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亀裂が部屋の端から端まで走っています<大阪府東大阪市・まっち さん(会社員・33歳・男)>
4年前に2×4工法にて新築いたしました。これまで特に大きな不具合はなかったのですが、最近ふと天井を見上げてみると、亀裂が部屋の端から端まで走っていました。隣の部屋も見てみると、隣からつながっているかのように同じ位置に、こちらも端から端まで走っています。また、天井の亀裂とつながって、壁部分にも50センチぐらいの亀裂が下に向かって走っています。
業者に見てもらいますと、「木の収縮により、石膏ボードが耐えられなくなって、ボードの継ぎ目がずれたらしい。クロス張り替えで対処します」とのことでした。よくあることのように言っていました。あまりに大きな(長い)亀裂ですので、心配でなりません。クロス張り替えだけで大丈夫なのでしょうか? それとも詳細な調査を依頼するべきでしょうか? アドバイスいたします 住まいを科学する技術集団・新住協メンバー 須藤建設(株) 副社長 須藤芳巳 ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/
通常、木材の乾燥による収縮は1年ほどで止まるので、4年経ってというのは、少しわからないところがあります。
一番の心配は、構造的に問題ないのかということだと思いますが、2×4工法の天井PBにおいては、1階・2階共に構造が要求されていません。壁はPB12mmが耐力壁(壁倍率1)として計算に組み込まれているので、クラックが入るということは気に掛かります。天井から50センチのクラックが入っているということは、床から天井まで1枚のPBではなく、1.82センチのPBでジョイントをしているからと思われます。本来、一枚で張るものなのですが、ジョイントの部分に木下地が入っているか調べる必要があります。 しかしながら、建物に応力が掛かり、耐力壁に無理が掛かった場合は、斜めにクラックが入ることが多いので、木材の乾燥収縮によるものと考えても良いと思います。 普通はクラックが入らないところです。無理な力が掛かって釘などが浮いていないか、調べてください。天井においても壁から1.82センチのPBを張り、そのジョイント部分が天井下地の乾燥収縮によって横一列にクラックが入ったと思われます。今回はクロス張り替えで進行の様子を見てください。 |
ガルバリウム鋼板の屋根について<神奈川県座間市・じゅん さん(会社員・33歳・男)>
屋根について教えてください。ガルバリウム素材を考えています。耐久性と夏の屋根裏温度を基準に考えております。
屋根裏温度を考慮すると、素材のまま(キラキラしている状態)が良いと思うのですが、耐久性を考えるとメタリック等の塗装がしてあるほうが良いとも考えています。実際のところ、素材のままで耐久性はどうなのでしょうか? また、メタリックカラーでは素材色に比べ、屋根裏温度はかなり上がるのでしょうか? 以上、アドバイスをお願いします。 アドバイスいたします 住まいを科学する技術集団・新住協メンバー 須藤建設(株) 副社長 須藤芳巳 ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/
よく勉強されています。ご指摘のように、ガルバリウム素板(もちろんアルミ色)より、素板のさらに塗膜があるカラーガルバリウムのほうが、ガルバリウムそのものの耐久性は上がります。ただし、塗膜は色がさめ退色します。
屋根裏温度については太陽の光を反射するもののほうが、黒いもので吸収するものよりは低くなります。 アドバイスですが、川鉄鋼板のレジノカラーガルバリウムで銀色・白があります。これであれば、両方のメリットを兼ね備えたものになると思いますので、おすすめいたします。 |
床下の地面に多数のヒビ割れ<匿名さん>
すばらしいサイトがあると感心しました。
自宅のリビング床だけが中心にかけてヘコんでいるので、床下を見ました(写真を添付します)。換気は十分のようですが、地面に多数のヒビ割れがあります。コンクリートの上に柱が乗っかっているだけですが、そのコンクリートがグラグラな箇所もあります。また、針金で抱いてあるのですが、これは普通なのでしょうか。 その他、写真をご覧になって、何かわかることや必要な対策があれば教えてください。 築6年。元が沼地なのか、雨が多く降ると、腰くらいの高さまで水が溜まる場所です(1階部分の高さが駐車場なので浸水は免れてますが)。土が流れ出てるのでしょうか。外もタイルの階段がコンクリ塀と比べ、徐々に沈下しているのがわかります。 以上、勉強不足での問い合わせですが、よろしくお願いいたします。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
写真を見て驚いています。防水コンクリートに大きなヒビが入っておりますが、幸いにして床下に雨水や地下水が回らない環境となっているようですので、床下の腐食の心配はないように思われます。しかし、床全体の加重を基礎に伝える束柱の下の肝心の独立基礎が、周辺の防水コンクリートとも剥離するくらい狂っており、不同沈下を起こす可能性も否定できません。過去の地震は地盤変化によるものと思われます。しっかりと施工を行いますと、このような状態にはなりません。
6年前の新築ですから住宅品質確保促進法の法律の適応を受けられないので、施工者に事情を説明して、できるだけ安価にしていただいて、補強工事を早急に行う必要があります。 針金で抑えている部分がありますが、何を意味するものか判断ができませんが、施工時に仮抑えとして針金を用い、そのままにしているものであれば、問題はありません。 いずれにせよ、多少の費用がかかると思いますがしっかりとした、束を受けている基礎の沈下と移動を防ぐための補強工事が不可欠です。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
築8年経ってから家中にキシミ音<静岡県静岡市・TTさん(会社員 ・42歳)>
築8年の木造一戸建てに住んでいます。ここ1年ほど前から1階天井隅付近から、バキッ、ミシッという木材が割れるような音がしています。さらに3ヵ月前ほどからこの音が拡大し、今では2階も含めてどの部屋からも天井隅付近で聞こえるようになりました。音は昼夜、天気に関係なく絶えずしています。
普段見る機会がなかった細部を見てみると、添付写真のように基礎自体や基礎と駐車場のコンクリ−ト境目に隙間、また、2階柱天井付近にも隙間があり、家が傾いているのではないかと考えるようになりました。 近所の人の話では、ボ−リングすると貝殻がたくさん出てくる元々が海だった土地とのことでしたので、地盤は悪いと思います。この土地に40センチほどの高さに盛り土をしてから、その上に基礎をつくっています。建てた建築会社も倒産しており、絶えず鳴る音が気になって、夜もなかなか眠れず、胃が痛い毎日です。解決方法をアドバイスお願いします。 また、基礎部分のひび割れにはエポキシを流し込むとよいとの記事を読みましたが、ホ−ムセンタ−などで売られているコ−キング剤でも効果ありますでしょうか? できればお金のかからない方法で、自分でできるなら試してみたいと思いますので、アドバイスよろしくお願いします。 アドバイスいたします 建設大臣賞受賞 リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員) 代表 廣瀬 誠 電話:011(882)1200 ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/
通常、このような事例で一番多い原因は、新築時の木材含水率(木材に含まれる水分の割合)が高い場合です。生活と共に木材から水分が抜け、ねじれたり反ったりするときに、バキッ、ミシッというような木材が割れるような音がします。しかし、今回の場合は「築8年で1年ほど前から」ということなので、違う原因のような気がします。
木材に何らかの力が加わり耐えきれなくなったときの割れる音だとすると、建物に歪む力が加わっている可能性が高いわけです。素人判断で、基礎のひび割れにエポキシを流し込んで済む問題ではないような気がします。まず原因をはっきりさせなければ、可能性だけでの安易な解決方法はかえって悪い結果を生みます。単純にこの文面だけでは地盤沈下等が考えられますが、しかしそれが最近からの現象とすれば、一つの原因ではなく複合的なものかもしれません。近所で同じような現象が起きていないか、近くで地盤に影響するような工事はなかったか、またその他の外的要因も探ってみてください。市役所に建築相談窓口があると思いますので、そちらで相談するのも良いと思います。多少お金がかかっても直接、建築士の方に現場調査を依頼したい場合は、静岡県建築士事務所協会(054−255−8931)に相談してみてはいかがでしょうか。 今回は解決するためのアドバイスではなく、その手前の原因究明のアドバイスとなりました。病気に例えると、大手術をしなければならないような兆候が感じられたとき、原因究明のためのしっかりとした検査が最良の解決方法を導き出してくれるからなのです。 |
どんな断熱材が良い?<青森県五所川原市・NKさん(主 婦・36歳・女)>
現在自宅の新築を計画中です。当地は雪国なので、高気密・高断熱の暖かい家にしたいと思っているのですが、
A工務店・・・ポリスチレンフォームの外張り断熱 B工務店・・・ウレタンの内断熱 C建築家・・・セルローズファイバーの吹き込み、または、パーフェクトバリアの内断熱 話を聞けば聞くほど、どの断熱材がいいのか、訳がわからない!というのが現状です。 壁体内結露がなく、暖かい健康な住宅にするにはどんな断熱材を用いるのがいいんでしょう? 悩める私たちに、どなたかアドバイスしていただけたらうれしいです。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
断熱材の選定は、暑さ・寒さ対策だけではなく、家の寿命にも大きく関わります。グラスウールの断熱が日本の住宅の断熱法の基準になっておりますが、本質問にグラスウールの良し悪しの内容がありません。最初からグラスウールを使用しないと決めておられるのでしょうか。
本件質問のセルローズファイバーも、グラスウールと同様の乾燥した空気を床下、壁の中、天井裏に静止させることをもって性能を発揮します。しかし、この湿気の多い日本の気候の中で何十年も断熱材を乾燥したまま維持することは、たいへんに難しいことです。 ウレタンの内断熱は断熱効果も高く、断熱効果も劣化しないので優れた工法です。しかし、内断熱特有の構造材が熱柱(ヒートブリッジ)を起こして低温になり、腐食菌に侵されるなどの課題もあります。 ポリスチレンフォームやウレタンフォームの外張り断熱方法は、構造材に熱柱(ヒートブリッジ)がなく、低温部分が出来ないので、内断熱の課題をクリアしております。しかし、ポリスチレンフォームやウレタンフォームは熱に弱かったり、火に燃えやすかったり、収縮したり、施工が困難であったり、価格が高かったりの問題もあります。 つまり、全ての部材には一長一短があります。当方(回答者)で開発した断熱法には、その一長一短を融合したものがあります。とにかく、どんな断熱材を使用した工法でも、施工者側の言い分を聞くよりは、その工法で新築してすでに居住している複数の人の話をよく聞くことに尽きると言えるでしょう。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
基礎を利用した花壇について<ひろたん さん(主 婦・33歳・女)>
こんにちは。新築からもうすぐ1年ですが、外構工事についてずっと気になっていることについて、ご意見をお聞かせください。
ハウスメーカーにプランニングしてもらい、道路との境界部分にフェンスを立てず、3段ほどブロックをつんで家の基礎とブロックの間に土を入れ、花壇にしました。花壇の中はやわらかい土がたっぷり入り、きれいに花も咲き、デザインとしては気に入っているのですが、毎日水をやりながら、家の基礎に常に湿った土が盛られて入ることが気になります。湿気、水はけの面など心配はないのでしょうか。よろしくお願いします。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
花壇をつくって丹精込めてガーディニングを楽しめるのは、家づくりを実践するときの大きな夢ですよね。毎日、きれいな花を眺め、その夢を実現されたことを本当に良かった思います。ご質問の件ですが、家の床下に万が一、花壇の水が浸入しているとしたら、早速、対処しなければなりません。
花壇の水が床下方向へ流れないように、一旦、土を起こして外部に勾配を付けてから土を入れ直す方法があります。また、外部に暗渠を掘って床下より水面位を低くして、床下に水が回らないようにする方法もあります。その現場の状況によってどちらかを選択します。 しかし、基礎コンクリートは、花壇の水に限らず、常に風雨にさらされているものです。花壇の水くらいで床下に水が浸透するとは考え難いと思います。床下を点検して、床下がサラサラの乾燥状態を保っているようであれば、全く問題はありません。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
薪ストーブを使いたいけど…<長野県松本市・みーちこ さん(主 婦・37歳・女)>
現在、新築の家を設計している最中で、暖房には薪ストーブをぜひ使いたいと考えていますが、悩んでいるので、アドバイスをいただきたくメールいたしました。
薪ストーブを入れるのはいいのですが、主人の帰宅が遅いのと、出張で長期間、自宅をあけることがあり、さらに高齢になったときの使い勝手を考えると薪ストーブだけの暖房に頼る自信がありません。そこで、薪ストーブは補助的、趣味的に使うこととし、主暖房には(N社の気調システムという)灯油燃焼タイプの空調設備を入れて、全館暖房と併用するという提案を建築業者から受けましたので、検討しております(その業者は併用は「ぜいたく、もったいない」と言っていましたが)。 しかし、薪ストーブは気密が取れていないので、煙突を通して冷気が入りやすく(ダウンドラフトというのしょうか?)、薪ストーブを焚かずに全館暖房したときは灯油のランニングコストがかかってしまうそうで悩んでいます。床暖房と併用という案もありましたが、無垢の床材を使いたいということもあって、費用的に無理でした。 そこで質問ですが、薪ストーブと全館暖房の併用という例はありますでしょうか。その場合、ダウンドラフト対策はどのようにされているでしょうか。今までに、煙突にダンパーを付けて冷気の侵入を防ぐ、薪ストーブ設置スペースをパネルで囲ってしまうという案が出ましたが、それほど効果がないのではという意見もあって見送っています。また、薪ストーブを補助的に使っているという例がある場合、主暖房は何にされているケースが多いでしょうか。 ついでに、家族は帰宅の遅い夫と専業主婦(将来的には働く)と5歳、3歳の子どもですが、この主婦1人で平日、薪ストーブを焚くということは現実的には難しく、遠のいてしまいがちにならないか心配しています。そのへんは人それぞれだとは思いますが、傾向としてどんなものかお聞きできればと思います。 ちなみに設計中の家は、スキップフロアを取り入れた居住空間が約45坪ほどの2階建てで、1階は玄関と高齢者の寝室、バス、洗面所、トイレがあって、中2階とは開放的な階段でつながっています。中2階は21畳ほどのLDKで2階との間は壁がなく吹き抜けとなっています。家の中は全体的に開放感のある間取りとなっているため、個室ごとの暖房には無理があるのと、建築地が長野県松本市で、真冬は氷点下10℃以下という日がたまにあって、私は非常に寒がりなので全館暖房が良いと思っています。構造は木造の在来で、中気密高断熱(隙間相当面積5.0cm2/ m2位)、グラスウールを使った内断熱です。薪ストーブはベルギー製(最大出力3,860kcal/hr)にしようかと考えています。また、家族を集める力があるそうなので中2階のLDKに置きたいと考えています。 どうぞよろしくお願いします。 アドバイスいたします ヒガシノデザイン ひがしの雅司 電話:011(717)5166 ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/
私の設計した住宅にも何軒か、暖炉や薪ストーブを設置した例があります。しかし、どれも主暖房は別に設置しました。暖房方式としては、温水を循環させるパネルヒーターと吹き抜けの場合は床暖房を併用しています。
気調システムによる暖房の採用はありませんが、急激な温度変化への対応や室内の乾燥など、少し不安があります。 ダウンドラフト対策としては、燃焼調節用のダンパーを閉じることで問題はないと思いますが、室内に煙突を通すなど、煙道を冷やさない対策をしたほうが良いと思います。 薪ストーブだけで暖房する場合の暖房能力としては、窓の大きさや天井高さにもよりますが、45坪で8000kcal/h以上は必要だと思います。 薪ストーブに限らず、中2階だけで暖房する場合は、スキップした家の中で温度差が生じますから、1階の高齢者の寝室やトイレには配慮が必要だと思います。 薪ストーブは薪の手配や煙突掃除などの手間も多く、忙しい日常生活の中で使いこなすのは相当の覚悟が必要です。しかし、薪のはぜる音やにおい、何といっても炎の美しさ等、暖房という実用面以外に多くの楽しさがありますから、薪ストーブを囲んだ家族の団らんを実現させてください。 |
準防火地域の基準は?<神奈川県川崎市・さむさむ さん(会社員・40歳・男)>
準防火地域の基準は、どんなことがあるのでしょうか。
家を建築するときに、準防火地域ということで、吹き抜けによる梁の部分は木になるので、できませんと言われました。本当にそうなのでしょうか。よくわからないので、教えていただきたいのですが。よろしくお願いします。 アドバイスいたします ヒガシノデザイン ひがしの雅司 電話:011(717)5166 ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/
準防火地域内では、木造の場合は階数が3階で、延べ床面積500平方メートルまで建築が可能です。一般的な市街地(法22条地域)との違いとしては、隣地境界線や道路中心線から一定の距離(1階で3m、2階以上で5m)にある、外壁の窓やドアに防火設備(アミ入りガラス等)を設置する必要があります。木造で3階建ての場合は、さらに、すべての外壁や屋根や床に防火被覆(石膏ボード等)が必要です。12センチ未満の柱や梁も、防火被覆する必要があります。
ご質問の「吹き抜けによる梁の部分は木になるので、できません」と言われたのは、このことだと思います。 このほかに、隣地境界線や道路中心線から5m以内にある開口部は、形式(はめごろし戸等)や面積に制限があります。間取りについても、3階の部屋は階段や吹き抜けから間仕切壁、またはドアで区画する必要があります。 このように市街地での大規模な火災を防ぐために、さまざまな制限がありますが、安心して生活できる家を手に入れてください。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |