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![]() 新築を計画中で質問<甲信越・匿名さん(会社員・40代・男性)>![]()
現在、新築を計画中です。床面積35坪くらいを予定しています。いくつか、質問に答えていただければ幸いです。
1.屋根について:片流れの屋根を計画しています。カラー鋼板などいろいろな素材が考えられると思いますが、メンテナンスにかかるコストを考えた上で、どんな素材が適しているのか、また、どんな選択肢があるのか、教えてください。 2.建築士の方から、床下暖房を進められているのですが、その問題点を教えてください。床下は普段お掃除ができない場所なので、掃除できない場所を通した空気を家の中で巡回させるのには少し抵抗があるのです。3.ウッドデッキの素材に適した木材、また、加工の仕方を教えてください。 アドバイスいたします 住まいを科学する技術集団・新住協メンバー 須藤建設(株) 副社長 須藤芳巳 ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/
1.
■長尺カラー鉄板で屋根を葺く場合、勾配によって葺き方が変わりますで注意してください。目安は次のとおりになります。 ・O.5寸勾配以下=フラットルーフになります。 ・3.0寸勾配以下=蟻掛け葺き * 横葺きの場合はメーカー・形状によって変わりますが、3.0寸以上の勾配を要求されますので確認してください。 ■素材のカラー鉄板に関して代表的なものは ・5%アルミニュウム合金メッキのガルファン鋼板(赤さび防止10年保証) ・55%アルミニュウム合金メッキのガルバリウム鋼板(塗膜10年、穴あき20年保証) があります。 近頃はガルバリウム鋼板が屋根・外壁に普及してきました。コストも、普及と共に通常のガルファン鋼板に近づいてきたのでおすすめです。 2. ■ご心配のとおり、床下暖房の場合、床下が内部空間になるので高気密・高断熱・計画換気・全館暖房の4点セットが不可欠になります。 ・ 高気密=基礎断熱(外断熱)にする ・ 高気密=特に基礎天端と土台の気密化を計る ・ 計画換気=1階床の換気ガラリを設置する(吸気のための開口と排気のための開口配置計画をする) ・ 全館暖房=暖気が床上に速やかに上がるように、床ガラリを配置する。 ■施工にあたっては * 最初の年は基礎コンクリート等が未乾燥で、床下で結露しやすいので換気を計る。 * 床下の温度が上がり、木材が乾燥収縮しやすいので乾燥材を使用する。 * 床下暖房のポイントは、床下を暖めることではなく、床下の暖房で床上を暖めることにあります。速やかに床上に暖気が上がるように計画することが大切です。 3. ■ウッドデッキの木材については、 ・ 水に強い性質を持った木材を使用する(杉、ヒバ材など) ・ 防腐注入材を使用する ・ 防腐剤を塗布する ■施工にあたっては次のことに注意してください。 * 木材は水が切れず、いつも濡れている状態であれば腐朽菌が繁殖し弱くなるので、どの場所も常に水が切れるような組み方にする。 * 特に木口(年輪が見える所)から水を吸う性質があるので、直接、雨水を受けたり、地面に接しないようにする。 木に傷を付けず、シンプルに組むことが一番です。 |
![]() 工法についてのご相談<愛知県・一粒社さん>
はじめまして、このホームページは家づくりについて、たいへん参考になります。
相談の内容ですが、最近、ある設計事務所と契約をしようとしているのですが、最終段階になって、工法で迷っています。 現在、2×4の外断熱で、24時間換気システム、全室ペアガラス樹脂サッシ、天上にアイシネンの吹きつけの断熱材を採用しようとしています。基礎はベタ基礎です。妻がとても寒がりで、高気密・高断熱を希望していたので、この工法を選んだのですが、自分の考えとして、一つ気になっていることがあります。それは、壁の中(2×4の壁の中)の結露の問題です。外壁に通気口を設けて下から上に空気を通す方法(うまく説明ができませんが、従来からみんなやっていると設計事務所の人はいってました)と、2×4の壁の中を密閉しないようして、24時間換気システムで換気する方法を取るとは言っていたのですが…。 私が考えるのは、2×4の壁の中に結露が発生し、合板のベニヤの強度が下がり、耐久性がないのではないかということです。このホームページの中で、高気密・高断熱の注意点ということで、いろんな条件がのっていましたが、そこまで厳密にできるとは思えません。もし、20年30年後に建て直しのようなことにならなければいいのですが(現在20代後半の4人家族。私、妻、子ども2人:0歳・3歳)。地域は愛知県の南部で、いわゆる梅雨の時期に高温多湿になる地域です。予算を考えると、たぶん家を建て直す資金はないと思われます。もし、20年30年ぐらいでだめになる可能性が高いのであれば、在来工法の土壁の家にしようとも考えています。 内容が正確に伝えられなく、申しわけありません。よろしくお願いいたします。 アドバイスいたします 住まいを科学する技術集団・新住協メンバー 須藤建設(株) 副社長 須藤芳巳 ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/
■場所が愛知県なので全館暖房とはいかないかもしれませんが、暖かい家の基本は高気密・高断熱・計画換気・全館暖房の4点セットです。
■近頃、外断熱工法が採用されてきていますが、一番のメリットは高気密・高断熱の施工が比較的やりやすいためです。壁の間に断熱材を入れ(軸間断熱)、内部側に気密シートを連続させることにより、外壁の外側が気密シート・断熱材を連続させやすく、施工性が上がります。さらに外断熱材の外側にタイベックを貼り、通気工法を行い、外壁材の工事を行うことが、北海道では一般的な工法になっています。内装については構造そのものを仕上げにしたり、普通にPBを貼り、仕上げることが普通です。 ■構造の組み方については在来工法でもツーバイ工法でも、外断熱の修まりは同じで違いはありません。 ■壁の中の結露が心配とのことですが、問題ありませんし、工法の問題ではありません。断熱材の室内側に気密シートを貼り湿気を止め、断熱材の外側にタイベック(湿気を出し水は入れない)を貼り、通気工法で呼吸させる。 この考え方、気密・断熱・防風層・通気の順序は軸間断熱・外断熱も全く変わりませんし、構造とは関わり合いがありません。さらに24時間換気も取り入れられるのなら、良い仕様と思います。 |
![]() 寝室の窓の結露について<東京都足立区・K.Sさん(主 婦・36歳・女)>![]()
はじめまして。以前より勉強させていただいております。
さて、今回はわが家の寝室の窓の結露についてのご相談をいたしたく、よろしくお願いいたします。 2年前、築15年の中古一戸建てを購入しました。その年の冬から、寝室のみ、窓部分の結露に気づき、毎朝、水分をふき取る作業をしておりました。そこで、今年は早く結露が始まったことを機会に、部屋の内側にもう一つサッシをつけるリフォームを行いました。新たにつけたサッシは樹脂製です。しかし、寒い朝にはサッシ部分には結露はしませんが、ガラス部分には以前よりは改善されたものの、やはり結露を起こしています。この窓は南向きですが、3階建ての建物の陰になっています。 そこでご相談ですが、これ以上は結露を防ぐことは無理なのでしょうか? リフォーム屋さんからも工事前に「100%なくすことは無理です」と言われており、そこまでは望んでおりませんが、思ったよりも結露することが少なからずショックです。お金をあまりかけずに何かほかにも結露を減らす方法がありましたら、どうかご教示ください。よろしくお願いいたします。 アドバイスいたします ヒガシノデザイン ひがしの雅司 電話:011(717)5166 ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/
窓ガラスの結露についてのご相談ですが、ガラス自体には結露を止めるだけの断熱効果はありません。そこで近年、ガラスを二重にして、密閉された空気で断熱しようとつくられたのがぺアガラスです。
もともとは、ご相談のように窓を二重にして、断熱効果を高めていましたが、窓の気密性が低くて、間の空気に動きがあると、ガラス面に結露が発生します。 どの部分のガラスに結露しているかで原因は異なります。室内側に新設した樹脂サッシのガラスに結露する場合は、外部の既存サッシの隙間から冷たい外気が入っていると思われますし、外部の既存サッシのガラスに結露する場合は、新設した樹脂サッシの隙間から湿った室内の空気が入っていると考えれます。両方の場合もあります。 少しの隙間もないサッシは不可能ですが、既存のサッシもクレセント(窓のカギの部分)の調整で良くなる場合もありますし、内部の樹脂サッシも調整の不具合などで気密性の低い場合もありますから、気になるほどの隙間やガタツキがあれば、業者に相談されたほうが良いと思います。 しかし、結露の原因は温度差と水分ですから、適切な室温の管理と、計画的な換気が何より必要だと思います。また、これからリフォームされる方は、少し高価ですが、簡易的なペアガラスの内部用樹脂サッシもあります。 |
![]() 雨の日のサイディング工事<埼玉県狭山市・MNさん(主 婦・女)>
現在新築中ですが、先日、激しい雨の中、サイディングの工事をしていました。工務店は「防湿シートがあるから大丈夫。シーリングのときは晴れの日を選ぶので問題ない」とのことでした。素人から見ると、とても不安なのですが、大丈夫なのでしょうか。
アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
通常、防湿シートを張って、胴縁のサイディング下地を取り付けて、その上に外壁材を取り付けます。したがって、胴縁の部分が通気層となり、サイディングが吸った湿気を乾燥されるように施工されています。目地部分のシーリングは、サイディングも目地部分も乾燥していることが前提です。本件においては、ほぼ心配ないものと思われます。
★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
![]() アパートでの湿気と虫に悩んでいます<東京都世田谷区・マドT・Hさん(主 婦・33歳・女)>
築20年の2階建て、軽量鉄骨のアパートの1階に住んで1年になりますが、部屋の中の湿気と虫に悩んでいます。アパートの周囲に木の植込みがあり、緑が多い環境のせいかもしれませんが、春は小さい茶色の蟻が絨毯を歩き、壁には殺虫剤をかけるとアルファベットの「C」の形になって死ぬ、体長2センチの細い毛虫のような虫(赤茶色で体にフシがあり、足がたくさんある)が、部屋の壁や床を2〜3匹いつも歩いていました。梅雨時には北側の6畳の和室の畳のへりからナメクジが、多いときは日に5匹も6匹も出てきて、気が休まりません。1度は体長20センチ以上もあるムカデが出て、恐ろしい思いをしました。入居時から和室の畳が波打っているのが気になり、畳の下板が湿気で腐り、隙間ができて、そこからナメクジが出るのではないかと管理会社に調べてもらいました。案の定、オガクズを固めて出来た畳下は、特に窓の下は湿気で腐り、にぎるとすぐにボロボロと崩れました。そして畳下をベニヤを何枚か重ねた材質のものに取り替え、やり直してもらいましたが、その後もナメクジは出たのです。今は畳のへりに沿って塩を盛ってあります。
冬になり、虫は出なくなりましたが、和室の結露がひどく、除湿器をつけていますが、乾燥注意報の出ている日でも湿度は79%です。60%程度になるまで1時間ほどつけ続けてオフにしても、10分で79%まで戻ってしまいます。電気代も気になりますし、アパートとはいえ、簡単に引越しできませんので、少しなら自腹を切ってでも自分たちで快適にしたいと思います。ちなみに、アパートの床下には強制換気が取り付けられてはいるのですが、効き目があるのか知りたいです。何か良い打開案を、ぜひ教えてください。また、アパートでもプロの方の住宅診断のようなものが受けれないものでしょうか。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
本件は床下が乾燥状態に維持できない、大きな要因があると思われます。湿度の高さも通常では考えられません。
アパートには珍しく、床下換気扇が設置されているとのことですが、床下に決定的な問題が以前から発生していたと思われます。外の地盤面より床下の地盤面が低い場合や、地下水面位(地面を掘って地表から何センチまで地下水が上がってくる高さ)が高い場合は、床下が乾燥状態にならない場合があります。住む人のストレスも大きいのですが、建物にも致命的なダメージを与えていることでしょう。実情を家主に報告して、抜本的な対策を施す必要があります。 抜本的な対策とは、深い側溝の設置、深い暗渠の設置、また、吸水ピットといって敷地の一部に穴を掘って水位を下げ、ポンプアップするなどの方法があります。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
![]() ドレン管から水が漏れ出て水浸しに<恵庭市・IMさん(公務員・31歳・男)>![]()
平成9年に新築したのですが、昨日夜9時頃、1階玄関の廊下のほうから「ザッー」という音が聞こえてきたので見に行くと、天井から床へ水が流れており、壁・床・天井が水浸しで、あわてて廊下の上にある2階の子ども部屋を見に行くと、クローゼットの床も同じく水浸しになっており、子ども部屋の床にも水が入ってきてました。玄関の一部・洗面所の壁・天井からも水が漏れてきており、本当にびっくりし、言葉も出ないほどの驚きでした。廊下にには屋根からのドレン管があり、そこから水が漏れ出てきているような気がしました。その日は夜も遅く、建築会社は正月休であったため、連絡を取ることができませんでしたが、次の日、連絡が取れました。私は建築会社の方が見に来てくれるものだと思っていましたが、「業者を探して行かせるが、今日は見つかりません。おそらく明日には業者が見つかるので明日連絡しますが、自分は今日も明日も状況は見に行きません。応急処置として、屋根の雪を下ろしてドレン管に塩カリを入れてください。原因はわかりませんが、管が凍結したか、ゴミが詰まっているのではないか。維持管理はお客さんですからね」とのことでした。この対応が当然なのでしょうか? ドレン管の維持管理は普通、みなさん知っているものなのでしょうか? 私は家を購入したときに、冬にはドレン管のヒーターのスイッチを入れ、1年に1回屋根のゴミ等を確認するように指示されていたので、行ってきたのですが、普通、これだけでは足りないのでしょうか? 今までこの建築会社は対応も良く(今回と以前の担当者が違います)、私は信頼していましたが、この対応にかなりショックを受けました。
知人の大工さんがこの話を聞いて見に来てくれたのですが、床下にあるドレン管が通常は上から垂直に降りてくるはずが、途中でL字になっており、L字の下の部分が少し上を向くような勾配がついており、断熱材がビショ濡れで外壁・内壁もまずいかもしれない、とのことでした。まだ、建築業者(以前対応してくれていた担当者)とは、休みのため話をしていませんが、壁や天井にカビが発生したり外壁がダメになることを考えると、この先どうなるものかものすごく不安です。ドレン管が原因であった場合、保障の中ではどの項目に当てはまるのでしょうか? やはり建築業者の方が言うとおり、私の維持管理に問題があったのでしょうか? 教えてください。お願いします。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
平成12年4月以降に竣工した新築住宅は住宅品質確保促進法という法律で、雨漏りの事象について施工者側の瑕疵責任が義務化されています。本件は平成9年の竣工ですから、残念ながらその対象となりません。
本件の漏水案件は、スノーダクト方式の住宅に時々発生する事象です。スノードレンは、屋根の上の雪が断熱材となって、スノーダクト(真ん中の溝)の部分だけがヒーターや生活排熱(天井から逃げる熱)でトンネル状に形成されるようになります。そこへ解けた雪がシトシトと溶け込んでいる場合は問題は発生しないのですが、雪のトンネルが倒壊したとき、一気に漏水する場合があります。また、ドレン管(排水管)が何らかの要因で詰まり、排水不可能となって起きる場合がありますが、このときは本件のように一気に溢れ出る事象となりにくいのです。 本件の施工者の対応は、施主の気苦労を無視した心無いものであるように思われます。施主自身の維持管理は当然ながら必要ですが、本件質問者の対応で十分だと思います。しかし、いつまでも施工者の責任ばかり追及していても、瑕疵義務期間を超えた案件ですので、ていよく逃げられてしまいます。施主側も、ある程度の費用負担を負った上での問題解決が求められます。施工者に丁寧に事情を話し、快く改修作業を行わせたほうが、結局は施主の利益につながると思います。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
![]() 「隣と我が家のベランダが近い」にアドバイス<匿名さん>
名古屋市のMSさんのお悩みについてアドバイスいたします。
結論から言うと、建売業者に工事の是正を求めることは大いに可能です。建物と境界線との離れ寸法に関しては、「建築基準法」と「民法」の2つから考えることができます。まず初めに、2つの法律のおおまかな違い(建物の建築に関して)からご説明します。 「建築基準法」は簡単に言うと、建物を建てるために設けられた様々な基準が盛り込まれており、建物を建てる際には必ず守らなければならず、そのためのチェック(建築確認申請)をしっかりと受けてからでないと、工事を始めることはできません。次に「民法」ですが、権利や義務に関する基本的な事項をうたっています。次に、今回のケースのように、隣の敷地に建てられている建物が自分の敷地との境界に迫っており、様々な不安を感じることについて、2つの法律にはどう書いてあるのでしょうか? その答えは、残念ながら、建物を建てるためのルールが書いてあるはずの建築基準法には「隣の家との境界から建物をこのぐらい離しなさい!!」といった条文はなく(商店街を想像してください。外壁がくっついて建っている建物がたくさんあることに気づくはずです)、敷地の中であれば、基本的にどこに建ててもいいのです。従って、役所は基準に適合している建物として許可を出し、「適法」な建物として堂々と工事を開始できるのです。 では「民法」にはどう書いてあるのかというと、実はしっかりと寸法をうたった規定が第234条に「境界付近の築造制限」として書かれています。その内容は第1項に「建物ヲ築造スルニハ境界線ヨリ50cm以上ノ距離ヲ存スルコトヲヨウス」とあり、第2項には「前項ノ規定ニ違ヒテ建築ヲ為サントスル者アルトキハ隣地ノ所有者ハ其建築ヲ廃止シ又ハ之ヲ変更セシムルコトヲ得但建築著手ノ時ヨリ1年ヲ経過シ又ハ建築ノ竣成シタル後ハ損害賠償ノ請求ノ請求ノミヲ為スコトヲ得」とあります。「民法」条文をわかりやすく説明すると、MSさんは建売業者さんに対して、工事着手のときより1年以内で、かつ、建物の完成前であれば、「50センチ以上離して建てろ!!」と工事内容の変更を請求でき、工事着手のときより1年を経過するか、建物が完成した場合には、「損害を賠償しろ!!」ということができます。つまり、工事中の今の段階であれば、工事内容の変更を請求して、最低でも50センチ以上、建物と境界との距離を確保してもらうことができるわけです。 しかし、「民法」に関する揉め事の場合、警察も役所も基本的には取り合ってくれず、まずはその建売業者の誠意に頼るしかありませんが、MSさんの相談内容を読む限りでは、この建売業者が誠意によって改善してくれるとは考えられず、法的処置に出ることが必要であると思われます。ただ、いきなり弁護士をたてて訴えるのではなく、その前段階として、文面による抗議をこの建売業者に行ってください。電話で話しても、また法律の話を都合よく持ち出されて言いくるめられてしまうだけです。そこで、内容証明郵便により法律的にMSさんが「建売業者に抗議を行った」証拠を残す必要があります(文面の内容に関しては、お近くのの弁護士会等へご相談ください)。まずまっとうな業者であれば、態度が一変するはずです。ぜひご一考を。 以上、建築関係者よりのアドバイスです。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |