住宅クレーム110番

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クロスのひび割れの予防方法は?


<愛媛県西条市・SKさん(会社員・31歳・男)>


 こんにちは。私の会社は内装仕上げ業(クロス張り)なのですが、悩みがあるのです。
 地元工務店数社の下請けをさせていただいているのですが、新築して1〜2年ぐらいの間に、壁のクロスがひび割れしてしまうこと(特に階段部分)がまれにあるのです。原因は、下地の収縮によるものとはわかっているのですが、全ての新築物件に起きるわけではないので、どうしてもお客様の印象が悪くなります。もちろん当方で下請けさせていただいている工務店は丁寧に対応されていますが、理由をお話ししても納得いただけないお客様もいらっしゃいます。
 このようなことになりにくい予防方法はあるのでしょうか? ぜひお教えください。よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
・・・・北海道の田園文化を創造する・・・・
辻野グループ 代表 辻野 浩
〒061−0224 北海道石狩郡当別町末広380番地
電話 0133−23−2408 FAX 0133−23−3591


ホームページ:http://www.tsujino-gr.co.jp/

 特にツーバイフォーはその胴差し部分の幅が大きいので、クロスがよじれる傾向があると思います。当社の施工マニュアルでは、階段や居間吹き抜け部分の胴差し部分(1階と2階部分のつなぎ部分)には、内壁側に集成材の回り縁かスリットを入れることにしています。そうすれば、その部分でクロスの収縮がある程度、吸収できると思います。
 おっしゃっている部分が違っていたらすみませんが、それでも、もしやっていないのであれば、工務店さんにそういう仕様にしていただくよう申し入れてはどうですか?


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基礎断熱の床下換気について


<北海道函館市・MHさん(会社員・46歳・男)>



 2×4外断熱・基礎断熱のオール電化住宅を建設予定です。
 基礎暖熱の床下換気についての質問ですが、基礎断熱の場合、床下も室内環境と同じということで、床下配管を露出させることや床下にパネルヒーターを設置することで結露防止対策をするようですが、オール電化の場合、床下配管がないため、どのような対策をしたら良いか悩んでいます。
 パネルヒーターの場合、イニシャルコスト(何台必要か?)やランニングコストも心配です。また、床下に熱源を設けず、床にガラリを設け床下換気口を設置し、強制換気する方法なども考えられますが、安価で良い方法がありましたらアドバイス願います。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 質問にある通とおり、基礎断熱の場合、床下は室内空間と考えます。したがって、高気密・高断熱・計画換気・全館暖房の4点セットの考え方が必要になります。
  1. 床下の高気密の留意点は基礎と土台の気密です。基礎天端を限りなくレベル(水平)に仕上げ、土台専用の気密パッキンを使用します。隙間に発泡ウレタンやコーキングを施すのは、土台の乾燥収縮についていかないので好ましくありません。
  2. 基礎の外断熱の断熱材については、省エネ・次世代省エネなどの基準に沿って選択してください。
  3. 床下の計画換気については、強制換気を設置してもうまく機能しません。基礎断熱の場合、1階床の気密化を図らないため、換気システムの周囲だけの換気になり、コントロールできません。
     したがって、1階床にガラリを設置し、1階の室内空気との対流を図ります。
  4. 床下の暖房については、質問にあるとおり、パネルヒーターであれば、床下の配管を露出させ放熱することによって暖房することができますが、オール電化の蓄熱ストーブの場合、完全な床上暖房になるのでそうは行きません。

*床上暖房の場合は床ガラリを有効に設置し、1階の室内空気を取り込み、床下温度を上げます。
 南面のフローリング面は太陽熱で温められ、床下の空気も必然的に温度が17度くらいには上がります。しかし、北面では上がりません。このようなことから北側・南側、そして中央の3つのゾーンに分け、それぞれにバランスよく3ヵ所くらいずつ床ガラリを配置すると良いと思います。特に床下において結露しやすいのはタタミの部屋で、床面をフローリングのように暖められても、タタミが断熱材になり、床下の温度が上がりません。床ガラリを設けて、空気が滞留しないように気をつけてください。 
*イニシャルコストはパネルヒーターの場合とオール電化を比べた場合、通常はオール電化のほうが多少コストUPになり、ランニングコストは同じと思います。
*パネルヒーターの台数のことも質問にありますが、パネルヒーターの暖房の考え方は、窓からの冷気流を止めることにあります。極端な話、窓のない住宅はわずかな暖房で済むのです。
 したがって基本的には、窓の数だけ窓下に冷気流止めとして付けることで、限りなく全室内の温度差がなくなり、全室内の空気の熱移動を止め、快適な住環境になります。
 オール電化の蓄熱ストーブについても、個別暖房ではなく全館暖房となるよう、玄関・窓の開口部からの冷気対策を考え、ある程度の台数をバランスよく設置し、全室内の温度差による空気の熱移動を少なくすることが大切です。


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照明スイッチ・コンセントの隙間から風が!


<福岡県遠賀郡・KTさん(会社員・45歳・男)>


 新築木造住宅ですが、照明スイッチ、コンセントの隙間から壁を通して通風があります。これによって、壁内の結露の問題が起こらないか心配しております。床か天井の隙間を通してきているのでしょうが、対策としてコンセント気密カバーを取り付けるようにしています。ただ、この対策でいいのでしょうか? 特にキッチンの換気扇を強にした場合が激しいのですが…。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 高気密・高断熱の住宅では、断熱材の内部側に張る気密シートが一番大切になります。床、壁、天井・屋根など、構造を組む上で気密シートを連続させるため、気密シートの先張り工法などが開発され、気密化が図られています。しかしながら、気密化を阻害する障害がたくさんあり、その中のひとつが電気のスイッチ・コンセントBOXの部分です。
 現在では専用の気密材が販売されており、ご質問にある気密カバーも使用することが標準になっています。使用にあたっては、気密シートと気密カバーの重ね部分を、気密テープでしっかり止め、電線を通した穴はコーキングで埋めるようにしてください。なお、この部分の断熱に関しては、BOXの厚さが50ミリくらいになることから断熱欠損が生じます。気密カバーの裏側に発泡ウレタンが付いたものが市販されており、北海道では公共事業において義務づけになっています。通常の納まりは、気密カバーの形のとおりにグラスウールにカッターを入れ、ぴったりと隙間を生じないようにすることがコツになります。
 3種換気システム(自然吸気、強制換気)などの計画換気では、24時間のクリーン換気で吸気と排気のバランスを図りますが、台所のレンジフードの使用時は、計画換気にプラスして瞬時に大容量(計画換気の何倍もの)の換気を行います。したがって、使用時は通常の吸気口では間に合わず、今回のコンセントBOXのように、気密化が図れていない場所があった場合、外気を取り入れる吸気口になってしまいます。
 そうしたことから、高気密住宅でレンジフードを使用する場合は、近くの窓を1センチでも良いので開けると、性能を発揮します。


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気泡の穴がある基礎は大丈夫?


<T/Aさん>


 基礎の型枠が今日取れたところなんですが、添付した写真のように、空気が入ってしまったような穴がいっぱい?あります。強度的に問題になるのかわからず、心配です。問題なければ良いのですが、もし問題な場合は、どのように対処すればいいのでしょうか?



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一級建築士事務所 atelier i
飯岡哲司
電話:011(581)0609


ホームページ:http://www.h7.dion.ne.jp/~ai-i/

 コンクリートの充填方法は、型枠を継ぎ目の隙間がないように立て込み、打設時に十分に締め固めるためにバイブレータを使用し、木槌等を用いて型枠に振動を与えてコンクリートを行き渡らせるわけですが、この作業が不十分だと表面に気泡が残ったり、骨材が露出するジャンカが現れることになります。これは、厳密にいえば断面欠損にあたるので、状況によりモルタルで埋めたり、ひどい場合は、表面をはつってコンクリート充填したりします。
 写真の状況を見ると、気泡が通常よりも多いと思いますが、気泡の大きさが小さいようなので、深さ10ミリ程度以下なら、構造に深刻な影響を与えるようには思われません。ただ見栄えの問題もありますので、表面の仕上材にもよりますが、モルタルを塗りきれいに仕上げておいたほうが良いかもしれません。


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床下の湿気除去には乾燥機?換気扇?


<千葉県佐倉市・匿名さん(主 婦・40歳・女)>


 結露とカビで悩んでいます。築8年の建て坪30坪・木造2階建ての家です。
 冬になると、家中の窓という窓が結露してしまいます。厚手のタオルで拭いても、簡単に絞ることができるくらいです。窓は普通の1枚ガラスです。そして、一番困っているのは、家の南側に位置するリビングと、北側に位置する廊下を隔てた壁が結露をし、その壁に沿って置いているソファ(リビング側)の下が水浸しになってしまうことです。当然、壁の下側も黒くカビが発生(リビング側)してしまいます。どうして、このような状況になってしまうのか? 壁に断熱材などが入っていないから起こるのでしょうか? それとも入っていても起こるのでしょうか?
 先日、ある業者が来て、床下を点検し、シロカビがすごく発生しているので床下除湿をしたほうが良いとのことでした。この業者に上の件を相談すると、床下の湿気が原因だということでした。この業者の見積り額は法外なもの(80万)でしたので、お断りしましたが、やはり床下の湿気対策はしたいと思っています。そこで、うかがいたいのですが、湿気を除去するのに、乾燥機タイプのものと換気扇タイプのものとがありますが、どちらの方ほうが効率良く湿気を除去できますでしょうか? どなたか良いアドバイスをお願いいたします。ちなみに数件に相談したところ、換気扇の取り付けをすすめられました。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 まず、床下改善を訪問販売で行うのは、極めて危険です。断ったのは賢明だったと思います。特に私の回答事例に、床下の乾燥維持が家の健康と住む人の健康に直結するものだというのが多くありますが、この回答事例をコピーして営業している事例もあります。
 床下が常に乾燥状態で保持することが必須事項であることに、まったく間違いはありません。しかし、床下が乾燥状態にならない要因を突き詰める必要があります。まず、地下水面位(地盤を掘ったとき地表か何センチで水がたまるか)が高い場合は、乾燥した砂などを床下に敷き詰め、その上にポリフィルムによる防湿シートを重ね幅を多くして敷き込む必要があります。たとえ、地下水面位に問題がない場合でもポリフィルムによる防湿シートを敷き込んでください。
 乾燥機タイプにしても換気タイプにしても、床下の通気を促して乾燥させるわけで、どちらも大きな相違はありません。床下専用の換気扇を取り付けるのが常識的な方法ですので、それで十分です。しかし、上記の対策をしっかりと行うことと、床下全体の通気を促すことが肝心ですから、東西、南北の全ての方位から換気扇に向かって通気がなされるように施工してください。
 居室の結露水が床下に流れて、床下を腐食させることはありますが、外周周辺に限ります。壁の結露は壁の中の断熱材が不完全であることとほぼ断定できます。外装か内装材を剥がして断熱材をしっかり挿入すると治まります。
 また、窓の結露は窓全体を取り替えるのが一番ですが、窓ガラスだけをペアに変更することもできますのでサッシ店の方と相談してください。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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コンクリートブロックの車庫の耐久性について


<山口県熊毛郡・KKさん(会社員・55歳・男)>



 約16年前に庭を約1メートル掘り起こしてコンクリートブロック(2Oセンチ)で車庫をつくり、また、車庫の上を有効利用しようということで、生コンにより屋根をつくってもらいました。しかし、最近になってコンクリートブロックの耐久性が心配になっています。奥行き、間口とも5メートルです。最初のころはブロックから水がしみ出ていたので、モルタルで化粧を施し現在は水も止まっています。ブロックの上に重いコンクリートを載せているので心配しています。このまま使用しても大丈夫でしょうか?
 ご意見をお願いいたします。



アドバイスいたします
ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 まず、コンクリートブロック造(平屋建)の建築基準法の規定を説明いたします。
1.耐力壁(ブロックの壁)で囲まれた面積は60平米以下とする。
2.耐力壁の長さの合計は各方向15cm/m2以上とする。
3.ブロックの厚さは壁の間隔の1/50以上とする。
4.壁の鉄筋は9ミリ以上で縦横80センチ以下の間隔で配置し、端部の縦筋は12ミリ以上とする。
5.鉄筋の末端は原則としてフック付き。継ぎ手定着長さは鉄筋径の40倍とする。
6.平屋でコンクリートの屋根があるとき以外は、コンクリートの臥梁(がりょう)を設ける。
7.目地と鉄筋を入れた空洞部はモルタルを充填する。

 このようにさまざまな規定がありますが、お話の内容から、面積や壁の長さ等の規定はクリアしているようです。しかし、塀や土留めとしてつくった後で屋根を載せていることと、接合部の処理や見えない鉄筋の状況が把握できませんので、安心だとは申し上げられません。特に車庫の場合は、出入りする開口が広くて、壁が偏るので注意が必要です。また、ブロックから水がしみ出ていたとのことですが、耐久性を考えると、土に接する側で止水するべきです。
 一般的な住宅地の場合、車庫や物置でも10平米を超えると、確認申請によって適法性をチェックすることになっています。大切な財産ですから、確認申請によって最低限の安全性が確認された建築物をつくることをおすすめします。


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家の中の湿気・カビについて


<匿名さん>



拝啓

 インターネットでこのサイトを知り、メールを送らせていただいております。
 平成12年に築6年経った、中古の家を購入しました。購入の際に、補修をかねて外壁ペイント(バイオ洗浄/弾性塗料専用シーラー/弾性塗料)とシロアリ駆除工事を行いました。その業者は作業を終了した時点で、床下のビデオを撮影しており、私たちが見た段階ではまったくカビ等はありませんでした。また、部屋の中にもカビや湿気などは感じられませんでした。
 しかし、2年後の平成14年度に害虫駆除の業者がセールスに来た際、床下を点検したところ 床下に白・黒のカビが多く発生していました。
 その後、施工した業者を呼んで確認してもらい、その調査報告でもカビが発生しているとの報告を受けました。
 そして、平成15年に業者の対策として提案されたことは、
1)自然通気の拡大および床下空間の流れをよくすることが必要です。
  通気口の拡大および新規通気口の作成
  床下基礎開口部の拡大および新規作成
2)上記1)の施工で、不十分な場合は調湿剤の敷き込み、および換気拡散ファンの導入も考えられます。なお、通気口作成工事等を行う場合、実際に開ける場所は作業を行いながら検討・確認させていただきます。

とのことだったので、平成15年に提案とおり通気口の工事を行いました。
 しかし、現在に至ってもその効果は現れず、家の中の家具、台所用品、衣類までもカビが生えて来る状態です。
 今現在、業者との話し合いを行っていますが、話はまったく前に進みません。このことは何で起きているのでしょうか? また、どのような解決策があるのでしょうか?
 施工業者の提案を鵜呑みにしていれば、ドンドン出費だけがかさみ、解決されないのではないかと考えます。また、家の者はアレルギー症状が強く現れてきており、健康の被害も心配されます。今の段階では、どこの誰を信用して良いのかわからない状態です。お忙しいと思いますが、よろしければアドバイスをいただけたらと存じます。

敬具



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 平成15年に提案された解決策で完璧に施工されていれば、かなりの効果が期待されてしかるべきなのですが、肝心な項目が抜けています。
 地下水面位(地盤を掘ったとき地表か何センチで水がたまるか)の確認を怠っています。さらに調湿剤の散布を行っても、ポリフィルムによる防湿対策が必須となります。調湿剤はポリフィルムの上に敷き込むことが前提です。地下水面位が高い場合は、乾燥砂をポリフィルムの下に敷き込んでください。その上で、床下全体に通気がなされるように、基礎間仕切りなどの通気口もしっかりと確保されえているかどうかを確認すべきです。四方全体から床下全部に通気がなされるようにしなければなりません。
 以上のことがしっかりと確立していれば、本件の問題は必ず解決できるはずです。床下にカビが発生しますと、カビの胞子が居住空間へ飛散して、アレルギーを発生される可能性が極めて高くなります。早急に上記の対策を実行すべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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