住宅クレーム110番

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外装板と窓枠の上部隙間はシーリングしない方が良い?


<新潟県新潟市・T.Tさん(会社員・59歳・男)>



 今回、リフォームを終え、迷っている点があり、東北・北海道など寒冷地の方、業者さんに教えて戴ければ幸いと思いメールしました。
 新潟市内で増築・水廻り全面改修や和室の洋間化、窓の断熱サッシ化、外装板張替工事を施工しました。
 
●教えて戴きたいこと
・外装板と窓枠の上部(上歯)隙間はシーリングしない方が良いか? 教えて戴けませんでしょうか
 
●経過
 外装板と窓枠の隙間はシーリングが基本と思っていましたが、上部に未施工部がありリフォーム業者に指摘したところ「結露対策として水分排出用として実施している」とのころでした。
 西側と北側の風雨・風雪が強く雨水の浸入が心配であったため、使用したサッシメーカーと外装版メーカーの相談部門に確認したところ、何れも4面シーリングして下さいとのこと。外装版メーカーは2時間後に協議結果として「隙間を開けるのであれば壁側に雨水浸入を防ぐため、外装板内側の窓枠部に100〜150mm位の板を設けるべき、心配であれば塞いでも問題ないと考えます」との回答がありました。
 このことをリフォーム業者に伝えたところ「この施工方法は新潟の板金業会が10年程前から採用している施工方法で、新潟ではほぼ100%この方法」とのことでした。台風や冬の風雨が心配で上部もシーリング施工して戴くつもりでいましたが「新潟ではほぼ100%この方法」と言われると迷ってしまいます。
 なお、外装板内側の窓枠部に100〜150mm位の板が有るか無いかの問いに対しては回答戴けませんでした。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 外壁の施工方法について、図面がないので修まりがはっきり解らないのですが、文面から通気工法を採用した金属サイデングと思われます。この場合。一番大切なことは防水シート(一番使われているのはタイベックシート=デュポン社と思います)とサッシの修まりです。サッシのつばの部分に上部はタイベックを被せ、下部はつばの下にタイベックを差し込み、気密テープを貼ります。サイドはどちらでも良いと思います。この部分で防水することが大切です。後は通気工法になっているので、入った水は通気の部分から出るという考え方でOKです。建築的(世界的にも)に言うと、
1)内部気密・外部開放=外部を密閉して防水を計ると水が入った場合逃げ道がないので、入ったものは素直に出すという考え方。呼吸できる家が基本。 
2)コーキングは補助=コーキングは必ず切れる(年数が経つと弾力がなくなり、サイデングの収縮によって効果が失われる)。気密テープも同じ。
 上記の事から、サッシ廻りのコーキングは不用と思いますが、あくまでも通気工法と防水ートの修まりを熟知し、完全な施工ができる場合によります。特にサッシの上部は雨・雪の吹き上がりに対応する事が大切になるので、サッシのつばとタイベックの重ねだけではたりない場合があります。必要に応じて水切り鉄板を施工する事をお薦めします。


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木造在来工法で木の太さを増すことで強度は増しますか?


<新潟県新潟市・NTさん(会社員・37歳・男)>



 鉄骨か木かで迷っています。鉄骨は木より丈夫な感じがするのですが、コスト面で苦しく、また、木造は比較すると強度などの点で不安感が残ります。
 土地は田の中に位置しており、冬季の風、雪等を考えると、無理をしてでも鉄骨がよいのか?等と考えてしまいます。
 木造在来工法で柱四寸がほとんどですが、四寸以上にすると強度、耐久性等は増すのでしょうか?どこの在来工法の資料を見ても四寸柱がメインですが・・・。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

■太さよりバランスを考えてください
 建物には自重・積載荷重の鉛直荷重、風の水平荷重など様々な力が掛かります。その荷重に対応するために柱の太さ、筋交いなど、構造計算による設計が必要になります。従って建物の強さは鉄骨造・木造などの構造で論じられることではなく、耐力壁のバランス・量などによって決まります。また、梁・柱・基礎の負担を考え、鉛直荷重をバランス良く分散するよう設計して下さい。基礎の地耐力(必ず地質調査をしてください)、積雪など梁の強度(たわみ)などのチェックが大切です。新潟の地域を考えた場合、木造の方が良いのではないでしょうか。さらに木造で耐力壁の強度を上げるために、構造合板を貼ることをお薦めします。木造が鉄骨より弱い、柱を太くすると強度が増すというようなという単純な話はありません。
■強度以外でも、鉄骨の場合は高気密・高断熱が難しく、断熱欠損を考えると外断熱になりますが、木造の場合は軸間断熱・外断熱どちらでも修まります。


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外壁からの水漏れについて


<愛知県名古屋市・HHさん(会社員・39歳・男)>


 在来の木造住宅で設計管理を設計士にお願いしたのですが、完成後半年位で風呂場外の基礎部分に水が染み出てきたため、設計士に相談した所、しばらく様子を見るように言われたので半年ほど様子を見たのですがひどくなる一方で(雨が降ると特にひどくなる)、再度連絡した所、請負工務店が倒産したのでどうすることも出来ないとの事でした。
 色々な人に見てもらった結果、どうやら外壁の内部の防水紙及び水切りが設計図面通りに施工されておらず、また在来工法の風呂場からも何らかの水が漏れているとの事でした。この場合、設計士にはどの程度責任があり、工事をやり直すことになった場合はどの程度要求できるものでしょうか。ご回答をいただければ幸いです。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 設計管理業務に依頼した設計士が、何処まで関わったがこの文書で詳細を掌握できません。事例から申し上げて、本件のような事象が発生した場合、かなりのウェートで設計士が関わった物件でも、設計士の責任を課する事に大変な困難があります。ほとんどが施工上の瑕疵であり、設計士の瑕疵である事を証明する事が難しいからです。
 本件においては、本来、施工工務店が対応すべき案件です。依頼した設計事務所が、施工責任を負う契約を行ったのであれば、当然ながら当該設計士に責任を負わせる事ができます。しかし、通常、そこまで設計士が関わる事は本当に少ないケースしかありません。
 本件は土台などの主要構造物が腐食菌に侵されている可能性あります。早急に対応すべきです。費用負担は質問者が持つ事になると思いますが、責任の所在より、自分の住宅は自分で守る事を優先すべきでしょう。出来れば当該設計士に紹介を戴いた施工工務店に依頼したらどうでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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杭打ちは必要なかった?


<札幌市北区・KMさん(主 婦・28歳・女)>



 現在、石狩市花川南に建築中なのですが、お願いしている建設会社から、その土地は杭打ちの必要はないと言われました。それでも、杭が入るようならお願いしますと言っていたのにもかかわらず、ある日、土地を見に行くと基礎ができておりました。
 建設会社に聞いたところ、周辺の地盤調査結果を伝えるのを忘れていただけなので勘弁してほしいと言われましたが、本当に杭打ちは必要なかったのでしょうか?周辺の土地のデータで地盤調査をしたことにしているようですが、実際建築する場所の地盤は調査しなくてよいのでしょうか?また基礎ができてしまっているので今から杭は打てないといわれましたが、本当に杭打ちが必要でないのかを知るにはどうすればよいのでしょうか、是非教えてください。よろしくお願いします。



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

 現実的な対応として、まずスエーデン式で地質調査をすべきです、費用は5万円ぐらいから10万円はかからないと思われます。地耐力の結果が出ましたら、その基礎が、その地耐力の長期短期的に耐えることが出来るか、構造的な見当が必要です。単純に木造2階建て(無落雪)でしたら基礎にメーターあたり3.5トンほどかかります、1階をRCの車庫で造られているとすると5トン以上かかります。それらは地質調査をしてからになります。それから先は純粋技術的な判断ですから、構造設計事務所か建築設計事務所にいらされたら良いと思います。杭を要求して杭が施工されていない件と、それらが設計図に同様に記載されいるかなど、その後の処置は、設計事務所と弁護士の協力を得て解決されると良いと思います。なにはともあれ、地質調査の結果を待ってからでしょう。


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換気システムは第1種か3種かどちらがいいの?」へアドバイス


<神奈川県鎌倉市・山田設計さん(自営業・46歳・男)>


 神奈川の山田設計です。
 換気は「給気と排気」がされてはじめて換気になります。両方とも機械で行うのが1種換気、排気のみ機械で行うのが3種換気です。1種換気の問題点は給排気ともダクトを使用することと、メンテナンスのし難さで
す。熱交換器の換気扇の掃除は出来ますが、ダクト内部の掃除までは素人は出来ません。当然、それぞれの給排気口のフィルターの掃除も定期的にする必要があります。ですから私は3種換気を薦めています。単純な3種換気ですが、チョット一工夫して2種類の換気扇を季節と時間で使い分けるのです。
 夏は1時間当り建物容積の3倍の排気能力の換気扇を使用し、冬は0.5倍の排気能力の換気扇を使用する。冬でも来客の多いときは大きい換気扇を使用すれば息苦しさもありません。色々使い分けられます。プランと給気位置にチョット工夫がありますが詳しくはHP(http://www.ne.jp/asahi/kaiteki-home/yamada/)にあります。
 それと、外断熱は屋根も含めているのでしょうか? 屋根に関しては垂木を2×6材を使用し、その中に150mmの断熱材を入れ、その上に45mmの通気層+棟換気を設けることをお薦めします。夏の熱気はほぼ遮断されますし、外壁にも通気層を設けることをお薦めします(我が家データーからです)。できればサッシは内側樹脂の断熱サッシにすれば結露はほぼありません(これも我が家データーからです)。施工の難しさはありませんから是非検討してください。



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業者選定ってどうしたらいいのでしょうか?」さんへ


<神奈川県厚木市・M.Oさん(会社員・44歳・男)>


 神奈川県のM.Oと申します。ちょっと気なるのが、業者=ハウスメーカーだけと思われているような気がするのですが、いかがでしょうか?
 私も3年前に家を新築しました。色々悩んだ挙げ句、地元の設計事務所に頼んで創りました。その経験でのご意見ですが、家は買うものではなく、創るもの。という実感があります。土地の地盤調査から始まり、工法・外観・間取り・使う材料など自分達のライフスタイルに合わせて1つ1つ検討し、話し合って設計図が完成。基礎工事の職人さんや、大工さんともすっかり仲良くなりました。
 完成した家も手前味噌ですが「想像以上」の満足な出来でハウスメーカーにしなくて良かったあ…と思っています。
 確かに私もハウスメーカの魅力的な広告や、モデルハウスがあり住宅展示場に行って、思わず「どこのハウスメーカにしようかな」などと考え、どこを選択しようか?で悩んでしまっていました。しかしながら、よーく考えてみるとこれってすでにハウスメーカの営業戦略に乗ってるですね。
 私の個人的な考えですが、
・ハウスメーカーの家
 非常に効率よく写真・模型・間取り図・設備・価格・営業トークで顧客のニーズをつかみ、あっという間に見積もりが出来上がりあっという間に出来上がってしまう住宅。(工業製品)
・設計事務所で建てた家
 自分達も家づくりに参加して、決められた条件(予算・土地など)のなかで相談しながらじっくり創っていく家。

 設計事務所に頼むと「高いのでは」と思っていましたが、決してそんな事はありません。良い材料を正しい単価できちんと説明し、一つ一つ見せてくれました。そんな事はハウスメーカーにはできない事だと思います。
 決してハウスメーカーの家が悪くて、設計事務所が良いというつもりはありませんが、せっかく建てられる家です。決めたら最後、この不安定な時代に普通の人はローンで返済していく事になるはずです。焦らず、じっくり色んな情報を集めて選択肢を広げてから業者を選定されても決して遅くないのでは?
 ついつい「時間がなくてゆっくり検討している暇なんかない」と言って住宅展示場へ行き「営業担当者の善し悪し」で決めてしまって後で後悔する。そんなパターンも良く聞きます。
 住宅展示場へ行く時間と同じくらい図書館へ行って色んな関連情報をご覧になる事や、建築中の現場へ足を運んで見るのも有効だと思います。
 良い家を建てられる事をお祈りしております。



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土地が無断で削られ悩んでます」へアドバイス


<神奈川県鎌倉市・山田設計さん(自営業・46歳・男)>


 建築基準法では幅員4メートル以上の「道路」に接していなければ家は建てられないことになっています。ただし、昭和25年以前より道路として使用している4メートル未満の場合は、中心より2メートル後退した位置を道路境界線とすれば建築できることになっており、そのような道路が「42条2項道路」と言います。その道路の所有権までは規定していませんので個人所有の場合が多いでしょう。ですから当然、後退もせず車庫代わりに使っている人もいます。
 しかし、「道路とみなすだけで道路にしないといけないと言うことはないはずです」とありますが、道路と同等の空地を確保するならば確認申請上の道路としましょう。ということは道路形態にすることなのです(舗装の有無は関係ありません)。花壇の形態を残したいと言えば確認は下りないでしょう。
 また、防災上のことを考えた場合、緊急車両も通行できませんので、神奈川県内では後退部分を買い取る市町村が増えてきました。
 今回の場合、A業者の行為は明らかに間違っています。7宅地の開発であれば許可申請を取っているはずなので、まず県の担当課に電話で事情を説明してください。(完了検査が、まだだと良いのですが)

県土整備部 建築指導 監察審査班
電話 045-210-6250
   (建築物及び開発行為の違反対策に関する企画及び指導 )
   (建築及び開発争訟の法規事務)

 道路に関しては市町村役場の建築指導課またはそれに変わる部署に連絡し勝手に舗装された旨を説明し、ご自分の意向を伝えてください。安いですが買い取ってもらうのが良いと思います。



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