住宅クレーム110番
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 「こんなマンションは買うな」という類の本が巷間多数出版されています。その中で、著者の異なる少なくとも2冊が、「梁下に玄関ドアがあると、そうでない場合に比べて、地震の際に歪んで出入り不能になる可能性が大きい」と述べています。
 しかし、マンションの構造から素直に考えると、これは変な話だと思います。梁は上階スラブを支えるためにあるのであり、梁が変形するときは、上階スラブ(つまり天井)が下側に大きくたわんでしまっているはずです。つまり、共用廊下側の大梁が変形してしまった場合、そこから少し住戸側に玄関ドアがずらしてあったところで、出入り不能になることには変わりがないと思います。逆に、共用廊下側の大梁が変形せず住戸内の小梁が変形した場合は、大梁の下のドアは開きますが、スラブ下のドアは開かなくなる可能性が大です。
 実は、私が購入を検討しているマンションは、まさに梁下に玄関ドアがあるタイプです。上述のように、素直に考えるとこの構造に問題はないと思えるのですが、なにしろ立派な本が2冊、口を揃えて「それは危険なタイプだ」と主張するので、さすがにちょっと不安になっています。
 そこで、専門家の方に質問です。「梁下に玄関ドアがあると、そうでない場合に比べて、地震の際に歪んで出入り不能になる可能性が大きい」というのは、本当でしょうか? 阪神大震災の時のデータなどあるのでしょうか?

 わが国の耐震規定は、中小規模の地震に対しては全く健全に建物を保ち、極めて大きな地震(60年〜100年に1度)に対しては、人命の確保を前提に構造体の塑性変形を許容しています。つまり変形することで、膨大な地震エネルギーを吸収し、建物の倒壊だけは防ぐという考え方です。
 梁下に玄関ドアがある場合はたいてい梁の下場に直接ドア枠を溶接で取り付けてあるので、梁が変形すると 一緒にドア枠も変形してしまい、ドアが開かなくなる可能性が高い。梁下を避けた位置に玄関ドアがあるということは、軽量鉄骨の下がり壁の下にドア枠がついているので、仮に構造体が変形しても下がり壁部分が壊れて、ドア枠は変形を免れる可能性が高い、ということなのでしょう。しかし、それも非常に一元的な見方で、必ずそうなるかどうかの保証はないといえます。地震の波がどの方向からどう来るかによって、同じマンションでも住戸の位置ごとに、その変形の仕方も程度も違うでしょうし、その予測は不可能です。それを押し並べて「危ないから買うな!」と言い切ってしまうのは、少々短絡的な気がします。
 要は、住まいを購入するにあたって、何にどうゆう価値基準を持つかということで、人それぞれ、ご自分で判断されることだと思います。住まいに求める機能(条件)は多岐に及んでありますが、その優先順位は人それぞれで良いのではないでしょうか?
 大地震が来たときの安全性が最重要とお考えならば、最近は免震構造を採用した物件も増えてきてますので、そちらもご検討してみてはいかがでしょうか? 免震構造とは、地震エネルギーを構造体の変形によってではなく、特殊な装置によって吸収して建物へのダメージを軽減するもので、様々なシステムが開発されています。



 我が家は木造無落雪、総2階建てで、2階にリビングとダイニング・キッチンがあります。約20畳のリビングのうち、14、5畳の下は組込み車庫になっているため(シャッターはなく、カーポートといった方がいいかもしれません)、そこの部分には1階の柱がなく、太い梁で持たせていることになります。このたび、そこに大きなソファテーブルを置くことになりました。そのテーブルというのが立派なのはいいのですが、なにぶんにも重くて、心配性の私としては2階の床の強度が大丈夫なのかと思ってしまうのです。200センチ×90センチの一枚板(松材)で厚さ12センチという大きさで、男の人2人でなんとか運びました。100キロはゆうに超すと思う(アップライトピアノほどではないと思いますが)のですが、その重量のものを柱のない、梁で持たせている2階に置いて心配はないでしょうか? 梁は長さ約4メートル50、太さ40センチが2本渡してあります。
 知り合いの多くに話しても大丈夫に決まってると言うのですが、なかなか安心にはいたりません。実際にピアノを2階に置いているお宅もあると思いますが、どの程度の補強が必要になるのでしょうか? ちょっと心配しすぎなのでしょうが、アドバイスいただけるとうれしいです。
 
上記のご質問は、アドバイスするにあたって大変デリケートな、結論の出しにくい問題であると思います。そこで、お二方よりご回答をいただきました。それぞれ一級建築士の意見として、どうぞご参考にしてください。

 私の経験ですと、この女性の心配はもっともだと思います。実際ピアノを置く場合は、梁成も大きくし、また根太の間隔も細かくすることが多いです。
 具体的に今回の例で考えた場合、梁の長さ4.5メートルに対する梁製は、北海道建築構造行政資料集によっても梁間隔が1.8メートルごとの場合、12センチ×360センチになっています(以上は、あくまでも参考数値ですが)。
 ですから梁成40センチ自体は、妥当な梁成だと思います。ただ実際、木造で4.5メートルとばすと意外と多少梁が下がったりしている事例が多いものです。荷重だけでなく、木材の乾燥収縮の影響が特に起こりやすいからだと思います。できれば1階の部分に柱を入れられればよいと思いますし、床を一部はいで根太補強をすることも必要だと思います。きっと2〜3年以内で床は、たわむと思います。

 通常、住宅の床の強度は1平米あたり最低180キロの荷重に耐えられるようにつくることが、建築基準法で定められています(階下がカーポートだろうと何だろうと関係ない)。これは、例えば6帖程度の部屋の場合約1788キロ。大人が約20人載っても大丈夫ということになります。
 テーブルの重さが、2×0.9×0.12×0.53(松材の比重)=約115キロ、脚の重さを考えても、せいぜい130〜140キロがいいところでしょう。テーブルの脚の形状にもよりますが、テーブルの重さが一点に集中するような形になっていない限り、心配はないと思います(その大きさでしたらテーブルの構造上ありえないと思いますが)。仮に4本足だとして1本の脚にかかる重さは35キロ。この程度の荷重で、床がぬけたり、構造に重大な影響を与えることはありえない、否、あってはならないはずです。



 建売住宅を今度購入することにしました。環境が気に入っているのですが、建設会社の人に水道管・ガス管の配置図を求めたのですが、はぐらかされています。なぜなのかよくわかりません。
 また床の厚さを聞いたところ、9ミリとのこと。これは建売では普通なのでしょうか? 結婚時に購入のたんすが結構重量のあるものなので心配です。アドバイスをください。
 
 平成12年10月から施行された、住宅品質確保促進法の住宅表示制度において、設備の配管を床下の土間コンクリートに埋めこむものは最低の等級となります。本件で推測されるのは、土間コンクリートの下などに埋めこむ仕様を、露出配管仕様にすることで、防露工事や保温工事に費用がかかることを懸念していると考えられます。設備配管は十数年の寿命のものが多く、取り替えが容易な構造と仕様が求められます。当然、相応の費用がかかりますが、水道管やガス管などは埋設しない施工方法を選択すべきでしょう。
 床の厚さですが、建売と言えども床板に9ミリしかない板が1枚だけということはありえません。床を支える根太の間隔は建売の場合、450ミリが普通です。9ミリ1枚なら人が歩くたびに波打ちを起こします。
おそらく、床下地に合板が敷き込まれていると思います。合板が敷かれている場合、フロアの厚さはあまりこだわりません。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 昨年、2月に建売の一戸建てを購入しました。 浄化槽の点検に来られた方に、排水管の設置が設計図と違うと指摘されました。建設会社に問いただすと、設計図には、家の外側をぐるりとまわる配管になっているのですが、実際は完全な床下配管になっていることがわかりました。
 建設会社側は、なんの問題もないというのですが、排水管になにかあった時には大変な、大工事になってしまいます。その辺をしっかり補償してくれと言っているのですが、なかなか、いい返事がもらえません。
 この設計図と全然違う配管の設置は、違法行為では、ないのですか?
また、我々の言い分は、間違っているでしょうか?
 一緒に購入した5軒とも設計図と違う床下配管でした。床下配管って、それ自体、間違ったものではないのですか?
 
 任意制度ですが、平成12年10月から施行された住宅品質確保促進法の住宅表示制度において、設備の配管を床下の土間コンクリートに埋めこむものは、最低の等級と表記されます。本件の質問者が指摘の通り、埋設した配管に漏水などのトラブルが生じた場合、床の撤収などの大きな工事となります。新築工事の場合は、契約書に添付される設計図も契約図書となりますので、契約違反で工事の手直しを要求することも可能と思います。しかし建売の場合、契約の約定に一部、設計図書と実際の施工に「都合により異なる場合があります」などとした文言が記入されていたり、また、図面と施工が異なるとする説明がどこかにあることがほとんどです。建売というシステム上、やむを得ない事情でもあります。
 質問者の言い分は決して間違ってはいませんが、配水管を床下に埋めることを禁じた法律は見当たりません。しかし、こうした工事を戒めるために、任意制度ではありますが、本件のような配管の埋設施工を、もっとも等級の低い施工方法として表記するような制度が施行されました。
 本件、排水管が床下に埋設してあるということですが、排水管の場合は、十数年経ってメンテナンスを行う場合もわりと簡単に施工できます。しかし、排水管を埋設してしまうくらいですから、水道管も埋設している可能性が考えられます。
 建売においては、発売される価格帯の中で仕様が決まる場合が多く、その限界を痛感します。質問者の心情はとても理解できますが、購入前の重要チェック事項とする要点であり、購入後において販売業者に補償を求めるには大変な困難が予想されます。
 従来の配管施工はこの埋設式がほとんどでしたが、新しく施行された性能表示制度で、この配管埋設部分が注目されるようになりました。これから新築される方の要注意事項としてください。しかし、現在でも建売の多くは、この埋設式で施工されているのが現実です。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 築15年のアパート2Fに住む者です。まだ引っ越して間がないんですが、引越当日から流しの下の観音開きのスペースがとてつもなく臭いんです。例えて言えば、ドブ川のような感じでしょうか。以前は場所的に鍋やお米とか入れてたんですが、ちょっとためらわれます。臭い箇所はここだけなんですが、原因はなんでしょうか。また改善方法はあるんでしょうか。流しの排水が弱い(少量の水でしか流れていかない)のも関係あるんでしょうか?
 長くなりましたが、アドバイスをよろしくお願いします。

 原因は下水道の悪臭が漏れているからです。右の写真に示すように、キッチンシンクから下がっているジャバラホースと排水管(塩ビ管)との間の接続がうまくできていないためと思われます。普通はジャバラホースと塩ビ管は防臭キャップでシッカリ密封されています。何らかの原因で、この防臭キャップがはずれている可能性があります。キッチンの底板のホールプレートをはずして、床を覗いて点検してみてください。はずれていたら元通りにセットしてください。もし防臭キャップで密封されていないようでしたら、ジャバラホースと塩ビ管の隙間に粘土を塗りつけ、ビニールテープでしっかり巻いてください。
 いずれにしてもあなたはアパートの賃借人ですので、これらの管理は家主にあります。家主に相談してみてください。

●水の流れが悪いのは

1.排水管が油で詰まり動脈硬化を起こしていることが考えられます。
 <高圧洗浄をかけるか、管を取り替える>
油を直接流しに捨てないでください。必ず何かで拭き取ってから、器や鍋を洗ってください。
2.ジャバラホースを塩ビ管に突っ込みすぎて排水管の横引き管まで達してしまい、ストッパーになっている。
<ジャバラホースを適正に調節する>
3.ゴミ溜め(トラップ)のなかに異物が詰まっている。アミカゴを取り出して、中の逆お椀型のプラスチック製パーツを左にまわして取り外し、掃除をする。

1・2は家主さんの責任ですので、相談して専門業者にやってもらいましょう。
3は賃借人の善管義務ですので自分でやってください。



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