住宅クレーム110番

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J110 News

マンションの二重壁、二重天井の音漏れ不安


<富山県富山市・OKさん(主 婦・27歳・女)>



 同居のため建て替えを検討しています。木造軸組・ウレタン素材の外断熱を考えています。高気密・高断熱ではありません。
 ホームメーカーの話では、屋根裏に断熱シート貼り付け、壁の外側にウレタン素材の断熱材、床にはめ込み式のウレタン素材断熱材を入れる工法なのです。隙間から結露するというのを見まして、この方法では、床下に湿気を持った冷気がたまり、土台が傷まないか心配です。布基礎・基礎パッキンで施工するので、湿気の関係は、大丈夫だと言われました。
 主人は、心配なら24時間換気でも付ければいいと言っていますが、床下とは別になるのではと思っているのですが、このままで良いものでしょうか? やはり外断熱にするなら、高気密・高断熱にしたほうが良いのでしょうか?



お答えいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

今の家づくりで必要な基本条件は、
1. 高気密
2. 高断熱
3. 計画換気
4.全館暖房 です。
 この4項目はセットで必要です。どれか一つ抜けてもうまくいきません。予算からいろいろなコストの掛け方がありますが、これを最優先してください。
 質問を見ると、この4項目のこと、さらには床断熱と基礎の外断熱のことが混同してます。まず、
1. 今度の建て替えの家が高気密・高断熱ではありませんと書いてありますが、何かの間違いで、今日の家ではどんな工法(ウレタンの外断熱)にしても、高気密・高断熱でないということはありません。ましてや、ウレタンの外断熱は最も高気密・高断熱がしやすいということから、特に考えられた工法です。
2. 床まわりの高気密・高断熱については、2つの工法があります。

1)床断熱工法(床で断熱し、床面で気密する)
 この場合、床下は外という考えになり、通風を取り、換気することが、建築基準法で決められています。
 換気方法は、床下換気口でする方法と、基礎と土台のパッキンの隙間から換気する方法があります(北海道は床下換気口、内地はパッキンが一般的です)。
2)基礎外断熱工法(基礎の外側に断熱材を打ち込み、断熱する。気密は、基礎と土台の部分を徹底して隙間をなくす)
 この場合は床下が内部という考え方になり、この部分の高気密・高断熱・換気・暖房が必要になります。
3)床下の地面からの湿気防止はどちらも気密シートで湿気を止めます。

* 工法によって床下気密の考え方は180度違います。
* 上記から今回の建物は床断熱なので、床下は外と考え、通風・換気をする必要があり、土台パッキンで通気・換気することは間違いではありません。
 床・壁・天井または屋根の高気密・高断熱と、床下の基礎部分のことは切り離して考えてください。床を断熱・気密すればいいことです。基礎の外断熱と混合して考えないでください。


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排気の臭いが逆流してくる


<神奈川県横浜市・MKさん(会社員・27歳・女)>


 築30年以上、内装リフォーム後4年、という賃貸物件に最近引っ越して来ました。
 内見のときには何でもなかったのですが、いざ暮らしてみると、キッチンの換気扇のところから油くさい排気の臭いが逆流してくるときがあります。どうも換気扇の先の管が、上下右の部屋と共同でつながっているようです。いるときには換気扇をこまめに回したりはしていますが、留守中、止めたりしていると、戻ってきたときにはその臭いが充満していることがあります。簡単にできる対処法等があるようでしたら、知恵を貸していただきたいです。よろしくお願いいたします。



お答えいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 30年以上前の分譲型マンションで、厨房・浴室・便所が外壁側に接していない場合の換気設備は、屋上まで立ち上がっている共用シャフトに換気扇等で排気し、シャフト頂部のガラリやベンチレーターにより屋上で外に排出されるシステムが一般的でした。当時の小型ファンが、ダクトで直接外に排気するには力が弱かったためです。
 しかし後述するように、MKさん宅のようなトラブルが多いため、強力なレンジフード・換気ファンの発達と共に、各戸別に専用ファンで直接外に排気するシステムが一般的となりました。
 MKさん宅のような、共用シャフト方式の場合の問題点は、うまく設計していないと住戸の排気が他所の住戸に流れてしまうことです。
 これを防ぐためには、
(1) 屋上のシャフト頂部に自然通風型、またはファンつきのベンチレーターが設置されているはずです(このファンが止まったままではないでしょうね)。初期のマンションでは、ガラリが一面だけに付いている場合があります。この場合は風がガラリに吹き付けると、排気ができませんから、臭気は換気扇を使っていない住戸に流れることになります。2面ガラリでも完全ではありません。
 したがって、
(2) 逆流防止装置またはレンジフードと連動の電動ダンパー(ダクトの開閉装置)が必要です。レンジフードの逆流防止装置は、出口側に付けられている鉄板の蓋状のもので、ファンが運転されると風に押されて上に開き、止まるとパタンと下がるようになっています。反対側から別の部屋の排気が流れてくると押されてダクトがふさがれるので、逆流は防止されるわけです。プロペラ型換気扇にはシャッターが付いています。いずれにしても(1)との関連もあって、完全に密閉できるというわけではありません。
 どのような装置がついているかは、竣工図書の機器取り扱い説明図を見てください。

 MKさん宅だけのトラブルでしたら、(2)のケースと思われます。逆流防止装置または連動の電動ダンパーの作動不良でしたら、修理が必要です。逆流防止装置は、鉄板の蓋がダクトの上のほうに引っかかっているのが原因で、排気が逆流するという簡単な構造ですから、ファンを外して自分でも調整できます。
 これらが付いていない場合は(何しろ30年以上前ですから)付けてもらってください。電動ダンパーのほうが有効でしょう。

 他の住戸でも同じような現象なら、(1)のケースが原因でしょう。賃貸物件とありますが、賃貸マンションなのですか。それなら大家さんは1人なので改善を依頼できます。
 分譲マンションの場合は、管理組合に諮らなければいけませんから、解決には時間がかかります。通常は(2)の解決策で十分でしょう。


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フローリングにキクイ虫がでたけど…


<愛知県豊田市・Kさん(自営業・42歳・男)>


 ハウスメーカーにて家を建てたところ、1年も経たないうちにフローリングからキクイ虫が出てきて、10数ヵ所の穴が開き、メーカーの対応としては、殺虫剤に穴埋め、色塗りで終わり、キクイ虫について調べてみたら、卵を産み付けて1年で出てくるらしく、どう見ても、引渡し以前、メーカーの倉庫か、工事中に、産み付けられていることになります、メーカーもそれは認めているのですが、フローリングを張り直すのは、きしみが出ることがあるとして対応してくれませんが、どうにも納得がいきません。



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洗面所のビニール床の臭いが気になります


<和歌山県和歌山市・UNさん(会社員・33歳・男)>


 築2年目のマンションです。新築当初も気になっていたのですが、洗面所&脱衣所で初夏から秋あたりに生臭いような酸臭のような臭いがします。配管からの臭いかと思いチェックしたのですが、水まわりの臭いではありません。いろいろと鼻を利かせてみたのですが、どうもビニール床からの臭いのようです。
 管理会社は接着剤の臭いでもないようだし、よくわかりません、という感じ。換気設備は整っているのですが、それでも臭いが気になります。寒くなってから臭いが気にならなくなったので、放っておいたのですが、暑くなってからまた臭いがしはじめました。床材そのものの臭いでしょうか、使用したwaxの所為なのでしょうか。同じような症状をお持ちの方はいらっしゃいませんか? ご意見をおうかがいいたしたく、よろしくお願いいたします。



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隣家からのガス給湯器の排気に困っています」へ私の意見


<茨城県取手市・チンヤくん(42歳)>


 隣地との距離の問題は建物と隣地境界線との距離に関してであり、給湯器やその排気とは法律的にも関係ないと思われます。したがって、少なくともその点においては売主・施工会社の話は的を得ていません。  具体的な対策としては、問題の給湯器の排気が境界線を越えて出ている状態の写真と、具体的にその排気が当たっている被害箇所の状態がわかる写真を撮り、その被害程度が受忍範囲を超えるものと裁判所が判断すれば、相手方に改善義務が発生すると思います。  また、本件を申し出ているにも関らず、先方が無対応のまま、明らかにその排気が原因で子どもさんが健康を害し、その因果関係を医者の判断において医学的に証明されれば、その程度に応じて「慰謝料ないし損害賠償義務」も相手方に発生すると思います。  具体的に、受忍範囲を超える程度と思われれば、民事調停の申し立てが一番良いと思いますが、その際の改善方法として要求する内容については、建築士などの専門家に一度相談すると良いでしょう。

2002/08/31 「隣家からのガス給湯器の排気に困っています」への私の意見



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屋根裏断熱材を厚く入れてみたら効果抜群


<千葉県松戸市・OHさん(公務員・47歳・男)>


 毎週拝見しています。
 過去の他人様の相談で屋根裏断熱材について質問があり、回答は、「北海道並みに300ミリくらい入れなさい」でしたが、関東では厚めの断熱材は見当たらず、札幌単身赴任を利用して100ミリの断熱材を購入し、車で盆休暇帰り作業しました。結果は効果抜群でした。
 真夏日33度くらいありましたが、今はたぶん5度くらい下がっていると思います。断熱材の注意書きのとおり、肌の露出面を少なくし、マスク等を装着しましたが、肌がグラスウ−ル負けしました。冬場の作業がいいと思います。
 今後も拝見させていただきます。



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隣地境界の塀設置費用の負担についてご相談」への参考意見


<富山県富山市・だちゃさん(公務員・42歳・男)>


 私は法律の専門家ではないので詳しくはわかりませんが、隣地境界に設置する囲障については民法に関連条文があります。
 第225条「囲障設置権」には「…その共同の費用を以てその境界に囲障を設けることを得」、第226条「囲障の設置及び保存の費用の負担」には、「…相隣者平分して之を負担す」とあります。
 これは、わかりやすく言うと「境界の囲障は隣人と折半で設置する」という権利があるということだと思います。しかし、「権利」はあるが、それに答える「義務」はないのか、残念ながら実際に共同でつくったという話は聞いたことはありません。
 この件については、私も以前から疑問でした。
 どなたか法律に詳しい方(弁護士さん?)からの投稿をお待ちしています。



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瓦施工に関しての質問


「NPO住宅110番より」
 こちらの質問と回答は、この「住宅クレーム110番」でいつも回答協力をいただいているFAS本部代表の福地氏(HP: http://www.fas-21.com/)へ直接寄せられた質問と氏による回答です。福地氏と質問者のご好意により、同様な問題で悩んでいる方々に参考にしていただきたく、この内容をクレーム110番へ公開したいとの申し出がありましたので、掲載いたします。

 こんにちは。突然の質問メールで失礼いたします。住宅クレーム110番から貴社HPを知りました。現在、新築中ですが、屋根施工不具合で悩んでいます。
 住宅クレームへ投稿しようかとも思ったのですが、すぐにでも施工のやり直しをするということで、直接質問を送らせていただきました。
 横桟の取り付け不良で瓦が収まらなかったため、端をハンマーで欠いて無理矢理付けてあったことから、施工不良が発覚し、いろいろ調べてみるとそのほかにも水切りがないとか、3点固定のはずの軒先瓦も1点でしか固定していないとか、棟換気部材を付けてあるのに野地板の開口が満足にとってないとかの不具合が散見され、瓦を全部葺き直すことになりました。それ自体はいいのですが、最後に1点だけ心配点が残りました。
 縦桟を使わずに排水溝(450ミリ間隔で5×40ミリ)付きの木製横残のみを使用。水はけが悪くていづれ腐ってしまうのではと心配です。工務店さんは通常の3ミリ程度の縦残は、どうせ瓦を打ち付ければ隙間は閉じてしまうから同じだと言うのですが…。HPで探しても、そのような事例は発見できませんでした。
 正しい目をもった第三者の方の見解を教えていただきたくお願いいたします。勝手を言って申しわけありませんが、工務店さんはすぐにも修正工事に入ろうとしています。
 できれば急ぎで教えていただきたいのですが…。何とぞよろしくおねがいします。



回答いたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 風を伴なった雨は、瓦だけで完全に防ぎきれません。そのため、瓦から漏水した雨水を瓦の下を排水する構造が求められます。防水層の上、屋根垂木の真上に縦桟木(通常9〜15ミリ)を打ち、横に交叉させて瓦桟木を打つのが正常です。これは腐れを防ぐのではなく、桟木に停滞した雨水が屋内に漏水させないことが目的です。
 しかし、実際、ほとんど建築現場では縦桟木が省略されて施工されているのが現状です。これには、瓦の固定が不安定になるというのと、施工に手間がかかるという理由があります。それでも、縦桟木を取り付けない屋根で、桟木が腐るなどの深刻な問題を目にすることはありませんでした。屋根の上は季節を問わず、日射熱により、桟木に停滞した湿気が瓦の隙間から蒸発して常に乾燥状態となっているからです。本件は溝(排水口)を付けた横桟木を使用するようですが、理屈にかなっており、評価できると思います。
 いずれにせよ前提は、防水層が完全に施工されていることです。


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※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。