住宅クレーム110番

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屋根の結露水が天井にしみています


<富山県高岡市・AMさん(自営業・39歳・女)>



 築5年の鉄骨住宅です。1階は駐車場で、2階部分が住宅です。
 今年の冬、座敷の天井のシミに気づき調べたところ、セッパンの屋根が結露して、その水滴が天井にしみているためだとわかりました。建築時、無知な私たちは結露の心配などまったくわからず、建築士にお任せ状態だったのです。
 今回のことを相談したところ、「高い断熱法はいくらでもあったのだけれど、予算などの関係でこのような方法になりましたから仕方ない」というような話をされ、建築時に説明してくだされば多少金額が高くなっても施工したのに…とショックでした。対策としては、屋根裏に断熱材などを再度施すという方法は屋根裏が狭くて無理といわれ、屋根の上に断熱材を入れて、もう一枚屋根を張る…という話です。
 屋根裏の断熱材は本当に無理なのでしょうか? 屋根を二重にする方法は効果的でしょうか? また、価格も心配です。ほかに良い方法などないのでしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 住宅を建築する上で一番大切なことは「結露のしない家をつくる」ことと思います。結露が生じると木は腐り、鉄は錆び、耐久性の基本性能が損なわれ、カビ・ダニの発生からシックハウス(ハウスダストアレルギー)の問題にもつながります。
 特に鉄骨の建物は木造(木材はそのものが断熱材)に比べて結露しやすく、断熱・気密のしにくい工法といえると思います。そのために建築士の方も特に考慮すべきなのに、予算のせいにするとはプロとして許されないことと思います。
 対策としては、
1、気密=壁の気流止めをする。
2、断熱=天井の断熱を完全にする。
3、換気=壁・天井で止め切れなかった暖かい湿った空気を屋根裏で抜く。排気する。
以上が必要です。

 1に関しては、私たちの新住協の断熱改修(リフォーム)で確立された工法です。外周・間仕切り壁の内部を空気(冷えた空気が下から入り、室温で温められ上昇する)が流れ、煙突現象として屋根裏に入り込むのを、壁上部の気密化を図り、止める施工が必要です。湿った暖かい空気は冷やされると水になります。したがって、トータルとして壁、天井の気密・断熱化を図ることと、屋根裏の空気の滞留を防ぐために換気計画を立てること。さらには屋根裏の鉄部分に現場発砲ウレタンなどを施し、空気を冷やす要因をなくすことが必要です。屋根上の話は、まず内部から、これらの工事を確実に行い、状況を見てからで良いと思います。
 施工にあたっては、高い高気密・高断熱、断熱改修の技術が求められますので、これらを得意にしている業者を選定してください。


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トリプルガラスのサッシ下部に結露が!


<岩手県盛岡市・UYさん(会社員・46歳)>



 平成14年12月に2×4、外断熱で新築しました。とにかく結露がしない、暖かい家を条件にプランし、オール電化でまとめました。熱の逃げ道となる開口部(窓、戸)には、木製トリプルサッシを全窓・全戸に採用し、断熱対策は万全のつもりでしたが、外気温が−5℃以下になるとガラス下部にかなりの結露が発生します。知り合いの家では普通の樹脂ペアガラスサッシですが、結露はしないとのことです。
 これって、窓自体の問題でしょうか? それとも施工の問題でしょうか? ちなみに、換気は全熱交換形で換気回数および給気の量も問題ありません。間取りは部屋の区切りを極力なくしオープンな間取りで、家の中の温度差はありません(常にどこでも19〜21℃)。結露する窓は方角・位置に関係ないようです(特定の窓ではありません) 。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 湿った暖かい室内空気は冷やされると水になります。したがって、木製トリプルサッシのガラス下部が結露するということは、

1、湿った空気の存在がある。
2、ガラス面が冷える。
以上の状況にあると考えられます。

 1については換気の問題です。全熱換気扇が個別換気なのか集中換気なのかも知りたいのですが、全熱換気の欠点は、熱交換効率が良いほど、室内の空気を隅々まで入れ替えることが困難なことです。同じ温度の空気(室内に入る空気と室内に出て行く空気)は、時間当たり0.5回の少量換気で均等な換気は難しく、ほとんど変わらない空気が存在します。多少の温度差(低い温度の空気は重たく下に下がり、暖まった空気は軽く上に上がる)がある換気システムのほうが全量の空気が入れ替わりやすくなります。吸気と排気の換気量を測定(計画・計算でなく)すると共に、隅々まで入れ替わる換気計画になっているかを問題視してください。
 2については暖房計画の問題です。カーテンなどによって室内の空気が遮断され(外気温が−5度Cのとき、ガラス表面温度が露天以下に下がっている)、ガラス面が冷えている状況になっていると思います。したがってベストなことは、窓下にパネルヒーターなどを設置し、ガラス面の冷気流を止め、ガラス表面温度を上げることです。カーテンを少し開け、空気を滞留させないことも効果があります。オール電化の場合、個数を多くして館内・室内の温度差を少なくすると全館暖房に近くなるのですが、個数を少なくすると個別暖房になってしまい、木製サッシのガラスがトリプルといえどもガラス面が冷えることになり、結露が生じやすくなります。
 窓下の壁断熱も心配です。室内の湿度も確認する必要があります。いくら高性能なサッシ・断熱・換気でも、暖房を加えたトータルなバランスが必要になリます。
 もう一度、「湿った暖かい空気は冷やされると水になる」この原理・原則を考慮し検討してください。


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マンションの設計図はもらえない?」に私の意見


<匿名さん>


 5年前にマンションを購入しました。わが家の場合、全戸の図面集はモデルルームを下見し、資金の相談を行ったときにもらいました。まだ、どの間取りを購入するか、決めていなかったこともあると思いますが、うちのマンションの場合は、モデルルームを訪れた全員がもらっていると思います。ただし、これは大まかな間取り図で詳細な設備図面や天井高などは記載されていません。竣工していない場合、計画変更もあるのでデベは見せたがらないのかもしれませんね。
 私たちの場合は、販売会社にお願いして竣工図面もコピーさせてもらいましたが、嫌な顔せずにコピーしてくれました。また、モデルルームにもかなり頻繁に通い、販売会社に確認しながら、サッシまわりや通気孔、エアコン位置までかなりの枚数の写真を撮影しました。結果、これが内覧会(引渡し前の確認作業)でとても役立ちました。
 買い手はもっと積極的にいろいろな要求をしても良いと思いますよ。何しろ、そうそうできない大きな買い物ですもの。なお、建物の引き渡し以降のことですが、竣工図面は管理組合で保管するものです。必ず組合に引き渡してもらうようにしてくださいね。



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火災保険についての疑問


<北海道小樽市・UYさん(公務員・41歳・男)>


<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 住宅そのものに対する疑問でないため恐縮ですが、よろしくお願いします(全く初歩的な質問でお恥ずかしい限りです…)。
 今年、一戸建てを新築しました。民間のローンを利用したため、当然、火災保険に加入しましたが、もし家が全焼した場合、保険金は残金ローンの支払いに充てられることになっています(それはまぁ当然だと思いますが)。
 ただ最近、札幌周辺で不審火がまた多発しておりますので、もし被害に遭った場合、新しく建て直すための資金として、それとは別に火災保険に入れないものかと考えて資料を集めました。が、全てのもので、他に加入している火災保険がある場合には重複して支払われないことになっています。すなわち、もし今後、家が火災に遭った場合、残ったローンの返却は保証されているものの、また新たに同じものを建てようとすると初めからやり直し(金利がどんなに上がっていようが、何歳になっていようが、また新たにローンを組むことになる?)となるわけです。
 はなはだ単純な考えですが、今まで火災保険と聞くと漠然と「自宅が燃えて無くなってしまったようなとき、再建するための資金を得るためのもの」と思っていたのですが、そうではないということでしょうか。納得できるよう、わかりやすく説明していただければ幸いです。



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