住宅クレーム110番

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地盤沈下について


<匿名さん>



 はじめまして。このようなフォームがあることを、大変ありがたく思っております。今回は、家の地盤沈下についてなのですが…。
 新築の家を購入してもうすぐ3年になります。購入後1年を経過しないうちに、建具の建て付けやポーチのタイルにヒビ、といった、地盤沈下の兆候が現れました。こちらも強く出なかったからか、レベル測定やスウェーデン式サウンディングなどはしていただいたのですが、肝心の補修のほうは、何だかんだ、ずるずると引き延ばされて現在に至っています。
 今回の相談は、その補修方法についてなのですが、以前は、地盤に固化剤を注入した上、ジャッキアップをすると聞いていたのに、今日、工事内容を確認したいと電話したところ、注入でいくらか持ち上がるからジャッキアップはしない、と言われました。下手にジャッキアップすると返って弊害が出るとか…。室内のレベル合わせは、大工を入れるそうです。しかも、高耐久住宅なので、すでに性能保証協会にそのような見積もりで申請しているとのこと。
 東西に細長い間取り(幅5,005ミリ)で、東南に向かって下がっています。一番高いところと低いところで25ミリ差がありました(昨年2月時点)。和室とリビングの境の建具(幅1間)がひどくて、端と端で20ミリ近く下がっています。
1)注入で、一体どのくらい持ち上がるのでしょうか?
2)ジャッキアップすることで、家の構造上、問題があるのでしょうか?
3)大工工事で床レベルを合わすことは可能なのか? そしてその方法は?
4)このような場合、どういった補修方法を取るのがベスト、また一般的なのでしょうか?
5)外壁の塗装(下地はサイディング)にクラックが入っており(コーキング部)、補修してもすぐまた入るのですが、地盤沈下との因果関係はないでしょうか?
6)その他、留意すべき点はないでしょうか?

 まさか自分が購入した家に地盤沈下が起ころうとはつゆ知らず、気が気でない毎日です。どうかアドバイスをよろしくお願いします。



お答えいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 このようなお話があるたびに、工事にかかる前の地質調査が必要ということを強く思います。今回の件も、事前に調査がなされていなかったことが残念です。また、アドバイスをするにしても、ボーリングによる地状図を見ながらでなければ、的確なことは判断できません。

<地盤改良について>
 質問への回答の前に、地盤改良のことについてお話したいと思います。建物を受ける地盤には建物の自重、積載荷重、そして地震、風などの力が掛かります。それらを受け、地盤沈下しないために、地質調査(通常の木造住宅であれば、スウェーデン式サウンデングの調査で良いです)をして、データーに基づいて、的確な地盤改良を施工します。地盤改良の種類はいくつかありますが、支持地盤まで行うことが大切です。
〇支持地盤が浅いときには、砂利と入れ替えて地盤改良したり、基礎を深くしたり、基礎下にラップルコンクリートを打って基礎を支持地盤までつなぎ、建物を受けます。このことは経験や勘で判断することではなく、地質調査をしてそのデータに基づき、科学的に行うことです。
〇支持地盤が深いときには、コンクリート杭を支持地盤まで、計算に基づく必要な本数を打ちます。杭の種類・太さ・型式・施工方法など選定が必要なので、1級建築士等の判断が必要になります。

<今回の補修工事について>
 このようなことから言うと、軟弱地盤に硬化剤を入れても、ジャッキアップすることも、支持地盤までの対策を考えると簡易的なものになると思います。問題は今回の沈下したものを直すだけでなく、今後の沈下をなくすことだと思います。そのためには、後から行った地盤調査に基づいて適切な対策を行ってください。

<質問について>
1)注入という方法もあることはありますが、注入では上がるかどうか、どれだけ上がるか予測がつきません。地盤によっては弱いところに逃げて効かないこともあるし、時には上がりすぎることもあり、制御が困難で思いどおりにできません。いずれにしても、深いところに支持地盤があれば表面上の処理になり、一時的なものにしかならないと思います。
2) ジャッキアップしても、支持地盤までの対策がなされなければ一時的なものにしかなりません。
3) 基礎の沈下を土台・床で直しても、地盤沈下の補修にはなりません。一時的に直しても、地盤沈下が進行すれば同じことになります。
4)、5)、6)については何度も言いますが、地盤の状況がわからなければ、注入についても確定的なことは言えませんが、支持地盤で受けることが原則になります。

<補修方法について>
 今までのことから、ベストな方法は、現在の基礎下に支持杭を施工することです。杭の必要な所の基礎下を掘り、基礎下に短い鋼管杭を建物の重さを利用して圧入し、溶接でつなぎながら支持地盤まで打つ方法です。この方法で、支持地盤による建物の沈下修正と確実な支持を行います。全国的に施工できる会社は少ないですが、ネットワークはあります。調べてもわからないときはご紹介できます。


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メーカーが正しい?建築基準法違反?


<静岡県田方郡・ぼのぼのさん(33歳・男)>



 今現在、某ハウスメーカーで家を建築中です。地盤調査の結果、地盤が弱いということで、鋼管杭工法+ベタ基礎になりました。
 それで、先日、この杭を打ち終わったわけですが、この杭の肉厚は4.5ミリでした。しかし、建設省告示 第1347号(平成12年) 建築基準法施行令、「建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」 によれば、次のような記述があります。2−三−二 「鋼管杭とする場合にあっては、杭の肉厚は6mm以上とし、かつ、杭の直径の1/100以上とすること」と、あります。
 それで、メーカーに「杭の肉厚は、4.5ミリしかないが、6ミリなくても大丈夫ですか?」と聞きますと、「地盤改良工事だから、その告示には違反していない」ということでしたが、私のような素人には、よくわかりません。メーカーの主張してることは、正しいのでしょうか? それとも建築基準法違反になるのでしょうか? どうか教えてください。よろしくお願いいたします。



お答えいたします
(株)中田建築設計
中田信広
電話:0126(45)2146


ホームページ:http://www7.ocn.ne.jp/~sekkei/

 鋼管杭としては、確かに建築基準法違反です。ただし、鋼管杭+ベタ基礎の意味が理解できません。杭のみで建物の荷重を受けているのでしたら、ベタ基礎の必要がありませんし、ベタ基礎にしたのなら余程ヒドイ軟弱地盤でない限り、杭は必要ないからです。
 非常な軟弱地盤なので、地盤改良工事を行うという意味で、鋼管の中に砂利やコンクリートを詰めているのでしょうか、もしそうだとすれば鋼管杭といえず、建築基準法違反にならないと思われます。
 ちなみに、地中で鋼管が腐食して失われる断面は、1ミリ程度といわれています。鋼管杭の本数さえ多ければ、それほど心配ないと思われます。むしろ、それほどひどい軟弱地盤だったら、水道管や配水管など、建物の中と外にまたがる部材が切断するおそれがあるので、そちらの対策が必要かと思われます。


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新築直後は寒い?いつかは暖かくなる?


<札幌市北区・S.Aさん(会社員・28歳・男)>



 6月に新居が完成しました。一戸建てで高気密(0.6cm2/m2)高断熱(発泡ウレタン)で第3種24時間換気システムを採用しています。床面積30m2、2階建て吹き抜け有り4LDKです。
 今年の札幌の初夏〜夏は、結構、涼しい日もあり、夜・朝方は春先や秋を感じさせるほどの低い気温の日もありました。そんな涼しい日は、家の中は自然吸気口から入ってくる外気(10数℃)によって、外と同じくらいの室温になります。
 春先でも冬でもないので、暖房(パネルヒーター)などの使用はもちろん頭にはありません。理屈では、当たり前ですよね。室内では、温度を上げずに、外気をそのまま取り入れているのですから。室内での熱の発生量より、外気の取り入れの方がスムーズに行われているのですよね。
 しかし、わかってはいても、涼しすぎる、いや、寒く感じることについて、何ともふに落ちない感じがしています。この中間期、暖房を使用しない時期について、このように感じるのは、当たり前なのでしょうか? 換気システムは、「弱・中・強」の3段階で、寒い日は「弱」にはします。どのように考えると良いでしょう?



回答いたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 気密性能が0.6は最高レベルの性能です。Q値(熱損失係数)が明示されておりませんが、夏場においては気密性能のほうが、温熱環境に大きくか変わってきます。本件の事象は、通常では考えられない案件です。高気密住宅の場合、外気温が15度の場合、自然発生熱や内部取得熱(窓からの日射熱や電灯や電化製品、人体発生熱など)で、室内は20度以上になるのが普通です。温熱環境は、間取りや家の向きにも大きくかかわってきますが、構造体(木材や建材など)の温度を1度上げるには、気温(空気)の900倍もの熱量を必要とします。これを、換気の熱だけで、温度を上昇や低下を行える量には及びません。
 本件が、高気密・高断熱の性能が十分に得られていることを前提として考えられることは、寒い時期に建て込んだ木材や建材などが、低い温度を保有したまま完工した場合があります。この場合、暖房によって構造体が温まってきますと、快適な空間が得られると思います。
 冬場の暖房熱量は、外気温と室内温度、それにQ値(熱損失係数)で決まります。十分な暖かさが得られない場合のほとんどが、Q値が実際と異なっていると言い切ってよいと思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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ベランダの水漏れ


<神奈川県伊勢原市・HJさん(40歳・女)>


 平成4年9月に竣工し、平成5年4月に新築でマンションを購入し入居しました。3年くらい前からベランダの上の階からの水漏れがひどく、最初は大雨が降ったときに漏れてくるだけだったのが、最近ではエアコンの排水する水が漏れてくるようになりました。管理会社に見に来てもらって、おそらく上の階のベランダから染み込んでいることに間違いないとは言っていますが、共用部分なので修繕積立金で修理してもらえるか、まだ未定で、とても不安です。また最近は、部屋の中でもそれが原因と思われる水漏れがおきていて、これは欠陥住宅ではないかと思っています。ベランダの水漏れは同じマンションでも数件あるようで、販売会社に瑕疵担保責任があるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。



お答えいたします
ハウテックさん

 まずアフターサービス規準の中で「コンクリート工事における外壁、床の雨漏りに対する保証が何年なのか?」を調べてください。外壁、床の保証が10年あれば、瑕疵として販売会社に無償修繕の請求が可能です。
 ここ1〜2年に竣工したマンションは、品確法で雨水の浸入を防止する部分として、屋根、外壁は10年間の瑕疵担保責任の対象部分とみなされますが、平成4年竣工だとこの法律の適用を受けることはできません。不具合箇所は、修繕積立金の中で修繕をしてもらえるはずです。


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リフォームのせい?で家が傾いてきてしまいました


<札幌市中央区・SMさん(主 婦・38歳・女)>



 3年前に築23年の木造2階建ての家を購入しました。前の家主さんは、15年前に1階の和室と廊下を壊して25畳のリビングルームを作る、中庭にサンルームを増築する工事をしました。リビングルームの天井には補強のために梁を入れたそうですが、最近になって床が傾いてきたことを感じました。業者さんに床下を点検してもらいましたが、土台が割れてしまっていることがわかりました。リフォームの際に柱を何本か取り外してしまったので、無落雪屋根と雪に耐えられなかったのではないか、と言うことでした。また、サンルーム部分の基礎と土台の間に隙間があり、壁が傾いてきてしまい、今は窓枠で壁を支えている状態だということもわかりました。
 修理と補強工事をすれば10年は大丈夫だと言ってもらいましたが、リフォームをしてからの15年間でほかにもひずみがきているのではないか、と心配です。修理をして住み続けるか、思い切って建て直したほうがいいのか迷っています。もうすぐ雪の季節、不安でいっぱいです。
 アドバイスをどうぞよろしくお願いします。



お答えいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

■15年前にリフォームをして、なぜ最近になって床が傾いてきたことを感じてきたのか。また、文面の業者さんの診断を前提に判断して良いものかどうか…。建物の現状を把握できないため、どちらが良いかアドバイスできないことをお許しください。
 修理して住み続けるか建て直したほうが良いかは、単純に床の傾きだけではなく、建物全体の診断が必要です。そして、住む人の家に対する考え方や経済状況等、総合的に判断しなければなりません。多少お金がかかっても、リフォーム現場に熟知し、客観的な立場で総合的に診断してくれる方に依頼したほうが良いと思います(たとえばリプラン等に相談)。
 診断後に判断するポイントとしましては、
・診断結果が、リフォームでは対処できない致命的な問題を含んでいるのか。
・リフォームと建て替え新築なら、生活の満足度と金額の比較はどうなのか(解体や諸費用も入れる)。
・一生の内で「快適で楽しい生活はなるべく多く、住宅にかけるトータル金額はなるべく少なく」です。

■関連するお知らせ
 2002年度より「既存住宅性能表示制度」が実施されることになりました。これは既存住宅の売買、リフォーム、維持管理等に際して、消費者の判断の目安となる情報が提供されるよう「住宅品確法」に基づき、既存住宅の現況・性能に関して専門家が客観的な検査・評価を行う制度です。これから中古住宅を購入する場合、既存住宅の性能評価に関する「現況検査・評価書」を基に判断したほうが良いと思います。

◎独り言
 どんな家でも、初めはみな新築でした。しかし、この世の中のすべては時間と共に変化します。建物は年数が経つと劣化し、その中での生活も家族の成長と共に変化し使いづらくなります。単純に築26年の家を壊して新築しても、また26年経たない内に似たような問題が起き、きりがありません。たとえば100年経った建物が新築したときの形がなくても、リフォームで変化に対応し、快適で楽しい生活が何世代も続くことのほうが良いと私は思います。これから、家というモノの価値から、生活という質の価値を基準に住まいを考えてみてはいかがでしょうか。


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型枠の金具から駆体に錆が入らないか心配


<静岡県藤枝市・tanibakuさん(公務員・36歳・男)>


 建物は木造軸組、基礎は鉄筋コンクリート布基礎です。現在、基礎工事が終わったところです。布基礎の立上り部のコンクリート打設の際、鋼製型枠の上下には固定金具が使用されていて、下端の金具はコンクリートに打ち込まれることになり、金具の両端がコンクリート外部に飛び出ています。放置すると、この部分から発生した錆が躯体を傷めるため、業者には錆が躯体に入らないように何らかの処置をするように要請しているのですが、業者は「基礎業者も強度には問題ないと言っているし、うちの施工方法はこれだから」と言って、取り合ってくれません。
 躯体に錆が入っていっていいわけないと思いますし、錆が進行すると鉄筋にまで錆が発生するのではないかと思います。また、契約図面どおりではなくなってくるので、契約違反ではないかと思います。このような状態ですが、以下の3点について、回答をいただけるとありがたいです。
  1. この施工では建築関係の法令違反になるのでしょうか?
  2. 契約図面と違うので契約違反となるのでしょうか?
  3. 業者に錆が入っていかないよう、処置をさせる方法はないでしょうか?



お答えいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/


 現状を確認できなので、文面から判断させていただきます。
  1.  この施工では建築関係の法令違反になるのでしょうか?
     法的には違反になりません。金物を鉄筋として做すならば、鉄筋のカブリは法的に決まりがあります。原則からいうと、型枠を止める仮設物なので仮設物は撤去すべきです。
  2.  契約図面と違うので契約違反となるのでしょうか?
     契約図面がどのように表現されいるか判断できません。仕様がどのような表現になっているか、また見積もりがどのようになっているかが問題でしょう。公庫の仕様には、鋼製型枠の仕様になっていないはずですが、特記仕様がどのような表現であるか。設計の優先順位は図面→特記仕様書→共通仕様書となるのですが、図面に型枠の種別まで記載はされません。そうなると、見積もりがどのようになっているかが頼りでしょう。
  3.  業者に錆が入っていかないよう、処置をさせる方法はないでしょうか?
     型枠の留め金がコンクリートから突出しているのは問題があります。木製型枠の留め金、(フォームタイ)ははずしてモルタルで埋めます。金物が突出しているのであればその部分から、差し水などが毛細管現象などで浸水する可能性が高いと思われます。雨水は酸性ですから、土壌が火山灰でアルカリであっても年月がたてば中性化するので、金物はコンクリートなどで覆う必要があります、もしその金物が塗装を施しているのであれば、塗装は撤去する必要があります、また、塗装したままコンクリートに埋めてしまっているのであれば、斫り取ってしまう必要があります。

 金物が亜鉛鍍金(溶融亜鉛鍍金)であっても必要被り厚は必要であります。鉄筋とコンクリートの原則だからです。是正させるためには、原則論でおして工事代金の支払い停止を判断すべきでしょう、弁護士と協議のうえ実行されることを望みます。


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全館空調システムなのに夏暑くて耐えられません


<神奈川県横浜市・N.Nさん>


 5年前に2x6で輸入住宅を建てました。気密構造のため、換気する必要があるとのことで、某電気メーカーの全館空調システムを入れました。全館空調システムの施工については、ハウスメーカーの設計者と電気メーカー側が計算をし、施工しました。当然、全館空調システムの価格200万円はハウスメーカーが責任を持つということで、建設費の一部に組み込まれています。
 入居後初めての夏、いくら温度設定を低くしても、暑く、特に昼になると2階の部屋は22度設定にもかかわらず、30度近くにもなり、扇風機を回してしのいでいました。こういう状態にもかかわらず、電気代は1ヵ月4万円近くもかかります。今年の夏はあまりにも暑いので、電気メーカーのホームページのアドレスにメールで苦情を送りました。電気メーカー側は誠意を持って対応してくれているのですが、この全館空調システムは、気密度が2以下でかつLow-eガラス必須とのスペックになっていることがわかりました。電気メーカー側が気密度を測定してくれ、3.3であることがわかりました。そういえば、高気密仕様のため、かなり追加でお金を払ったにもかかわらず、建築完了後、ハウスメーカーは気密度を測ったこともありませんし、私がヒートミラーを入れて欲しいと依頼したにもかかわらず、色が付いているからよしたほうがいいとかで、M社の複層ガラスを強引に入れました。電気メーカーの全館空調システムを入れるための必要条件を満たしていない設計をし、施工したハウスメーカに対して、気密度2以下への改修工事、Low−eガラスへの無償交換は要求できるのでしょうか。
 よろしくお願いいたします。



回答いたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 換気量が確保されたエアコン空調ですが、その容量は、あくまでも家の性能が裏づけされていなければなりません。
 本件は気密性能が3.3cm2/m2ということですが、一定の基準である5.5を切っていることから、気密住宅といっているのだと思います。しかし、実際に空調システムを数値どおりに稼動させるのに必要な気密性能は1.5を切るくらいのものが求められます。
 昨今、次世代省エネ基準が制定されて、夏場の快適さの性能を求められるようになりました。しかし、5年前の竣工物件に無償改修や無償交換を求めるには、大変な困難があるものと思われます。5年前の多くのハウスメーカーは温熱環境の詳しい技術経験が乏しく、手探り状態であったと思われます。詳細な契約約定にもよりますが、一般的に言って、本件はあくまでもハウスメーカーの責任案件です。空調メーカーはハウスメーカーの下請け的な存在であり、ノウハウはあっても主導権を持てないのが現況です。ハウスメーカーと感情的にならず、根気よく交渉すべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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