住宅クレーム110番
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 実家の水漏れ工事の件でリフォーム業者の対応に疑問があります。少々長くなりますが、よろしくお願いします。
 実家(2階建て)1階和室の天井が長期にわたる水漏れで使えないという母の話で見に行ったところ、天井は剥がれ、畳も非常に傷んだ危険な状態と思われました。ちょうどその上が両親の寝室となっているところから、両親に「このままでは地震などの際に、2階の床が抜け落ちるなどの大事故になっても大変だから、多少のお金がかかっても、どこか信頼できそうな会社に状態を見てもらい、原因を突き止め、それを抜本的に直してもらうほうが良い」と話しました。その後、工事後の保証もしているという会社に工事を依頼することになりました。
 建物自体が壊れるのではないかという心配も大きく、また、当然私達としてはずぶの素人で、建物の構造も原因も全く分からないため、「とにかく、原因を見つけてそれを直して欲しい」と依頼しました。
 その後、お任せの形で工事は終了し、工事代金約85万円也を支払い、これで安心と思ったのもつかの間、約1年半後また水漏れが始まり、天井が剥がれてきました。
 そこで、その業者に連絡を取り、次第を話したところ、「前回は2階のベランダが原因と考え、そこの防水工事をしたが、まだ漏ってくるということは、どうやら原因は外壁、あるいは屋根にあると考えられる。したがって本当に直すにはこれらの工事をしなければ駄目だ。今度の工事は約100万円かかる」というものでした。
 どうしても納得がいきません。原因を究明して、それを直してもらうということで依頼したのに、原因箇所が違っていたから、再工事のためにまた、金を出せ、というのは、どう考えても筋が違うのではないでしょうか。工事箇所が違っていたのは、業者側のミス、あるいは事前調査があまりにも杜撰で安易であったこと、あるいは工事自体が杜撰であったことが原因と考えられるのですが、いかがなものでしょう。
 どちらにしても心配な話なので直さないことにはしょうがないのですが、両親は年金生活で貯えもなく、かといって、私たちが出すにしても限界があります。こんな話が2回3回と繰り返されては困るので、安心な業者さんの探し方も知りたいのですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 回答が遅くなって申しわけございません。
 この問題は仕事の頼み方と業者からの事前説明(インフォームドコンセント)にあるようです。病気にたとえたとき、「ときどき出血をするようになったが原因がわからない。本人はたぶん○○が原因だと言う。医者は手術をしたが、しばらくするとまた出血しだした」。これと似たような話だと思うんですね。一言で医者の未熟さだと思います。しかし、雨漏れは大変難しい問題で、原因がなかなかわからないところに一番の特徴があります。原因がわかれば直すのは簡単です。その業者はもっと原因の可能性を探るべきところを、思いこみでいきなり手術をしてしまったようです。
 では、どうするべきだったのでしょう。いまさらという感じもありますが、同じようなことを繰り返さないために検証してみましょう。医者はその現象から何種類かの原因を考え、検査、診断をしたが、決定的な原因がつかめない。そこで患者に「私は○○だと思うが、はっきりしたことはわからない。とりあえずこの薬と注射で様子をみたい」と言うべきだったのです。直ればそれが原因、直らなければ単純に別の原因です。薬と注射だけなら、費用も患者への負担も少なくて済んだのです。医者も業者もピンきりです。さて、本題に戻しますが、業者にどのような頼み方をしましたか。Mさんは当然「雨漏れを直してほしい」と言ったつもりでも、業者は雨漏れの原因と思われる「2階のベランダを直してください」と受け取ったのです。だから直っても直らなくても、かかった費用を請求されるのです。今回の業者に関しては、まずそのへんをはっきりさせるべきで、そうしないと互いに話がくいちがってかみ合いません。今回はかけなくても良いところに85万円もかけてしまい、大変高い買い物になってしまいました。一般的に見積金額を基準に業者選定をしがちですが、見る目がないと一番高見積もりだったことに後で気がつく場合もあります。最後に安心な業者探しですが、腕の良い医者探しと同じです。また、嫁さん探し、旦那さん探しと似てます。業者は星の数ほどありますから、本人の思いと見る目がなければ見えません。反対にそれがあれば、自然と業者の善し悪しや相性が見えてきます。

●簡単な物差しはありませんので参考にしてください。

  1. その会社の理念と、社長や担当者の考え方、行動が一致しているか。
  2. 説明と、理屈や行動が一致しているか。
  3. どんな考え方でどんな仕事をしてきたのかを確かめる。
  4. 飛び込み訪問等をしてる会社とは関わらない。
  5. 評判の悪い会社とは関わらない。
  6. 簡単に値引きに応じる会社は要注意。
  7. 会社に訪問し、社員の接客態度やトイレ、事務所の清潔度から判断する。

 大きな買い物ですから、これくらいはしてみてください。きっと何か感じるはずです。友人・知人・親戚やその紹介、大手ハウスメーカーといわれている会社でもトラブルは大変多いと聞きます。
 あくまでも自己責任で判断してください。いつも言ってるように「会社選び」が一番大切です。



 初めてお便りします。
 平成11年1月ツーバイフォー建売住宅を買いました。ところがドアの幅が68センチで、ドアの厚みがあるため63センチなのです。引越しのときも大変でソファも折りたたみのできるものを買い、我慢していましたが、今やバリヤフリーが叫ばれるなか納得できず、2年目の点検時に申し出ても現況有視といわれ、家の重心があるので広げられないという答えです。高額でないなら当方で負担しても仕方がないと思っていたので困っています。アドバイスよろしくお願いします。
 大手の会社でまさかドアが狭いなんて、こちらもうかつでしたが、信じられませんでした。
 
 「幅が狭い」ことは、素人であろうと、購入前に簡単にチェックできる項目ですよね。建売住宅を買ったということは出来上がった状態を見て購入しているわけですから、他の誰でもない貴方の責任です。会社が大手だろうと中小だろうと全く関係のないことです。確かに、いまどきドアの幅が68センチなんてお粗末な設計といわざるを得ませんが、建売である以上、貴方はそれを納得して買ったということになるのです。当然、直すのならば費用は全額貴方が負担するべきものです。点検というのは、引き渡した状態で、それが適正に機能しているかを調査するわけですから、これは業者にとって点検事項とは言えません。2年目にちゃんと点検に来ている業者なのであれば、むしろ良心的な業者といえるのではないでしょうか。
 本当にドアを広げられないのかどうかは実際にお宅を拝見するか、せめて図面でもないと残念ながら判断できません。ドア幅を広げることによって、壁量も変わってきますし、構造的なチェックも必要です。
 「我慢していた」「納得できない」「信じられない」という気持ちを捨てて、もう一度業者と話してみたら、意外となんとか手立てを考えてくれるのではないでしょうか。



 築8年目で外壁がサイディングの家です。建築の時にサイディングなのでメンテナンスはいらないと言われましたが、最近、その大工さんが塗装を勧めます。塗装し直した方が良いのですか?
教えてください。
 
 メンテナンスは、必要です。時期については、自分で1の項目にしたがって、コーキング、塗装状態を確認するか、専門業者に見てもらう方がより確実です。

1.メンテナンス時期の確認方法
 劣化状況の確認方法は、コーキングと外壁との間に隙間が空いているか、またコーキング材自体に細かいひび割れを起こしていないかを確認する。塗装は手のひらで外壁を触って、手に白い粉がつくか、光沢が新築の時に比べて著しくなくなっていれば、塗り替え時期です。

2.コーキングについて
 外壁サイディング継目(目地)コーキングは、5年から10年で打ち替え時です。5年から10年経つとコーキングが痩せ、口が開き、水がまわると、サイディングや下地がだめになります。そうなる前に修繕する必要があります。時期は、気候、立地、日当たり等、様々な条件によって異なるため、上記打ち替え時期は目安として考えた方が良いでしょう。

3.塗装について
 塗装も同様に5年から10年で塗り替え時期です。外壁サイディングの種類は大きく分けて、窯業系(木繊維補強セメント系、繊維補強セメント板系、繊維補強セメント・ケイ酸カルシウム板系)・金属系・木質系の3種類があります。5年から10年経つと白亜化または、光沢がなくなります。サイディングの塗装および塗料によって耐久性は異なります。

4.その他
 コーキング打ち替えと外壁、屋根塗り替えおよびサイディング・換気フード等の破損箇所取り替えも含めて一緒に行うのが良いでしょう。コーキング打ち替えと外壁・屋根塗り替え時期を変えると、足場代等が二重にかかって非経済的です。家を長持ちさせるには、7年毎くらいに家全体に足場を架け、点検をし、化粧をするのが良いでしょう。



 昨年の10月に住宅を新築しました。屋根は落雪型で一部隣家との境界側に雪止めのスタッドを付けました。雪は落ちないのですが、雪庇ができオーバーハングしたものが隣家の塀の上に落ち、塀の一部を壊してしまいました。隣家の人はとても親切で「気にしないでください」とは言っていますが、これから毎年このようなことがあると、こちらとしてはかなり気がかりです。やはり、雪止めのフェンスを設置したほうがよいのでしょうか?
 
・意見回答
 定期的に雪下ろしができる確信があるなら、設置しなくても良いでしょう。しかし、雪下ろしができないなら雪止めフェンスを設置するべきです。また、壊してしまった塀は早急に修理したほうが良いです。想像ですが、隣家の人は相談者が近いうちに対処してくれるのだろうと考えているから、お付き合いを乱さないよう心配りをしているのだと思います。
 雪止めフェンスって、あまり見栄えが良くないと思います(町並みにそぐわない気がする)。フェンスを建てれば隣家にも影響してくると思うので、「雪止めのためにこんなフェンスを建てます」と建てる前に計画を伝えたら、ちょっとまってくれと相談があるかも知れません。
 私の実家の隣の家が三角屋根で雪が道路に流れてしまいます。ある日、帰宅すると何とフェンスが建ってました。道路に雪が流れるため危険なので、フェンスを建てるのはしかたがなかったとしても、まわりの町並みの雰囲気がなんか安っぽくなってしまったかと感じたことを思い出しました。でも、そう感じたのは最初だけで、すぐに慣れてしまいました。

・もう一つの意見
 実はこの相談を読んで、何でこんな答えが解りきった質問をしたのかな?と感じました。それとも別のことを聞きたかったのかな。例えば、「フェンスが建てられるのかどうか」とか「予算が知りたい」等…。何とも不思議な相談だったと感じました。

以上です。



 「無落雪屋根のスノードレンパイプに落ち葉が詰まる、雨漏りだ!」への関連質問です。
 私の場合は、枯れ葉が詰まったわけではなく、暖かくなったり、寒くなったりでスノーレーン(ていうのでしょうか? 屋根の溝です)が凍り、そこに雪が解けた水が溜まり、屋根の板金とスノーレーンの隙間から水が浸入したようです(工務店の説明です)。事実、スノーレーンの氷を取り除いただけで雨漏りは止まりました(しかし、バケツ何杯分もの雨漏りにより、天井の壁紙は剥がれ、照明にも水がたまり、壁紙、床まで水がしみてしまいました)。
 毎年、こんな悩みを持ったまま生活しなければならないのでしょうか。何か良い対処方法はないものかと、ご質問させていただきました。今のところ、工務店では天井の壁紙の貼り替えしかしてもらえないような雰囲気です。よろしくご回答お願いいたします。

 本件の質問のように暖かくなったり、寒くなったりでドレンの水が凍るということは、水が抜けていない証拠です。枯れ葉が詰まったわけでないということですが、縦型排水管に問題があることは明白です。
 スノーダクト方式の無落雪屋根の特徴は、屋根に積もった雪が断熱材となり、スノーダクト下部の雪のみを部屋から上がってきた生活熱で溶かします。解けた雪は速やかに排水されなければなりません。この縦型排水パイプに問題がある場合、ダクト下部に水が溜まり、雪の降らない低温の時はカチンカチンに凍りついてしまいます。一回凍りつきますと、屋根の雪解け水で直ぐにオーバーフローします。本件の場合はまさにその兆候です。縦型排水管を完全に補修することが前提です。
 工務店に対する対応ですが、施工に問題がないとすれば、雨樋と同じく、縦型排水パイプの管理は基本的に施主の責任で行わなければなりません。竣工時からスノーダクトに水が溜まるということであれば、施工者のミスということになります。
 いずれにせよ、排水パイプの完全復旧で問題は解決できると思います。施工者に強く迫ることです。その補修が完璧であれば、壁紙の無料補修はオマケみたいなものです。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 建売住宅の売買契約を済ませた現在施工途中の住宅について悩んでいます。建物は在来工法による木造2階建てでベタ基礎となっています。現時点の進捗は、屋根が付き、1階の床板を貼る前の段階です。
 気になっているのは基礎表面の「天端ならし」の部分で、モルタル厚約10ミリ〜15ミリのほぼ全体にわたって細かい「剥がれ」や「ひび割れ」があることです。職人さんが歩いた部分などは完全に剥がれ落ちている場所もあります。また、このモルタルと基礎の間に空隙ができてしまっているのか、軽く叩いてみると、基礎の「カチカチ音」(硬く締まった音)に対して「ペキペキ」という脆い音がしています。特に気になるのは、基礎と土台の間に等間隔で挟まれているプラスチック製(?)パッキン(20ミリ厚くらい。確か品名は「Jyoto基礎パッキン」?)がこの天端ならしの基礎に接する部分の強度についてです。経年とともにこのモルタル部分が破損し、「床のたわみ」や「傾き」「隙間」につながらないかと心配しております。
 施工中ということもあって、施工業者の担当者とは内装など細かい打ち合わせをする機会があり、思い切ってこのことを質問してみたところ「何ら問題はありませんよ」と、あっさりかわされてしまいましたが、どうも納得がいきません。本当に大丈夫でしょうか? ここまで建ちあがっている状態でどのような対処が可能でしょうか? また、もし万が一この件で購入を見送るようになった場合、支払済の手付け金を回収することは可能でしょうか?

 結論から言って、問題は発生しないと言いきって良いと思います。本件の場合、基礎パッキン部分の下部だけをモルタル天端調整で良かったわけです。モルタルの上に基礎パッキンが載り、その上に土台、そして建物全体の加重がかかりますが、強度的には問題はありません。塗ったモルタルが剥がれるのは見た目に良くありませんが、パッキンとパッキンの間のモルタルは建物の加重に関係がありません。購入契約解除などと言うように、神経質になることはないと思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 このホームページを、今日初めて知りました。
 今、実家が建築予定中なのですが、M社で仮契約後、半年も経過していながらいっこうに何も決まりません。このままですと解約にならざるをえないかもしれません。当初契約前に、メーカーが言ってたことと設計その他進めていくにあたって、あまりにも異なる点が多く、測量や近所に建築に許可のはんこをもらいに行く?ことまで、個人にやらされています。年寄りにとって、とても大変なようです。今の段階となっては、どうすることもできないのでしょうか? お教えいただきたく、ご迷惑でしょうがメールさせていただきまた。

 メールの文章だけでは、なにが問題点なのか判然としません。
  1.  「仮契約」と書かれていますが、そうであるならば「書類」が存在しているはずです。その「契約内容」に対して先方の会社が契約義務を怠っているのであれば、当然こちらの立場が強いでしょう。よく内容を把握されて最悪「契約解除」という手段もあり得ると思います。

  2.  「契約前に言っていたこととあまりにも違うことが多い」という点の具体的な記載がありませんので、コメントのしようがありません。

  3.  「測量や近所に許可を得る必要がある」という件ですが、こういうケースはあり得ます。土地の条件などで現状では建築不可能で、近隣の了解が「建築許可」の前提として必要というケースです。そしてこの場合、近隣関係というデリケートな要素をはらんでいるので、施主さんが自ら解決しなければならない、という局面も当然あると思われるからです。

 以上、あくまでも文面だけからのアドバイスといたしました。参考にされてください。



 お世話になります、札幌市のTKです。
 遮音の性能を上げる方法の一つに、境界の質量を増すことがあります。マンションを購入される場合は、くれぐれも、床や壁の厚さを検討材料とされるよう、お勧めしたいと思います。
 今や、「マンション生活といえば、とかく我慢」でもないと思います。現に、新築物件ですと、年々、境界の厚さを増す傾向にあります。個人的には、床23センチ以上、壁20センチ以上あるかが、一つの安心の目安でしょう。遮音レベルとして、L45程度が期待できます。一方、床が18センチ以下、壁が16センチ程度では、トラブルがあっても当然かと思います。遮音レベルとして、L55程度であり、木造より多少良いくらいでしょう。恐らく、音のトラブルがあって当然でしょう。
 質量を増すこと、遮音レベル(LやD)について説明された過去記事があります。興味を持たれたら、そちらもご覧ください。(「マンション騒音について/ 建物の遮音性能 」)
 何か手はないものかとご検討される際は、まず、ご自分が住まわれる建物の「造り」をご確認いただきたいと思います。その上で、こちらなり、専門家なりへ相談されてはどうでしょう。

追.
 道の住宅都市部建築指導課から、「わかりやすいマンションの管理」という冊子(126頁)が発行されています。道庁、マンション管理組合連合会の会合などで配布されているようです。生活音以外に、管理組合規約の制定、建物の定期点検、補修計画の策定、結露など、マンション生活全般について、管理という面から程よくアドバイスされています。
 また、建物の性能については、道立寒地住宅都市研究所というセクションがあり、相談にのって貰えるかもしれません。




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