住宅クレーム110番

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台所換気扇の逆流臭


<名寄市・SRさん(会社員・38歳・男)>



 自然外気導入型システム換気を使っておりますが、台所換気扇を作動させていない時は、当然、排気口より、システム換気の作用による外気の逆流が発生します。その逆流外気は、その時々の料理臭をもう一度室内へ連れ帰るものですから、特に、魚料理の後の朝などは、閉口ものです。レンジフードは、ブーツ型シロッコファン方式です。何か良い対策を教えてください。



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 レンジフードには逆流防止装置がついているはずです。レンジフードの出口側に鉄板をぶら下げたような簡単な構造のものか、電動式又は錘式のチャッキダンパー(逆流防止ダンパー)をつけるのが一般的です。ついていなければ排気ダクトの途中につけると良いでしょう。レンジフードと連動して開閉するようなもの(電動式)を使えば完全です。簡単な構造のものは排気をする時は鉄板が吹き上げられ、止まるとパタンと下がって
逆流を止めます。この鉄板がダクト等に接触して下がらなくなると逆流は止まらなくなります。レンジフードのファンを取り外して調整して下さい。これがついていても他の排気設備を使ったときにこの装置の隙間から逆流するようでしたら、やはりきちんとしたチャッキダンパー(逆流防止ダンパー)が必要となります。

 レンジフード不使用時に逆流が発生する原因には、換気用レジスター(自然外気導入口)にフィルターや虫除け網があって、ほこり等で詰まっている可能性があります。システム換気(どういったものか不明ですが)の作用による外気の逆流が発生した場合に、窓を開けて見てください。多分逆流は止まると思います。本来の外気取り入れ口が詰まっているため台所の排気ダクトから逆流するわけです。外気取り入れ口が詰まっている状態で上記の処置をすると、システム換気全体の風量が少なくなるだけでなく、玄関扉が重くなる、サッシの隙間から風が入ってピーという音を立てる等のトラブルが発生します。システム換気の自然外気導入口を清掃してください。それだけで逆流が止まる可能性もあります。


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薪ストーブと換気扇について


<群馬県沼田市・UTさん(公務員・31歳・男)>





 私は、今年の8月に従来木造で高気密高断熱24時間換気システムの家を新築をしました。
 その家に薪ストーブを設置しているのですが、高気密高断熱なので、薪ストーブには外気導入システムを取り入れました。
 しかし、台所の換気扇を使うと、家の中が負圧になり、ストーブから逆流する現象が起きることがあります。ストーブの着火時や、おき火状態の時に換気扇を使用すると、家の中に排気が入ってきます。
 ストーブ屋さんに聞いたところ、どこか窓を開けないとだめだよといわれましたが、妻が寒がりなこともあり、窓を開けると折角暖まった部屋が寒くなり、現在頭を悩ませています。
 何かよい対策はないでしょうか。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 高気密の家が普及してくると、このような問題も多くなってきます。
 基本的には高気密の家にはストーブはミスマッチになります。しかしながら、コントロールされた環境の中でもアナログ的な薪ストーブを楽しみたい。その気持ち理解できます。同様の問題を解決した経験があるのでお話ししたいと思います。
 今回、薪ストーブに外気導入システムを取り入れていると言う事なので、吸気パイプをストーブの近くに設備していると思いますが、自然吸気では台所の換気扇を回した場合、間に合いません。むしろ台所の吸気になります。レンジフードの換気量は500G/h以上で強力です。それに対してストーブの自然排気量(煙突)はおそらく100位でしょう。吸気パイプからの自然吸気だけではバランスがとれません。そこで窓を開けて使ってくださいと言うことになります。

改善策として吸気パイプに吸気ファンを設備して下さい。
 ストーブを使用するときスイッチを入れて作動してください。コストは掛かりますがレンジフードと連動する事もできます。レンジフードは全方位的に空気を集めるので、吸気パイプの吸気ファンは100G/h位のものでOKでした。

■本格的な暖炉は密閉式で吸気パイプと暖炉本体が接続しています。その為に逆流しないのです。

『本来火を焚くと言うことは大変な技術のいることで、火をおこし少しずつ煙突を暖め上昇気流(暖かい空気は上に行く)を作る事です』煙突が冷えていては排気されません。
 その為ストーブはもとより煙突の仕様が大切になってきます。本格的な暖炉は煙突が二重構造になっていて、冷えづらく結露しないようになっています。その為、普通50万の暖炉であれば煙突工事に50万掛かります。

 このようにお話しすると、レンガ積みのオープンな暖炉がいかに大変なことかわかると思います。その為現在、暖炉に置いてはほとんどが扉付きの密閉式(吸気パイプ直結)になっています。本来、簡易なログの離れでもあって、その中で薪ストーブを楽しめればいいのですが…。


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盛り土地盤での建築について


<TKさん>



 今年3月に、九州地方の離島の雑木林の土地を購入しました。傾斜地でしたので、売主(造成工事もやっている不動産会社)に、約60坪の平坦地(建築用)と3メートルぐらいの段差で下の面(約55坪)は、畑用にと抜根と整地をしてもらいました。その時は盛り土についての知識もなく、何の疑問も起こりませんでしたが、完成してから大工さんにお願いする段階になって、地盤について心配になり、図書館などで調べてみましたら、盛り土地盤はそのまま家をその上に建てるのは危険と分かり、唖然としています。造成した会社は、そのことについては一言も触れていません。会社に責任はないのでしょうか。また、この土地に家を建てる場合、どのような手立てが必要でしょうか。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 一つは傾斜地を購入し、二つに平坦地の造成工事をした。そして両者とも同じ会社と言うことですね。
 まずやるべき事は
1. この不動産会社が免許を持っているかどうか。
2. 契約書の重要事項説明(16項目)の中に盛り土の時の注意について記載があるか。
です。
 今回、住宅を建てるために土地を売買し平坦に造成したのですから、不動産会社の方で家を建てるには地盤が弱いことなどの説明(重要事項の説明)する事が法律で義務づけられています。この『重要事項の説明』がなされているかどうかが焦点になります。従って、それなりに注文を付けることは可能とは思いますが、相手の対応が見えないところです。
 また、土地についても造成についても契約したと言うことは、お互いが納得したと言うことが基本になっているので契約の重さもあります。ただ、プロの責任は大きいですが…。

■UTさんが、土地の景観などが気に入り、あえて傾斜地を買い求めたものであれば、不動産会社との対応に気持ちと時間を使うのではなく、前向きに信頼の置ける建築会社と家造りを進めては如何ですか。土地の特性を生かし、UTさんのライフスタイルにあった家造りをしてください。是非、傾斜地を生かした住まいを考えて見てください。

■地盤に関しては
1.敷地において、切り土・盛り土部分があるのであれば、切り土部分に建物を配置する。
2.地質調査(簡易ボーリング)をして支持地盤まで杭を打つ。
3. 造成面において、土止めを行い土砂崩れのないようにする。
*現在ではどのような土地においても、地質調査(簡易ボーリング)する事が重要になっています。今回の事が特別に思わないで杭工事を行ってください。
*特に傾斜地では建物の重みで傾斜に沿って土砂が滑ることも考えられるので支持地盤に荷重を配分してください。


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窓の結露について


<千歳市・NYさん(主 婦・31歳・女)>



 築1年の2×4高気密、高断熱、24時間換気システムの一戸建てです。
 この所、窓の結露、水滴がひどく、窓から結露が流れ出て窓枠の下の木に水たまりができ、毎朝結露の窓ふきから始まります。
 今日、換気システムを取り付けた業者さんが来て下さって、見てもらいましたが換気の吸い込みが少し悪くなっているかもしれないが、結露、水滴のない家はありえない・・・と言われました。結露のない家を望んでいたのですが・・・。ちなみに、窓サッシ付近はすきま風があり食堂にある大きな窓は特にすきま風がひど
くホットカーペットを購入しました。家の湿度も常に30%くらいで加湿器をつけたいのですが、結露がすごいので我慢しています。
 本当にどこの家でも窓の結露、水滴はあるもので、毎日窓ふきをしているのでしょうか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 新築して一年目の冬は、工事の際に含有した水が抜け切っておらず、家全体に多くの湿気を含んでいるものです。二年目にはかなり緩和されます。結論から言って、結露の無い家はありません。
 室温が20度場合、湿度が80%になりますと、僅か4度低い16度(露点温度)以下の部分に結露がはじまります。また、同じ温度の20度で湿度が30%場合、露点温度が2度以下となり、ほとんど結露状態とはなりませんが、完全に過乾燥と言って乾きすぎで、ハウスダストが発生しやすくなり、風邪のウィルス菌が繁殖しやすい環境でもあります。快適湿度は、20度の室温の時、45%前後と言われており、この時、断熱性の高い窓にでも下部の方に結露が発生します。
 室内の生活状態によって室内湿度はダイナミックに上下します。湿気は低温部分に凝縮されて水滴状態の結露となります。高断熱の窓ガラスであっても、結露はし難いと言うものの、外部気温と室内湿度の関係で結露が発生します。とにかく、隙間、窓ガラス、断熱材の断点部などの低温部分に湿気が凝縮して結露となります。対策は低温部分を造らない事がなのですが、窓の下にヒーターを置くとか、ファンで送風するなどの対応があります。根本は湿気を発生させないようなライフスタイルを工夫する事です。
 本件質問の中に30%の湿度とありますが、文書の状況から判断すれば湿度計の精度と置き場所に問題があると感じられます。気温の高い場所の相対湿度は低く、気温の低い場所は高く表示されます。置き場所を吟味してください。また、湿度計は経年変化にや置き場所、使用状況によって大きく誤差が生じるものです。実際の湿気量を表す絶対湿度はもっと高い湿度になっていると思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



「NPO住宅110番より」
以前に掲載しました、「 基礎のアンカーボルトについて悩んでいます 」について、すでに掲載しておりますアドバイスとは違った観点でのアドバイス・意見投稿が寄せられましたので、以下に掲載いたします。また、最初にアドバイスをくださった中田建築設計事務所さんより、改めてアドバイスが寄せられましたので、あわせて掲載いたします。それぞれのアドバイス・意見投稿を参考にしていただけますと、幸いです。


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基礎のアンカーボルトについて悩んでいます」に私の考え


<匿名さん>


 写真の金具は地震の際、基礎(土台)から柱が抜けないようにするためのホールダウン金物と思われます。柱の側面に直接取り付けます。金具の埋め込み位置違いが原因で、その調整のため木材を挟んだのでしょう。金具と柱の距離が長くなると引き抜きに弱くなりますので、補強の必要があります。
 まずホールダウン金物について図書館などで知識を得てから、工務店に、この金物の取り付け説明書を持参してもらい、補強案の説明を受けたらいかがでしょう。



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基礎のアンカーボルトについて悩んでいます」へのアドバイス


<神奈川県鎌倉市・山田設計さん(自営業・46歳・男)>


 神奈川の山田設計です。
 添付の写真を見ると、ご指摘の金物はアンカーボルトではなく、ホールダウン金物というものです。3ヵ所だけこのように添え木をしているとのことですが、添え木の耐久力さえあれば問題ないと思います(腐ったりシロアリ被害に遭いにくい材質が良いです)。どうしても心配ならば構造計算をし直して、耐力壁の位置変更をするなどし、少しでも引き抜き力を減らすことを行えば問題はなくなります。
 それより問題なのは、柱より土台のほうが小さいことです。写真を見ると、柱は180角、土台は120角のようですが、この3本だけ大きいのでしょうか。大黒柱のように土台より大きい場合は基礎に直接柱を立てますが、それ以外は土台が柱の力を受けられないので、柱と同寸法(この場合180角)が必要になります。多少費用が掛かりますが、設計事務所に見てもらったほうがいいかもしれません。



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基礎のアンカーボルトについて悩んでいます」への私の意見


<札幌市・D.K.さん(会社員・24歳・男)>


 初めて投稿いたします。私、この業界の駆け出しの者です。回答一番意味が分からんは少々冷たくはないでしょうか。Sさんの心配する所は、写真を見る限り、ホールダウン金物と柱の間に受け材をかましていることかと思いますがいかがでしょうか。もちろんこれは、全く強度に問題はなく正しい方法であり、逆に無理矢理ホールダウンのアンカーを曲げて設置したりするのは非常にまずいかと思います。私のほうこそ質問の意図を誤って解釈していた場合は、誠に出過ぎた発言をお許しください。



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基礎のアンカーボルトについて悩んでいます」について再アドバイス


(株)中田建築設計
中田信広
電話:0126(45)2146


ホームページ:http://www7.ocn.ne.jp/~sekkei/

 もう一度、当時の添付写真を見直して見たら、みなさんのご意見が理解できました。以前、私が見た添付写真と違うような気がします。私の出力の仕方が悪かったのかも知れません。
 さて、本題に入ります。山田設計様の意見が正しいように思われます。ただし、土台が柱より小さいことについては、多少気にかかりますが、施工業者に説明を受ければよろしいかと存じます。添付写真を見る限りでは、そこそこの施工業者のように思われるからです。



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