住宅クレーム110番
投稿ページ続きです
 平成11年にハウスメーカーで建てた軽量鉄骨の寄棟2階建て住宅に住んでいます。
 夏、2階が暑いので屋根裏の温度を調べてみたら、最高で70度近くにもなっていました。棟換気も付いているのに、こんなに温度が上がるのはおかしいと思い、いろいろと調べたところ、棟換気の有効面積が公庫基準の約1/10しかないことがわかりました。また、天井には壁用と思われる幅43センチの断熱材が使われており、隙間だらけでした。
 メーカーは、軒裏吸排気で金融公庫基準を満たしているので問題ないというのですが、70度という温度は小屋裏換気のある家として、本当に普通なのでしょうか。また、基準の10分の1しか空いていない棟換気は機能しているのでしょうか。最も暑いときに、線香の煙で確認しても排気されていませんでした。

 雨や風が入りこまない限り、小屋裏はできるだけ外部と同じ環境にすることが原則です。小屋裏換気口が正常に取り付けられていますと、小屋裏温度の上昇とともに自然通気がなされるようになっています。ところが通常、建築されている住宅においては、小屋裏温度が、真夏に70度〜80度くらいまで上昇する住宅が大半と言ってよいでしょう。住宅金融公庫の基準には取り付け方法によって異なりますが、天井面積の250分の1から1600分の1まで、吸気面積と排気面積の基準が示されています。風雨の侵入を懸念して、基準ギリギリの換気口しか取り付けられていないのが現状です。
 本件においては、質問者が公庫基準の10分の1と言い、メーカーが棟天の吸排気口の量が公庫基準を満たしていると言っていますが、取り付け状態によってその基準が大きく異なります。また、基準に照らしたとしても、小屋裏温度が70度になることは珍しくありません。問題は小屋裏温度を下げるには、ともかく小屋裏換気量を多くすることです。本件の場合は特に、木材の100倍も熱を伝える鉄骨ですので、小屋裏換気の量をさらに必要とします。方法としては、大きな電動式の換気扇を取り付けるのが、結果として安価で最も効果的な方法といえるでしょう。
 また、温暖地でも天井裏には北海道並みのグラスウールを敷き込むことが肝心です。温暖地では天井断熱までが薄い基準になっていますが、小屋裏の温度が輻射熱となって構造体に吸熱してしまいます。本件に限らず、夏場の暑さを回避するために300ミリ以上のグラスウール充填が望まれます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 3年前に家を建てました。建設会社から管が通ってないので、個人で引かなければならず費用がかかる、と言われて都市ガスをあきらめました。ところが先日、ガス会社の方が見えて、都市ガスの変更の工事の見積書を持ってきました。その時に、新築だったのになぜプロパンにしたのか?と不思議がられました。すでに管は通っていたとのこと。費用に5万強かかるのですが、費用を建設会社に負担してもらうことはできないのでしょうか? お隣も同じことを言われたそうです。アフターケアも悪かったのでちょっと感情的になっておりますが、アドバイスお願いします。

 建物を設計する際には、現地調査を行って、建設地に上下水道、ガス、電気、電話があるか確認します。これらのインフラがなかったら生活できませんし、新たに引き込めば予定外の工事費が発生します。
 今回の事例は新築時の調査不備といえます。しかし、新築時に都市ガスの引き込みを行っていれば、同じような工事費が発生していたはずです。新築当時の見積書・工事契約書を確認してください。プロパンボンベ置場からガス器具までの工事費だけで、道路からプロパンボンベ置場までのガス配管工事は、当然入っていなかったと思います。
 従って5万強の費用がその工事費であれば、いつ支払うかの問題であって、建築主負担と考えられます。ただし、高いプロパンガスを使用したための費用負担の問題があります。新築引渡し後3年も経過していますで、かなりの費用になるでしょう。計算してみてください。余計な費用負担をしたのですから、都市ガスへの変更費用請求の交渉材料にはなります。建設会社が納得するかどうかは微妙なところですが、お隣と共同で交渉できるでしょう。
 なお、新築時にプロパンガスを使うことを条件に、ガス配管工事を安くしてもらっていませんか。その場合は話は複雑になりますので、いきさつを確認しないと何ともいえません。



 私の親友の家が、この間、ある設備業者に汲み取り式から浄化槽にする工事を依頼して大変な目にあっています。たとえば、

  • 浄化槽の上部蓋部分の継ぎ手をグラインダーで切断、いい加減な接合のため、臭い漏れ(普通は切断しない?)
  • 小便器を取り外し、床を湿式から乾式に変更の際、土間タイルをはつり胴縁で平で下地をやり、コンパネ下地、仕上げて既設小便器を載せる際、つぎての径が合ってないのにそのまま載せるだけの施工のため、臭い漏れ。原因は小便器にあると言い張り、新品小便器に交換時に判明
  • 給水、給湯の配管固定がしていない、給水配管がVU材で施工している
  • 二重トラップ、ウオーターハンマー

等々、いろいろあるのですが、施主が直してと言うと、いい加減な対応でこれ以上できないと言い、結局、当社が間に入り、仕舞い工事をして完成。支払い時、工期2週間と言っていたのに2ヵ月かかり、施主検査もなしに、最終支払いから他社で掛かった分を相殺するというと集金しないで帰り、内容証明を送りつけて法的手段に出ると言う始末。裁判になった際、施主側の証拠として、第三者の手抜き工事を証明していただく診断士、または判断士という人は、いないのでしょうか? お教え願えないでしょうか? よろしくお願いいたします。

 ご要望のような資格者はおりません。また、いたとしても直してしまった後でどのように手抜きを証明できるものでしょうか。裁判になるとすると手抜きの証拠が必要です。写真や証言、手直し工事の証明書(注文書、契約書等)は揃っていますか。
 トラブルの状況からは、工事の内容は判別できます。VU配管以外は機能障害ですから、手直しは要求できます。その分を別の業者が手直ししたのなら、その工事分は相殺されても仕方ないところです。
 これから先は、技術者の出番ではないようです。弁護士さんにご相談なさったほうがよろしいかと思われます。



 初めまして。いつも楽しく?拝見しています。
 実は先日、不動産業者からある中古住宅(別荘)を紹介いただきました。120坪に建坪45坪程度の物件で、築22年ですが、間取り・建物もしっかりしており、とても気に入りました。ただ気がかりな点が一つあります。非常に室内が(長居できないほど)カビくさいのです。別荘として使用していたそうですが、ここ15年ほど全く使用しておらず、換気もされていなかったそうです。不動産業者が工務店の人に見てもらったところ、床下・屋根裏は十分乾燥しているとのこと。カビ臭もしばらく開け放てば消えると思います…とのことでした(ただし、洋瓦屋根から雨漏り2ヵ所あり。天井クロスがカビている)。確かに、押入れには寝具が入りっぱなしになっていましたが、カビ一つないし、畳も床も全然ぶかぶかしていません。建物内も湿っぽくありません。業者には、クロスの張り替えと瓦修理程度で十分住めると思いますよ、と言われています。土地の値段だとしても十分安く買い得なのですが、きちんと直してでも住みたいと思わせる雰囲気のある家なのです。しかし、子どもがダニアレルギーをもっているのも心配です。
 そこで質問なのですが、むせるほどのカビ臭の原因はどのように考えられ、また通常、消えるものなのでしょうか? カビやダニの適正処理法(薬品やオゾンとか)はあるのでしょうか? 購入した場合、住環境(カビや雨漏りの状態)を購入者の立場できちんと調査してくれるようなところはあるのでしょうか?
 お手数ですがよろしくお願いします。

 家の健康状態を診断するには、床下の乾燥状態をチェックするのが最も有効な方法です。床下が完全に乾燥状態になっていれば、ほとんど問題はないと考えられます。小屋裏は構造上、乾燥しやすい環境にあります。したがって多少の雨漏りなどは乾燥してしまいます。
 むせるような臭気は15年間も閉め切っていますと、どこにでも発生するカビの胞子が要因であると思われます。湿気の多い梅雨時期や夏場に、室内にカビの胞子が産まれてカビにならずに消滅することを、シーズンごとに繰り返してきたものと思われます。このカビの胞子の死骸は掃除機で除去できます。居住することを前提に、窓を大きく開けて何回も大掃除を行えば、臭気は抜けるものと推測されます。業者さんが言うように、居住環境は問題のないように思われます。しかし、少し気になるのは、床下が乾燥していても日当たりの悪い壁の中に腐蝕菌が生息していることも皆無ではありません。大掃除を行っても臭気が抜けない場合は、その要因が考えられます。また、築22年になりますと、雨漏りや壁内の腐蝕菌など、メンテナンスが必要な部分が出てきて当然です。信頼していている工務店がいらっしゃるのですから、率直にそのあたりを調査していただくべきでしょう。
 最近、自然の炭を主成分とした防腐防蟻剤が開発され、販売されています。アレルギーの家族を抱えるお宅であれば、できるだけ薬剤処理によるメンテナンスは避けるべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 コンクリートのひび割れについては、現在の技術では全てをなくすことは不可能であると考えられています。そのため、通常外壁であれば3〜4メートル程度の間隔でひび割れ誘発目地を作り、ひび割れの発生位置を限定させて、シーリング材を使って防水する手法を取ります。外壁にひび割れが発生する場合には、このひび割れ誘発目地が適切に設置されていないことが考えられます。ひび割れ誘発目地が設計図書になければ、設計が悪いと判断されます。また、コンクリートのひび割れ誘発目地と、仕上げ材(タイル等)のひび割れ誘発目地の位置がずれている場合があります。この場合には、仕上げ材の誘発目地は有効に機能しません。
 コンクリートの乾燥収縮によるひび割れは、通常、コンクリート打設後、数ヵ月から2年程度の間に発生し、それ以上経つと発生は収まります。日本建築学会の「鉄筋コンクリート造建築物の耐久性調査・診および補修指針(案)・同解説」には、補修を必要とするひび割れは、幅0.4ミリ以上、防水性から見た場合0.2ミリ以上と記載されています。0.07〜0.2ミリのひび割れは、ひび割れとしては軽微ではありますが、コンクリートの乾燥収縮が原因でひび割れが発生したとすると、外壁を貫通するひび割れであると推察され、漏水の発生が心配されます。ひび割れの補修方法としては、コンクリートの収縮とともに、ひび割れ幅が広がる可能性があるため、ひび割れに沿って部分的に仕上げ材を撤去した後、可とう性エポキシ樹脂の注入か、Uカットシール充填工法による補修が有効であると思われます。
 ひび割れから流出している白色の物質は、エフロレッセンスと思われます。エフロレッセンスが発生しても、コンクリートの強度には影響はありません。しかし、一般に水の流れのある箇所に発生することが多く、水の浸入により鉄筋が腐食することが心配されます。美観の補修には、酸洗を行い、エフロレッセンスを除去する方法があります。ひび割れの補修としては、親水性のエポキシ樹脂注入が有効であると思われます。




<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 建売住宅を購入し5月中旬に入居したのですが、入居早々に近隣の騒音に悩まされています。昼間は近くの町工場(プレス工場?)、夜は隣の貸しスタジオ(パッと見は古本屋)からの騒音です。まだ基礎工事をやっている段階で契約したので、建築中も何度か見に来たのですが、いずれも週末の昼間だったため、騒音に気づきませんでした。調査が足らなかった…と言われればそれまでなのですが、納得できないのは住宅販売会社の営業が何も言わなかったことです。工場も古本屋も隣組なので、引越し早々挨拶に行ったのですが、どちらのオーナーの方も口を揃えて「うちは商売柄、音がうるさいので、住宅会社の人に、必ず買主さんにそのことを言って、納得してから契約してほしいと何度もお願いした」とおっしゃるのです。住宅販売会社には騒音のことを私たちに言う義務はないのでしょうか? しかも腹立たしいことに、「小さい子どもがいるので、ペアガラスか二重サッシにしたい」と言ったときに、担当営業は「お金もかかるし、その必要はないですよ」と言ったのです。販売会社に連絡したところ「もっと騒音のひどいところもある。そのうち慣れる。責任者がいない」とお話になりません。建売住宅はこんなもの……と諦めるしかないのでしょうか?




<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 このたび、新築のマンションを契約しました。まだ、建築途中だということで設計変更が可能で、いくつか設計変更(クローゼットの奥行きなど)を依頼しました。見積もりもほぼ最終のものとなりつつあり、次に契約ですが、設計変更にかかる費用は契約締結時に100%現金支払いと書かれています。今はまだ6月で、引渡しは来年の3月予定です。かなり先のことでもありますし、設計変更を依頼したからといっても、住居を引き渡してもらわなければ当たり前ですが何も使えません。9ヵ月も先のものに今100%払えというのもの納得しかねます。
 このようなケースは一般的なのでしょうか? まだ、手付金、中間金……という流れであれば、納得できるのですが。




<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、以前に投稿されたMさん、また読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 私も同じような悩みをかかえています。基礎の立ち上がりの部分の幅は150ミリボルトが入っているところがセンターより20ミリずれています(内側へ)。そしてボルト自体も少し傾いています。設計士に聞くと、多少のずれ、傾きは大丈夫といいますが、本当なのでしょうか? Mさんはその後、どういう対処を取ったのですか? よろしければ教えてください。
 また専門家の方々、うちも大丈夫なのでしょうか? それとも、やり直したほうがいいのでしょうか? 教えてください。よろしくお願いいたします。




まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。