住宅クレーム110番

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クローゼットの壁にカビ


<静岡市・R.Kさん>


 1年前リフォームをしたのですが、クローゼットの壁にカビが生えてしまいました。
 実はクローゼットの反対側は一枚の壁を隔てて、洗面台、洗濯機、お風呂場があります。クローゼットのある部屋はいつも窓を開け、風通しをよくしてありますが、やはりカビやきのこが生えます。やはり、薄い壁一枚で水場と仕切られているのが原因でしょうか? どうすればよいのか、わかりません。
 原因と解決策をお教えください。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 この文書だけで詳細を断ずることは難しいのですが、一般的な状況を回答しますので、照らして対応してください。
 押入れやクローゼットにカビが発生する要因のほとんどが、その内部の湿度が上がった状態です。その状態で、その内部に低温部分があれば、その湿気が低温部分に凝縮(結露状態)して、その部分の含水量が増加し、カビが発生します。コップや窓ガラスに結露を見ることができますが、そのガラスが木材や建材であったりする場合、その部材が湿気を吸い込んで含水量を増加させ、腐食菌を増殖させる環境となります。つまり、内部の湿度を上げないようにする(収納する布団や衣類をしっかり乾燥させるなど)か、低温部分をつくらない(断熱材で保護)ことで解決できます。
 本件は文書だけで、このどちらかが判断できませんが、この要因のどれかに当てはまると思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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基礎のアンカーボルトについて悩んでいます


<岐阜県羽島郡・SKさん(会社員・32歳・男)>


 はじめまして。Sと申します。基礎のアンカーボルトについての質問です。
 現在、上棟工事まで完了した状態ですが、基礎からのアンカーボルトが柱との距離があるため、間に木片を挟み込み、結束されている状態です。この状態で強度が保たれるのか、とても心配しております。この部分の写真を、添付ファイル(3点)として送信させていただきます。

以上、よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
(株)中田建築設計
中田信広
電話:0126(45)2146


ホームページ:http://www7.ocn.ne.jp/~sekkei/

 添付写真と質問の意味がよくわかりません。
 アンカーボルトが柱と距離があるなら、木片などを挟み込みません。また、アンカーボルトのナット部分と土台の間に隙間があり、その部分に木片を挟み込んだのなら、添付写真の1枚はそのように理解できるのですが、その他の2枚の写真が理解できません。アンカーボルトと柱の位置が離れているのなら、アングル等で補強する必要があります。ただし、この場合は筋交いのまわりの柱に限ります。写真にあるように、大引きを受ける土台を止めるためのアンカーには、全くその必要がありません。
 また、アンカーボルトのナット部分と土台に隙間があり、その部分に木片を挟み込んでいる場合も、筋交いまわりの柱付近のアンカーボルトがそのような状態であったなら、木片の代わりに、座金等を数枚重ねて締め付ける必要がありますが、写真にあるように大引きを受ける土台の場合はその必要もありません。


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米栂の家はどんな点に注意したらよいでしょうか


<東京都小平市・IYさん(会社員・39歳・男)>


 米栂土台、柱の家を購入した場合、どのような点に注意して住めばよいか、教えていただけないでしょうか。米栂の家は防腐処理してあっても10年ほどで腐るということも聞き、心配です。ちなみに購入を検討している家には、床下通気口もないようです。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

■答えを先に言うと『全く問題ありません!』
■米栂の防腐土台(防腐注入材)・柱(水掛かり部分、地面から1.2メートル防腐塗布)を使用することは、標準的な仕様です。住む上で、特に注意することはありません。米栂はほとんどがカナダ産で、英語名はヘムロックといいますが、杉・檜に比べ、耐腐朽性が特に支障があるほど劣るものではありません。JAS規格(ご心配であれば証明書を付けてもらってください)を確認し、指定どおりの防腐注入・塗布を行っていることを確認してください。
■また、床下通気口については、特殊な基礎断熱工法でない限り、「ない」ということはありえません。この頃の工法では、基礎と土台の間に専用のパッキン材を挟んで全体的に通気を取る工法が多くなっています。この場合、換気口は必要ありませんので、ぜひ確認してください。


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珪藻土の効果はどの程度のもの?


<東京都豊島区・SSさん(会社員・37歳・男)>



 住宅を建設中ですが、珪藻土を導入するかどうか迷っています。導入を決めているのは1階の和室の壁、導入を迷っているのが1階のリビングとダイニングの壁で、約30万の費用が追加されます。珪藻土の効果はどの程度のものか、アドバイスお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 ご存知のように「珪藻土」は水中のプランクトンの死骸が堆積し化石化したのもで、仕上げ材として注目を浴びています。
 特徴として「多孔質で調湿性・吸音性に優れている」と言われています。
 問いの中で「珪藻土の効果は?」とありますが、最大の効果は塗り壁特有の材質感にあると思います。
1、 コテ塗りの手づくりの味
2、 ざらつきのある素材感
3、 時間が経つほどに価値を増す本物の力
4、 目にもやさしい温かさ
など、新建材にはない豊かさを味わうことができます。その上で「調湿性・吸音性」もあると考えてください。「珪藻土で壁面結露が止まる」ようなハード的なことは、サブ的に考えて採用を決めてください。費用は「材料と労賃」で決まるので、いかに手なれているかが問題になります。通常はクロスの2倍から3倍程度と思います。


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べた基礎の厚み


<KSさん(会社員・男)>


 今年(2002年)の5月にベタ基礎内部に浸水があり、業者とやりとりをして修理をしたのですが、その過程で地面を掘って基礎の様子を調べると、ベタ基礎の厚みが5センチほどの厚みしかないことがわかりました。立ち上がりは12センチ厚あり、外見上は公庫基準に合っているのですが、地面の埋まり深さは耐圧盤上部から5センチ、捨て砂利から見ても20センチほどしかありません。その下は大地です。敷地内の地盤調査をした結果ではN値が3.0で、丈夫であるとの話です。
 インターネットで調べてみても、耐圧盤の厚みが5センチという例は全く見当たらず、とても不安です。ぜひ専門家の意見を聞きたいのです。基礎寸法の断面図を添付します。


(クリックすると拡大します)



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

 KSさんの質問の内容は理解できますが、一般論として、ベタ基礎の厚さ5センチとありますが、いわゆる捨てコン(正しくはレベルコンクリート)です。コンクリートの骨材が最大の大きさ(建築用の骨材)4センチなので、捨てコンの厚さが5センチになるのです。ベタ基礎で建物全体の荷重を分散する考えだと思いますが、5センチでは配筋のしようがありません。建物の鉛直荷重と土圧の反力を、ベタ基礎で受けなければなりません。スラブ(コンクリートの床)と考えるのであれば、最低13.5センチは必要です。土に接する部分ですから、構造上、自ずとその厚さは計算で決まります。基礎の根入れの深さは、そこの環境(凍結深度など)で決まります。5センチの耐圧版?ベタ基礎というのは、技術的に無理があると思います。5センチでも可能であるという計算の証明があれば、別ですが……5センチは構造を構成する厚さではありません。
 N値が3t/m2の地耐力は、札幌でも杭が必要かどうか判断に苦慮するところです。詳しくは、地元の信頼できる建築士に相談をされる必要があると思います。


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基礎コンクリートの強度について


<徳島県阿南市・zakiさん(会社員・30歳・男)>


 現在、在来工法で建築中ですが、基礎コンクリートの強度について知りたいのですが。
 呼び強度で21N/mmで大丈夫でしょうか? 以前、どこかのHPで、24N/mmが公庫の仕様だと見たような気がするのですが…。



アドバイスいたします
(株)中田建築設計
中田信広
電話:0126(45)2146


ホームページ:http://www7.ocn.ne.jp/~sekkei/

 まったく問題はありません。
 公庫の仕様では、コンクリート打設時から28日間の平均温度が15℃なら、18N/mm以上で良いことになっていますし、10℃以上なら21N/mmで良いことになっています。10℃未満2℃以上で24N/mmが必要なのですが、徳島の10月では必要ないと考えます。
 一般に強度が強いほうが良いと考えられていますが、ひび割れの少ないコンクリートは、強度の少ないコンクリートなのです。強度があるほど、セメント量が多くなり、収縮クラックが入りやすくなります。
 丈夫で長持ちのするコンクリートを打つコツは、セメント量が少なく、水の量も少なくして、スランプをできるだけ小さくし、ごつごつの硬いコンクリートを丁寧に打つことなのです。
 強度とは圧縮強度のことで、21N/mmとは210kg/Cm2の圧縮力で破壊するかもしれないコンクリートをさしています。構造計算上は、その3分の一の7N/mmを許容応力度として、それ以内に収まるようにしています。


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