住宅クレーム110番

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熱交換換気システムのダクトの断熱はどうあるべきでしょうか


<茨城県牛久市・WMさん(主 婦・35歳・女)>


 3年前に某住宅メーカーの木質パネル工法で新築しました。次世代省エネ基準の。地域に対応する断熱性能を謳われた規格でした。1〜2階別々に熱交換型24時間換気システムが入っていますが、2階はグリルを含めたシステムがそっくり天井裏の断熱材より外側に配置され、ダクトも断熱を施されていません。2階の部屋へ吹出グリルから入る空気の温度が室温とかなり違うように(夏は熱く冬は冷たく)感じて、調べてみたところ、前述のような状態だったのです。
 先日、晴天日の午後4時頃に温度を測ってみたところ、室温28度・外気温26度・吹出口34度・小屋裏37度でした。また、ほぼ同じ気象条件の翌日1〜2階で比べたところ、室温は1階26度、2階27度に対し吹出口では26度と34度でした。小屋裏の温度の影響を強く受けていると確信しました。
 メーカーに電話でクレームし、換気システムの断熱を計りたい旨を伝え、善処するとは言われましたが、あのような施工をされていたということで任せるには信用に足りません。
 現状に則して可能な限りベストな方法で行いたいのですが、どんな方法が良いでしょうか。



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住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 2階の熱交換換気システムのダクトと本体を天井断熱の上部(小屋裏)に設置した場合、ダクトと本体を断熱することが必要です。
 夏の場合、クーラーで冷やされた排気で吸気の外気温度を下げること、冬の場合、暖房で暖められた排気で吸気の外気温を暖めることが熱交換換気システムです。小屋裏でダクト・本体を断熱しないと、吸排気時点で小屋裏の温度の影響を受けて、熱交換の効果が発揮されません。ご心配のとおりです。
 対策としては、
1) 保温付きダクト(暖熱ダクト)がありますので取り替える。現在のダクトに保温するのは施工的に無理と思います。思い切って取り替えたほうが確実です。
2)本体においては保温材をきちんと6面に取り付け、網巻きで動かないように確定させることが必要です。保温材の厚さは20ミリから30ミリで大丈夫です。
 今回のような施工が行われることは非常に残念であり、住宅メーカーも設備の勉強してほしいと思います。


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ユニットバスの悪臭などで悩んでいます


<東京都中野区・NAさん(主 婦・32歳・女)>



 昨年の12月に築30年の住宅をリフォームしました。
 お風呂場もリフォームしユニットバスにしたところ、排水口から悪臭、コバエが出るようになり困っています。寒い時期は気にはならなかったのですが、春あたりからトイレに入る際も換気してからでないと悪臭があり、入れません。こまめに掃除をしても悪臭などの解決にはならず、どうしたらいいものか悩んでおります。
 対処方法ならびに業者の責任があるか教えてほしいです。 よろしくお願いいたします。



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建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


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 通常、ユニットバスなどの既製品を使用するなどした場合、洗い場排水受け周辺に水たまりとなっている「トラップ」といわれるものが付いており、外部からの臭いや虫等の侵入を防ぎます。ご質問のように、この部分から臭いや虫が上がってくるとのことから、これが機能していない可能性があります。これは外部の排水の仕方とも関係し、この場所の排水の仕方がどういうものかわからないのではっきりとしたことが言えませんが、リフォーム前の古い排水経路にもこのトラップがあるはずです。しかし、新しくユニットバスを設置したことにより2重トラップとなってしまい、両方のトラップが機能しない状態になっている可能性もあります。これによって、永年の間に排水管に付着した「のろ」の臭いなどが、家の内部に入ってきてしまっているのではないでしょうか。排水の業者さんなどに依頼して確認することをおすすめします。
 また、この現象の責任に関していえば、見積もりの内容にもよりますが、一般的には内部のみの接続工事なので、漏れなどの不具合でなければ責任というのは難しいかもしれません。いずれにしても、一部の業種だけで考えるのではなく、トータルに物事を見てアドバイスしてくれる業者さんに依頼することをおすすめします。


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フロ−リングの浮きとクロスに写る釘について


<北海道浦河町・TIさん(会社員・39歳・男)>



 新築後4年経ったわが家の床には、合板の桜材を使用しております。新築直後に1ヵ所、時間が経つにつれて数ヵ所、歩くと床が「ゴワゴワ」します。接着剤と頭のない釘で止めているようですが、経年変化で接着材が利かなくなったものと思っております。さらに、1ヵ所だけ釘が出てくるところがあります。このような場合の補修はどのように行えばよろしいのですか? 教えてください。
 また、内装はビニ−ルクロスを張っておりますが、出来た当初からどの部屋も釘の頭がクロスを見るとわかり、あまり見栄えのいいものではありません。どのような原因が考えられ、将来、クロスを張り替えるとき、解消可能なのかどうか教えてください。
 床の件については大工さんのほうでもどうしたらいいか考えているようで、困っているようです。よろしくお願いいたします。



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 今回の2つの問題は、住宅建設時に使用した木材の乾燥が足りないため起きたものです。
 床仕上げにしても壁仕上げにしても、構造・下地の木材に建材を張ったものです。乾燥の足りない木材を使用した場合、完成してから1年から2年にかけて木材が含水率10%前後に乾燥します。その木材に合板フロアー・石膏ボードを釘で打ちつけるので、構造・下地材の乾燥(木材が縮む)に伴い、合板フロアーが突っ張ったり釘が浮いたりします。築4年ということなので、木材の乾燥収縮の問題はこれ以上進行しません。
 対策としては、
1)床合板フロアーのジョイント部分の所であれば、床下に潜り、床下から合板のジョイント部分に木下地補強をする。
2)根太の部分であれば、床下からビス止めするか、床上のフロアー合板からビス止めをして根太に固定する。床上からの場合、ビスの跡をわからないようにする技術を持った専門の職人がいますので、建材メーカーを通して手配してください。注射針のような穴を空け、液体のボンドを注入し、仮釘で押さえ、下地と合板フロアーを固定する方法もあります。全面となれば床を剥がさないと難しいと思います。
3)壁の釘の浮きについては、木下地の乾燥が止まっているのでクロスの上から軽く打ちつけると、ある程度、目立たなくなる場合があります。熟練のクロス職人にやってもらってください。将来、クロスを張り替えるときに釘を打ち込めば大丈夫と思います。
 このように1)乾燥材を使用すること、2)床合板フロアーを張るときには下地合板との2重張りにすること、3)壁のPBはビス止めにすること、が大切です。


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コーキングの打ち替え中に大雨


<匿名さん>


 いつも熱心に読ませていただいております。
 今春、築10年でサイディング仕上げの中古一戸建てを購入いたしました。現在、雨漏りなどは全くありませんが、コーキングの劣化がかなり進んでいるので打ち替えをしておいたほうが良いと、この家を建てた中堅ハウスメーカーにすすめられ、現在、コーキングのめくり段階にあります。
 気になるのは、職人の段取りなのです。1日目の作業は古いコーキングを全部をめくることで終えましたが、その日の晩から大雨となり、2日目の今日も大雨です。こちらとしては、将来、さらにコーキングの劣化が進んで雨漏りがしないようにと、先手を打ってコーキングの打ち替えを依頼したというのに、めくりっぱなしで、こう雨ざらしだと、雨水が家の構造にしみ込んでゆくのでは、と不安です。コーキングをめくったその日のうちに、新しいコーキング剤の注入ができないのなら、せめて防水シートでもかぶせて帰ってくれれば良かったのにと思います。
 通常、こういった段取りに問題はないのでしょうか?



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 家を長持ちさせるためには早め早めのメンテナンスが不可欠です。コーキングの打ち替えは、壁の面積や現在のコーキングの付き具合によって1日で終わったり、2日間にまたがったりします。その際、前のコーキングを取り除いてから新しいコーキングを打つまで、晴れ間の続く日を選んでやるのですが、自然を相手にするので思惑と違うこともあります。今回はやはり天候を見て、養生等の配慮があっても良かったかと思います。雨が降ったことで、内部の窓まわりに雨漏れがありませんでしたか? もしなければ、あとはコーキングを打つ前に部材が完全に乾いていることを確かめてから施工しないと、密着度が弱く、後からすいてくることがあるので気をつけましょう。
 いずれにしても、施工業者さんときちんと話し合いをして、雨漏れの点検を含めて今後の対応(保証を含めて)を確認することをおすすめします。


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請負契約前の施工についてへの意見


<東京都品川区・XXさん(自営業・41歳・男)>


 参考になればと思い、投稿いたします。土地契約内容、売主、設計建築内容がわからないので、想像を交えてですが…。
 ご不満の内容、購入する側(施主)としてはもっともと思います。土地購入と建物発注が全く別であれば、価格未定の請負契約前にて着工することはありえません。大体、契約前に人様の土地に、工事代金の回収約束がないまま着工等はしません。お話をうかがいますと、購入された土地に建てる建物について、売主と買主(施工発注者、つまり、あなた)との間で「思いの違い」があるかもしれません。
 建築条件付きの場合、必ず設計施工が(土地購入者より)受注を取れる前提のため、土地の価格が比較的安く設定されている場合があり、安く土地を購入できたのだから、建物価格はある程度、建築設計業者の言うことを聞けという気持ちがありがちです(特に、土地契約時に建物予算が大体決まっていれば)。これは特に、土地の売主と設計施工業者が同じ(社名は違っても)場合にありがちです。一番雰囲気が伝わる例としては、建売(建物の仕様、面積、価格総額、全て決まっており)未着工にて購入する例です。これですと建売に関わらず、更地なので、多少の変更は聞いてくれるのが一般的ですが、あまり購入者の要求が大きいと当然、別途料金になります。(優良な)売主(建売業者)の気持ちとしては、早い段階(更地)で土地建物の購入を決めてくれたので、多少の変更は可能ならサービスします。ただし予算(土地建物代金)は決まっており、あくまで建売なので注文建築とは違いますよ、という範囲の中です。
 今回の例ですと、土地(たぶん決済済みでしょう)と建物とは条件付きとはいえ、別契約なのに、設計施工業者がぞんざいだとお感じになっているように見受けられます。これからせっかく新築なさるのに、不信感があっては良くないと思いますので、土地の売買契約書、重説(覚書等あればそれも)を再度読み直し、土地購入と建物の設計建築請負との関連および違約「土地の決済後にそうしなかったときのペナルティ、および、残念ながら他社に設計施工を頼むケースになった場合の*不都合」を、まずは明確に施主が把握することが良いかと思います。その内容を踏まえた上で、相手に態度改善を申し入れするのも良いかと思います。 
*「不都合」とは:本件が1棟のみでなく、ほかにも同じ宅地が隣接しており、同時期に着工する場合に隣地との境の距離、道路幅員等(工事車両関係)にて、同時に、その現場にて2業者が施工するとやりにくい、等です。

2003/10/04 「建築請負契約はまだなのに工事が始まる」へアドバイス



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隣人から私道の使用許可がもらえません」にアドバイス


<東京都品川区・XXさん(自営業・41歳・男)>


 まずは、その私道はセットバック有りとのこと、建築基準法上の道路(二項)とのことなのでセットバック前提にて建築確認が下りれば、建築は大手を振ってできます。建築許可という問題は当然完了しております。となると、前面の私道の通行、工事車両の駐停車の問題と思います。前面の二項道路には、あなたの持分はないのでしょうか? 公図を確認してみてください。
 前面私道が一筆にて、少しでも(あなたの)持分があれば、そんなことは言われる筋ではなく、あまり反対するのであれば、強硬に着工して問題ありませんし、その隣人のみの問題です。前面道路が分筆してあり、各々の宅地の前がその私道の敷地(セットバックとは別に)となりますと(たぶん、これではないかと…)「お宅のセットバック、および、ご所有の私道敷地には極力車は置きませんので」と断り、業者にもその旨を伝え、他の私道敷地所有者には丁寧に断り(その人だけでしょう、反対はたぶん)、工事を始めたらいかがでしょう。始まったらしばらくはチェックに来るとは思いますが、長くは続かないと思います。建てることが目的ですから、我慢し、「すいません、あなたの小さな所有私道敷地のところを踏んで、以後気をつけます。でも人間が通るのは仕方ないですよね」と、現場で何度も断ればやがておさまります。もし先方がその工事を止めるのであれば、区役所の建築指導課に言いつけますが、区の役人が来ても常識の範囲の工事(確認どおりの住宅)であれば問題ありませんし、道路の権利は管轄外です。権利の件について裁判で工事中止を申し立てても、建築確認済みで二項道路にそんな命令は出ません。もし、隣人が基準法上の二項道路を塞ぎだしたら、逆に区に行ってください。
 ちなみに最近の宅地分譲、また、地主の切り売りは、こういう問題(本地がその人の私道敷地とつながるため、駐車したり、塞いだり)になりにくいように、各々の本地の前にバラバラに他の方(その道を使う)の私道敷地を持ってきたり、だれもが使うため、分筆せず持分にします。
 もし、その隣人が全ての私道を所有している場合(少し手間かかります)で、通行、掘削の許可をしなければ、まずは購入仲介した業者に私道通行掘削書面を取るよう求めてください。私道持分無しの場合は説明義務あります。それでもダメなら、裁判所に仮処分申し立てしてください。必ず、通行、ガス、水道、下水の承諾は裁判所にて通ります。その際、不動産に詳しい弁護士を選んでください。以上ですが、公図、私道(通り抜け、および埋設管の位置)を見ていませんので、想像しながらです。



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私の家はMS電気室の真上ですが…」へのアドバイス


<東京都杉並区・山本廣資さん(自営業・63歳・男)>


 定年まで設計事務所で設備設計の責任者でしたが、電気室の上に居室を配置した例はあまりありません。心配されているように、夜中に騒音が聞こえてトラブルになるからです。周辺が市街地の真ん中で夜間の暗騒音が大きい場合は、気がつかない場合もあります。しかし通常は、共用部(玄関・集会室等)の下に配置するのが一般的です。敷地に余裕がある場合は別棟にすることもあります。どうしても住戸の下に電気室が配置される場合は、電気室の上を2重スラブにしてトラブルの発生を少なくします。このあたりの配慮は、一流のデベロッパーの常識です。
 今から間に合うかどうかわかりませんが、このマンションがお気に入りならば、電気室の上の住戸など選ばずに、電気室やポンプ室と離れた他の住戸をおすすめします。

2003/08/23 「私の家はMS電気室の真上ですが…」へのアドバイス

7/1 「私の家はMS電気室の真上ですが…」に対する私の意見



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引き渡し前の水漏れトラブル、住宅メーカー対応は正しい? 」私も同じ体験


<匿名さん(会社員)>


 私もまったく同じ体験をし、この投稿を読み、たいへん驚きました。
 わが家は、最終立会い確認の日に、同様に2階洗面所の水道管接合部分が外れ、2階とその下の茶の間が水浸しになりました。ハウスメーカーの対応としては、2階フローリングおよび腰高までの壁、1階の茶の間および疑わしい箇所の壁、床、天井を剥がし、2週間、自然乾燥させ、張り直すというものでした。SNさんと同じ対応だと思われます。私もこれだけ大掛かりな修繕を行い、構造自体に影響はないのかとすごく悩みましたが、後々影響があるのも…と思い、メーカーの提案する方法を取ることにしました。
 私も、この家を新築ではなく、リフォームされた家と感じます。ハウスメーカーに、工事費の引き下げを要求しましたが、聞き入れてもらえませんでした。疑わしきところは全て修繕し、徹底的にやったのに、何が不満なのか…。そのような意味合いのことを言われ、結局、ごくわずかな慰謝料という形で納められてしまいました。でも、全く納得いきません。
 逆にSNさんがどのような補償を受けられたのか、お聞きしたいです。

2003/09/13 「引き渡し前の水漏れトラブル、住宅メーカー対応は正しい?」へアドバイス

2003/08/23 「引き渡し前の水漏れトラブル、住宅メーカー対応は正しい?」に私見



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