住宅クレーム110番

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J110 News

土地の表層改良について


<名古屋市・うさぎ さん(会社員・38歳・男)>


 土地(面積184平米)を購入し、スウェーデン式サウンディングで調査をしました。結果は、全体的に地表面から0.75メートルまではN値3から5の層があり、その下は0.75から1.5メートルまでN値8以上の層、1.5から3.75メートルまでN値3から5くらいの層、3.75から4.25メートルまでN値8以上の層、4.25から7メートルまでN値5から8くらいの層、7から8メートルまでN値8以上の層でした。土質は粘性土。この上に平均50センチの盛り土を考えており、2社の2×4ハウスメーカーに相談したところ、表層改良が必要と不必要の回答を得ましたが、実際にはどうなんでしょうか?(建物は2×4の2階建て1階部20坪程度。)
 また、盛り土をする場合の土の種類はどのようなものが良いのでしょうか? さらに砕石でもよいのでしょうか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 結論から言って、地盤改良を行うべきでしょう。
 本件の調査結果を総体的に地盤評価すれば、地耐力としては良い地盤といえるでしょう。
しかし、0.75メートル以下の部分に気にかかる地盤層があります。改良不要の判断は、この部分の地盤を意識した深い基礎の工事で、問題が生じないと判断したものと思われます。
 しかし、建築後の諸条件で不同沈下が少しでも気がかりな場合は、地盤補強を行うべきです。地盤調査はSS方式の他に超音波探査方式があります。超音波探査方式は地盤平行度、地盤特性、地震波長などが調査でき、その調査に基づき、基礎仕様書が付きます。セットで9万円くらいで調査ができます。
 地盤と基礎に万全の策で望むことが大切です。砕石は水切りもよく、盛り土に最適ですが、価格が非常に高くなります。切込み土砂といって、砕石と砂、土が混合されたものがよく使用されます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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高気密高断熱の床下について


<山形県山形市・MKさん(会社員・29歳・男)>





  冬はとても寒く、夏は蒸す山形で、高気密・高断熱の家を考えており、業者に相談したら、床下換気を取らないベタ基礎だといわれました。どうしても床下換気を取らないと、湿気をためてしまうような気がします。
 その業者はこのように施工するといいました。
 ベタ基礎コン150ミリの下にポリスチレン断熱材(25ミリ)。その下に防湿シート(0.4ミリ)。その下が砕石です。また、ベタ基礎コンの上は150ミリの空気層を取って、そこは第3種換気で換気、その上にベニヤを敷いて床材です。
 ここまですれば湿気を寄せ付けないと言われましたが、どうでしょうか? ちなみに壁は60ミリポリスチレン+防湿シート+24時間第3種換気です。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 床下は、常に乾燥状態を維持できる環境が不可欠です。本件において相談された業者さんは、いささか短絡的な考えのようです。確かに床下換気口を取り付けるとその部分から湿気を排出しますが、季節によっては湿気を呼び込む場合もあります。また、床下換気口周辺が低温となり、居住空間からの湿気を凝縮して周辺部材の含水量を増加させ、虫害や腐食菌の被害を受けやすいともいえます。
 しかし、ベタ基礎だからといって、万全だというわけにまいりません。本件の建築地域は山形です。基礎仕様において25ミリでは、外気を防ぎきれません。外周に面した部分の土間コンクリートが低温となり、コンクリート含水量が増大する場合があります。
 外周部分だけでも40〜50ミリくらいが必要です。また、防湿シートはコンクリート打設時に、穴だらけになり実効が伴いません。一番肝心なのは、外部地盤面より、床下コンクリート面の高さが最低150ミリ以上、
高くなるように施工することです。
 家全体の換気方法ですが、本住宅の気密性能のC値が1.0cm2/m2以下である場合、第3種換気では負圧状態が極端となり、換気が十分となりません。この場合、第1種換気とオール電化を組み合わせるとベターです。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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風呂場の換気扇にダクトが付いていない!?


<京都府長岡京市・UMさん(主 婦・63歳・女)>


 3階建てのわが家は、今年で築13年目になります。先日、2階にある風呂場の換気扇が、異常な音を出すようになり、横の点検口からのぞいたところ換気扇にダクトが付いておらず、3階の床下に直接、風呂場の湯気を排出するようになっていました。3階にある部屋は、いつも湿気でじめじめしています。3階の床下は木造なので、湿気で腐らないかと不安で困っています。
 どうすればよいでしょうか? アドバイスお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 13年も気づかずにいらしたのですね。状況から判断して、建物に大きなダメージは与えていないように思われますが、早急にダクトで外部に排出する必要があります。
 浴室の湿気が恒常的に排気された場所が、常に低温な部分であれば、周辺構造材の含水量が増えて腐食菌に侵されやすくなります。
 本件の場合、3階の床下なので、家全体の隙間からの自然換気で、外部に放出ができていたものと思われます。京都の冬は空気が乾燥するので、むしろ良い状態を維持していた可能性もあります。しかし、真夏は湿気の持つ熱量分も暑さが増すことになります。
 いずれにしてもイレギュラーな手法であり、生活環境などの状況によっては、一気に腐食菌の発生を促す場合もありますので、早急に対策を行うべきです。対策といっても、浴室換気扇をダクトにつなげるものと取り替え、一部天井を取り外し、外部にフードを取り付ける工事で、数万円程度の工事と思われます。

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下がり壁(垂れ壁)についてお尋ねします


<福井兼敦賀市・YMさん(会社員・36歳・女)>



 新築で、在来、木造、(未線引き地域、無指定)ガスコンロ使用の家の対面キッチンの垂れ壁は必ず必要でしょうか。
 50センチは必ず、というメーカーさん。30センチでいい、というメーカーさん。「隣接する部屋の壁などを防火仕様にすれば、つける必要はなし」というところまであり、困惑しています。できることならつけたくないのですが、いかがでしょうか。融資は銀行のみ、公庫は使いません。よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
中村よしあき建築研究所
中村欣嗣
電話:0126-23-0268



 建築基準法で、火気使用室は内装の制限を受けることになります。ただし、木造住宅の場合、最上階の火気使用室は制限を緩和されます。上に部屋がなければ、もし火事になっても逃げ遅れる心配が低いという判断です。火事になる危険度が減るという判断ではありません。ですから、台所が2階建て住宅の1階であれば制限を受けますが、2階であれば受けないということになります。次に、その制限を受ける部屋と受けない部屋は、どう区画すれば良いかというと、天井から50センチ以上の不燃材で出来た壁でぐるっと囲われていれば良い、ということになっています。これは、ドアや下がり壁の部分も例外ではありません。この条件をクリアしなければ、隣の部屋も制限を受けることになっていきます。30センチという基準は、たぶんありません。
 台所のコンロに電気式のクッキングヒーターが使われはじめ、自治体によっては電気であればIH、ラジェント型を問わず、内装制限をしなくてよいといってくれる自治体が増えているようです。ただ、実際に表面が熱くなるラジェントタイプは、この質問があり、私も実験してみましたが、真っ赤になったプレート面に紙を近づけるとあっという間に発火します。危険です。ガスであれば、たとえ台所が最上階でも火事になる確率は以前として高いわけですから、その辺りをお考えになって判断されてはどうでしょう。


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外張り断熱の熱橋としての庇について」へアドバイス


<神奈川県鎌倉市・山田設計さん(自営業・46歳・男)>


>外壁は乾式の総タイル張り・・・
>水漏れを考えて、バルコニーはつけないことにしました・・・
>外張り断熱を行う場合は、その部分が熱橋になり、結露の原因となり、
>家を腐らせてしまうのではと心配しています・・・

 家は安心で快適に暮らすための場所です。水漏れが心配なら、バルコニーの下に鋼板の屋根を付ければ良いでしょうし、木造で霧除けの熱橋の心配は不要です(RCの場合は熱橋の心配はありますが)。バルコニーを物干し場に利用できなくても良いのですか? 梅雨時や真夏には霧除けは非常に有効ですよ。
 夏の暑さや冬の冷気を遮断するには、二重構造の屋根、壁にするのが、より有効です。家を長持ちさせるには、床下を含め乾燥させておくことが重要です。壁内部の結露も心配ですので、家の中を絶えず負圧にする換気設備も必要です。風の通りの良いプランであることも必要です。詳しくは私のHPに説明してあります。(http://www.ne.jp/asahi/kaiteki-home/yamada/
 家は使い勝手を優先させるべきで、住む人が一番のはずです。家のために使い勝手を犠牲にしては本末転倒です。より良い住まいが出来ますよう、応援いたします。



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三戸一の建替えについて


<匿名さん>


 現在、三戸一の端の家が建て替え中です。私は、その真ん中の家に住んでいるものです。隣が工事で屋根裏の太い丸太(梁?)を切ったりしたため、家の横方向の耐震性がゼロになったと、別の建築士さんに言われました。もし、一定以上の振動があると壁土の家なので崩壊するそうです。
 こんな場合、私のほうで耐震のための補強をしなければならないのでしょうか? どなたか教えてください。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 現場を見ていないのでどういう部分の梁かわかりませんが、屋根荷重を支える梁であっても、燐戸とつながっている梁ということなので、長辺方向のモーメントは一戸建てより大きくなるため、耐震性ゼロかどうかは判断できかねますが、構造的には不利な状況となると思われます。建て替えの際、隣から相談が無かったのであれば、これを機会に建築業者を含め、話し合いをされたほうが良いでしょう。共有の構造体に手を加えているわけですから、しかるべく、補強の方法を出してもらい、お知り合いの建築士さんに見ていただくなり、話し合いに同席してもらえば、よろしのではないでしょうか。


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マンションでの水もれ被害後の処置について


<東京都・ななさん>


 はじめまして。ご相談の場を提供していただいて、たいへん感謝しております。
 現在、賃貸マンションに住んでおります。相談内容の要点を先にまとめさせていただくと、このたび、水もれの被害に遭い、管理会社に見てもらったところ、上階の住人の過失ということにして、上階の住人の保険で修繕しましょうと提案されました。上階の住人とは普段から仲が良く、本人は本当は心当たりがないが、丸くおさまるならウチの保険を使ってくれていいと同意してくれています。
 私としては、水もれの原因がはっきりしていないにも関わらず、過失として事を処理することについて、以下の疑問をもっております。
・上階の住人は、過失と認めることで何か損失がないか(保険料が上がる、何らかの経歴に傷がつく、等多少に関わらず)
・実際に天井を開けて、水道管の劣化などの原因がないかどうか検査をしたり、原因箇所を突き止めないことは妥当か。

 上階の住人に迷惑がかかるのが一番心配です。お忙しい中、恐縮ですが、ご助言をいただければ幸いです。
 
 被害の状況や経緯について詳しく書き添えます。
 土曜日の朝、洗面所の壁および天井から少しずつ水がたれていることに気づき、管理会社に連絡しました。管理会社はすぐにかけつけ、上階の住人にも確認しましたが、水をこぼしたり出しっぱなしにしているなどの問題はまったくありませんでした。その間も、水もれはだんだん量を増し、点検する必要がありましたが、土・日は業者が休みのため検査や工事ができないとのことで、月曜まで辛抱してくれとのこと。その後、隣接する玄関の天井まで水もれは広がりましたが、バケツに溜めたり布に吸わせるなどして何とか対処しました(一晩でバケツ2杯たまる程度の量)。ところが、日曜の夜に急に水もれは止まり、天井上から聞こえていたポタポタ音も消えてしまいました。月曜の朝、現状を見て、約束していた検査や工事はしない方向に変更され、壁紙の張り替えだけしましょう、上階の住人の保険を使いましょうという提案が出されました。
 管理会社の話では、(調べてはいないが)明らかに設備の問題ではなく、上階の住人が水を使いすぎたか詰まらせたためと想像できると理由づけされました。上階の住人は、こぼしたりあふれたり出しっぱなしという事実はなかったのでカチンときたそうですが、詰まっていたかどうかなど、中のことはわからないので、うちの責任じゃないとも言い切れないし、下のお宅(私です)のためになるならと、過失と認めることに同意してくれたそうです。
 このまま管理会社の言いなりに処理してよいか、悩んでおります。長文失礼いたしました。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 なぜ、原因を確認しないのかが、このお話の最大のポイントですが、要するに言いたくない理由があるということでしょう。全く関わりのない立場で言うと、ちょっとキツイ言い方かもしれませんが、管理会社さんか上階の方のどちらかにウソがあるとしか思えません。水漏れは洗濯機や洗面器の流しっぱなしの過失の場合、気がついた時点で水が止まりますが、配管系の漏れの場合は気がついても直さないと止まりません。でも、なぜか止まったということは、察するに配管屋を呼ばなくても、何とか素人でも対応できる箇所で水漏れしていて、専門ではない管理会社の担当の人でも漏水の箇所を発見でき、いろいろやって何とか水を止められた。その様子を上階の方は見ていず、管理会社の方も話をしていない、そんなところではないでしょうか。そーっと直してしまった箇所の候補としては、
1、洗面器下のメッキ管の繋ぎのフクロナット
2、同じく便器のロータンクのメッキ管の繋ぎ部分。特に壁出しなら壁近く、床出しなら床近くの、ぱっとは気がつかない場所。
 いろいろ調べて、そこに行き着き、増し締めを内緒でやって止めたのではと思います。でも、配管系の漏れではオーナー側の負担になるので、業務に忠実な管理会社さんはわからなかったことで一件落着にした。直したから、今後も漏らないと自信を持っていられますから。後は、本当は洗濯機のホースが外れちゃったかなんかした上階の方の過失、どちらかしかないですよ。配管漏れなら急に止まりません。しかし、上階の方は信頼できる方のようですから、管理会社の方が……。あくまで推測ですから断言できませんが、そんなところではないでしょうか。納得いかないのであれば、管理の方を追及されるしかありませんが、これ以上のアドバイスはちょっとNETでは無理です。


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