住宅クレーム110番

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J110 News

モルタル外壁のヒビ割れ


<大阪府東大阪市・TYさん(自営業・39歳・男)>


 HPを見ていてモルタル外壁のヒビ割れのことがあったのでメールします。
 築4年の建売住宅ですが、外壁のモルタルにヒビ割れがあり、一部はヒビというより割れてずれたようになってます。販売業者に連絡すると、一度見には来てくれましたが、その後は「連絡する」と言ったきり、こちらから電話しないと連絡がなく、こちらから電話しても「今日中に電話します」とか、その場しのぎの答えだけで一向にらちがあきません。また、有償になる旨をほのめかされました。
 そこで質問です。
1)このケースのモルタル外壁の修理は築4年で、有償が妥当なのでしょうか。
2)業者の不誠実な対応に対して、行政などでクレーム受付対応してくれるところはありますか。

よろしくお願いします。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 モルタルの外壁に割れが発生したのであれば、築年数に関係なく、早急な対応が必要と思われます。外壁のように一年中、雨風にさらされている場所は特に気をつけなければなりません。
 今回のようなケースでは、請負契約で建物を建ているような会社であれば、通常、無償範囲での対応が一般的といえます。売買契約の場合は契約書に約款が書かれていると思うのですが、どのような内容になっているか確かめてみたでしょうか。さらに、この問題をスムーズに解決していく上で重要になってくるのが、平成12年の4月1日以降の契約かどうかということです。これは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」という、俗にいう品確法が平成12年4月1日から施行されたからです。それ以前は、それぞれの会社で契約書などにある約款に沿った範囲で、保証期間や内容が決められ、行われていました。しかし品確法では、新築住宅の基本構造部分(構造耐力上主要な部分…基礎・柱・床等、雨水の侵入を防止する部分…屋根・外壁・サッシ等)に関しては、契約時にどのような特約があっても、建築会社に10年間の瑕疵担保責任が発生することになったのです(大地震など天変地異は免責されます)。品確法についての詳しいことはここでは控えますが、これらのことをふまえて、もう一度、契約内容などを確認されることをおすすめします。
 また、こういった問題を相談する窓口としては住宅紛争処理支援センター等があります。いずれにしても、今回の現象の原因を突き止め、的確な対処法などを判断してくれる業者さんに相談されることが必要と思われます。


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リフォームで天窓を付けたい


<静岡県静岡市・T・Tさん(会社員・52歳)>



 採光の問題で悩んでいます。わが家は、一戸建てで東も南も遮るものがないため、本来は、採光について何の問題もないはずですが、客間が邪魔になって、他の部屋にあまり光が当たりません(つまりコの字型の家です)。
 そこで、スレ−トの屋根に天窓を取り付けようと考えましたが、業者に問い合わせたところ「雨漏りが絶対ないとはいえない」とのことでした。やはり、リフォ−ムで天窓を付けることはあきらめたほうが無難でしょうか。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 採光の問題を解決するには、さまざまな付帯要素がからんでくることが多いので、解決しづらい問題のひとつといえるでしょう。
 ご相談のように天窓を付けるのも一つの方法といえますが、これには、屋根の勾配の問題や屋根材の問題、小屋裏の大きさの問題などが挙げられます。しかし、どんな方法にも「絶対」ということはありえません。相談者が業者に対して、絶対、雨漏りがないようにしてくれと依頼した場合に、構造や仕組みを理解している業者ほど絶対はありえないと言うと思います。しかしながら、リフォームを専門にやっている業者や技術や知識に長けた業者ならば、絶対はないが、こういうやり方があって、その際の問題やリスクが何なのかをキチンと説明してくれるでしょう。それに対して納得できれば、天窓を付けるのも良いといえるでしょう。また、天窓以外の解決方法をアドバイスしてくれるかもしれません。
 肝心なことは、きちんと相談できる会社に依頼することといえます。


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地盤改良の実施時期について


<新潟県長岡市・HMさん(公務員・35歳・男)>



 地盤改良についてお聞かせください。建築予定地は古くからの住宅地であり、さほど地盤の軟弱な土地ではないと考えておりますが、地盤調査の結果、深さ1.2メートルの表層改良が必要とのことでした。改良すること自体には疑問を感じませんが、建物の重量を支える部分ですから十分に気を使いたいところですし、お金をかける以上は最大限の効果を期待したいものです。そこで気になっているのが、改良された地盤の養生期間についてです。他のお宅の工事現場などを見ていますと、地盤改良後すぐに(2〜3日後には)基礎工事に取り掛かっているようですが、一方で「改良後、雪に押させて(予定地は積雪地域ですから)春から工事にかかったほうが良い」とか「改良した地盤を十分、梅雨の雨にさらした後、基礎工事をはじめると良い」などの意見も聞かれます。
 このような「雨降って地固まる」的な発想は、果たして表層改良技術にも適合するのでしょうか? 地盤のことですから、慎重になってなり過ぎということはないのかもしれませんが、時間の浪費も避けたいところです。的確なアドバイスをくださいますよう、お願い申し上げます。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 地盤改良の方法にもさまざまな工法があり、本件においては地表1.2メートルの改良工事ということですから、地表の土壌の入れ替えや、ラップコンクリート手法(砂利とコンクリートを交互に埋め込む)などがあります。基礎工事と同時に行うこともあり、必ずしも地盤改良に養生期間が必要だということではありません。
 一番自然なのは、岩盤のある地表1.2メートルまでの地表の土壌を、砕石などで入れ替えを行う手法だと思います。家の基礎部分の地表を砕石(0〜80ミリ)と入れ替えた場合、盛り土作業と転圧作業でかなり地盤が強化となります。この場合は、多少の養生期間を必要とします。
 いずれにしても、地表1.2メートル下に岩盤があるのですから、工事としてはあまり難しいことではありませんが、現場の状況によって、さまざまなやり方がありますので、施工者と十分に協議して施工を行うべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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サッシ廻りの外壁のヒビと隙間について


<埼玉県所沢市・IAさん(43歳)>


 平成7年築購入しました住宅について相談させていただきたく、メールいたしました。
 リビングの戸に隙間が発生しています(図面の1と対角線の2の部分)。徐々にひどくなってきており、今まではどうにかサッシの調整で吸収できていましたが、とうとう調整の範囲を超えてしまいました。隙間から風が入る、虫が入るなどの不快な症状が出ている上に、最も懸念しているのが、ロックが力を入れて強引にかけなければならず、今にも破損しそうな状態であることです。
 周囲を確認してみると、以下のようなことがわかりました。
・戸の下の基礎に大きなヒビが発生しています(工務店は化粧の部分だけと言っています)(図面の番号3の部分写真A参照)。
・戸の左上の内壁にずれが見られ、隙間が生じて壁紙がよじれています(図面の番号4の部分写真B参照)。
・工務店が持ってきた水準器で水平を確認したところ、図面の矢印の方向に大きく傾斜しているのがわかりました。

 以上の症状から基礎が沈み、傾斜し、その結果、サッシにゆがみが生じたものと思われます。この状況に対して、以下についてアドバイスをいただけないでしょうか?
・外壁などの劣化などは当然発生する経時変化ですが、購入後10年近く経過しているとはいえ、調整の範囲を超えたゆがみの発生は欠陥と考えています。私の理解はおかしいでしょうか? また、無償修正修理を工務店に要求できるものでしょうか?
・サッシのゆがみに対して、どのような改善修理方法を推薦されますでしょうか?
・改善修理方法として、ゆがみの直接原因である傾斜を修正するため、基礎の上の骨組みを持ち上げるなどは可能でしょうか?
・およその修理費用を教えてください。

よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 写真や文章から判断して、家が傾いていることが要因のようです。要因は、地盤の不同沈下や地質の経年変化、地下水など周辺環境変化などが考えられます。
 平成12年以降に新築された住宅については、このような事案の場合、施工者側が10年間その責任を負いなさいと、住宅品質確保促進法で義務化されております。本件は平成7年の竣工ですから、この法律の対象とはなりません。
 家の傾きをまず進行させない手法を行うべきです。手法は現場の状況でさまざまな工法がありますが、立地状況や現在の建物の構造環境によっても大きくその手法が異なるため、「曳き家」という専門業者に相談させるべきでしょう。一般の工務店でも対応できる技術を持っている場合もありますので、まず施工工務店に相談するべきでしょう。
 費用については状況から判断して、業者に費用負担を負わせることは非常に困難だと思います。しかし、施工工務店にしても、当時の状況からこのような事象が発生するとは思いも寄らないことであったと思われます。施工工務店と感情的にならず、冷静に相談をして、少しでも安価に補修作業を行うことが賢明と思われます。
 方法は、まず傾きの進行を止める工事が終わりますと、状況によりますが、基礎と土台の間に楔を打ち込みながら、少しずつ補修したり、また、傾いたまま生活に支障のないように床や建具、サッシの補修を行う方法があります。
 文書だけでは判断できませんので、現場の状況によって補修方法を選択しなければなりません。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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