住宅クレーム110番
投稿ページ続きです
 築13年のマンションに住んでいますが、貯水槽の水が空になることが原因で、最近よく断水します。昨年の夏に1度断水し、今年は2度起こっています。昨年の断水時、業者に調べてもらったところ、設備には異常がなく、単純に使用量が給水量を上回っただけとの回答でした。確かに貯水槽に水が溜まりさえすれば復旧するのですが、これを恒久的に対策するには、現在20ミリの給水管を25ミリに替えなければならないと奨められました。

◆質問1
 12年間問題なく水が出ていたのに、ここにきて頻発するのは他に原因があるのではないかと考えます(調査によると水漏れはない)。それとも、近隣に家が増えたことに関係があるのでしょうか?

◆質問2
 20ミリから25ミリに替えることで、期待通りの給水が可能となるのでしょうか? 直径が1.25倍になるのだから断面積は1.56倍となりますが、時間当たりの給水量も1.56倍と考えてよいのでしょうか? 電力と同じで、供給源にパワーがなければ効果が期待できないような気がします。もし増えた近隣宅が当マンションの給水量に影響するのであれば、パワーがないものと判断します。この場合、当マンションが管径を太くすれば、今度はこれが別の住居(例えば隣のマンション)に悪影響を及ぼすことも考えられます。

 このあたりを教えていただけたらと思います。ちなみに、当マンションは世帯数19軒です。そして私は今年、管理組合の理事長になってしまったので少し神経質になっています。
 
●質問1への回答
 建築設備は10年以上使っていればあちこちに問題が生じてきます。貯水槽(建築設備の業界では受水槽と言います)が空になるのは、受水槽の大きさとも関連しますが、水の入り方が少ないのか、水の使用量が多いかのどちらかと言ってよいでしょう。トラブル解決のためには、考えられる原因を一つ一つ潰していくことが必要です。「他に原因があるのではないか」とのことですので、漏水以外の原因を思いつくままに挙げてみます。

<水が入ってくる側の原因>
1.市・水道局の給水圧(あなたの質問のパワーに相当)が何らかの原因(近隣に大型マンションの開発等が多い)で落ちている……これはあまり考えられません。

2.前面道路の水道本管から貯水槽までの配管(給水引込み管)内に錆こぶ等が発生し、給水量が著しく落ちている……配管系が20ミリと細いので、配管材料によってはあり得ることです。

3.貯水槽には、水が減ったら給水し、いっぱいになったら止める装置(FMバルブ等)が付いています。これにはゴミが入らないようにストレーナーが付いています。長い間にはゴミが付着し、給水量が減ります。近くで水道工事があった場合も同じです。この可能性はあります。調べてないなら見てもらってください。

<水を使う側の原因>
4. 給水使用量の増加……子どもさんも育ってきていますし、13年前よりは給水使用量は増加していますが、この影響は少ないでしょう。各戸の使用量を確認してください。

5.各戸の水の出具合いを良くするようなことをしていませんか?……ポンプ加圧方式で給水している場合に、ポンプを大きいものに取り替えた等。

6.何か水を大量に使う設備を付けていないでしょうか……どこかのお宅で料理教室を始めた等。

7.マンション共用部(管理人室や散水栓、池等)の人目につかないところでの水の出しっぱなし。

8.以上の複合要因……他に原因が見つからなければ2と4の組み合わせが可能性大です。

<対 策>
 水道引込み配管の取り替え(配管径のサイズアップ含む)が妥当な解決策ではありますが、この程度の発生頻度であれば、以下の簡単な方法で当面の対応はできます。

a.各家庭で水の使用量を少なくする……この場合は各戸の水道メーター出口のバルブを実用上、差し支えない範囲でしぼってください。

b.トラブルの発生が、ある特定の時間帯(入浴水張り時や梅雨の晴れ間の洗濯時)に集中する場合、使用時間をずらすことでも対応可能です。

c.警報のレベルを下げる……このトラブルが各戸で断水になるのか、単に受水槽の警報が出る程度なのかわかりませんが、警報段階ならば警報の発生する水位を下げることでも対応できます。下げる余裕があるかについては調べてもらってください。ただし、この措置をとると万が一警報が出たときは、すぐに水の使用を止めないと断水になります。

 なお、漏水はないとのことですが、地中部分の漏水(前面道路の水道本管から貯水槽までの配管での漏水、マンション共用部<管理人室や散水栓>への配管からの漏水)についても確認をしてください。

●質問2の回答
 水道局からの給水圧(あなたの質問のパワーに相当)が同じであれば、ほぼ、あなたのお考え通りに給水量は増えます。水道局は市全体に供給しているのです。給水能力は十分ありますので、お宅のマンションの引込み配管サイズをその程度上げたぐらいでは、近隣への影響は全くないと言ってよいでしょう。ご自宅の水栓は2つ同時に使う場合と、1つだけの場合で、水の出方が大きく変わりますか?



 こんにちは。初めて投稿します。今のマンションに住み始めて半年になりますが、やっぱり見た目に騙されてはダメですね。うちのマンション、見た目は結構おしゃれでいい感じなのですが、いかんせん部屋の構造はものすごく簡単なつくりで……契約する前にしっかりと調べておけばよかったのですが、気持ちが高揚してて、そこまで気がまわらなかったんですね。入居してびっくり。音が筒抜けで、話し声も筒抜け、しかも今、気温も上がってきて窓を開けるじゃないですか? だから、ますます筒抜けで。僕自身はなるべく友達も呼ばず、音楽はヘッドホンで聴くようにし、テレビの音も小さくしてと、それなりに努力しているのですが、隣の住人にはまったくその気使いは届かず、自由気ままに暮らしてらっしゃいます。女性の方なんですが、やはり彼氏も訪問されるようで、また男の声ってトーンが低いから、これがまた女性とは違う響き方でイライラします。くつろげるはずの自宅なのに、最近では家に帰るのが憂鬱になってきました。まだ入って半年ですが、僕はこのマンションを出ることに決めました。次に移るマンションはホントに妥協せず決めたいと思います。だって自分が出て行くしか方法ないですもの。悔しいですけど…。
 



 KSさんのご意見は、確かに「正論」と思います。当方は、条件付土地を購入して新築住宅を建てようとしている一消費者です。素人ながら闇雲に勉強して、いろいろとチェックポイントを設けつつ業者と話を進めていますが、進めるほどに「目が離せない」「油断すると何をされるか」という思いがつのります。それだけに、万が一の時には全面白紙撤回できるように特約を契約上に盛り込んで、自衛しつつの話し合いを行っています。まったくの素人である当方が、その道のプロとこうやって必死で攻防しているわけですので、その素人の立場からいえば、このような法律が存在するだけでも業者に対する論拠の一助となります。それだけに、「たまたま良い工務店にめぐり合えた方」からのこのようなご意見は、同じ消費者の立場からして悲しいものがありました。特に、ご意見中の、「家」というものは、人の財産と命を預かるものであり、その職種に携わる方々は高い理念と意識に基づいて取り組んでいるのが実態であることと考えています、という箇所には正直首をひねらざるを得ませんでした。
 こちらのHPでも、また、サーチエンジンに「欠陥住宅」という一言を打ち込んで検索をかけた結果でも、とにかく膨大に見うけられる欠陥工事・手抜き工事の実態についてKSさんはいかがお思いなのでしょうか。「ないよりはマシ」という言葉もあります。たとえ、牛の歩みよりも遅くとも、欠陥だらけの不備だらけの法制であろうとも、そこを足がかりにしてなんとかより良い制度を作っていくことは、政治家や官僚だけの仕事ではありません。そういう制度を整えていく(そして最終的には不必要とする)のは、市民一人一人の意識にもよるのではないでしょうか。KSさんは良い工務店で良い施工をしてもらい幸せでいらっしゃるかもしれません。しかし、多くの欠陥住宅に泣く被害者は枚挙にいとまがありません。失礼ながら、KSさんの投稿だけを拝見しますと、「自分がよければ他人はどうでもよい」とお考えのようにすら見うけられます。制度の実態が不備であることと、必要か否かはまったく別の問題とは思いませんか? 制度の実態が不備であれば、それを正していくように働きかけることが必要なのであって、一人自分が不要だったからといって一概に否定することが正しいとお思いでしょうか?
 お金も時間も十分にかけられる余裕があるのでしたら、良い土地を探して良い設計士を探して良い工務店を選定することも可能でしょう。しかし、実質上あまり余裕がないふつうの消費者のほとんどは建売や条件付土地等で選定の余地なく土地を選び、家を買っているのです。そういう人につけ込む業者がいることをてんから 否定されるKSさんのご意見を見たときには、ほんとうに悲しい思いになりました。
 長文となりましたが、KSさんのご意見を読んでこのように思った、同じ「消費者」もいることをご留意いただければ幸いです。




 2ヵ月前に中古の住宅を購入しました。入居してわかったことがあるのですが、近くの道路を車が通過する時に、地震のように家が揺れます。長い時は2〜3秒も揺れているように思いますし、窓のガラスも振動でびびります。毎回ではないのでマンホールか道路の段差の具合、通る車の大きさや通る場所によって違いがあるように思います。昔、線路脇に住んでいた所も、貨物列車が通るたびに揺れていたということもありましたが、これらの揺れはどこに相談しても解決策はないのでしょうか。何かアドバイスがあればよろしくお願いします。

 地盤特性で地盤にはそれぞれの地盤波長特性がございます。地盤に伝わった揺れの波長が家の構造体の波長とラップした場合、烈しく揺れたりする場合があります。道路を通る自動車の重さや速度で、波長が異なり、その波長によって揺れたり揺れなかったりすることが実際にあるからです。
 対策としては、耐力壁を増やしたりすることで、家の波長を変えることは可能ですが、今度は別な波長周期に反応することがあります。道路整備や周辺に大きな建物が出来るなど、環境に変化がある時に自然に気にならなくなることもございます。抜本的な対策としては、地盤波長を調査して、構造体の耐力壁で調整する方法がございます。改造もできますが、小手先での対策では困難な問題です。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 ちょっとご相談なのですが、5月末に棟上げが終わり工事にかかっているのですが、こちら大阪では1週間ほど前から雨が続いており、基礎部分(ベタ基礎)で土が入っている部分に水が溜まっており、じゅくじゅく状態です。ここ数日、ポンプで上の水は吸い出しているようなのですが、あまり状態は良くなっていないように思うのです。しかし、その状況を確認した(日曜日)の次の日には、もうその状態の上にコンクリートを敷いてありました。あのじゅくじゅく状態の土の上にもうコンクリを敷いて、湿気は大丈夫なのでしょうか?
 現場の監督に聞くと、基礎の底には水抜きの穴があいているので時間がたてば抜けると言うのですが、どれだけの時間で抜けるのか、1週間なのか1年かかるのか10年かかるのかわかりません。
 素人考えでは、コンクリートのコップに湿った土が入った上にコンクリートで蓋をして底の小さな穴で水が抜けるのでしょうか? その上で生活する私達は湿気等で悩むことになるのではないか? と心配しております。
 長々とすみません。何とぞアドバイスのほど、よろしくお願いします。



お答えいたします(お二方による回答です)

(有)白鳥建業
白鳥勝文 (北海道建築士会 余市支部青年委員)
電話:0135(22)3080

Eメール:snb42336@nifty.com


一級建築士事務所
ATELIER AG-PLANNING
今井優子(北海道建築士会 札幌支部青年委員)

ホームページ:http://www2.odn.ne.jp/hokkaido-agp/
Eメール:cbl52971@pop06.odn.ne.jp


 残念ながら、ご相談の文章からは正確な状況が判断しかねます。しかし、床下の防湿については住宅の居住性、耐久性に関わる重要な問題なので、慎重かつ厳格な対応が必要だと思います。今回のご質問は、きっと基礎に湿った土ということではなくて、また、べた基礎でもないような気がします。ただ 単に床下防湿層押えコンクリートのことでは、ないでしょうか。私が想像する内容にしても、ゆるい土の上にコンクリートは、まずいと思います。また通常は、締め固めを行った土の上に砂利を敷き、そしてコンクリートを打つものです。きっと工期的なこととか予算的なことなど、いろいろな理由があるのかも しれませんが、やはり床下の乾燥は木材腐朽菌繁殖を抑える大切な要素ですので、今実施している施工は芳しくないと思います。ただ、まだ 棟上げ状況なので、少しでも乾かす意味で工期延長等も考慮して、施工業者に1階の床組を遅らせ、なおかつ床下換気口の数をチェックし、構造上支障のないところを、業者に聞いて増やしてもらうことが大切だと思います。
 また仮に、相談文章をそのまま受け取ったとすると、私のそう多くない経験からは考えられない施工方法であり、将来に問題を残すと思います。しかし、敷地の形状、地下水位など様々な要素が絡んできますので、できれば第三者の専門家に依頼して現地を見てもらい、適切な処置を指示していただくことをお勧めします。



 リプランさん、いつもお世話になっております。皆様の意見が伺えるのでHPの更新を楽しみにしています。  今回は、MSの性能評価についての質問です。あるMSで住宅性能評価書を見せていただいたのですが、その中で特に気になるのが下記の2項目が評価1であったことです.  1)劣化の軽減に関すること  2)維持管理への配慮に関すること  性能評価を実施していること自体は評価しているのですが、その点数ではどうなのでしょう? その評価制度は、まだ広く浸透していないようで、他との比較ができないので判断できません。ご意見をお願いします。
 TMさんが言われる通り、一般ユーザーにとって住宅性能表示制度はまだまだ認知度が低く、また、建築業者側もこの制度について理解しきれていないのが現状のようです。  評価等級についてですが、評価1でも建築基準法で定められているレベルの十分な性能はあると考えられ、ちなみに建築確認申請が通っていれば、評価1をクリアしていると考えていいそうです。また、必ずしも全ての項目で最高等級をとる必要はありません。例えば、構造を重視すれば壁の分量が増え「構造の安定」の等級は高くなりますが、光の入る窓が犠牲になり「光・視環境」では低い等級になるからです。  この制度の利用は任意ですので、必要な方や会社のみが料金を払って申請し、評価書をもらうというものです。一般ユーザーにとっては、確かに自分の家の性能を客観的に知ることはできますが、評価はあくまでも完成時点のものであり、建築後の経年劣化などによる補修を保証するものではないということを知っておきましょう。また、この制度が今よりも普及するかどうかは、利用者である皆さんに委ねられています。


 私も現在同じような状況で建てています。はっきりいって、監理はやってません。設計者は、申請するだけで、あとは現場の棟梁任せです。監理したいのなら工事費の1割くらいはかかると、その申請だけの設計士はおっしゃってました。「かんり」はこの業界(建て売り、売り建て)では、工務店が代わりにやるらしいのですが、工務店も忙しいので実際は現場のいろいろな工事種別の担当任せです。要は、前例主義で施工しているだけで、施工図なんかありません。確認申請図面だけです。しかも彼らは、公庫の仕様書を見たことがないです。それができたら、あなたが言うような「監理」ができるなら大工になってませんよとその工事管理者はいっていました。1週間の工程表を出してもらっていましたが、「大工 できるとこ」という感じのものですし、施工図もないので、できてからびっくりすることもしょっちゅうです。もうすぐ完成して引渡しですが、相手の工務店や仲介の不動産会社がたまたま良心的だったのが幸いでした。
 私は、公庫の仕様書をみて色々調べて、毎晩現場をみてきました。ほんとに大変でした。もう一度家を建てるなら、いい家を建てるなら、多分しっかりした設計・工事監理を別で入れるでしょうね。ちゃんと設計料をはらって設計士に頼んで、設計図、施工図まで作ってほぼ毎日監理してもらえば、高いけどそれくらいの価値はあると思います。




 以前、上階からの騒音に悩まされ、眠れぬ日々をすごした経験を持つ者として、意見を述べさせていただきます。
 上階の住人が引越してきてから、騒音がはじまりました。騒音のピークは、深夜0時。バタンという、ドアが閉まるような音。ドタバタと走り回るような音…。当初は何とか我慢していましたが、真夜中のことだけに、とにかく眠りたいので、管理人に注意をお願いしました。それでも、改善される気配さえないので、今度は直接注意をしました。すると、全く心当たりがないとの返答。その後、何度か注意を試みましたが、無駄でした。夜、ゆっくり眠れないということがどんなに辛いことか。管理人、管理会社等、注意はしてくれますが、本人に全く自覚がないのでは、話になりません。その後、転勤となり、引越しましたので、今ではゆっくりと眠れる、普通の生活ができるようになりました。
 騒音問題の解決は、非常に難しいと聞きます。特に上階からのものは、他の部屋ではわかりにくいため、余計に難しいと思います。しかし、客観的に証明することは、不可能とは思えません。これだけ騒音で悩む人が多い以上、管理会社として、問題が起こったときの用意は必要だと思います。
 私のケースはレアであると、決めてしまうのは簡単です。しかし、実際に起こったものであり、眠れない日々をすごしたのです。経験した人にしか、この苦しみは理解できないと思います。当人同士で解決ができないときのための解決策を、専門家の意見を聞きながら、考える必要があるはずです。




まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。