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![]() 床の耐重量についての問い合わせ<静岡県・TTさん>![]() お世話になります。耐重量についての問い合わせです。 2階に900×750×450ミリ、重量約280キロの水槽は設置可能でしょうか。場所は水槽のサイズとほぼ同じ面積の900×760で、3面は壁に囲まれています。築7年、ツーバイフォーの2階建て(各階3世帯、自分が住んでいるのは真ん中の部屋)の木造アパートです。 建築基準法ですと、耐重量は1平米180キロ以上とのことですが、上記水槽を載せた場合、完全に床が抜けてしまいますか? それとも、たわむ程度ですか? よろしくお願いいたします。 アドバイスいたします 一級建築士事務所 ATELIER AG-PLANNING 今井優子(北海道建築士会 札幌支部青年委員) ホームページ:http://www2.odn.ne.jp/hokkaido-agp/
0.6平米に280キロということは、180kg/m2をはるかに超えています。これだけの重量が長期にわたって、床に載っているという状態は、一般的な木造住宅では想定していません。すぐさま床が抜けてしまうことはないかもしれませんが、時間とともにたわむのは必至でしょう。そのような状態で、地震の揺れや台風などの強風を受けたときには、通常の状態で働くはずの梁や柱の耐力は期待できなくなります。
ご自分の家でしたならば、自身の財産であり自身の命ですから、自己責任ということで良いのでしょうが、アパートで下階に第三者が生活しているとなれば、何かあったときにあなたは責任が取れますか? 「たわむ程度ですか?」というような安易な捉え方は危険だと思います。 |
![]() 建築基準法違反・消防法違反でしょうか?<茨城県取手市・YKさん(会社員・38歳・男)>
平成14年3月末、新築一戸建てに入居しました。ところが、つい先日、某テレビ局の番組で、以下のことを言っておりました。
1)床下の通気口は、5メートル間隔でつくらないと、建築基準法違反 2)台所のまわりにある、下がり壁が天井から50センチ以上ないと、消防法違反 ところが、わが家には通気口が1つもありませんし、台所と食事室の間にある下がり壁が、20センチです。 どの様な条件でも、建築基準法や消防法の違反になるのでしょうか? ちなみに、わが家は軽量鉄骨2階建ての外断熱工法です。 以上、よろしくお願いいたします。 アドバイスいたします 一級建築士事務所 ATELIER AG-PLANNING 今井優子(北海道建築士会 札幌支部青年委員) ホームページ:http://www2.odn.ne.jp/hokkaido-agp/
この手の欠陥住宅や違法建築を取り上げたTV番組を私もよく見ますが、一般の人たちはこれでは誤解するだろうな〜と、いつも思っています。このような問題は非常に複雑で、状況や状態を正確に伝えるには非常に多くの時間が必要なはずですが、TVという時間の都合で編集され、しかも意図的にセンセーショナルに面白くつくられてしまうことが多いように思います。たぶん、この番組でも、解説していた専門家の人が、実際に話をした半分も放映されていないのでしょう。
1)について 建築基準法では、木造の床下に湿気が溜まらないようにするために、床下の通気口を設けることが定められています。同時に、防湿のための対策(土間コンクリートや防湿シート敷きなど)が取られている場合は、通気口は設けなくて良いということも定められているのです。 YKさんの場合、外断熱工法であるということは、基礎の立ち上がり部分も外断熱になっているのではないですか? せっかく外断熱をしても、通気口をつくって床下に外気を入れてしまっては、断熱した意味がなくなってしまいます。ですから、何らかの床下の防湿対策を講じて、通気口をつくっていないのではないかと思われます。確認してみてください。 2)について 消防法違反というのは、私も何のことかわかりません。 消防法にも建築基準法にも、台所のまわりに50センチ以上の下がり壁を設けなさいというような法文はありません。おそらく、建築基準法の火気使用室の内装制限がかかる範囲についての取り扱いに関係することではないかと想像しますが…。 火気使用室(台所)の天井と壁の仕上材は、準不燃以上にしなければいけない制限があります。完全に独立した台所ならば問題ありませんが、いわゆるLDKのように一体の空間になっている場合、LDK全体にその内装制限がかかってしまいます。そこで、50センチ以上の下がり壁があれば別々の部屋として扱ってもいいですよ、という約束事のようなものは存在します(これも地方によってバラつきはあるようです) 。しかし、例えば台所のコンロがIHヒーターでしたら、火気使用室に該当しません。また、LDK全体を内装制限してしまえば、下がり壁がなくたって良いのです。石膏ボードにビニールクロス張りの仕上げでしたら、クロスの種類によりますが、ほとんどの場合、準不燃以上の仕上げになっていると思います。 |
![]() 雨水の浸透マスが浸透しない<神奈川県相模原市・SYさん(自営業・50歳・女)>![]()
築17年の住宅。浸透マスが機能しておらず、ちょっとした雨でもあふれ出てしまいます。そのせいか、家の一部に沈下がみられます。早急に対処したいのですが、新しいマスを設置したところで、またすぐに詰まってしまうと思いますが、自治体では浸透マスでないといけないそうで、下水に放流するわけにいきません。
新しく設置する場所の確保が難しく困っています。小さいマスで効率よく浸透できないもなか、アドバイスお願いします。 アドバイスいたします 一級建築士事務所 ATELIER AG-PLANNING 今井優子(北海道建築士会 札幌支部青年委員) ホームページ:http://www2.odn.ne.jp/hokkaido-agp/
浸透マスは定期的に掃除をしないと、ゴミが詰まり、機能しなくなります。また、大雨の後などはゴミや枯葉などが一緒に流れてくることが多く、詰まりやすくなるので点検が必要です。
点検や掃除をしているにもかかわらず機能しないとすれば、隣接地の地盤が高い、粘土質などのように雨水が浸透しにくい土質だということ等が考えられます。そのような場合は、市の下水道課に相談してみてはいかがですか。浸透マスを推奨し、設置に助成金を出している自治体は多いですが、それでなくてはダメということはないと思います。しかし浸透マスは、地下水(湧水)の枯渇や大雨のときの河川の氾濫といった、現在の都市問題を改善するものとして期待されています。維持管理は少し面倒ですが、ぜひ使い続けてください。 不同沈下との因果関係は現状を見ないとわかりません。地域の建築士に調査してもらってはいかがでしょうか。 |
![]() 違法建築について<大阪府松原市・NKさん(会社員・36歳・男)>
今、親と住んでいる父名義の土地、物件を相続するにあたり、物件が違法建築となっています(建ぺい率、容積率超過)。この場合、今後、違法建築が発覚した場合、建物の改修を指示されたり法的に罰せられる(罰金等)ことがあるのでしょうか?
アドバイスいたします 一級建築士事務所 ATELIER AG-PLANNING 今井優子(北海道建築士会 札幌支部青年委員) ホームページ:http://www2.odn.ne.jp/hokkaido-agp/
建築基準法では、特定行政庁は建築主、工事請負人、現場監理者、建築物の所有者、占有者などに対して、違反を是正するために必要な措置を講じることを命令することができるとしています。しかし、それをいつ発令するかは、特定行政庁の裁量に属するところです。
現在のその物件が、どのような時期にどのような経緯で違反建築物となったのかが不明ですが、現在まで発令されなかった是正命令が、相続を機会に発令されることは一般的にはありえないと思われます。 ただし、今後この建物に対して建て替え、改築、大規模な改修等を行う場合には、現行法規に適合させなければなりませんので、ご注意ください。 |
![]() 基礎のヒビの補修について<長野県・匿名さん>
家の基礎に入ったヒビのことが、冬を前に心配になりメールをしました。長野県の標高1200メートルくらいに家を建て、完成直後に基礎にヒビが入っていました。
メンテナンス担当者が、収縮クラックか、不同沈下かを見極めるため、6ヵ月後に点検することになったのが4月(2002年)です。当時の担当者は、もしヒビが表から裏まで貫通しているようであれば、エポキシ樹脂を充填し、鉄筋のサビを防ぐという説明でした。ところが、担当者が替わり、ヒビは表から裏まで貫通し、家の土台から下まで入っているのですが、今回の担当者は、ヒビに強い接着剤を使用すると、他の所にヒビが入ってしまう可能性があるので、完成後24ヵ月後の定期点検で補修するのが一般的だということでした。ヒビは完成直後より、はっきりと割れてきていますが、このまま24ヵ月後の定期点検まで経過観察で良いのでしょうか? 場所も東海地震防災対策強化地域に指定されているので心配です。 今、どんな手当をするのが良いのか、良い補修方法をお教えください。 アドバイスいたします 一級建築士事務所 ATELIER AG-PLANNING 今井優子(北海道建築士会 札幌支部青年委員) ホームページ:http://www2.odn.ne.jp/hokkaido-agp/
相談をいただいてから随分と時間が経ってしまっていますが、一日も早く対処することをおすすめします。24ヵ月も様子を見ている場合ではないです。基礎のヒビが貫通しているという状態は異常事態です。もはやヒビではなく亀裂です。さらに、「ヒビに強い接着剤を使うと他にヒビが入る」などと、いい加減なことを言う業者は信用に値しません。
このようなことが起きる原因として、いくつかのことが考えられますが、原因によって補修方法は全く異なります。早急に原因究明と対策を検討するための調査を、第三者の建築士に依頼することをおすすめします。 部分的な調査ではなく、全体的に見てもらって、適切な修繕方法を検討してもらう必要があると思います。 |
![]() 床の傾きについて<神奈川県横浜市・YYさん(女)>![]()
築4年の建売住宅に住んでいます。今まで全く使っていなかった北西の部屋があり、その部屋を先日、子ども部屋にしようと細かいサイズを測っているときに、「部屋が傾いている」気がしてビー玉を転がしてみました。部屋の隅から隅へ一方向に転がり、計算上では毎分15メートル転がります(面白いくらいにコロコロ転がります)。
1.この状態は異常なのか正常な範囲なのか 2.どういった業者に傾きの調査を依頼すればよいのか 3.直す場合、何をどのように直すのか を教えていただきたいのです。 他に、ビー玉は転がらないものの、南面の全ての雨戸がきちんと閉まりません。 アドバイスいたします (株)丸豊伊藤建業 高橋博美(北海道建築士会 千歳支部 青年部) 電話:0123(23)2277 ホームページ:http://www.marutoyohome.com/
まず、詳しい状況がわからないので、調査してみなければ断言できず申しわけありませんが、考えられ得る範囲で述べます。今回のご質問の内容だけで考察しますと、
「1.この状態は異常なのか正常な範囲なのか」 部屋の隅から隅まで……毎分15メートルもビー玉が転がるというのであれば、異常と言わざるを得ません。 「2.どういった業者に傾きの調査を依頼すればよいのか」 建売住宅ということで、販売・建築業者に相談してみたことがありますか? もし相談していなければ(相談してみて回答が納得いかない場合)、全く別の建築業者(信頼できる)か、お住まいになっている地域の建築士会(電話帳に載っています)に相談してみると良いでしょう。 「3.直す場合、何をどのように直すのかを教えていただきたいのです」 この状況ではこれが一番難しいのですが、まず、該当の部屋だけなのか、それとも他の部屋でも起こっているのか、1階なのか2階なのかなど、調査しなければならないことがたくさんありまが、考えられる方法としましては以下の方法(他にもある)かと思われます。 1.基礎自体が沈下を起こして、建物全体もしくは一部が傾いている場合。 このケースなら事態は深刻です。まず、建物本体と基礎部分を切り離し、基礎の形状も含めて基礎を築造し直す必要があると考えられます(地盤の状況がわからないので不明確)。これは費用面からいうと莫大な出費になります。 2.該当の部屋だけが単純に傾いている場合 このケースは一概には言えませんが、施工業者が材料の選定時点で木材の乾燥が不十分なものを使い、4年間の間に木材の乾燥(木材は乾燥すると縮んでいく)が進み、床が下がったことが考えられます。これを直すなら、一度、床材を剥がし下地の木材を取り替える、もしくは、高さを調整して床をつくり直す方法になると思われます。 以上のような方法がありますが、実際に建物の調査をして何をどのようにするのか検討し、対策を施すのか、生活に支障がないため諦める(費用との折り合い)のか、判断材料として前述しましたとおり、調査依頼してみたほうが良いと思います。 普通の人ならば、住宅はやっぱり高い買い物です。諦められるわけはないと思います。そのためにも、くどいようですが、調査依頼してみてください。 長いわりに結論が出ていないような回答で申しわけありません。 |
![]() 「窓の結露と換気について。24時間換気システムには何の意味が…」へ、続・アドバイス住まいを科学する技術集団・新住協メンバー 須藤建設(株) 副社長 須藤芳巳 ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/
「NPO住宅110番より」
以前に掲載しました「窓の結露と換気について。24時間換気システムには何の意味が…」にてアドバイスいただきました、須藤建設・須藤さんより再びアドバイスが寄せられましたので、以下に掲載いたします。 ■開口部について 住宅金融公庫の省エネルギー基準の地域区分では、 ・ 今回の投稿者は岩手県(地区)→二重窓アルミ断熱サッシ ・ アドバイス投稿者(「窓の結露と換気について。24時間換気システムには何の意味が…」へアドバイス)は神奈川県(「地区)→二重窓アルミサッシ ・ 回答者は北海道(汳n区)→二重窓、木製またはプラスチックサッシ になっています。 従って投稿にあるペアサッシとはペアガラス断熱アルミサッシ(地区)と思われますが、その他にも確認しなければいけないことがたくさんあります。 ■暖房方式について もちろん、ポット式ストーブは結露しますので使用してはいけません。一斗缶の灯油を焚くと一斗の水が出ます。一斗缶の水を部屋中にまくことと同じです。個別暖房であればFFストーブですが、ベストは全館暖房です。 ■24時間換気システム 24時間換気システムと高気密・高断熱・全館暖房のセットが基本になります。 全館暖房であれば2階からの冷気の問題が生じません。しかしながら、今回の住宅は個別暖房になっています。台所の換気扇を回すと2階からの冷気を引っ張るということになるので、やはり換気計画(給気・排気)が必要になってきます。今回の場合、投稿者アドバイスにあるように、2階に負荷を掛けないための給気口を確認してください。なければ、設置するか窓を開ける(給気口として)必要があります。 24時間換気システムとは24時間計画換気システムです。科学的に計算で求めてください。 ■地域によるシステムの違い 汳n区の北海道では、20年以上前からPVCペアガラスのサッシに変わっています。暖房システムでは、FFストーブの個別暖房から全館暖房=全館換気に移行しつつあります。北海道でも現在の高気密・高断熱・全館暖房・計画換気がセットで考えられるようになるまで、時間の経過が必要でした。ましてやこれから普及する地区で、なおかつ北海道より暖かい地区でバランスの良いシステム、地区にあったシステムが確立されるまで試行錯誤がなされると思います。しかしながら、北海道での実践の成果が確立できています。近年、私のまわりでは九州地区から高気密・高断熱・全館暖房・計画換気の取り組みの勉強に来る会社が多くなってきています。その意味で、地域差はないともいえると思います。 地域を考慮しつつ、汗のかかない家づくりを基本に回答をしていきたいものと思っています。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |