても今さらできません。使い勝手を管理組合で変えてもらうよりありません。台車でも置いて、そこまで車が入らないように制限するように要求してみてください。ごみ回収車が近くまで行けないと回収しないと、自治体はそんなことを言うので仕方ありません。管理会社に、ごみ回収車の音がしない位置まで台車などで毎回運んでもらうよう要求するしかないでしょう。ただし、この要求は売主を巻き込んでするようにしてください。個人でやれば反発がきます。でも、我慢する必要はありません。きちっと要求しましょう。


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マンションの北側クローゼットの結露対策について


<兵庫県尼崎市・OMさん(会社員・38・男)>


 築2年の14階建てのマンション(13階に住む)で、方向は南側にベランダ、北側は廊下になっています。クローゼットは北側居室の外壁と一体となっている構造で、その構造は、外壁:コンクリート160ミリ+発泡ウレタン25ミリ+一般空気層+石膏ボード9.5ミリ+クロス仕上げで、GLボンド工法により石膏ボードは取り付けられています。また、クローゼット横には、30センチほど離れてサッシ窓があります。
 結露の状況ですが、冬場12月ごろから結露しており、そのままにしておくとすぐにカビが発生する状況です。サッシ枠等からの冷気の影響で、一般空気層が通気層になり、石膏ボードだけの断熱性能になっているのではないかと、ハウスメーカーに苦情を申し立てたのですが、論理的な回答はなく、「換気をしてください」の一点張りに近い回答です。一般空気層が空気層であれば、断熱性能は保たれると思うのですが、GLボンド工法において、一般空気層が通気層になり得る可能性は低いものでしょうか。また、東側のベランダ側にも外壁と一体となっているクローゼットがあるのですが、結露は発生していない。GLボンド工法の結露事例などありませんか? お教え願います。
以上



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ハウテックさん

 北側のGLは確かに、ウレタンの吹き付けが悪い場合など結露してカビの生える事例が多いです。特にクローゼットは閉め切りになり、衣服自体も必ずしも乾燥しているわけではないので、他の箇所より断然結露が多くなります。また、ウレタンの吹き付けは施工のやり方でムラが出やすく、25ミリ吹き付けが実は20ミリしかないなどよくあり、精度において若干信頼性が乏しい部分もあり、心配なさるのも無理からぬところです。
 ご懸念の空気層の湿気ですが、近くにサッシがあるということで、これも不利な条件になるというのはお見込みのとおりです。サッシまわりは本来しっかり断熱しないと非常に結露しやすい箇所ですが、工程的にサッシを取り付ける前にウレタンが先行したりして、サッシ埋めのモルタル部分をウレタン補修でしたり、紛れのある場合も多く、要注意の箇所です。基本的にはきっちりウレタン25ミリであれば、寒冷地ではないので、しのげるはずですが、上記のような紛れがあればその限りではありません。
 どのみち結露するのであれば、一旦クローゼットとサッシまわりのボードを剥がして、吹き付けの厚さなどをチェックなさったらいかがかと思います。足りなければ堂々と売主に直してもらうよりありませんが、サッシまわりは実際は枠も外さないと完全なるチェックは難しいかと思います。その場合、復旧までのことを考えると、かなり長い時間を要しますし、なおかつウレタンを吹く施工も住みながらでは困難かと思います。
 比較的被害の少ない方法としては、とにかくカビが生えることは事実なのだから、クローゼット内のボードは断熱スチロール付をS1工法で密着張りして、吹き付けが不足しているかもしれない部分を補い、かつサッシまわりの欠損しやすい断熱部からの湿気を含んだ空気と縁が切れるように、GLボードをカットしてシールを打つのがよいかと思います。
 原因追究という意味では消化不良ですが、ずるずるやられるより早く直すほうが先決かと思います。また、クローゼットの扉などはなるべくアンダーカットを大きく取るとか、袖壁があれば通気口を取り付けるなどの手を加えたら良いかと思います。いずれにしろ、お考えのとおりと思われますので、参考にされて売主に要望してみてください。


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