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セントラルヒーティングについて<匿名さん>
お聞きします。
北海道に住んでいます。築7年でセントラルヒーティングにしています。今までは、居間と寝室以外はほとんど使っていないため、全部屋を暖房するのはもったいないと思い、2部屋以外は暖房を入れずに冬を越していました。最近、子どもも大きくなり、子ども部屋も暖房が必要になったのをきっかけに、暖房の経済性について考え出しました。果たして今までのようにセントラルをつけたり消したり(ポータブルFFストーブ併用)したほうが得なのか、全部屋をセントラルで一定の温度(22度前後)に暖め続けたほうがいいのか、教えていただきたいのですが…。 ただ、子どもの頃からのストーブ暮らしに慣れているためか、夜中や外出中もつけっぱなしというのは、どうももったいないように感じます。ただ、経済的に大した変わりないのなら別なのですが…。よろしくお願いします。 アドバイスいたします ヒガシノデザイン ひがしの雅司 電話:011(717)5166 ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/
近年、技術や工法の進歩で、建物全体を少ないエネルギーで暖めて、寒暖の差の少ない快適な住環境が可能になりました。しかし、古くから部分暖房で炎を見ながら寒さに耐えてきた日本人にとって、全ての部屋を暖房するセントラルヒーティングは無駄に感じられるようです。実際、室温の設定や運転方法(セントラルヒーティングを入り・切りするのはエネルギーロスが多い)にもよりますが、部分暖房で一部の部屋だけを暖房する場合に比べると、快適な分だけ多少、暖房費用はかかります。
ご質問のように、多くの方々がいろいろと工夫して暖房されていると思います。最近の高断熱・高気密な建物の場合、FFストーブなどの部分的な暖房方式でも、生活に支障を与えるほどの問題はないように感じられると思います。しかし、部分暖房の場合は、暖房をしている部屋と暖房をしていない部屋との温度差が10度以上にもなり、暖房室で発生した水蒸気が非暖房室に入って結露します。セントラルヒーティングの場合でも、夜間、設定温度を下げると同じ現象で結露が発生しやすくなります。 目に見える表面の結露や、目に見えない壁内部の結露は、カビやダニを発生させ、シックハウスの原因になります。建物の土台や柱などを腐らせたり、断熱材に使用しているグラスウールの性能を低下させたりもします。人にも建物にも良いとは言えません。 この他にも高断熱・高気密な建物には、計画的な換気が必要です。特に煙突のないポータブルストーブは空気を汚す上に、大量の水蒸気を発生しますから、たくさんの空気の入れ替えが必要になります。 高性能な建物や設備ですから、上手に使って快適な冬をお過ごしください。 |
外張り断熱の熱橋としての庇について<熊本県八代市・カエルッピさん(主 婦・34歳・女)>
ポリスチレンフォームでの外張り断熱(木造軸組)、基礎は内断熱、べた基礎(防湿シート張り)、外壁は乾式の総タイル張りの総2階の家を建てようと考えています。外張り断熱の施工性を高めるため、形もいたってシンプルな直方体にしています。また、熱橋のこと、水漏れを考えて、バルコニーはつけないことにしました。しかし、庇についてよくわからず質問しました。
1階の窓《(縦1300ミリ・横1300ミリ)の2ヵ所と(縦1300ミリ・横650ミリ)1ヵ所》の上に、庇をつけようと計画しています。庇は上側の外側から、フッ素鋼板、平葺きゴムアス系ルーフィング張り、ベニヤ板、となっています。下側の部分は、ケイ酸カルシウム板張りエマルグラニッド吹き付けです。庇は夏の暑さを遮り、冬の暖かい陽射しは取り入れるという、とても便利な機能を持っていると思います。しかし、外張り断熱を行う場合は、その部分が熱橋になり、結露の原因となり、家を腐らせてしまうのではと心配しています。また熊本県なので、台風もよくきます。風にあおられ、庇が動くことで、外壁への取り付け部に力がかかり、雨水の浸入やクラックの原因になるのではと心配しています。 家を長持ちさせるためには、庇は取り付けないほうが良いのでしょうか? アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
庇は、日射遮蔽と家全体の紫外線劣化防止に大きく貢献します。庇は、できるだけ取り付けることをおすすめします。
熱柱のことを心配されていますが、寒冷地と異なり、熊本のような温暖地では、結露や腐朽菌を伴うまで、熱柱弊害を起こすことは考えられません。氷点下になり難い本州では、外断熱における効果を、熱損失係数で熱収支を行っても、熱柱によるヒートロスは極めて少ないものです。しかし、夏場において温暖地での外壁の表面温度は、日射熱を受ける場所で60度を超える場合があり、夏場の暑さ対策や冷房負荷軽減には大きな効果が認められます。外断熱効果は、寒冷地で冬季間の暖房に、温暖地の夏季間の冷房にそれぞれ貢献し、計算で裏づけすることもできます。 本件の庇の件ですが、熱柱を考慮することはありません。庇を受ける構造部材の熱柱部分は熱収支上、極めて少なく、周辺の温度に影響され、熱柱弊害を起こすことはありません。庇は日射熱の遮蔽だけでなく、外壁がもっとダメージを受ける紫外線を防ぎます。昔の家は東西南北すべての庇を長くしました。雨と紫外線から家を保護する目的がありました。 庇の取り付けは熱柱以前の問題で、台風などの暴風雨に耐えるよう、まず、強度が要求されます。施工者と十分に協議して施工計画を立案してください。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
結露の発生原因は?<岩手県盛岡市・NMさん(会社員・28歳・女)>
今年、高気密・高断熱(外断熱住宅)を新築しました。冬になり、暖房(FFヒーターを1階でのみ使用。他は電気ヒーター)をつける時期になると、結露が発生してしまいました。結露がひどく起こるのは2階で、結露が水滴になって流れてしまうほどです。出窓下の物入れと階段下の物入れにはカビが発生しています。24時間換気も設備なってますが、2階には、排気口が廊下に1ヵ所です。もしかして、足りないですか? 考えられる原因を教えてください。1階:15坪 2階15坪です。
アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
工事水(工事中の雨水や木材、建材の含んだ湿気)の影響と思われます。家を新築するにあたり、通常でも工事水は1トンや2トンの水が家の構造体に吸収されていますので、新築した年の冬は結露現象が顕著に現れる場合があります。少なくとも、来年はかなり改善されることでしょう。しかし、結露の根本的な要因は、生活発生水(普段の生活で発生する水分)によるものがほとんどなのです。
例えば、気温20度の部屋で湿度が80%になれば、わずか4度低い16度(露点温度)以下の部分に結露が発生します。生活発生水を少なくするには、観葉植物や金魚などの水槽を置かないとか、洗濯物を室内で乾燥させないなどの工夫が必要です。多湿状態を換気だけで解決するのは、困難です。換気量が多くなれば、全体的な温度を低下させ、湿気を停滞させる要因をつくる場合もあります。最も効果的なのが除湿機を設置することです。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
隣の擁壁の水抜きを塞ぐことになりますが…<兵庫県明石市・YYさん(公務員・35歳・女)>
先日、土地を購入しました。周りの住宅および道路と同じ高さにするため、土を入れました。すると、西側に隣接するスーパーの擁壁の水抜きが、自然に塞がれる状態になってしまいました。当然のことながら、雨が降ったりすると、入れている土は一部分のみが吸い込まれるように下がります。現在は、とりあえず土を入れて、2年ほど地ならしして家を建てるつもりなのですが…。隣の水抜き部分をわざと塞ぐつもりはないですが、基礎をするとコンクリートで自然に塞いでしまう状態になると考えられます。水抜き部分をどうしなければならないのでしょうか? その改善策にかかる費用などは、どうなるのでしょうか?
アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
そもそも擁壁は敷地に段差があるため、自分の敷地全体を高いレベルで維持するために設置します。その際に、自分の敷地に吸い込んだ雨水が擁壁内に停滞して擁壁を圧力崩壊させないため、水抜きパイプを取り付けます。本件では、その段差がなくなるわけですから、擁壁そのもが不必要になり、当然、水抜きパイプも意味をなさなくなるわけです。隣地にとって、同じレベルになることのリスクは、敷地内に降った雨水の捌け口が必要となります。敷地造成の際に、隣地境界線に当方の費用において側溝(あまりお金がかからない)を設けることが、妥当な解決策と思います。
★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |