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工期遅れと建材の約束違い


<埼玉県浦和市・AYさん(会社員・38才)>


110IL221.gif  平成10年3月に新築一戸建て建売住宅を買いました。建売とはいっても、まだ建築しておらず、ある程度なら変更可能(建築確認申請済みの為、間取りは不可)ということもあり決めました。
 契約前に同仕様の建売りを2軒程見せてもらい、ペアガラスにしている家があったので、ペアガラスにした場合の価格を聞いたところ「全部やっても20万円くらい」と言われ、全室ペアガラス化を夢みました。
 契約は、上棟が4/末で引き渡しが7/末の為、変更したいのなら早く契約をと言われ、3/28に契約しました。
 ・G/Wに骨組みが見れる。
 ・8/初の夏休みに引っ越しができる。
 ・9月の新学期は新しい家でスタートできる。(小6男、小1女)
 ・全室ペアガラスだ。冷暖房費が安くなる。人にもちょっぴり自慢できる。
 と喜んでいました。(余談ですが購入物件は現住まいから徒歩3分の場所にあります。)
 
(1)納期遅延
 現状は、上棟が5/末で引き渡しは9/中旬といわれています。(3月末の契約時に既にわかってたのでは?)
 納期遅延の理由として
   ・天候に左右される。
   ・検査の日程があわず、待たされる。(公庫の高耐久性住宅)
 等言われています。全然納得がいかないのですが、できないものはできないのでしょう。(いきなり納期遅延だなんて・・・)
 
(2)ペアガラス
 当初からペアガラスにしたいと希望しており、最近見積りができてきました。   全ての窓のペアガラス化  427,300円
  全居室の窓のペアガラス化 338,900円
 口答ではありますが当初金額の倍以上(213%)の見積りです。
 居室部分だけでも当初金額の160%の見積りです。    ・ガラスが2枚必要だから
   ・出窓のペアガラスは高いから
 等言われています(窓の数もサイズも変えていません)。こちらも全然納得いきません。倍半分違うなんて・・・
 
 家というのはこういう売り方をするのかと思います。もっと勉強しておけばよかった。打ち合わせ議事録をとっておけばよかった。
 納期に対する考え方もずさんです。12ヶ月の予定が13ヶ月ならまだしも、4ヶ月が5ヶ月なんて20%遅延だ。この調子だと更に遅れたりして・・・
 こういうのって何らかの交渉ができるのでしょうか?
 なにかよい知恵があればご教示願いたく、宜しくお願い申し上げます。


法律的な面からアドバイスいたします。
 東京都中央区銀座7-3-8銀座DSビル
 TEL 03-3572-5078 FAX 03-3572-5669
 弁護士  奥野 滋

 <リプランより/今回から弁護士さん初登場です。今後も月に1回程度のアドバイスをしていただくことになりました。法律的な面での住まいのトラブルに対して発言いただきます。ただし詳細の前後関係が不明な事案についてのアドバイスになりますので、一般的にあり得る場合、という想定回答になります。ですから、必ずしも相談内容に完全に合致はしていない場合もあると思います。ご了解ください>

110IL222.gif  今回のご質問は、「建築の工期遅れと建材の約束違い」ということですが、いずれも契約した内容が守られていないということですね。このような問題は住宅のクレームの中でも最も多いもののひとつですので、今回は、契約にあたっての基本的対応について述べましょう。住宅を建てる場合、建築業者と施主との間で「建築請負契約」を締結し、その契約に基づき、建築業者は住宅を建築し、施主は請負代金を支払うという債務をお互いに負うことになります。
 法律的には、建築請負契約には契約書は必要ではなく、口頭でも契約は成立しますが、必ず契約書を作成すべきです。
 「契約は守らなければならない」と言ってはみても、口頭の契約ですとついルーズになりがちですが、契約書を作成しておけば、建築業者も契約書どおりに工事しなけれぱならないとの認識が強まります。
 また、住宅の建築は、工事の内容が複雑多岐にわたっており、口頭で契約内容を明確に定めることは困難ですが、契約書を作っておけぱ、契約内容も明らかとなり、トラプルも起きにくいということになります。日本では書面を作るという習慣はなじみにくいものと言われているようですが、スーパーで大根を買うのとはわけが違います。今回のご質問にもあるとおり、大きな出費を伴うのですから、契約書という題名でなくとも、何でも書面にしておくという姿勢が大事です。
 さて、それでは、その建築請負契約書はどのように作成するか、という点ですが、民間の建築工事については、日本建築学会、日本建築協会、日本建築家協会、全国建設業協会の4団体で作成した「四会連合協定 工事請負契約約款jというものが存在し、この約款を契約書に添付して工事の一般的な契約内容を約款に従って定めるという方法が広く知られております。概ね両当事者に公平な立場で規定されているので、契約の基本はこの約款に基づいて行って差し支えないでしょう。
 ところで、施主の注文により建築する住宅は、それぞれ個性があり、その工事内容は千差万別ですから、先程の約款だけでは、当該住宅の建築工事の具体的な中身まで決めることはできません。そこで、契約に当たっては、「設計図」「仕様書」「見積書」など工事の中身がはっきりわかる書面を契約書及ぴ約款に添付するということを忘れないようにしなければなりません。
 また、当初の計画を変更したり、途中で追加工事を行う場合も多々ありますが、そのような場合でも、変更や追加の内容に後日争いが生じないように、きちんと書面を作るべきですし、少なくとも建築業者から変更や追加に関する見積書を貰うということは心掛けたいものです。
 さて、ご質問の方については、そもそも建売という形式なので、請負契約書は作成しないパターンかと思いますが、売買契約書はあるでしょうから、そこに引渡の時期が記載されていれば、その引渡時期を遅延することは売主の債務不履行となり、損害賠償を請求できるということになります。ただ、何が損害かということになるとその立証はなかなか難しいと言わざるを得ません。
 ところで、一般の建築請負契約について、先程の四会連合の約款の例で言いますと、工期遅延については、「工事業者の責に帰すべき事由により、契約期間内に契約の目的物を引き渡すことができないときは、別に特約のない限り、施主は、遅滞日数1日につき、請負代金金額から工事の出来高部分と検査済の工事材料に対する請負代金相当額を控除した額の1/lOOOに相当する額の違約金を請求することができる」旨の規定があり、工事遅延に対する損害賠償請求権を認めています。
 四会連合約款によらない契約でも、契約書に工事遅延に対する責任を追求しないという特約がない限り、業者の工事遅延により施主が損害を被ったとすれぱ、その損害の賠償を講求できるのですが、売買の場合と同様、損害の立証がなかなか難しいのです。四会連合約款では、いちいちどんな損害があったか立証しなくとも損害賠償を請求できるというところにメリットがあります。
 次に、ペアガラスの件ですが、これはもう証拠の間題というほかありません。おっしゃるとおり、議事録位は残したほうがよかったかもしれません。  ただ、工事遅延については、建築業者の遅延理由はいずれも正当なものとは言えず、損害の基準については四会連合約款がありますし、見積額の違いについても一旦は建築業者が20万円と言ったのですから、不満がある以上、これを基準として建築業者と協議することは当然でしよう。
 

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納得できないマンション仕様変更


<東京都江戸川区・はまさん(会社員・30才)>


110IL223.gif  私は、今年の2月に新築分譲マンションを契約した者です。完成は来年4月の予定なのですが、私の契約した部屋の一部の仕様を変更したいので承認してほしいと書面で連絡がありました。
 契約当初の図面では、梁の部分がエアコン設置場所になっていてそこにクーラースリーブが付き、梁のすぐ下に掃き出しの2枚引き違い形状のサッシが付くはずでした。ところが今になってこの位置にクーラースリーブを取り付けるとエアコンの排水経路となるドレンの勾配が取れず、水の排水処理が困難になるから変更するとのこと。変更はサッシが付くはずだった所の一部に袖壁を付け、そこにクーラースリーブを設け、のこりの部分ははめ殺しのガラスと片開きドアを付けるようです。
 ここには小さなバルコニーとトランクルームがあるのですが、非常に使いにくくなるように思いますし、簡単な図面しかないのでうまくイメージできないのですが見た目が非常に悪くなるように思えます。
 このような場合、素直に承認するしかないのでしょうか?



リプランホームページより

 内容が非常に現場的なものですので、調査せずに発言できるものではないと思います。
 ただしこのマンション販売会社は、このように事前にきちんと連絡してきているという事からすれば、誠意の感じられる会社といえると思います。(もちろんより早い段階、販売前までにきちんとこうした点はチェックされるべきだというのは当然の思いですが)戸建て住宅などでも、当初図面から細かい仕様変更というのは一般的にあり得ますので、きちんとした対応がとられている範囲では、施主側としてもよく内容を吟味して柔軟に対応すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか?
 また、上の「工期遅れと建材の約束違い」へのアドバイス回答も参考になると思いますので、ごらんいただきたいと思います。
 

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早まった契約と、その後分かった実勢価格への不信感


<神奈川県相模市・NYさん(会社員・47才)>


110IL224.gif  大手ハウスメーカーS社の企画住宅Wが、坪58.5万円の定価のところ、5月中に契約するならモニタ価格で坪49.5万円になる。との営業の話に乗って5月29日に契約しました。但し、まだ他も良く検討してないので次の条件を入れました。
 1)解約時は印紙代のみ(3万円)の負担、と費用のかかる作業は必ず文書で当方の承認を得る事。
 2)より上位の企画住宅へと変更した時にも同じ条件とする。
 しかし、その後他のメーカーの話を聞くと、Wは通常販売価格が43万から50万前後であるとの話しをよくきくので、確認の意味でWを他の展示場2個所で価格を聞くと50万前後で出来るという返事を得た。
 そこで、契約した条件で綿密に見積ってもらったら、付加の設備が多いので52.8万円との事であった。とすれば9万円という値引きに対して、実勢に対しては3.3万円の値引きにしかなってない。この事を営業マンに云ったらそんな事はないとの返事、そして52.8万と返事した展示場の人の上司も今度は口裏を合わせて、若い営業マンが勝手に言ったこと、と言ってきた。仕方なく、別名で再度他の展示場で見積もってもやはり52.53万円であった。このまま解約して、印紙代3万円払うのも癪に障るので現在保留中です。
 手付金50万円は振り込んである。現在、S社に対して、
 1)Wの適性価格は53万円だからこれから9万引いた見積りの提示、
 2)モニタ価格を出す前に見積もりしたより上位の企画住宅(坪単価60.5万円)を約束通り9万円値引いた見積りの提示、を要求した(6/21)。
 現在返事無し。
 もしも、2)の提示が無ければ先方の契約不履行となりますか?



リプランホームページより

 難しいだろうと思います。
 最初の営業マンのセールストークはどうであれ、その後、実際にあなたとその会社が交わした「契約書」が存在しているのでしょうから、言った言わないの水掛け論ではなく、そこに表記されている内容が、両者間に存在する契約関係の全てと言うことになります。よく確認して、係争して勝ち目があると判断されれば行動されるのもひとつの手段とは思います。
 ただし一般的に言って、価格設定の問題は、第3者的な判断には適さないものなのではないかと考えられます。というのは、最初のモニタキャンペーン価格というもの自体も、常識的に考えればその会社の都合で付けられた「自社標準価格」に対しての割引ということでしょうから、基準自体その会社が勝手に作った、第3者が厳密に作った基準ではないので、営業マンのトークも、冷静に考えれば必ずしも絶対に不当な表現ともいえないと思われるからです。いかがでしょうか?
 

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