住宅クレーム110番
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 新築してから3年半たっています。
 集中換気(排気のみ)をとりいれましたが、先日そこから水滴が落ちるのを発見しました。場所は2階の2ヵ所ある排気口のうちの1ヵ所です。カバーをはずすと、ダクトの中から水滴がつたってきているようです。まわりの天井材に影響はありません。北海道に住んでいるので、寒さで天井裏のダクトが結露して、それが融けているのでしょうか? 夜、昼関係なく落ちてきています。今は、心配なので換気を止めている状態です。
 こういうことって、あるのでしょうか?

 新築してから3年半とのこと、さぞ心配していることと思います。
 現場を見せていただかないと何とも言えないのですが、この文章だけで判断すると、たぶん結露だと思います。結露はそのほとんどが温度差で生じます。ダクト内部での結露ですので、小屋裏(外気)とダクト内部の温度差が原因と考えられます。詳しく説明すると、小屋裏(外気)の冷気がダクト自体を冷やし、ダクト内の空気がダクト内面側の冷えた面に触れ、露点温度に達し、ダクト内面側に結露しているということになります。
 新築時には何ともなかったことを考えると、3年半の間に何らかの断熱欠損が生じたと予想されます(もしかしたら、今回の冬は異常なぐらい寒い日が続きましたので、そのことが原因かもしれません)。
 解決方法としてはダクトの断熱強化だと考えます(ダクトの換気量を増やし、ダクトの温度を上げることにより、結露を止めることも可能かもしれません。その場合には機械ファンのメンテナンスと各吸気口の調整により、換気システム自体を新築当時の状態に戻す必要があると思います。もちろんこのことは意味のある大切なことですが、根本的な解決方法ではないと考えます)。
 断熱ダクトにもたくさんの種類があり、用途別に使い分けられています。
 ここで勘違いしてもらいたくないことは、断熱ダクトは断熱しているダクトであって、決して結露のしないダクトではないということです。グラスウール10kg・20mm程度の断熱ダクトで、熱貫流率はペアガラスLow-Eの熱貫流率とほとんど変わりません。そのような住宅で、もし場所によって窓ガラスが結露しているのであれば、断熱ダクト内も結露の可能性は十分にあるということです。
 気密断熱層外の部分(この場合、結露水が垂れている吸気口のダクト部分)を、しっかりした断熱ダクトで施工しなおすか、ダクト自体をブローイング内に埋め込む(その場合ダクトの上100mm程度はブローイングがほしい)。その上で機械ファンのメンテナンスと各吸気口の調整を行うのが良いと考えます。

 蛇足になると思いますが、弊社での換気システムは断熱ダクトはセット内容に入れておりません。気密断熱層内の設計が基本となっています。温度差がなければ結露はしようがありません。もし気密断熱層内の設計が無理な場合は、ブローイングの中に埋め込む設計にしています。断熱ダクトは基本的に使用しない設計にしています。断熱ダクトを信用していないわけではないのですが、もし使用するとしても最低限の使用にしています。また、機械ファンのメンテナンスも簡単にできるように設計しています。
 住宅の新築時はその住み続ける期間から考えると一瞬です。新築時が良ければそれで良い、ではなく、住み続ける期間を考えて全ての材料や部材、システムを検討するべきだと弊社は考えてます。
 住宅産業はクレーム産業だ、と言われています。自然の大地に、自然の木を使い、人間(ヒューマンファクター)が、施工します。建材やシステムも完全ではありません。『クレームが起こらないわけがありません』というのは言い過ぎでしょうか。大切なのは起こった後の対処の仕方だと考えます。もちろんクレームは起こらないほうが良いに決まっています。弊社としてもクレームは起こらないように考えての物作り、提案をしているつもりではいます。が、しかし、それと同じくらい大切なことがクレームが起こった場合の対処方法を考えての物作り、提案だと考えています。『家作りに最も大切なことはフェイルセーフの精神である』は、この業界の中で、私が最も尊敬する人の言葉です。弊社の物作りの大前提になっています。



 埼玉県の新座市に新築住宅を木造軸組みで建築中です。最近の寒波でコンクリートが初期凍害を受けていないか心配です。コンクリートの必要強度について教えてください。
 3週間経過した時点での強度が、シュミットハンマーの目盛りでベース部分が16くらい、立ち上がり部分が22くらいしかありません。強度的に問題ないのでしょうか?
 ベース部分を打ち込んだ3時間後に雨が降ってプールのようになり、1日放置されました。立ち上がり部分を打った後、寒波がきて、打設後36時間以内の最低気温は氷点下1度、それ以降は氷点下5度くらいまで連日下がりました。
 
 ベースコン打設後3時間でプール状態になったということですが、コンクリートの凝結時間は外気温に影響を受けます。通常4〜5時間で凝結が始まるとされているので、ベース表面が雨に洗われ硬化に必要なセメントペースト分がなくなり、表面が風化したような状態になっていませんでしょうか? コンクリート内部と表面強度に大きな差異が発生すると、ひび割れの可能性が大きくなります。
 立ち上がりコンクリート打設後氷点下1℃までは、凍害の影響はないと思われますが、引き続き氷点下5℃まで連日続いたことは、悪影響がでている可能性があります。しかしその温度が一時的であり、1日の外気温がプラス温度であれば、表面のみ凍害を受けても徐々に強度は回復する事例もあります。
 問題は必要強度です。設計での必要強度はいくらになっていますか? 通常、18〜21N/mm2と思われますが、シュミットの撃ち方を水平撃ちとして、目盛り16では圧縮強度で約5N/mm2、22では約11N/mm2と推測されます。お使いのシュミットハンマーに説明書と換算式があると思いますので確認してください。設計にコンクリート強度18〜21N/mm2と記載してあれば、4週強度でこの値以上の強度が得られなければ、条件を満たしていないことになります。




 住宅雑誌のコメンテーターの思い入れが強く作用したコメントと思います。RCに第3種換気が向かないのであれば、RCマンションやホテルなどみんな対象となりますが、実際はほとんどが第3種換気です。確かに、コンクリートは毒性のあるラドンガスを発生させると言いますが、その量は極めて微小です。
 第1種換気は同時吸排気を言いますが、吸気部分と排気部分が一緒になっている熱交換式のものは、換気扇の周辺しか効果はありません。第1種換気を使用されるのであれば、吸気口と排気口をダクトで分離したタイプが効果があります。
 第2種換気は吸気式ですが、地下室であれば排気口は必要となり、結果として双方どちらも、第3種換気と変わらない換気経路が出来てしまいます。
 つまり、予定している第3種換気で全く問題はありません。しかし、地下室の換気は湿気排出が大きな目的となりますので、加えて除湿機の設置も大きな効果があります。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 騒音問題に関して私は以下のようにすれば解決すると思います。マンションなどを施工するとき、なぜこのようなことができないのでしょうか。

1.構造を二重三重にする、またその構造に穴を開けない。
2.各構造間の距離を十分にとる。広いほど良い。
3.各構造の間に吸音材をいれる。重量のあるセルロース系がもっともよい。
4.各構造間に音のブリッジとなるモノをできるだけ作らない。
5.やむ終えずブリッジとなるモノを作った場合は、ゴムなどを必ず介するようにする。
 
 以上の方法がベストだと思います。逆を言えばこれ以外の方法はあまり効果がありません。また、現在お悩みの方で工事ができる方は上記3だけでも試してみてはいかがでしょうか。
 工事ができない方は…。実は私も官舎住まいで工事不可能なのですが、フローリングの上にスタイロフォームを敷いてその上にカーペットを敷いています。高音の衝撃音のカットには相当効果があります。断熱もアップして一石二鳥です。

三沢市Y.K 40歳 素人
 



 はじめまして。こんばんは。もうすぐマイホーム完成になります。
 9月からの工事だったのですが、時間のある限り建築内容を見てきました。しかし…。伝えたことは忘れられてしまったり…。「こんなはずではなかった」ということがたくさんあって、もうすぐ完成ということで本当なら喜びに満ちているはずなのですが、今では不満と不安だらけとなってしまいました。
 初めに来ていた大工さんは19歳と21歳の2人でした。釘はこんなにたくさん打つものなのだろうか……と首を傾げるくらい、25センチから30センチの間に10ヵ所以上。しかも、その間隔はバラバラ。釘は木が割れるくらいめり込んでいる…。そんな状態でした。割れているところは取り替えていただいたのですが、めり込んでいるところは全部といって等しい量だったので、もうあきらめでした。材料(窓枠、手すり、階段、床、戸…)は聞かれることもなく、たくさんの材料が届いており、もう取り付けてある状態で、もう何もかもが自分たちのイメージとはかけ離れた家になってしまいました。普通(?)は床の色やどんなものでも、施主にどういうタイプにするのかなど…聞いてくるものだと思っていました。後からこれしかない。もう届いてしまった(輸入物なので)などと言われ、すべてあきらめました。
 間取りについては 一番驚いたのが、ユーティリティ(洗濯機と小さい手洗いがついている)と勝手口が一緒になっていたのですが、いざ建ってから見てみると洗濯機などを置くと人が通るのもやっとなくらいの幅であったり、キッチンについては食器棚を置くスペースがない。冷蔵庫を置いたらキャビネットの扉が開かなくなる……。プロは設計段階でこのスペースは考えられなかったのか??とびっくりしてしまいました。私もきちんと図面上で長さを計ればよかったのですが、図面上では洗濯機も冷蔵庫も描かれていたので、気にも止めなかったのです。結局、勝手口はなくし、ユーティリティの壁をなくし…などと、できる限りの変更を行いました。しかし、どうしても取れなかった柱が変な場所に残っています。
 そんなところから始まって、私たちの新築工事は不安でいっぱいになりました。そこの建築屋さんで建てた施主の皆さんたちから、ここまでもか…というくらいの不平不満を後になってたくさん聞きました。
 ある日、石膏ボードがほぼ全体に貼られた時点で見に行った時に発見したのですが、石膏ボードが表面からはわからないのですが、横から見るとボソボソに割れているんです。それを何箇所も見つけてしまい…。普通に歩いて見ていても、目立つ部分もあったのに、大工さんは気に止めず施工を続けているし、この割れているのは施工上、当たり前なのか…と思っていましたが、やっぱり心配だったので、現場監督に聞いてみました。すると、施工上、仕方ないことで問題ないとのこと。ここから、湿気がもれないのか…、いずれ表面までヒビがこないか……など心配だったのですが、プロに「問題ない。仕方ない」と言われてしまうと、それ以上言えなくなってしまいました。
 大雪のせいで工事も大幅に遅れてしまい、あと1ヵ月で本当に完成するのかも不安なところです。夢にまで見たマイホーム…。想像とはるかにかけ離れたものになってしまい、本当にショックです。フローリングの床の色なんか、本当にショックで、どうして先にこういうものが張られますと言ってくれなかったんだろう。一人で大工さんがこのフローリングは幅が狭いから本当大変なんだ…。と苦労しているの見ると、何も言えなくなってしまう私も悪いんですけど。
 皆さんは、建てられる時、すべての物について(床、階段、手すり、各部屋の戸など)きちんとサンプルがあって、意向を聞いてもらってからの材料発注、取り付けになっていますよね。どうなんでしょうか。それから、石膏ボードのヒビ割れ、釘の打ちすぎなどは欠陥に入るのでしょうか。もう、今更…なのかもしれませんが、どうかアドバイスをお願いします。

 夢にまで見たマイホームが喜びでなく、失意のどん底にたたき落とされ、本当にお気の毒に思います。文面から察すると工務店に設計・施工という形で住宅を依頼したものと思われますが、なぜそんなひどい工務店を選んでしまったのかと思います。
 はじめに来ていた大工(?)が19歳と21歳の2人とは。19歳や21歳ではまだ手元で大工とは言いがたいでしょう。また、材料も色も打ち合わせがないまま進められ、自分たちのイメージも台無しにされてしまっては、もう言語道断ですね。ただプランについてですが、工務店は建物を造るのはプロであっても、設計はプロでありませんので、どうしても変な設計になることがあります。それにしても、とんでもないプランで言葉を失います。プランは今、どうのこうの言っても取り返しがつきませんが、打ち合わせなしに使われた物や気になるところは、その工務店ともう一度掛け合ってみてはいかがですか。もし話を聞き入れてくれなければ、市役所の建築相談係に相談するのも良いでしょう。まだ引渡しを受けたわけでないでしょうから、泣き寝入りを決め込むことはありません。ただ、そうは言っても素人の方が工務店に抗議することは難しいものです。そういう意味でも、私たちのような設計事務所に設計・監理料を払っても施工と切り放すべきと思いますが、今となってはどうしょうもないですね。工務店と掛け合うときに一級建築士を代理に立てるという方法もまだ残っていますが。引き渡し前なので設計図書どおりに直すまで受け取りを拒否したり、訴訟ということも考えられます。
 あきらめずに良い一級建築士を捜し、相談にのってもらうのが一番かもしれません。



 いろいろとアドバイスありがとうございました。先週、アドバイスをもとに話し合い、以下のように決着しました。

販売業者、施工業者と石材業者の説明
・大理石の特徴として、柔らかい、吸水性がある、風化しやすいということで、屋外には適さない。本材はセルベジャンテ大理石(イタリア産)である。
・本件のひびは、寒水(かんすい)といって大理石中の不純物(炭酸カルシウム)が、模様と直角方向に走ったもので、ひびではない。かまちからタイルにつながっているように見えるのは、寒水の位置が本当に偶然に近いためである。
・寒水はひびではないため丈夫で、そこから割れることはない。また水分がそこから浸入することはなく、特別の手入れは不要である。
・ひびの場合には、磨いてもひびの境目で凹凸を感じて区別できるが、本件では凹凸がないためひびではない。また、ひびであれば建物の振動などで1年以内に肌別れするため区別できる。

当方の要望
・本件がひびでないというのならば、そのひびについてだけ保証期間を延長して欲しい(却下)。
そこで、
・ひびではなく、寒水ということであるならば、本件のひびと同様のサンプルを使って、強度をテストさせて欲しいとお願いしました。
・本日、地上1メートルからタイルを落下させてみたところ、粉々に割れたが、寒水からは割れないことを確認して納得しました。




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