住宅クレーム110番
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 現在輸入住宅を建築中で、完成間近ですが、実はフレーミング工事でトラブルがありました。というのは、根太を受ける金物を取り付けるための釘が全て規格より短いもので打たれていたのです。外国製のT字型の金物で、根太受け木に直交に打つ釘は正しく打たれていた(40ミリ)のですが、根太側から根太受け木に向かって斜めに打つ部分があり、この部分は本来65ミリの釘で打つべきなのに、40ミリの釘で打たれていたのです。目視でも40ミリの釘で打っても木同士が貫通しないのは明らかなのですが。このミスが判明した時点では既にフレーミング工事が終了しており、後に、可能なところは一旦40ミリの釘を抜いて90ミリの釘で打ってもらい、作業スペースの都合上、困難なところは、40ミリの釘はそのままで、金物の近くの部分を90ミリのビスで斜めに打ったので心配はないとのことでした。根太受け金物を取り付ける場合、根太側から根太受け側に向けて斜めに打つ釘は建築構造上かなり重要なんでしょうか。このような処理で10年〜20年間もつのでしょうか。
 なお、メーカーの説明によると、日本の公庫基準では本来40ミリ(ZN40?)でOKだが、メーカー基準ではやはり65ミリ以上の釘で打つことになっているようです。
 
 弊社でも輸入住宅を手がけておりますが、国内に建築する建物は、輸入住宅であっても基本的に日本の建築基準法を遵守しなければなりません。質問の文面からして2×4工法の建物だと思いますが、使用される部材も基準に適合していることが必要です。T字型の外国製金物がどういうものかわからないのですが、一応その金物が仕様にのっとっているかを確認してください。一般的な話ですが、2×4工法に関しては、建設省告示に、住宅金融公庫を利用する場合にはさらに枠組壁工法住宅工事共通仕様書に基づいた設計・施工が必要です。したがって、質問にあるような根太がけについても規定されていますので、ご確認してください。40ミリの釘が斜めに打たれているとのことですが、文面から判断しますと、おそらく金物を使わないで釘だけで緊結しようとしているのだと思いますが、斜め打ちをする場合、使用する釘はCN75というJIS規格の太めの鉄丸くぎ(CNくぎ)によって留め付けされることが規定されています。CN釘の種類と寸法は、使用する箇所および打ち方ごとに仕様書によって定められています。これは釘のせん断力から決められていることなので、現在使用しているビスのせん断力が十分であるかがひとつのポイントになると思われます。これも確認されたほうがよろしいかと思います。いずれにしても文面だけでは判断がつかないので、会社側から十分な説明をしてもらい、納得されることが一番だと思います。



 去年新築のマンション(鉄筋5階建ての4階)に入居していますが、上階からの生活音に悩まされております。特にひどいのが、各部屋にあるクローゼットの開閉音やクローゼット内で何か作業している音が、階下の私の家にゴンゴン、ゴソゴソと響いてしまうことです。早朝の上階から何かゴソゴソやっていることで起こされてしまうので安眠できず、これは上階に注意しなければと思っているところです。一応、管理会社に聞いたら、上階は竣工時に全室フローリング(4LDK)にしたとのことですが、何でクローゼットの音が聞こえてくるのか不思議でなりません。さすがに上階からのテレビや話し声は聞こえてきませんが、うちのほうで取れる防音対策はあるのでしょうか? また、こういった問題で構造上の不具合あるいは欠陥と主張することは可能なのでしょうか? 
 
 これは構造上の不具合あるいは欠陥とは言えないと思います。遮音に関しては、RCの場合、コンクリート自体が遮音材ですし、木造の場合も、遮音材を床および天井に挟み込めば、空気を伝わる音(話し声等)は何とかなると思いますが、躯体を伝わる振動音(クローゼットドアの開閉音や、堅い床での歩行音)はどうしても伝わってしまうと思います。躯体を上下で切り離すことは不可能なので、ある程度の音は聞こえてしまうでしょう。あとは、早朝や夜中は静かにするというモラルの問題でしょう。



 文面だけでは理解していただけないとは思いますが、一応投稿します。
 築まだ1年で、パネル式セントラルヒーティング暖房を使用し、一般的な暖房メモリに設定しています。間取りは、1階に居間10畳、食堂4.5畳、和室6畳が続きとなっています。2階は、一直線の居間階段を上がったすぐ左に7.5畳+3畳クローゼットの洋間、すぐ前にトイレ、すぐ右に6畳の洋間がドアを向かい合わせに2つあります。
 主たる原因は居間階段が円筒のような役目をして熱を奪っていくことのようですが、良い方法がないものかとメーカーに相談したら、階段を上がる背中側にハメゴロシの窓があり、そこから冷気が1階へ流れることも原因の一つだそうです。この窓を覆う工夫は検討中です。
 とりあえず6畳洋間の向かい合ったドアの前に暖房パネルがありますが、これを大きくしました。いかがでしょうか? 何か良い方法が他にあるでしょうか?

 暖房放熱器の配置バランスが問題と思われます。居間階段から温熱が上昇するためと、FIX窓からのダウンドラフト現象で間違いないと思います。
 対策としては、FIX窓を塞ぐことでかなり改良されるでしょう。次に大きくしようとしている2階洋間のドアの向かいにある暖房パネルを、1階の居間の、できるだけ階段から離れたところに移すことができれば最適と思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 在来工法のハウスメーカーで5月中旬に着工し、現在、屋根工事を残して、本体が立ち上がった状態です。1ヵ月を経て様々な問題が持ち上がっています。

  1. 着工前の図面に窓の縦横サイズがはっきり明記されておらず、取りかかる前に、明確にするように伝えていたが、回答のないまま着工し、基礎工事の間も何度も連絡するように言っていたが、上棟まで工事が進み、トイレやユーテリティの窓サイズが希望のものよりひと回り大きく、修正するように伝えている。
  2. 雨樋の位置を玄関にするように営業および監督にも伝え、玄関設置が可能と回答していたのにも関わらず、実際は押入れに通すという工事を行い、今になって物理的に不可能だったと説明する(初めから無理ならば、玄関を広くとる予定だった)。
  3. 玄関前のポーチの高さを設計通りに行わず、段差が急になったため、正面からではなく、横に階段をまわして、傾斜を緩やかにしなければならなくなった。
  4. ポーチが存在するのだから、玄関の土間とフードの土間には段差が不要と伝えていたのに、段差が存在する。

など、こちらが営業と技術の担当者に伝え了解を取ったことが、全く現場には伝えられず、営業や技術に回答を求めても黙るか、何とかしますと言うだけで明確な回答がなく、何もしようとはしません。ハウスメーカーということで、現場との意思疎通に多少不安を持っていたのですが、これほど無責任とは思いませんでした。幸い現場で施工している方は、しっかりとした仕事をしてくれているのですが、施工監理をする側がこれでは、この先、どうなるのか不安になります。こういった問題に対して、建築を依頼した側は、どのように対応すれば良いのでしょうか? 何か相談する窓口・機関はあるのでしょうか? 途中から、外部の専門家に施工監理を依頼することは可能なのでしょうか? 何か良い方法があれば教えてください。


「NPO住宅110番より」
こちらの相談にお二方から回答をいただけましたので、以下に掲載いたします。それぞれのアドバイスを、参考にしていただけると幸いです。

 具体的内容1〜3まで読ませていただきました。おそらくもっといろいろな不都合、行き違いがあるのではないかと想像しておりますが、今回の具体的内容3点を見た限り、某ハウスメーカーの対応がやはり最初から悪いと思います。住宅建築において一番基本となるのは、設計であり、そのときの頭を突き合わせての打ち合わせや議論があってはじめて満足できる住宅になっていくのだと私は思います。その点を怠っていた某ハウスメーカーは悪いと思いますし、流れ作業過ぎると思います。つい最近、私のところでも玄関アプローチの階段のゆとりがほしいと施主様から連絡があり、当社の担当者が対応し、一部コンクリートを壊し補強をし直しました。設計段階では説明してあったことですが、やはり素人の方にはうまく伝わっていなかったようです。今は直したことで、さらに信頼していただいております。工事者側としては、壊したり直したりすることは当然いやですし、費用もかかります。予算のない現場ですとなおさらですが。良心的な工務店などですと、当社だけでなく、ある程度対応してくれます。今回の件は、施主様のほうもある程度、設計段階のうちにメーカーを替えるか、そのような手段を営業マンに伝えておくべきだったとも思いますが? 今からですと遅いですね。
 今からできることは、まず工事を一時的に中断してもらい、設計者を呼んで再度設計図書の説明を受けて、そこでもう一度打ち合わせ確認をして工事再開させたほうが、今後のことも考えて良いと思います。そのときに、もし知り合いで建築士の方がいて打ち合わせに入ってもらうと、さらに良いと思います。第三者をたてて工事監理してもらうことも可能ですが、その場合でも某ハウスメーカーとの話し合いは必要になります。まだまだ間に合いますので、今までの営業マンや現場担当者でなく、その上の人間と設計者にきてもらうことだと思います。

 これは完璧にハウスメーカーの対応が悪いと思います。担当者と打ち合わせしたことの記録を文書にして提出してもらい、施主、管理者、施工担当者の三者が保有し、コンセンサスをとるべきだと思います。途中から、外部の専門家に施工監理を依頼することは、知り合いの建築士がいるとか、何かそんなコネクションがあれば可能だと思いますが、相談する窓口があるかどうかはよくわかりません。



 先日新築しましたが、カースペースの下に砂利を敷くことになっていました。ところが引渡しの時に見たら、砂とコンクリートの破片や電気コードの切れ端のようなものやゴミまで混ざっているものが敷き詰めてあり、驚きました。「これを住宅業界では砂利というのか」と現場監督に確認したところ、「玉砂利だとタイヤの位置がどんどん削られてしまうので、この砂利にした。これなら徐々に固まるので都合がいいのです」と言います。しかし、どう見ても廃材の寄せ集めのようにしか見えません。これは最近ではポピュラーな施工なのでしょうか。
 この件はいずれにしても駐車スペースの土が少ししか削ってなく、しつこく文句を言ったらやり直すことになりました。しかし玉砂利ではなく、海岸の岩を砕いた緑色の砂利を使うと言っていました。ちょっとイメージが湧きませんが…。


「NPO住宅110番より」
こちらの相談にお二方から回答をいただけましたので、以下に掲載いたします。それぞれのアドバイスを、参考にしていただけると幸いです。

 埼玉県の砂利の入手状況はわかりませんが、あまりにもひどい事例ではないでしょうか。どこかの現場の余った砂利や廃材をもってきているとしか考えられませんね。また、車庫の中の砂利もできれば200ミリ以上ほしいところです。はっきり言って業者をかえたほうがいいのでは? お金の問題は残りますが。

 これは再生砂利だと思いますが、ゴミが見えているのはいただけません。個人的には、再生砂利を使うのはリサイクルの観点で見るとよいことだと思いますが、舗装の下に使うとか、ベースの下の砂利地業に使うとか、下地として使うべきだと思います。少なくとも表面の仕上げ部分には普通の切込砂利(関東でもこう呼ん でいるのかわかりませんが)や、砕石を使った方がよいでしょう。緑色の砂利というのはよくわかりません。



 私はマンションの上階に住み、騒音のトラブルをかかえた者です。確かに、子どもの足音は響くと思います。実際、私も、直接苦情を言いにこられましたし、電話での苦情も何度となくあり、そうしてる内に私達の音が出るたび、日中でも、下からコンコンと「うるさい!」と言わんばかりに音がするようになりました。その音は、フローリングにピリピリ振動が伝わるくらいの音で、回数も10〜20回とほとんんど嫌がらせではないかと思うほどでした。近隣の人に鳴らされた音のことを尋ねると、他のお宅にもはっきりとその音が聞こえるほど、電話で話していたお友達にも聞こえるほどの音でした。主人が出張が多く、いても帰宅が遅く、ほとんど私一人の時だったので、ノイローゼ気味になりました。思い余って、主人とそれをやめていただくように下階の方へ相談に行き、相手の方のクレームも真摯に受け止めるつもりで、何をどうしたらよいのか詳しく話し合いました。結果、私達も絨毯を敷いたり、休・祭日はなるべく気をつける、夜の9時以降は静かにする、といった決め事をしました。やはり、お互い反発しあっては、状況は絶対好転しません。どんなに怒りがこみあげても、下手に出て、おだてて相手に申し訳ないなぁ〜と思わせるぐらい良い人になりきるしかないと思います。優しくされたり、良くしてもらって、嫌な気持ちになる人はいないと思いますが…。まずは、菓子折り作戦で、「いただき物ですが」と仲良くなってみてはどうでしょうか? 確かにそこまで私がやる必要はあるの?と腹立たしかったことは事実です。しかし、体や心がボロボロになっていき、そうすること以外に手がなかったように思います。
 本当に、子どもを持って初めてわかりましたが、子どもはよく動きます。また、思いもしない行動に出て、それを静止させるのには限界があります。昼起きてるのも当たり前のこと、その時間帯にうるさくなるのは、しょうがない部分があるのではないでしょうか…。一応、ウチは今のところ、下階の方とも多少仲良くなり、騒音トラブルも沈下したように思えますが、昼夜かまわず下から音を鳴らされ、その恐怖が体や心に染み付き、苦情がこないとわかっていても、子ども達が騒いだり自分が疲れてくると、今でもうつ病状態になり、いつまでも緊張とストレスが抜けきれません。毎日、夜になると不安でたまらないし、休・祭日は静かにしなければと思いすぎて気分が悪くなります。こんな状態で生活するのがとてもつらいです。いっそのこと引越ししたほうが体と心のためにいいのかなと最近考えています。こういう経験で引越しされた方とかいらっしゃるんでしょうか? ご経験のある方はアドバイスいただきたいと思います。




 5年前に東京のある、準防火地域に、在来工法のモルタル2階建ての建売を買いましたが、すぐにひび割れを発見しました。雨漏りも、外壁の割れから起こり修理してもらいましたが、5センチ角ぐらい壁を落とし、そこにシリコンを入れただけです。つい最近も外壁の一部が10×1センチほど落下してしまいました。建築確認書でも20ミリと、モルタルの厚みが書かれているのですが、7ミリ程度しかありません。業者は、そのぐらいはふつうですよ、いまさら直せないと言いますが、欠陥ではないのでしょうか? どのような法律にふれますか? 直せますか? アドバイスください。
 ほかにも、火打ち土台が入っていません。業者は初めは入っていると言っていましたが、入っていないことを知ると柱を太くしているので問題ないと言います。もし、欠陥だとしたらどのように直せますか?

 準防火地域に7ミリしかないモルタルだけなら、建築基準法施行令に抵触することが考えられます。しかし、物理的に7ミリの厚さでモルタルを仕上げるのは不可能と思われます。モルタル1回塗りで最低7〜8ミリくらいの厚さになりますから2回塗りで15ミリくらいになるのが普通です。15ミリで準防火地域における最低の厚さ(地域や下地材仕様によって異なる場合がある)ですから、2回塗りでぎりぎりです。1回塗りのモルタル仕上げ(石灰、漆喰、土壁も含む)の場合は、その下に防火仕様の下地が施されている場合があり、その仕上げ部分が剥げ落ちるということもあります。調査してみてください。その状態によって補修の仕方が異なってきます。改修費用の問題がなければ、改修工事の方法はいくらでもあります。
 火打が入っていないということですが、土台部分の火打は基礎の仕様で無意味になる場合、床下地材に応力を持たせる構造などもあり、一概に手抜きと断ずることはできません。どちらでもない単純な手抜きの場合は、今からでも補修をさせるべきです。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



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