住宅クレーム110番
投稿ページ続きです
「NPO住宅110番より、江別のSKさん&読者の皆さんへ」
 以前に掲載しました上記の投稿について、それぞれ違う立場からの意見回答が寄せられましたので、掲載いたします。あくまでも違う立場からの意見として参考にしてくだされば幸いです。
 尚、NPO住宅110番では、読者の皆さんからさまざまな意見が出され、それによる議論が起こることで、よりよい家づくりの世論の場となり、皆さんの家づくりのためになれば、と念願しております。
 
 江別のSKさんのスノーレーン凍結の件、拝見しました。スノーレーンの氷を取り除いたら漏水は止まったとのこと、縦排水パイプが凍結していたと書いていないので、縦排水パイプには異常はなかったと思われます。事故時の状況は、排水ドレンの部分のみ雪が融けて、それ以降が凍結し、融雪水がスノーレーンの上部まで溜まり、漏水事故が起きたものと思われます。高断熱・高気密で小屋裏換気の良い家ではこのような状況が発生しやすいようです。
<原因>
1.除雪等によりスノーレーンが露出し凍結
2.小屋裏換気が多く小屋裏が冷えこむ
3.縦排水パイプより水蒸気・高温の空気の上昇により、ドレン付近の雪のみが融け、付近が凍結
<対策>
1.スノーレーンにヒーターを設置する(維持費がかかる)
2.小屋裏換気を制限する
3.スノーレーン凍結予防装置をつける(当社独自の工法のため公開はしていません:ヒーターを使用しない工法です。他社にも独自の工法があるかもしれません。 問い合わせがあればお答えします)

 屋根板金工事の一般的な事柄ですが、スノーレーンと長尺トタンとの取り合い部分はコーキング等で処置されていますが、夏冬の温度差によりスノーレーンは横方向に伸縮し、長尺トタンは縦方向に伸縮するため、ジョイント部分は若干の隙間ができると考えられます。また、初めからスノーレーンに隙間を設け、小屋裏の暖気を取り入れる施工方法もあります。小屋裏換気についても、冬は小屋裏での結露を防ぐため(現在の工法ではあまり考えられないと思いますが)、夏は小屋裏の温度上昇を抑えるために必要で、換気方法にも換気口、イージスベンツ、破風の段差など、いろいろな方法がありますが、換気面積は同じでも空気の流れる量に大きな差があります。私は板金工で建築士ではないのでどの方法が良いとは一概に言えませんが、
1.スノーダクト工法の小屋裏換気は少なめにし、冷えすぎない工夫が必要では
2.フラット工法の小屋裏は換気を多めに(雪の吹き込みに注意)
3.三角・落雪屋根では屋根断熱をせず、小屋裏の暖気を屋根面に伝えやすくした方が雪は落ちやすいようです
 事故時の状況を直接見ていないのでこの程度の提案しかできませんが、維持費のかからない方法で問題を解決できると思います。

 築後数年の新省エネルギー基準に適合しているような建物の場合、厳寒期(真冬日が続く頃)、屋根上ではわずかずつしか融けません。天井面での断熱・気密性能と小屋裏換気が十分に確保されているのであれば、小屋裏は外気温に近い温度になります。0度かプラス数度程度です。「部屋から上がってきた生活熱」というのは、わずかですから。排水管がつながっている下水管の熱で融けるという人もいますが、屋根上が雪で覆われている間は、熱を供給するのに十分な上昇気流が発生しているとも考えにくい。だから、厳寒期には屋根上では、わずかしか融けないのです。屋根上の雪下温度は、氷点下にならない程度のはずです。
 2月の中旬を過ぎて、日中にプラス気温になるころから、屋根上の雪が融け始めます。このころは、日中はプラス気温と太陽エネルギーで融けますが、夜間は氷点下なので雪どけは進みません。スノーレーン(屋根の溝)が凍り付くトラブルが発生しやすいのは、このころです(2月中旬から下旬)。屋根上のスノーレーン全体が雪で覆われていればトラブルは起きにくいのですが、スノーレーンの両端や排水口の真上などで雪どけが早く、屋根上に「口が開く」ことがあります。スノーレーンの両端は、屋根面とパラペットの立上がり面(垂直面)で雪と建物が接しており、建物の構造体の熱が雪に伝わりやすいので、雪が融けやすい。スノーレーン上の雪に開口部が出来ると、下水の熱による上昇気流も多くなりますので、落し口の真上にも雪の穴が出来やすい。こうして、スノーレーン内の空気と外気とがつながるようになると、スノーレーン内が冷されて、雪どけ水がゆっくりと流れている底面より凍り始めます。排水口が氷でふさがったら、日中の雪どけで水が供給されますから、氷は成長する一方です。スノーレーン内が氷で埋め尽されると、スノーレーンに沿って雨漏りが始ります。こうしたトラブルは、断熱・気密性能と小屋裏換気が不十分な家に起りやすい。小屋裏の温度が高く、屋根面で雪が融けやすいからです。また、高性能な住まいであっても、一部2階建ての1階の屋根などで、屋根面(スノーレーン部)の日当りに差があるような場合にも起りやすい。
 こうしたトラブルを何年にもわたって100%防ぐのは、正直に言って難しいのです。弊社でも、数百軒お客様とお付き合いさせていただいておりますが、数年に1〜2軒のトラブルが発生しております(仮に300軒のお客様が10年間トラブルなしを良しとするならば、この間に3件のトラブルが発生すれば、3件/300軒/10年=0.1%の危険性があるということになります)。100%安心できるように新築の設計段階から十分な検討をしておりますが、ごくまれに発生しているのが事実です。
 今回のお客様の問題も、前述のどれかに当てはまりませんでしょうか。
 スノーレーン内の氷を除去して復旧したということは、決して縦排水管の問題ではないと私は考えます。縦排水管で凍り付くケースもあります。この場合は、排水管に長い横引がある場合や床下がかなり低温の場合です。天井裏で横引が長いと、流水速度が遅いので、小屋裏が冷え込んだときに凍りやすい。また、木材の収縮などにより、横引排水が逆勾配になっている場合などはなおさらです。
 床下で管内が凍り付くケースの場合もあります(このタイプのトラブルの方が多い)。床下が高い基礎高の家や、縦排水管が室外を通っている場合に起りやすい。縦排水管内では、雪どけ水は塩ビ管の内側をラセンのように回って伝いながら落下しますので、その管に冷されて、最下部に落ちる頃に凍り付く場合があるのです。この場合は、保温強化が必要ですし、ケースによりドレンパイプヒーターやパイプラインヒーターといった凍結防止機器が必要になります。
 最後に、スノーレーンの凍結による漏水で住宅の内装や断熱材などに被害が発生した場合は、火災保険の「給排水設備の事故」として補償対象になります(氷の除去や屋根の修理は対象外です)。免責金額というのもありますが、ぜひ火災保険会社に相談してみてください。きっと、「お助け」になると思います。
以上



「NPO住宅110番より」
「屋根板金の隙間から水が侵入」の投稿については、飯田板金工業さん(「江別SKさんの件」および勇和建設さん(「「屋根板金の隙間から水が侵入」について私なりの見解」)よりそれぞれご意見をいただき掲載しましたが、これらの投稿と同時期に最初の投稿者のSKさんより回答者のHQ住宅研究所 FAS本部・福地さんに再質問が寄せられ、福地さんには再度お答えいただいています。またSKさんから、その後の経緯としてさらなる投稿が寄せられました。一連の内容を以下に掲載しますので、ご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。

 リプランの住宅クレーム110番「屋根板金の隙間から水が浸入」で投稿させていただきました、 江別のSKと申します。このたびは、ご回答ありがとうございます。
 再度、質問なのですが、私の家の場合は、縦のスノーダクトは下水からの暖気で凍ってはいませんでした(工務店の話)。また、木質系パネル住宅なので、屋根裏の断熱性にも問題がなく、屋根の上の雪は外気温で融けるのがほとんどのようです。そのため、横に流れる溝(スノーレーン?)に外気温で融けた雪が少しずつ凍っていき、今回の事象となったようです。工務店は、下水から縦のダクトを通して上がってきた暖気が横のレーンに向かって行かないのが原因だと言っています。
 こんな状態なのですが、ご回答の通り、縦方向のダクトの不良なのでしょうか。また、完全補修とはどのようなことをすれば良いのでしょうか。お教えいただければ幸いです。
 
 ドレンパイプに問題がないとすれば、スノードレンの勾配が、縦型排水パイプに支障なく流れるようになっていないことが考えられます。外気温で雪が融ける場合、勾配があれば自然に排水されます。
 外気温でなく太陽日射熱での融雪も同じことが言えます。無落雪法は普通の住宅のように軒先がありませんので、軒先で冷やされて凍ることがないからです。凍る要因は、排水パイプ周辺の勾配が足らずに、昼間の融雪で停滞した水が凍り、周辺をダム状に凍らせることが十分考えられます。勾配を取るための補修工事は、事実上、大変な困難があると思います。むしろ、排水パイプ周辺に凍結防止ヒーターを巻いた手法が、確実で安くできます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 江別市のSKです。福地様からいただいたメールのあと「とりあえず、スノードレンの勾配があるのか確認してみます」とメールを返しました。
 実際に屋根に登り水平器で勾配があるかの確認と、実際に水を流してスノードレンを流れていくかを確認しました。
 結果は、全体的には緩い勾配がついているようで、水はゆっくりと流れていきました。しかし、スノードレンのところどころに多少の水がたまり、全ての水が流れるわけではありませんでした(これが凍る原因かも)。
 別の建築会社で無料相談がありましたので聞いてみたところ、スノードレンは鉄板を折り曲げてつくるために多少の歪みが生じることから、多少の水が残るのはしかたがないとのことです(私の家の勾配が適正なのかは私にはわかりませんが、水が多少残っても基本的に水が流れるのであれば問題ないのでしょうか? できれば、見ていただきたいところです)。
 その後、工務店との話し合いをもち、スノードレンにエンビのパイプを縦に半分に切り(かまぼこ型)、ところどころ穴をあけたものを落とし込むことで様子を見ることとなりました。これは、縦のスノーダクトを通って下水より上がってきた暖気を横方向のスノードレンにも持って行き、凍結を防ぐための対処だそうです。他の家で実験的にやったところ効果があったそうです。こちらとしても、電気を使わないのはありがたいですし、エンビ管なので腐る心配もなく半永久的な対策であると思います。毎年、冬に水の流れるルートが確保されているか確認しなければならないのが大変ですが、雨漏りするよりは良いかと考えました。
 みなさんプロの目から見てこの対策は有効でしょうか。
 雨漏りのその後ですが、水に濡れたフロアが盛り上がってきました。直してもらえるよう、交渉中ですが、工務店は、もともと少しずつ盛り上がってきたのではないかと言っているので難航しそうです。とりあえず、今日、天井の壁紙を張り替えてもらっているはずです(これは、雨漏りで壁紙が剥がれたためです。せっこうボードは古いままです)。
 以上のような状況です。長い戦いになりそうです。
 話は、ちょっと変わりますが、無落雪屋根のセッピを防止する安価な方法ないでしょうか。我が家はこの件でも悩んでおります。
 屋根一つとっても家っていうのは難しいものですね。





 埼玉県浦和市 吉田さんへ
 初めまして大阪で木製品の補修・塗装専門で営むものですが、記述にはコップ等による輪じみのようなものがついて取れないとのことですが、たぶん製造工程で付いたのではなく、現場にて付いたものであればホームセンター等でスチールウール(#0000)番位の目の細かいやつで色が取れないくらいの強さで部分的〜全体にこすってやるといいと思います(艶だし効果もあります)。加減がむずかしいので慎重に!
 それでも駄目ならお電話ください簡単な補修方法、教えます。



 初めて相談させていただきます。
 新築建売で購入した我が家(築4年、2×4)の外壁等に剥がれ、割れ、ひびを発見しました。外壁はサイディングで、コーキングで接合された部分が、浮き上がるように剥がれています。釘の抜けは1本もなく、しっかりと止まっており、そのためか、サイディング自体が引きちぎられるように5ミリ〜1.5センチほどの幅に、ぱっくりと割れています。この状態のサイディングが、東側に5枚(割れは計10ヵ所)、北側に10枚(割れは計20ヵ所)、南側に2枚(割れは計4ヵ所)あります。その他、南側ベランダに長さ15センチほどのひびが斜めに入り、さらに同場所、屋根部はふ板に20センチほどの細いひびが縦に入っています。
 すぐ建築業者を呼び、見させたところ「剥がして中を見なければ原因がわからない」とのこと。が、数日後、再度やって来た業者は、前回同様、一部分をさっと見ただけなのに、「原因は、釘の不足と釘打ちの位置が浅すぎたせいなので、無償修理します。内容は釘を追加して打つことと、割れ、ひび部分はコーキングで穴埋めします」という答えでした。こちらとしては、割れた部分は張り替えてほしいと話したのですが、コーキング修理で充分で、それに同じ色のサイディングはなく、張り替えるとみっともないですよ、などと言われ、とりあってくれません。
 一度は納得したものの、このまま、業者の言うとおりに修理をさせてしまってよいものかどうか、悩んでいます。あんなに大きく割れの入ったものを、コーキング処理だけで、耐久性に問題はないのでしょうか?
 なんとか良いお知恵を、お借りできないでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。

 窯業系サイディングを取りつけ施工するまでの間に、ストックする場所によっては、多くの湿気を吸い込んでしまう場合があります。この含水量の多いまま施工しますと、質問のような問題を生じされることがあります。特に価格帯の安価な窯業系サイディングは表面防水は完璧なのですが、裏面防水が劣っていることが多くあります。施工後、サイディングの湿気が次第に抜けて行く際に、こうした現象を起こすことがあります。
 本件は現場を検証しておりませんので、断定的な言い方はできませんが、上記以外の原因を考えることの方が難しいくらいです。釘打施工がしっかり行われており、サイディングの収縮力に抵抗しているということになります。したがって、業者が言っているように釘の数を増やしても解決策にならないと思います。
 本件は建売住宅ですので、どのような約定を締結しているかわかりませんので、これも断定できませんが、建売の場合、全体的な使用部材の仕様が全体価格になっていることがほとんどです。つまり、価格の高い高級サイディングの場合はこのような問題は発生しません。したがって、無料張り替えの交渉はかなり難しいのでないかと思います。状況から言って、無料補修の範囲はコーキング処理程度しか期待できないのではないかと思います。コーキングの耐久性ですが、亀裂部分に限らず、ジョイント部分や開口部まわりはコーキングで行っていると思います。したがって、コーキングの耐用年数(7〜8年くらい)を過ぎたあたりで、現在のサイディングの上から、金属サイディングにような軽量なものを、もう一枚、重ねる方法があります。
 質問者に都合の良い回答ではありませんが、建売住宅の宿命的な課題でもあります。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 どなたか、ボランティアで、今、計画中の建築やその家賃収支計画について客観的アドバイス、コンサルタントをしていただけませんか?
 私共の入居しているマンションの隣に、7階建ての賃貸マンションが建つ予定になっています。ところが、この計画に近所の人たちはもちろん迷惑だと言っています。が、しかしその近所の人たちの話によると、地主さんは、建設会社にだまされているのではないか?と噂されています。
 というのは、この地主さんは、67歳で、妻、娘3人の家族構成で、家業は、野菜の卸をご夫婦だけで営んでいます。地主の希望は、「そろそろ自分も年なので、今の家業を辞めて、家賃収入だけで食べていきたい」とのことですが、建設会社の営業の殺し文句は、「ローンが終わるまで、家賃補償をします」との条件で契約を結んだらしいのです。2億5000万以上の借り入れをして、果たして、その収支計画は本当に実現可能なのか? 近隣から言わせれば、立地条件からしてもこの辺は、駅からも遠いし、ましてローンが終わるまで、家賃補償をするなんてそんなうまい話はあるのだろうか? また、その建設会社は、設計は社内の建築士が設計するらしい。
 つまり、私達は、建築には反対はできないが、その計画そのものに問題があるのではないか。建築物はその土地めいっぱいに建てる計画です。隣家との距離は30センチといっています。建築基準には合っているらしいですが、オフィス街ならともかく、後ろも左右も住宅なのです。または、そんな大きな借金をしなくても、もう少しこぢんまりとしたものでも採算は合うのではないか?
 要は、その、人の良い地主さんに今のその設計が本当に妥当なのか? ほかに案はないのかを第三者が見て、それなりの判断をしてやって欲しいことです。どなたかいませんか?




<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 はじめまして。
 去年の10月に自宅のリフォーム工事が始まり、12月中旬に引き渡しされた家に今日まで住んでいます。支払いは初回に見積もり金額の1/3、2回目が工事の中間に1/3、工事完了後に残金を支払う予定で、合計3回に分けるとのことです。まず、初回の350万円をお支払いしました。
 ところが、工事途中の11月中旬に担当の女性が緊急入院されました。12月にリフォームが完了し引き渡しの時に、担当の女性の上司から、年明けには担当の女性も退院できると思うので1月に中間金と残金を一緒に請求しますとのことでした。ところが、1月中旬に担当の女性が急死されたとその上司の方から電話をもらいました。そして会社が非常事態で混乱しているので請求書ができてないので、もうしばらく待って欲しいと言われました。こっちも支払いが延びるのは問題ないと思い、連絡が来るのを待ちましたが、2月に入っても連絡はありませんでした。3月の中旬になり、こちらもかなり心配になり、リフォーム会社に連絡してみると、3月中には請求書を持って私の家に訪問してくれると言うので連絡を待っていましたが、いまだに連絡がありません。
 引き渡されてから4ヵ月、リフォーム会社からの連絡はありません。一体何をしているのだろう?と不安になります。急なリフォームだったため、工事途中にも多くの変更点がありましたので把握できていないのでしょうか…。
 リフォーム業界の大手の会社なのですが、こんなものなのでしょうか?




 私は新築一戸建てを購入したのですが、まだ家も完成する前から銀行ローンを実行して登記してほしいと何度も工務店に今年の1月から言われ、『その家の工期も完成は昨年12月からその時点で3ヵ月遅れているので残金は少なくします』と言われ、仕方なく先日3月初旬残金を書いた契約書(司法書士が作成)に押印し、銀行に行きました。まだ完成までに残工事もあるので、両方合意のもとの残金(値引きしますと工務店がいった値段)を残し、3月末に工事完了時、引き渡しと同時に残金を支払うという契約書をかわし、司法書士のもと銀行で実行しました。
 それなのに、その後から全然工事はしてくれないし、反対にその契約書の残金ではなく、もとの値引きしないお金を払ってもらわないとカギはわたせない、またこれからは弁護士と話してくれという書類が郵送されてきました。家は引き渡しのチェックもできず、家もあけません。それでも完成しているので、残金をもらっていないと言われています。
 当方は家にも入れないし、銀行ローンは払わないといけないし、どうしたらいいでしょうか? 当方は、もう残工事もしなくていいので、その登記したときの契約書の残金を支払い、家を引き渡してもらいたいのです。今で4ヵ月、工期完成日より遅れています。いつ入居できるのかわかりません。その登記した司法書士・銀行に行って、事情を話したほうがいいのですか? ご回答、よろしくお願いします。

 相当に建築会社とこじれている様子で、現状の把握があなたからのメールだけで判断できるものではないと思われます。建築会社の側もどうやら腹をくくって来ている(「これからは弁護士と話してくれ」という対応からの判断です)のであれば、こういう事態にまで立ち至った事実関係・契約関係を整理して、あなたの側でも弁護士や、地域の「建築指導センター」などと相談されて対応していくしか方法はないと思います。



<〜NPO住宅110番より〜みんなで一緒に考えよう!ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 つい最近、東京都内(郊外)の、大手不動産会社の販売する新築マンションに入居しました。ところが、 引っ越しの前日に見に行ったとき、すでに入居している上階から凄まじい「ドドドド」「どすーん、どしーん」という騒音が…。上階には男の子供が2人いて、一日中走り回ったり、飛び跳ねたりしていたのです。上階の住人を調べてから買うべきだったと後悔しましたが、後の祭りでした。
 おかげで、入居して数日でいきなり上階に苦情を言いに行く羽目になりました。多少のやりとりがあり、子供の足音はやや静かになったものの、実はそれ以外の普通の生活音もすべて聞こえます。「聞こえる」などというものではなく、大人が普通に歩いているらしい音、メゾネットの階段を上下する音、サッシの開け閉め、 クローゼットのドアの開け閉めなど、すべてが不快な低音を伴って「ずーん、ずーん」と響きます。朝は目覚ましよりもずっと先に、それらの音で叩き起こされます。
 上階の住人に対して、こうしたケースで損害賠償請求が認められた判例もあると知り、現在調査中ですが、それよりもここで言いたいのは、これが床スラブ厚200ミリ、LL-45等級フローリング、二重床で「遮音に配慮」を謳う新築マンションの遮音性能の実態だという事実です。今まで、ワンルーム、1K、公団の賃貸住宅などに住みましたが、このような経験をしたことはありません。公団賃貸では、上下や隣の住人のことなど、ほとんど意識することさえありませんでしたし、こちら側も一度も苦情を言われたりすることはありませんでした。現在のマンションは、音に関しては古い木造アパート並みです。やはり、新築の青田買いは怖いということが身に沁みました。とりあえず、アフターサービス期間中に、前向きにやれることはやっていこうと思ってはいます。でも早いうちに売ってしまおうかという気もして、迷っています。ぜひお知恵を拝借させてくださいませ。
 皆さんも、新築の青田買いは、くれぐれも慎重に!




拝啓 担当者御中

 はじめまして。私は昨年9月にマンションを購入したものです。
 その物件は屋上にルーフガーデンがあり芝生もあり特徴のある物件でしたが、最上階にはみなルーフガーデンがあり実際となりのルーフガーデンとの間は1〜2m程度しかないためプライバシーはあまり確保された状態ではありませんでした。ただ、マンション販売センターの建築会社の話しで実際にはとなりとの境に180cmの高さの塀を作ることによってプライバシーは確保されるとのことで、実際にオプションとしてその塀の代金も支払い昨年9月に入居しました。ところが、その後建築会社より、消防法や近隣の日照権の関係で塀は取り外させてもらって換わりに同じ高さの植木を植えさせてほしいとの申し出があり、それを受けてようやく今年の1月にそれを設置して今度はすぐに管理規約にひっかかるので植木も低木に変えさせて欲しいとの申し出が再度あり、現在屋上には当初代金まではらった塀もなくなったままになっています。その後建築会社の話では管理規約に違反しないように取り外し式の塀をとりつけるとの話ですが、隣人はそれを快く思っておらず、また、実際に管理組合の総会をクリアしなければ塀をとりつけることもできず、その会議も5月、6月にわたるとのことで、最悪その会議でクリアできない場合話は振り出しにもどるのとの説明でした。
 実際最終的にどうなるかもわからないままこのままの状態であと何ヶ月が生活してゆくのにも不満、不安があり、実際にこのような購入時のマンション契約物件と実際の物件との違いが出てきた場合、建築会社を相手に示談、あるいは起訴も考慮しています。その場合このプライバシーのあるルーフガーデンを目的として購入したにもかかわらず、それが守られなかった場合は裁判などでどのような保証を請求していけばよいのか? また、いざマンションを売却して住み替える場合などそのいままでの引っ越し、融資、などの費用を請求できるかどうか? いままで似たような事例がありますでしょうか? もしよければ御教授ください。

 お尋ねの件は、民事上の係争に当たるように思われます。当方としては、アドバイスの可能範囲を越えていると判断いたします。
 まず第一に、ルーフガーデンというものが「重要事項」であって、生活上不可欠なものという基本的な争点について、そうした考え方が法律判断で認定されるものかどうか当方としては、まったくわかりません。
 第二に、たぶんあなたは、このガーデンを隣地とは隔絶した「居室」的なものとして認識・期待しているようですが、この「ルーフガーデン」というものがそうした性格条件を備えなければならないかどうかは、はっきりしないだろうと思います。
 一般的に言って「ルーフガーデン」というものはマンション需要の促進策として、メーカーの販売上の「差別化戦略」として位置づけられたものでしょう。現実的にはこうしたものが多くは存在していないので、法や制度が準備されているとはいえません。したがって裁判で争われる場合、事実の認定と損害の認定などの手続き問題で相当の時間が避けられないと考えられます。
以上で回答に代えたいと思います。



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