住宅クレーム110番

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パインムク材のフローリングとホットカーペットの使用は?


<京都府京都市・MMさん(会社員・43歳・男)>



 現在、建築計画中の床に、パインムク材のフローリングを考えていますが、暖房器具としてホットカーペットの使用は可能でしょうか。使用そのものの可・不可や、使用上の注意点や床材のメンテナンスなど、アドバイスをお願いします。



お答えいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 ムクのパイン材を床に使用すると、お客様からよく聞かれることがあります。
  1. 傷がつきやすくありませんか?
  2. 反りませんか?
  3. メンテは大変でないですか?
 それに対して、パインは「やわらかい木」の部類に入るので傷はつきやすいです。ムク材ですから多少暴れます(完成してからの乾燥の過程で木が動く)し反ります、とお答えしています。それだけではそっけないので『特に素足のときは、そのやわらかさがやさしく、時間と共にあめ色に染まっていく過程が楽しめます。傷はオーナーの年を重ねることと同じ味と思ってください』とフォローしています。
 メンテナンスについてはせっかく自然素材を使ったのですから、塗装も自然素材を使用し、その上で蜜蝋ワックスを塗りこみます。先進のドイツの商品が手に入りやすくなっていますので、お求めください。工事の際は接着剤も自然素材のものを使用してください。ムク材を使う場合は、エコの考えでこだわってみたらいかがですか。
 ホットカーペットの使用については、やはり表面が熱で乾燥し、反りやすくなると思います。直射日光の当たるところは、他のところより反りやすかったりするので一様でないとしても、ホットカーペットのところが反りの許容範囲に修まるかどうかは、判断が難しいところです。
 反りを抑えるのでしたら、幅の狭いもので、とにかく乾燥しているものを使用してください。


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本当にLL45等級を満たしているか調べる方法は?


<神奈川県横浜市・H.Sさん(会社員・33歳・男)>


 マンションの上の階の騒音に悩んでいる私の場合に関して。  うちのマンションも購入してからもうすぐ1年になりますが、上の階の微々たる音が聞こえることがあります。例えば夕食を作る包丁の音や、会話をする声等通常では考えられないような音まで聞こえてきます。子どもが遊びに来ているとき等は、かなりの騒音になります。このマンションは、発売当初LL45等級の床を使用しているようで、通常生活で騒音は心配ないと説明していましたし、広告でもLL45等級を使用と大きく宣伝をしていました。以前、住んでいたマンションでは、上の音が聞こえてくるということはありませんでした。LL45等級というのは、そんなに騒音がするのでしょうか? また、本当にLL45等級を満たしているかを調べる方法はないのでしょうか?  同じマンションの方で入居早々、子どもの足音がうるさいから気をつけてくれと苦情を言われている人もいます。  販売会社、建設会社にクレームをする前に、LL45等級とはどれぐらいの騒音防止になるのかをし知りたいので教えてください。



お答えいたします
ハウテックさん

 LL45ってこんなにうるさいの?というご質問ですが、一般的に言えば、かなり気にならないレベルの音まで低減する性能のある床材の基準に達しているものであるはずです。最近のマンションは、おおむねLL45は満たしていることが普通になってきています。だからこそ、HSさんが「LL45じゃないんじゃないか?」と疑問を持たれているのは、無理もないことかもしれません。質問の中に、話し声や包丁の音が聞こえるとありますが、LLは軽量衝撃音のレベルの基準です。スプーンとかを落として伝播する音の類ですね。しかし、話し声が伝わるのは空気伝播音ですから、基本的に伝播の性質、経路が異なるものです。話し声は間違いなく、上階の方のものでしょうか? 確認されましたか? 子どもが走り回る音が聞こえるのは間違いなく、上階のものだと思います。他のお部屋でトラブルになってもいるのですから間違いないと思います。ただ、これはLHで表示される重量衝撃音の部類に入ります。どうも、フローリング単体の話ではなく、遮音性能そのものが低い要因を持つマンションなのではとの印象を持たざるを得ませんね。まずは次のことを管理室にある竣工図、竣工書類で調べてください。
  1. コンクリートスラブの厚さ
  2. 隣戸とのコンクリート界壁の厚さ
  3. フローリングのメーカー
  4. 界壁の仕上げ(コンクリート直貼りクロスか、もしくはGLボードか)
  5. 天井の仕上げ(コンクリート直貼りクロスか、もしくは二重天井)
  6. フローリングの工法(コンクリート直貼りか、もしくは置き床)
 図面がよくわからないのであれば、売主の担当に問い合わせて聞いてください。書類かメールで回答をもらってください。
 次に、現状のスラブ厚で仕様のLL45のフローリングを使用した場合、性能を保持できるかメーカーに問い合わせてください。メーカーの電話、担当は竣工書類のメーカーリストに必ず書いてあります。そして、この際、上の方にもお話しして間違いなく上階の音か確認してください。スラブが規定の厚さがないと、LL45を謳っていても出ないケースがありますから、確認が必要です。まさか、今時そんなことを調べないで施工するゼネコンもいないとは思いますが、やはり確認しておいたほうが良いでしょう。経験的には直床、直天で多いケースですね。LLは直貼りでも置き床でも変わりませんが、空気伝播音系の騒音が存在するときは空気層の存在のため、二重天、置き床の方が有利です。
 最後に、LL45を現地で測定する方法はあります。軽衝撃音の発生装置をセットするだけです。しかし、重衝撃音はちょっと難しいでしょう。物理的に装置を設置できないわけではありませんが。まずは、前記のことよりアプローチしてみてください。ちなみにスラブは、厚いほど重衝撃音も空気伝播音も遮断性において有利です。


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土留めについて


<東京都八王子市・SEさん(主 婦・31歳・女)>



 こんにちは。今日、初めてこちらのページにアクセスしました。7月に土地を購入し、これから家を建てようとしているところで、いろいろと勉強させていただこうと思います。
 さて、ご相談なのですが、購入した土地の土留めについて悩んでおります。北側の隣地が、わが家の土地より2メートルほど下がっており、わが家の土地の部分は、隣地から高さ80センチのところまではコンクリートの土留めがされていますが、その上はむき出しの土の斜面となっています。東西の隣地にはすでに家が建っており、その土地の北側は、それぞれコンクリートの土留めがされています。家を建てるにあたり、土留めを上まで延長して、斜面を埋めてしまいたいと考えていたのですが、建設会社は「土留めをつくり直すと、かえって地盤が弱くなるし、手続きも必要になり、時間と費用がかかる。斜面はこのままにしておいて、建物を前寄りに建てましょう」と言っています。でも、土地の活用の面からもムダですし、何より、敷地に斜めの部分がかなり(70センチの奥行きで、11メートルにわたります)ある、というのは、いつか崩れてしまうのではないか、と不安に思います。
 このような場合、建設会社の言うように、「斜面はほうりっぱなし」という方法が本当にベストなのでしょうか? また、土留めは既存のものを一度壊さないと、上までつくれないものなのでしょうか? ご回答をお願いいたします。



お答えいたします
ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 高さ2メートルの土留めについてのご相談ですが、法律的には2メートルを超えるか、超えないかで取り扱いが違います。宅地造成工事規制区域で2メートルを超える崖の場合は、安全を確保した構造の土留めや、雨水の処理などを申請して許可を受ける必要があります。また役所によって、それ以外に細かく規制の範囲や内容を定めています。建築基準法では、崖地は擁壁の設置その他、安全上、適当な処置を講じなければならない とされていますし、2メートルを超える擁壁は工作物として申請も必要になります。所有する崖に、どのような規制があるか、役所の宅地課等で確かめることができますし、事情を説明すれば簡単な相談にも応じてもらえると思います。
 今回の、土が剥き出しの部分ですが、宅地造成等規制法の場合は、土質が関東ロームや火山灰の場合でも勾配が45度以下で芝張り等の崖面保護が必要です。法的な規制の対象外だとしても、所有者は崖地を管理する必要がありますから、不安であれば対処するべきだと思います。
 既存のコンクリート擁壁の上に土留めを延長できるかは、専門家に調査を依頼する必要がありますが、難しいと思います。長い間、安定した土地の土留めをつくり直すと地盤が弱くなりますが、その上に建物の基礎をつくらなければ問題はないと思います。もし土留めに寄せて建てるのであれば、建物の基礎を土留めの下まで延ばしたり、基礎と土留めを一体でつくる必要があります。
 建設会社の言うように時間と費用のかかることですが、納得した上で理想のマイホームを実現させてください。


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基礎配筋検査実施後の鉄筋切断について


<愛知県岡崎市・AHさん(自営業・42歳・男)>


 いつも拝見し、大変参考になっております。
 わが家は某ハウスメーカーにて、現在、新居を建設中で基礎工事の段階です。ベタ基礎の配筋検査も無事終了し、ベース部分にコンクリートが流し込まれ、この上に立上り部分の型枠が組まれています。
 この型枠は、下部をセパレーターと呼ばれているらしい金属製の止め金具をベース部分に釘で打ちつけて固定しています。
 そこで質問ですが、セパレーター設置の際、邪魔になるコンクリート面横方向の鉄筋が切断されています。ざっと数えて7ヵ所ありました。検査後の鉄筋を切断すると、基礎立上り部分の強度が極端に低下すると思いますがどうでしょうか。



お答えいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 文章の「セパレーターをべた基礎に釘で打ちつけて?固定している?」「セパレーター設置の際、邪魔になるコンクリート面横方向の鉄筋?」という事柄がわかりにくいのですが、べた基礎の立上がり(布部分)の鉄筋が型枠(スチール製かコンパネ)を付けるときに切断されたということだと思います。
 まずはこの鉄筋が「横筋か縦筋」か、さらには「鉄筋の間隔」は?などのチェックが必要です。普通の地盤の場合、一般的に縦横30センチが標準になっています。わかりやすく今回のお話を考えると、「今回7ヵ所において切断され、60センチの間隔になっている。強度が極端に低下するか?」ということだと思います。
 本来、鉄筋コンクリートは鉄筋が引っ張りの力、コンクリートが圧縮の力を受け持ちます。従って、片方だけでは弱いものになるのですが、今回の基礎の部分では基礎の一番上と下の横筋(大抵は他よりは太い鉄筋を使用している)が基礎の耐力に対して効きます。
 お話では、中の部分なので、耐力の低下の影響は少ないと思います。当然、これからであれば補強をすべきです。終わってしまっているのならば、地盤の強度によって許容するか、心配であればコンクリートをハツリ、鉄筋を溶接してください。


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玄関床の大理石が浮いている?


<東京都板橋区・MTさん(会社員・45歳・男)>



 わが家(マンション)の玄関は大理石(ビアンコカララ)が貼ってあります。ひびは入っていませんが、自分で打診検査をすると鈍い音がする箇所が所々あり、業者に浮いているのではとクレームを付けたところ、カラ練りのモルタルに水を撒いて、その上に石を貼っているので場所によっては音が悪いことがあるが、浮いてはいないとの返答であった。でも、打診検査で音が悪ければ、その場所はモルタルと石が一体化していないということだと思いますが、将来、石が剥がれてくることはないでしょうか?



お答えいたします
ハウテックさん

 打診検査はどのようなものでなさったのかわかりませんが、非常に小ぶりのハンマーのようなもので軽く叩かれて、ある部分だけ軽い乾いた音がするようであれば、ご指摘のように石が浮いている状態と思います。最低でも石の1枚の大きさは300ミリ角はあるでしょうから、これがそっくり浮いているということは考えづらいので、剥がれることはないと思いますが、大理石は脆い材質ですから、浮いている箇所にヒビが入ったり、割れたりする可能性はないとはいえません。
 ですから、良し悪しを問われれば、浮いている範囲にもよりますが、良いとは言えないでしょう。直す場合は剥がしてカラモルを入れ直すか、砂を足すしかありませんが、注意が必要なのは石を剥がすときに剥がすまわりの石が角が掛けたりすることです。
 結局、全部貼り直しという事態になりかねないので、メンテ担当の方も手を出しかねているのではというのが、正直な印象です。MTさんが納得がいかない範囲の浮きであれば、貼り直してくださいと要望し続けるしかないと思います。


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