住宅クレーム110番
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 築4年のマンションなのですが、3ヵ月前ぐらいからキッチンの蛇口から黒いすすのようなものが出てきます。大きいものでは1ミリぐらいのものもあります。とりあえず浄水器を付けましたが、お風呂のお湯張り・追い焚きをすると浴槽にもたくさん浮いています。お風呂メ−カ−の人に見てもらいましたが、外にある給湯器に水が入る所にフィルタ−があり、そこにもごみが溜まっている、と言われました。お風呂のほうは、他にフィルタ−も付けられないので、お湯の出て来る所にガ−ゼを付けて、今はお湯を張っています。
 どこに相談して良いものかわからないので、お願いします(マンションの同じ階には出ていなく、真上の部屋には出ているようです)。

 「どこに相談して良いものかわからない」とのことですが、この種のトラブル・クレームは有料・無料を問わず、アフターサービス業務と考えられます。マンションの場合は、窓口は基本的にはマンション管理会社です。一般には管理組合経由で管理会社に申し入れすることになります。瑕疵期間中はデベロッパー(販売会社)でも相談に乗ってくれます。自主管理のマンションの場合はゼネコン(総合建設会社)またはサブコン(設備の専門会社)のアフター関係窓口です(たらい回しにされて、なかなか来てくれないこともありますが…)。
管理会社が施工業者に連絡し、施工業者がクレーム内容を判断して、専門業者・メーカー等に解決を依頼することになります。内容が複雑で、解決に時間がかかる場合は、設計者やデベロッパーも出てくることがあります。
 今回の「黒い、すす状のもの」が何であるか、分析してみないとわかりませんが、金属系のものか、合成ゴム系のものか2種類考えられます。
 以下は配管材料やポンプ類の仕様がわからないので推測です。
 金属系とすれば鉄錆とも考えられます。鉄錆なら赤錆が普通ですが、水質との関係で鋳鉄製ポンプまたは配管鉄部の黒錆が剥がれてくることがあるのでしょうか。これを読んだ専門家の方の意見を聞きたいところです。
合成ゴム系の材料は、圧力ポンプや防振継ぎ手、配管継ぎ手のシール材等に使われています。これらのどれかが水道水の塩素により劣化し、剥がれてくることはまれにあります。
 マンションの水道配管はポンプ室から横引き配管され、メーターボックスの中を立ち上がっています(加圧給水方式の場合)。管の中の水は常時流れているわけではないので、このようなゴミが発生した場合、配管の一部にゴミが溜まりやすい箇所ができる場合があります。質問の方の給水配管系統がこの箇所に該当すれば、ゴミが集中して出ることはあります。上階の方も配管系統が同じなので、出てくるのでしょう。隣の方の配管は別系統であると思います。
 いずれにしても「黒い、すす状のもの」の分析を含んだ全面的な調査を、施工者・販売会社に依頼してはいかがでしょうか。



 お風呂のタイルのひびについておうかがいしたく、投稿いたします。
 わが家のお風呂には洗い場に床暖が施工されていて、その上に貼られているタイルに2ヵ所ひびが入ってしまいました。ひびは鉛筆で薄く書いた程度のものです。犬のシャンプー時にシャワーヘッドを何度か膝の高さくらいから落としたことはありますが、原因がはっきりしません。こういったひびの修繕を自分でするとなると、どういったものを使ったら良いのでしょうか?
 ホームセンターで水まわりの修繕剤などを見たのですが、ひびに注入するタイプのものはありましたが、注入するほど大きなひびではないため、何を使うべきなのかよくわかりません。
 何か良いアドバイスをお願いいたします。また、床暖を施工しているとひびが入りやすいということはありますか?

 状況を見なければ何とも言えませんが、補修を行う場合、コーキング等での補修はあまりおすすめできません。なぜならば、あとで水垢等が付着して余計「ひび」の跡が目立つようになってくるからです。補修をするのであれば、白セメントのようなもので水に溶かし、ひび割れ部分にすり込むように補修することをおすすめいたします。
 床暖房を施工しているとひびが入りやすいのかどうか? という質問ですが、全く無いとは一概には言えません。これも、下地に関係してくることですが、床暖房の下地のFP板の状況とか、床暖房の配管の保護モルタルの厚みの問題、また、仕上げのタイルが、磁器タイルなのか半磁器タイルなのか等、いろいろあります。
 地域柄、旭川ということですが、冬はかなり気温が下がると予測されます。もし半磁器タイルを施工されているとすれば、「ひび」の入る確率は高くなりますね。夏にひびが入ることはないと思います。ひびの入る時期としては、やはり厳寒期マイナス気温になる時かと思われます。現況のままで維持していくとすれば、厳寒期、浴室を使用しない時でも床暖房を切らないことをおすすめいたします。



1)上下水道の配管およびガス管等、設備の土かぶりの深さに疑問? および、外まわりの埋没物にコンクリート、釘等があり、クレームをつけるべきか迷っています。
 わが家の上下水道管およびガス管は、基礎スレスレの深さか5センチくらいにしか埋まっていません。ハウスメーカーに文句を言ったところ、建てる前に深くと言われていないためと言われました(通常深さ30センチほどでは?)。これでは芝をはることもできず、土を掘ったところ、コンクリートの破片や釘が出てきて処理に困っています。新築より1年ほど経ってからガーデニングを試みて発覚しました。遅すぎてだめですか?

2)外構(庭および建物まわり)について
塀、フェンス、駐車場は終わりました。雑な造りでしたが、知り合いのためあまりクレームもつけれず、庭、建物まわりは手つかずでガレ(石)がたくさんあり、庭造りができません。ガレを取り除き、庭土を入れ、まわりも少し花を植えたりしたいのですが、どのような業者に依頼すれば効率よく、また安上がりでできますか?

1)5センチ程度とは何とも頼りない限りですが、静岡地域では地盤が凍結することもありませんので、通常管理での問題はないと思います。しかし、家や庭に大きなものを持ちこむ時に、埋設管を破損させる恐れがありますので注意が必要です。不安だと言って外側に土をたくさん盛り上げると、今度は床下に雨水が浸透することがありますので好ましくありません。釘はいずれ酸化して土に戻りますし、コンクリートは雨水浸透の役割もあり、あまり気になさらなくとも良いと思います。

2)安くするためには、日曜ガーデニングを愉しむことが良いと思います。土の中の石は野菜畑を造るのなら撤去しなければなりませんが、芝生や花程度なら、大きな石だけを取り除き、ならす程度としたほうが良いと思います。土は砂質のものを選定すべきでしょう。専門家を頼む場合は電話帳で「造園業」の欄で調べ、本件の場合は、主に花の植栽を手掛けている業者が適当と思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 こちらのHPを見つけて、建て替えをするわが家もこのような問題がないようにと予防線を張っていた矢先、契約したハウスメーカーの基礎の工事において、ベタ基礎前のその下の捨て基礎(?)上に鉄筋を組んだ時点で、設計書よりも東西に20センチほどずれていることが判明しました。そもそも、わが家は3方向を道路に囲まれており、その西側1辺には排水側溝があり、そのU字溝の側壁が筆界となっておらず、側壁から20センチわが家に入ったところが、どうもその筆界であったらしい(両親の話で)のです。打ち合わせ時にも、現場でもそのことは言っておいたはずなのですが、基礎の鉄筋の位置が本当は側溝壁から120センチのところに立っていなくてはならないところ、100センチしかなく軒先は境界内に収まるのですが、雨樋が境界を侵してしまうこととなりました。建物が建っていないので、やり直しもまだ容易だと思います。とりあえずこの先の手順として、役場(町道なので)との官民境界の確認、その結果、鉄筋の位置が間違っていれば、基礎の再施工を依頼しようと思いますが、業者は捨て基礎なので今の捨て基礎に延長施工(追加施工)してやりたいような話を持ち出しています。
 そこで質問なのですが、現在の捨て基礎に追加施工するやり方で基礎強度的に問題はないのでしょうか? また、やり直しを命じた場合(メーカーも同意した場合)、どの時点まで戻す指示をすればよいのでしょうか。それとも全て更地に戻して再施工したほうがよいのでしょうか?
 お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。

 本基礎を打設する前に、捨てコンといって数十ミリのコンクリートを打設します。このコンクリートの上に、墨出しをして鉄筋や型枠の位置を落としこみます。普段でも10センチ程度の調整は出来るものですが、20センチとなりますと、指摘のとおりの一連の手順を踏んだほうが良いと思います。
 この段階では延長施工の手法にさしたる問題は生じないと思います。現在は、住宅品質確保促進法によって、基礎工事に欠陥が生じますと、施工業者がその責任を負うことが法的に義務化しています。安心して大丈夫と思います。
 工事はこれからです。過大な要求は必要ないと思いますので、施工業者と相互に信頼が保てるように努力することが肝心と思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 お知恵をください。
 私は、分譲住宅を販売している会社に勤めていますが、小屋裏換気について質問されましたが、答弁に苦慮しております。こういうものなのか、あるいは施工が悪いのか…。
 在来木造2階建ての住宅です。設計上は軒裏から吸気し、妻側から排気するよう、1/900以上の計算で、換気口が設けられています。しかし、4ヵ所ある妻側の換気口(ガラリ)のうち2つは、小屋束で半分以上隠れてしまっています。換気口と小屋束の距離は10ミリ程度です。この2つを無視しても、1/900以上の計算はクリアできますが…。
 本来は、プレカットの段階で、こういう事態を回避するのでしょうか(とすれば、今回は施工上のミスになりますが)。それとも、換気口(ガラリ)に小屋束が10ミリくらいに接近しても換気能力に影響ないのでしょうか。
 このような換気口と小屋束の干渉について、一般的な見解をお聞かせ願えればと思います。

 小屋裏の換気口は熱気と湿気を排出するために極めて重要です。せっかく取り付けたのに、束と換気口の隙間が10ミリ程度では十分ではありません。
 特に温暖地の小屋裏換気の量は大きいに越したことはありません。その代わり、天井裏の断熱材が十分に充填されていることが前提です。この換気口が不十分ですと、夏場の日射熱で、小屋裏温度が80度近くにも上昇して、構造体に熱を溜め込み、夜に輻射熱となって放出するため、暑苦しい夏を過ごすことになります。
 小屋裏換気口は、取り付け状態を確認するのが厄介で、多くがこのように成り行きで納められているのが現状なのでしょう。切り妻の屋根の場合、換気口が小屋束のど真ん中という割りふりが外観の設計上、よくあることですが、構造設計との整合まで整理されていないのが原因と思われます。穴をあけた関係で、グリルを取り付けする必要がありますが、入居者のことを考慮した場合、左右にバランス良く、さらに2個の換気口を取り付けされたほうが良いと思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せ下さい。>

 建築条件付き土地を購入し、設計に多少の変更がありました。玄関框が斜めなのをまっすぐにし、2階にバルコニーを追加(玄関上部)、廊下の幅を有効75センチから120センチに変更しました。これにより構造計算のやり直しに費用がかかりますが、やってもらいました。着々と工事が進み、ある時、玄関ドアの向きが逆であることに気づき、問い合わせたところ、構造計算をやり直したところ、柱が追加され、玄関収納とドアノブがぶつかるため、逆に取り付けたそうです。柱が追加になったことを知らなかったこともありますが、ドアを逆にすることで駐車場からの動線が回り込む形となり、不便なので、直すようにお願いしました。また、玄関框が斜めであったのをまっすぐに変更したものが、変更されずに施工されていました。ですが、これを直すには土間をセメントで後から付けることとなるため、ハリボテみたいで気が進みません。
 このことで、施工者と私の間で、この施工ミスを示談で済ませることになりました。このもう後戻りできない柱の追加や玄関框その他、家族の受けた心の痛みを金額に例えることが自分ではできません。慰謝料と言っていいのかわかりませんが、どれくらい請求していいものなのでしょうか? それを請求したことによって、残りの工事に支障がないのでしょうか?
 今までこのような事例はあったのでしょうか? わかる方がいらっしゃいましたら、ぜひ相談に乗ってください。よろしくお願いいたします。




 直接、私の目で見たのではないので断言はできませんが、まず大丈夫だと私は考えます。少なくともケミカルアンカーなどによる補修をすることによる悪影響、例えば、基礎の配筋をズタズタに切断してしまう恐れもあります。
 基礎の配筋およびアンカーボルトの設置は、図面上や仕様書で考えるよりも、はるかに厄介です。私は公庫の仕様書や建築基準法に、基本的に懐疑的ですので特にそうなのかも知れませんが、今の公庫の仕様書と建築学会の仕様書を見比べると、上端筋、肋筋、そしてアンカーボルト、補強筋、相互の接続部分がそれに絡むことを考え、なおかつコンクリートのカブリ厚を厳密に考えると、単純計算するだけで基礎の立ち上がり幅は 150ミリメートル以上なければならないことになります。それなのに公庫の仕様書には基礎の立ち上がり幅は 120ミリメートルで良いことになっています。詳しく指摘しだすときりがありませんが、私は建築物、特に木造は、バランスが一番大事だと思っています。
 そうした観点からしたら、通芯からのズレはそんなに大きな問題にならないとしか思えません。よく現場の担当者と話をしてください。そうすれば、おわかりになると思います。




 状態を確認していなので的確な判断はできませんが、壁や天井の場合、断熱性能の差で壁面に微妙な温度差ができ、くすむことがあります(これをラスマース)。結露や断熱の解説書には載っている…(最近の??)
 全面的な汚れなのか、部屋の入り隅や天井の入り隅部で黒くなるのであれば、断熱のむら、室内の空気の対流に問題があるのかもしれません。また冬期間室内の湿度、温度、暖房器具(ファンヒーターは気密の高い部屋での使用は禁物です。石油1リットルで同じ量の水が発生しますから、十分に換気しなければなりません)の種類を教えていただけるのであれば、解決の糸口があると思います。




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