住宅クレーム110番
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 今、マンションの管理組合の理事長をしております。築8年になる阪神大震災を経験したマンションですが、ここ3年ほど前から、鉄骨に直付けの避雷針からの振動騒音がきつくなり、各戸からの苦情が相次いでおります。管理会社からは、ワイヤーで固定するのに2基で100万と見積もられており、施工会社に請求すべきかどうか理事会でもめております。ワイヤー以外にいいアドバイスがあればお願いします。
 あと受水槽(エレベーター機械室横)近くの所有者が、夜中から明け方にかけて毎晩カタカタカタという音で眠れないという声も聞きます。はっきりした原因がわからないので、何ともいえないですが、受水槽のモーターと関係あるでしょうか。
 もう1件、冬場になると、1階の居住者で配水管がカンカンなるという苦情もあります。業者に問い合わせると、塩ビ管が収縮する音だといわれたそうですが、本当にそんなことがあるのでしょうか。それも1階の2〜3の戸数だけです。何かいいアドバイスがあれば、よろしくお願いいたします。


 まず、避雷針の件ですが、文面から察すると、屋上塔屋部分に水槽の目隠しなどの鉄骨フレクサラムが組んであって、これに避雷針マストが支持されているようです。シチュエーションを明示されていないので、それを仮定してお答えいたします。鉄骨部分に避雷針が設置されている場合、鉄骨はコンクリート躯体より固有振動数が低いですから、振動音が発生した場合、振動伝播もしやすいですし、共振の起きやすい状況になります。しかし、8年経過して今回のようなクレームが発生しているのであれば、当初はそんなにひどい騒音は発生していなかったのではないのでしょうか? ですから、まず次の点について確認してください。
  1. 避雷針マスト自体の接合部のボルトの緩み(よく緩んで音の出る箇所です)。
  2. 突針とマストの接合部のボルトの緩み(こちらもよく緩む箇所です)。
  3. マスト本体と鉄骨部分の支持ボルトの緩み。
  4. 鉄骨造営物、フレクサラムなどの仕上げ鋼板類の点検、ボルト類の緩み、避雷針マストとの不良接触の有無の確認。
 今までなかった騒音が発生しているのは、避雷針だけの問題ではないような気がします。なぜかというと、避雷針の騒音はおおむね最初に設置した条件が良くなくて起きているケースがほとんどで、瑕疵の場合が多いのです。それから、ワイヤー支持工事ですが、まずは上記の点検を行ってからの話としてください。そして、ワイヤー工事そのものは、マスト強度の関係で重量の掛かる太い径のものは使用できません。わかりやすく言えば、振動音軽減の決め手になるような剛性の高い工事は望めないのです。あれは、転倒防止の意味合いが強いと思ってください。それより、ガタのきていそうな鉄骨造営物の補強をして、マストとの支持部分にゴム板などを挿入するほうが、効果も望めますし、お金も少なくとも100万円掛かることはないでしょう。
 次に受水槽のカタカタ音ですが、まずは意を決して夜中に音源を確かめる意味で現場を見てください。過去にあった似たケースは、
  1. タイマー運転している換気ファンが異音を発していた。
  2. 受水槽のFMバルブが壊れていて、常時、水が出っぱなしなっていたが、昼間は周りの音で気にならないが、夜になるとカタカタ音がするので水槽内を点検したところ、樹脂製の異物が入っていて、出っ放しの水で波たっていた水槽内の壁に異物がぶつかって音をたてていた。
  3. 排水ピット内の排水ポンプが作動と停止を繰り返す状態になっていて、点検すると逆流防止弁にゴミがかんでいた。
 まず、音源の特定をしてください。
 最後に排水のカンカン音ですが、管材の伸縮で音がでるケースは実際にあります。ただ、今回のケースがそれかどうかは文面だけでは具体性がないので判断しかねます。1階で聞こえるということですから、1階スラブ下の配管ピット内の配管が音源の可能性が高いと思います。冬場の伸縮音は、冷えた配管内に高温度のお湯が流れて熱膨張した配管が音を発生させるのが原因ですが、通常ピット内のメーン配管にいたるまでに水温は下降してしまうので、この手の騒音は鋼管の縦管で以前はよく発生しましたが、集合管の普及で今はほとんどありません。ですから、初めにこれと決め付けず、まずは調査して音源を特定してから、その対応を検討されることが肝要ではないのでしょうか。

 以上3点、もう少し具体的な条件の提示がないと正確なアドバイスが難しいのですが、参考にしてください。それから、管理会社の方にもう少し現状の設備点検をした上で、管理組合に報告をあげてくるような精度の高さを要求なさってもよろしいのではないのでしょうか。



 先日、近隣の騒音問題を相談した者です。騒音問題……泣き寝入りです。
 先ほど、住宅販売会社(T住建)の営業が説明に来ました。彼らが言うには、「行政の騒音基準値を超えていなければ、買主に告知する必要はない」というのです。深夜に及ぶカラオケやバンドの騒音が、例え基準値を超えていないとしても、生活に影響はないのでしょうか? 建売住宅とはこんなものかと、今更ながら後悔しています。深夜12時を過ぎた今も、隣からはバンドの音が鳴り響いています。明日は朝から工場の騒音で目が覚めます。
 建売住宅を検討中のみなさん、営業マンの甘い言葉にはくれぐれもご注意ください。自分たちの目と耳で、住環境を調査してください。





 江東区のFKさん「エレベーターに雨水が浸入」についてお話したいと思います。
 最近のマンションでは珍しい話なのでびっくりしました。なぜかと言いますと、エレベーターの雨水浸入は居住者のクレームも当然ですが、管理会社からも厳重クレームが付くので、デベロッパーもわりと気を使う箇所なんです。雨水のかいだしをする場合、エレベーター保守会社を呼ばないとできません。これは通常点検の範囲を逸脱していますから、有償となります。お金の出し所がないんです。管理会社は管理費の剰余金か補修積み立てを使うしかありません。すると、年中、水が入れば当然、理事会などでも話題になり、なおかつ、お金を使っているのですから見過ごせません。ですから、開放廊下のエレベーター前は防雨スクリーン(開放にならなくなりますが、役所も例外として許可しています)を取り付け、それでも床からの廻り込みを嫌い、床の水勾配をつけたり、排水溝を設置して浸入を食い止める措置をしているマンションが多くなっています。どうも複数階、存在するようですし、管理組合の理事会で管理会社を交えて相談して、瑕疵として売主に対して改善要望を出すことが先決だと思います。しかし、管理会社の担当も少しのんびりしていますね。理事長名で正式に改善要望だせば、対応してくれると思います。完治を祈ります。



 私は鉄筋コンクリート造のフローリングの部屋に以前住んでおりましたが、下の階から足音、物を置く音が響くと苦情を受け、圧さ1センチぐらいのウレタンの上にカーペットを全面敷きましたが、その後も苦情が約1年続き、引っ越しをいたしました。防音カーペットと名前のついたものを使用したのではありませんが、私の経験では改善はできませんでした。
 安心して住んでいられる良い改善方法があるとよいですね。





 マンションの梁型でがっかりされている方へ。
 図面集(パンフレット)にその梁型の記載があり、CH寸法が1800から1850の範囲で書き込まれているか、また幅については書き込みがないはずですから、スケールで当たってみて極端に幅狭に書かれていないか確認をし、大幅に相違がある場合は交渉の余地があると思います。もしその記載がない場合は、冷たいようですが、どうすることもできないでしょう。梁型は、CHを最低でも1900ミリ以上取れるように計画するのが普通です。ただ、このマンションは何かしらの理由により、その寸法が取れなかったのでしょう。だとすれば、購入時にその説明があってしかるべきだったと思います。残念ながら、不親切な誠意のない営業マン(デベロッパー)から購入してしまったということです。そのような営業マンのいるデベですから、今後アフター等、デベの対応が心配です。最悪の場合は、管理組合一丸となって当られたほうがよろしいでしょう。



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