住宅クレーム110番
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 1年半前に新築の分譲マンションを購入しました。1年経たないうちにベランダのコンクリート床のほぼ全面に、細かいくもの巣のようなひびが入ってきました。深いものではないにしろ、1年も経たないうちにここまでひびが入っていいものだろうかと心配になりました。水が染み込んでコンクリートがもろくならないか、不安です。施工業者にやり直しを求めることは可能でしょうか。
 
 まず、マンションのベランダ(バルコニー)について少しご説明しましょう。
 一般的にマンションのベランダの役割として、火災など非常時で廊下・階段方向に逃げ道がない場合、ベランダから備え付けの梯子で地上へ、または、ベランダ隔壁を破り他の住戸を介して屋外に脱出するなど避難通路としての大きな役割があります。また、時には、消防隊の梯子車による建物内部への進入路にもなります。その他日常は、洗濯物の乾燥場所やプランター、盆栽などを置いて憩いのスペースにも使われています。
 マンションの区分所有法からするとベランダは共用部分(区分所有者全員の共有)です。しかし、マンションには共有部分であっても区分所有者全員が使用するのでなく、特定の個人が専ら使用できるという部分がありますが、その典型的な例が各住戸に隣接するベランダや玄関扉、窓枠および窓ガラスなどであり、これらを専用使用部分と言います。そのため、ベランダについては各住戸の区分所有者が補修その他の手を加えることはできません。すなわち、ベランダに異常が発生し、補修等の対処が必要の場合は管理組合が対応することとなります。
 さて、本題のご質問についてですが、1年半前に新築のマンションを購入したとのこと、さぞご心配のことと思います。本来なら設計図や現場を見せていただき、ベランダの構造や仕上げ、ひび割れの状態などを観察してお答えするのが望ましいのですが、今回は一般的な構造・仕上げを想定して回答させていただきます。
 ベランダは屋外であり、雨や雪にさらされますので、北海道では防水が施されるのが一般的で、次のような構造・仕上げなどが考えられます。

(1)躯体コンクリート+防水層+モルタル押え仕上
(2)躯体コンクリート+防水モルタル仕上
(3)躯体コンクリート+下地モルタル+塗布防水(ウレタン塗布防水等)
(4)躯体コンクリート+塗布防水(ウレタン塗布防水等)

 ご質問の中に、「くもの巣のようなひび割れ」と「深いものではないにしろ」と表現されており、築後1年半ということを総合的に考えますと、ベランダの構造や仕上げは上記の(1)か(2)のどちらかで、ひび割れとしては初期のものと思われます。どちらかと言えば、くもの巣状(亀甲状の亀裂とも言われる)のひび割れ状態からすると、モルタルの下に防水層がある(1)のケースではないかと推測されます。
 それでは、モルタル系仕上材のひび割れの原因ですが、物理的なもの、施工的なもの、外因的なものに分類して説明いたします。

[1]物理的な要因
モルタルはセメント+砂+水の混合物で一定量のモルタルにおいて、セメント量が多いほど、あるいは水が多いほど収縮しやすく、ほかにセメントと砂の割合で砂の割合が少ないほど収縮がしやすい性質があります。そのモルタルの収縮がひび割れとして現れます。

[2]外因的な要因
日常時にベランダを使用している時、物を落とすなど強い衝撃を与えた場合や地震などによる歪み・衝撃等によりひび割れが起こる場合があります。

[3]施工的な要因
施工的な要因としては、施工時期が冬期の場合で温度養生不足による凍害や強度不足、夏期施工時は施工後の養生(直射日光を避ける・散水養生等)不備による急速乾燥あるいはモルタル仕上時の金鏝押え不足等がひび割れの発生につながることがあります。また、モルタル仕上材が下地と剥離した場合もひび割れを助長します。

 以上のようなことでモルタル系仕上材のひび割れが発生しますが、本マンションは[1]の物理的要因、または[3]の施工的要因、あるいはそれらの複合が原因と推測されます。
 参考までに(3)や(4)の表面が塗布防水(ウレタン塗布防水等)の場合を考えてみましょう。塗布防水には材質的に比較的硬質な仕上りのものと軟質な仕上がりのものがあります。いずれも塗布防水そのもののひび割れも考えられますが、下地材のひび割れの影響で塗布防水膜にもひび割れが発生するのが一般的です。その場合は比較的長い経過年数で現象が現れることと、くもの巣状ではなく、ひび割れ数は少ないが大きなものが発生する可能性があります。それは、小さな下地ひび割れが塗布防水膜で吸収できるからです。
 ベランダの構造・仕上げ、および表面仕上材のひび割れについてご説明いたしましたが、ベランダを構造的に支えている躯体コンクリートは経過年数からして問題はないと思いますが、ひび割れをこのまま長い間放置しますと、日常使用時の衝撃や冬期間の凍結融解の繰り返しによる亀裂の拡大、それによる防水性能の低下や防水機能の破損を招き、最後には構造的な躯体コンクリートにも影響を及ぼしてきます。
 補修については、前段にもご説明の通り、共用部分(専用使用部分)であるため各住戸の人々が補修するわけにはいきません。また、費用も共用部分であるため管理組合で負担するのが通常です。そのことからも、管理組合に状況を説明して対応していただくのがよろしいかと思います。
 施工業者にやり直しを求める場合も、販売会社と建設会社および購入時の契約内容により、いろいろなケースが考えられますので、これについても管理組合が対応するのが一般的であります。
 また、マンションに係わるいろいろな相談事が発生し、それが管理組合では難しく解決できない場合などは(社)北海道マンション管理組合連合会などに相談窓口がありますので、そこを利用することもお勧めいたします。



 お世話になります。
 三方を建物に囲まれたマンションの組合理事を務めています。先日、三方を構成するうちの1件が建物を壊し、駐車場にするということで挨拶に来られました。立地の都合上、手作業での壊し作業となるそうで(京都市内の町家エリアでいわゆるウナギの寝床状態なので)、約2ヵ月かかるという作業期間中の騒音のことなどの心配もあるのですが、さらに心配なことがあります。
 それは、今までは三方がそれぞれ隣の建物の壁面に囲われていたため部外者の進入の心配はなかったのですが、その一方が駐車場となるため、簡単に部外者が出入りできる状態になることです。もちろんエンジン音などの騒音の心配もあります。
 そこでご相談なのですが、現在、問題の箇所の境界には、高さ1200ミリくらいの柵を設けてあるのですが、これを部外者が出入りできないような高いブロック塀などに変更しようと考えているのですが、これにかかる費用というのは全面的に当方にて負担するしかないのでしょうか。
 これから先方と話し合いをするつもりなので、その際の参考として何か法的な基準や解決の具体例など、お聞かせいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
 
 この質問は非常に難しく、どう回答していいか困惑していますが、建築基準法的には何の制約もない事項だと思われ、一般的にはそちらのマンション側にて塀なり柵なりを設けなくてはいけないと思います。
 これからそちらの危惧している通りの問題が発生することも予想されますが、先方と話し合いの前に一度宅地建物取引業協会にて民事の相談をしてみることをおすすめいたします。
あまり役にたてず申しわけございません。



 今建築中の新築マンションの購入を考えています。まだ建築中のため、営業マンの方に、壁紙、間取り、床の色など選べます、と言われました。が、よく聞いてみると「この3色の中から選んでください」ということで、その中に気に入るものがありませんでした。私としては、これから何十年も住むところなので妥協したくありません。営業マンの方にそのことを言ったところ、「何十世帯もあるマンションですので、工事が混乱しますので、この中から選んでいただきたい」と言われました。一生に一度の大きな買い物なので、どうしても思い通りの部屋にしたいのです。床の色と間取りについては、納得したのですが、どうしても壁紙が気に入らないのです。こういう場合はどうしたらいいのでしょうか? 漆喰の壁、またはケイソウ土を使った壁にしたいのですが、マンションだと不可能ですか? 詳しい方、教えてください!!

 分譲マンションの場合、販売価格が決まってますよね。価格が決まっているということは、当然仕様も決まっているということに他なりません。多少仕上げの選択ができると言っても、同じ価格の中での話になります。また、価格決定の要素として工期というのも重要な要素になっています。営業マンの言うとおり、入居予定者の細かな要望に一つ一つ応えていては、工期の延長になりかねません。つまり工事中といえども、分譲マンションは建売住宅と基本的には変わりないといえます。
 最近では、かなり自由度の高いマンションも企画されていますが、その場合はあらかじめそのような要素を含んだ価格設定になっています。一生に一度の高い買い物をどうしても妥協したくないのであれば、方法はいくつかありますが…。

  1. 戸建注文住宅にする
  2. 集合住宅ならば、コーポラティブ方式に参加する
  3. 標準仕様の仕上げで引渡しを受け、その後、入居前に自費で内装工事を行う。

 立地や間取りなどが満足していて、壁の仕上げだけの問題なら、3が現実的でしょう(一度貼ったクロスやボードが無駄にはなりますが…)。この方法なら、他の入居予定者に迷惑をかけることなく、自分も満足できるでしょう。ちなみに、マンションでも漆喰や珪藻土を使うことは可能です。



 築2年のマンションの玄関なのですが、内側の木枠(板?)と壁部分に隙間が発生。木枠の縦部分が内側に曲がっているように見えます。見た目では、壁側との隙間がひどいところで1センチ程度発生しています。木枠の下部は玄関のコンクリートに埋まっています。施工会社にどのように修理してもらうのがいいでしょうか? 曲がっている木枠を代えてもらうべきでしょうか?

 この回答としては、まず現状を見ていないのではっきりとしたことはわかりませんが、木枠の隙間部分をシーリング等により埋めてしまう方法(この方法は根本的な解消とはいえませんが)と、一度木枠を取り外し下地をきちんとした場所に入れ、新規もしくは既存の木枠を取り付ける方法があると思います。この場合は下地がきちんと入っていないか、木材の乾燥が悪かったのかもしれません。新規のものに交換してもらったほうがいいと思います。



 初めまして。念願のマイホームを購入して、まだ1年半。今まで我慢してきたんですが、相談に乗ってほしくてメールしました。  とにかく、水はけが悪いです。雨が降ると家の周りの犬走りの砂利の上にまで水がはって湖です。去年貼ったばかりの芝は当然今年は全滅。まるで田んぼ状態。今年の雪溶け時期には地面下で凍結した土に玄関が押し上げられて、玄関ポーチのタイルはバラバラ……(さすがにそこは補修してくれました)。芝と一緒に工事してもらった塀はゆがんでるし、犬の柵もゆがんでます。ハウスメーカーさんに相談したところ、「これはヒドイ」と言って直してくれるそぶりを見せてたんですが、「土地屋に言う」と言ってから、もう土地屋さんとハウスメーカーさんの、責任のなすりあいみたいな感じで今だにはっきりとしてもらえません。去年、芝貼りなどの庭工事をお願いした時にも「水はけが悪くて工事がはかどらない」とこぼしていたそうなんですが、わかっていながら工事をしてたとは……。  思えば、この家は引越し早々、水道官が基礎の中で破裂していて洗面所の床が膨れ上がり、その後は吹き抜けの窓が雨漏り…それも3度ほど…冬は乾燥しすぎて湿度は20%しかないのに天窓が結露。しかも24時間換気システムがついてるのに結露とは……ダクトからも水漏れがありました。一番腹が立つのは、こういう状況をよその家に行って「あそこの家は水難の相がある」などど言ってるハウスメーカーの人。信頼して家を建てたのでずい分我慢してきましたが、もうブチ切れ寸前です。こういったことはどこに相談すればイイのでしょうか? 長々とすいません。何か良きアドバイスがあったらよろしくお願いします。
 ブチ切れ寸前のご心情をよく理解できます。
 この相談は、これから土地を買って家を建てる方にとって、大変参考になります。
 今まで、あまり重要視されていませんでしたが、「地下水面位」と言って、地下水が地盤面の何センチ下まで上がってきているかということです。新築する土地に穴を掘って水が溜まる水位のことです。簡単に調査できるのです。
 本件は地下水面位が高いところに位置している土地だと思います。地下水面位を下げるには、暗渠(地下の水を集めて排水する筒埋め)工事が必要となりますが、場合によって電動ポンプ可動を強いられることもあります。つまり、暗渠を入れてもその先の排水位置が高いことがあるからです。こうした基本が今までほとんど無視されてきました。電動ポンプを使用しなければならない土地は安くて当然なのですが、売るほうも買うほうもそんな概念すらありませんでした。
 本件の解決方法は暗渠工事を実施することです。最悪の場合でもポンプアップで地下水面位を下げることができます。住宅業界全体にこのような考えがなかったわけですから、補償をしろといっても大変に難しいと思います。実情を聞いていただいて、上手に暗渠工事の費用を負担させることができれば良しとしましょう。
 結露などの水漏れも施主にとっては大変なストレスですが、他でも多く発生している事象でもあります。あれもこれもでは虻蜂取らずになる場合もありますので、冷静沈着に事を運ぶことをお勧めします。事を大きくしても質問者の利益にはなりません。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 大変個人的な質問で申しわけありません。が、悩んでおります。このたび、おうちを新築したいと考えております。  内容は「どういう方法で室内を暖めるか?」です。前にお願いする予定の工務店さんに質問したところ、FF暖房方式のセントラル暖房が、もっとも良い方法だ、と伺いました。私は電気による暖房がいちばんいいような気がします。知識と経験ある方々から良いご意見をいただきたいと思います。  我が家の特徴は、
  1. 豪雪地帯(FFストーブの煙突?のようなものを、ひと冬何回も雪に埋まらないように除雪した)
  2. 極寒地帯(零下30度になる日もあり、水道が凍らないような家に住みたい。FFストーブの室外部分も凍って業者を呼んで直してもらった日もあった)
  3. 子ども(幼児)あり
  4. 共働き、かつ旅行好きのため留守がち
  5. ランニングコストよりもメンテナンスコストのかからない方を希望する。でも、どちらも安い方がいい

です。 よろしくお願いします。

 住宅の性能によって、暖房法を変える必要があります。  Q値(熱損失係数)1.5W/Km2以下では、蓄熱暖房器が断然有利になります。2.0W/K2を超える住宅ではFFストーブが有利です。質問者の地域においては、Q値1.5以下の住宅を造り、オール電化仕様にしますと、1〜5までの条件全てに当てはまります。Q値を意識して施工できる工務店をしっかりゲットすることがポイントです。
★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 はじめまして。今、私の家のことでメーカーとトラブルになっております。というのは、今年の冬、待望のログハウスが完成したんですが、ログ材一本一本が歪んできており、外との隙間はもちろん、壁がS字に歪んできているのです! ログハウスといっても、歪みと割れが少ないと聞いていたマシンカットのログハウスなんです。多少の割れと歪みはログハウスなので覚悟はしていたんですが、それはもうひどいんです! ログ材一本一本の隙間をカバーする実(さね)を越えて歪んでいるんです。そのため家の中から外の隙間が見え(2センチぐらい)、雨はもちろん、時折ハチも家の中にはいってくる始末なんです。
 メーカーにクレームをつけて、一度はメーカーも修理にきたのですが、一度歪んだ材料は直らなかったんです。もちろん!わたしは建て直しか、それに見合う要求をしているのですが、拒否されました。家というものは人の人生で一度ぐらいしか建てられないもので、何千万とするものなのにメーカーはあまりにも軽視しているんではないでしょうか? そのメーカーは名古屋に本社がある、それなりの会社だと思います。そしてログハウスの世界では去年ある雑誌の賞までとっているんですよ! このままそのメーカーを許せるでしょうか? 歪みは誰が見ても一目でわかるぐらい歪んでいるんですよ。人に見せられないぐらいです。夢にまで見たログハウスなのに。ぜひ、ご意見をお聞かせください。

 マシンカットにも松竹梅があります。安価のものは、含水率が高い・厚みが少ないなど何らかの差があります。私共はマシンカット(特にホンカラケンネ社<代表的メーカーです>、ウィークエンド社)を100棟近く組んでおりますが、上記のメーカーにしても、芯持ちのログ・丸ログ・ラミネートログ・厚みの少ないラミネート等いろいろあります。芯持ち材は、含水率が高いので、ハンドカットと同様の特性を示します。
 ご質問の物件は、私共の耳にも入っております。対処の方法としては、ログハウス専用のコーキングでパーマチンクというものがありますので、それを用いて補修を行うことです。
 芯持ち材のマシンカットは、ハンドカットと同様の特性を示すと先にお話しましたが、ハンドカットと違い、一本一本のログの重量が軽いために、歪みが大きく出ることはあります。ひとつ言えることは、「マシンカットだからメンテナンスが無い」ということは無い、ということです。



 大阪府大阪市・TKさん東京都・建築設計事務所設備担当OBさん、ご意見ありがとうございました。
 あるMSからキッチンユニットに収まるかどうか、電気容量など検討していたとき、見積もりをいただきました。
 ご意見からも判るように、後からつけるのは大変そうなので、もし最初からあきらめている方がおられましたら、ダメモトでお願いしてみればどうでしょうか?
 最近流行の高層MSでは、特に防火性を考慮しIHも選択できるようにしていただけたらと思っています。




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