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中古住宅の補修について<愛知県尾西市・Oさん(会社員・35歳・女)>
はじめまして。2年前に築19年の中古住宅を購入して、近々、外まわりの補修を考えています。
一番気になるのが、基礎部分のコンクリートです。2ヵ所だけヒビ割れがひどく、その部分だけコンクリートが劣化しているように思えます。劣化というより、最初からその部分だけコンクリートの質が違うようにも思えます(とても粗い感じです)。1ヵ所は、中の鉄筋(?)の色だと思いますが、茶色い色がにじみ出ています。 補修には、金額的にかなりかかるだろうと覚悟していたのですが、業者に見積もりを出してもらったところ、驚くほどの安価で…、とても不安になりました(2ヵ所で2〜3万円))。たぶん、ヒビ割れ部分の表面を塗るだけなのだと思います。基礎部分のヒビ割れの補修はその程度で良いのでしょうか? 別の業者が留守のときにその部分を見て、後日、家の者に「これは、大変なことになりますよ」と言い残したということもありました。あまりにも両極端で、いったいどちらが正しいのか…わからなくて困っています。 基礎部分の補修を依頼するのは、どのような業者が良いのでしょうか? ネットでいろいろと調べたのですが、専門業者がどのような名称で呼ばれているのかがわからなくて、なかなか見つけることができません。補修方法・金額的なものなど、いろいろと相談ができる業者さんが良いのですが…。 また、1年ほど前から家の中にいると、パシっパシっという小枝が折れるような音がするようになりました。天候や季節に関係なく、昼夜を問わず鳴っています。外壁の関係なのでしょうか? 外壁も塗り直しの予定をしていますが、塗り直しで直ったりするものなのでしょうか? いろいろと質問してしまって申しわけありません。何分、住宅に関しては知識が乏しく、わからないことだらけで不安な気持ちでいっぱいです。お手数ですが、ぜひぜひご意見・アドバイス等をお願いいたします。 アドバイスいたします 建設大臣賞受賞 リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員) 代表 廣瀬 誠 電話:011(882)1200 ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/
まず基礎のヒビ割れについてですが、大きく分けて、コンクリートの乾燥収縮による強度には影響のないヘアクラックと呼ばれるものと、構造クラックという強度が保たれない状態のヒビ割れがあります。これらの補修方法はといいますと、そのヒビ割れ幅によって大きく異なりますし、診断した建築士なり業者によっても若干違うと思います。補修方法には、ヒビ割れ部をV字型に切り取りシーリングする方法、ヒビ割れ部に樹脂を注入する方法、さらにはヒビ割れ部周辺のコンクリートを大きくはつり取り鉄筋のサビを落とし、特殊セメント等で補修する方法などありますが、何を選択するかはその状況により大きく異なります。
基礎表面が粗い感じというのは、想像でしか言えませんが、ジャンカと言われている現象ではないでしょうか。ジャンカは、コンクリートを打ち込むとき型枠に振動を与え、セメントペーストを隅々まで行き渡せるのですが、それが不十分だと表面に気泡が残り、骨材などが表面に現れてしまう現象です。ジャンカなのであれば、強度的にはあまり影響はなく、表面の補修で十分です。 あと、音の問題ですが、まず原因をはっきりさせることは必要です。家の構造体や地盤の問題、また水まわりや電気等の設備関連。可能性を考えたら切りがありません。また単純に家以外からの音かも知れません。いずれにしても、信頼の置ける建築士、業者等にご相談されることをおすすめいたします。ただ、注意したいのは、一方的に不安を煽るような言い方をする業者等は信用できません。今や建築業界もインフォームドコンセントが重要です。現在の状況や修復方法などの説明を十分にしてくれる建築士、業者を探してください。各行政機関や各建築士事務所協会などでも相談窓口がございますので、まずはそちらに相談されてはいかがですか。 |
新築の外壁のヒビについて<徳島県板野郡・MSさん(会社員・38歳・男)>
2003年11月末に新築住宅を大手メーカーさんに建てていただきました。家の周りの地形が、結構大きな一級河川に沿った平地で、支流の川岸より高く造成し、その半年後に地盤調査してから家を建てました。東西に向かって流れる川の上を行き交う風が非常に強く、植栽も十分整っていないため、冬の北西の風が非常に強く感じられる場所になっています。
外構は個人的に大工さんにお願いして、物干し用のテラス?を1〜2階の間の外壁に固定する形で屋根を取り付けました。その際、固定を確実にするため家の図面を渡し、柱の位置を把握しつつ固定していただきました。 半年経ったゴールデンウィークに、テラス屋根の固定部付近に外壁のヒビを確認しました。風でテラスの屋根があおられ、外壁を引っ張った感じでヒビが入ったのか?と思いつつ周囲を見渡してみると、窓枠の下から縦や斜めにヒビがあるのを確認しました。さらに家の四隅にもヒビがあり、10m×7.2mの総2階の切妻屋根の家ですが、風の影響だけとは思えない状況になっていました。 外壁は内側から構造体としてのパネル、防水シート、ラス、モルタル、弾性リシン吹きつけ仕上げとなっています。メーカーのメンテナンス担当の方に連絡し見ていただいたところ、補償範囲なのは0.5mmですが、現状0.35mmとのこと。モルタルの伸縮による亀裂は起こり得るし、その伸縮は1年で落ち着くので、あと半年様子を見て、1年経過時点で補修しましょう。ただし、補修はヒビを埋め込む方法になるので、窓枠から涙が垂れているように見えるかもしれません、ということでした。 やっとの思いで新築した家の外壁が、半年で斑のある壁になるのが何とも納得できないところです。こんな短期間でも全面補修はできないのでしょうか? 品確法の基準では困難かもしれませんが、社会正義となる顧客満足の点でも全面補修を要求するのは不適切でしょうか? ご返答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 アドバイスいたします 建設大臣賞受賞 リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員) 代表 廣瀬 誠 電話:011(882)1200 ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/
新築してまだ7〜8ヵ月しか経たないのに外壁モルタルのヒビ割れがひどく、できれば全面補修してほしい、ということですね。ヒビ割れの原因と責任、美観的な尺度、メーカーとしての対応、そして建て主の許容範囲が解決するための要因として考えられます。
・ヒビ割れの原因としては、モルタル材料や施工、建物の構造体、地盤等の問題が考えられます。しかしそれらを詳しく調査をしなければ、責任は明確になりません。責任と割合がはっきりしなければ、メーカーも補修費を出さないと思います。現時点では、そこまでしてはっきりさせるかどうかの判断をしなければなりません。 ・美観的な尺度は、私も見てないので「これはひどい」とかは言えませんが、はっきりしていることは建て主が「これはひどい」と感じているということです。メーカー側は対応する姿勢を見せているので、あとはどこまでしてくれるのか、建て主がどこまで我慢できるかがポイントになると思います。 ・ハウスメーカーの対応に関しては、新築が減りだしているので最近は良くなってきているようですが、杓子定規な対応は相変わらずのようです。「社会正義と顧客満足」でどこまで対応してくれるか、一度試してみてはいかがでしょうか。 ・建て主の許容範囲は人によって随分と違います。問題を進めていく中でそれなりに決まってきますし、決めざるを得ないことだと思います。この文面だけでは、本当に「ひどく全面補修が必要」なのかの客観的判断が必要だと思いますので、お近くの専門家のアドバイスを受けられることをおすすめします。もしかしたら、新たなを解決方法が見つかるかもしれませんよ。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |