住宅クレーム110番
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 はじめまして。2年前に建売住宅を購入しましたが、今年になって大雨が続いた後、外壁の基礎の一部の際が陥没していました。突ついてみたところ、中にはパイプが通っているのですが、その周りが空洞になり、土がズブズブと沈み込みます。沈み込む部分は家の片側だけで、また、同時に建った隣近所ではそのようなことはないようです。今のところ、それによる直接的な影響はないのですが、どうしたら良いのでしょう。主人は忙しいこともあり「大丈夫じゃないかな」と言っていますが、私は心配です。
 また、これとは別に、10メートル以上離れた道路を車が通ったり、風が強かったりすると、わずかですが弱い地震程度の揺れを感じます。危険性はどうなのでしょう? どこか第三者機関などで調べてもらったほうがいいのでしょうか。
 建築会社にすぐに問いただすべきなのかもしれませんが、なぜか購入したときから非常に高圧的な印象の強い会社なので、連絡を取る前に、基本的な考え方を教えていただければ有り難いと存じます。大変初歩的な質問で申し訳ありませんが、よろしくアドバイスお願いいたします。
 なお、瑕疵担保責任期間は過ぎていますが、「当社アフターサービス基準に基づく保証基準のとおり保証します。」という文面の保証書はあります。
   文面から判断して、地下のパイプ周辺に問題があると考えられます。まず、漏水して周辺の土砂を押し流しているか、あるいは、パイプを接続する周辺に空隙があり、雨水が土砂を押し流したことが考えられます。隣や周辺に同じような状況が認められないことから、敷地造成の大きな問題ではなく、パイプ施工やその周辺工事に不備があったものと思われます。
 業者への対応ですが、一応、事情を丁寧に説明して、対応していただく努力をすべきです。しかし、「当社アフターサービス基準に基づく保証基準のとおり保証します。」というこの文面を根拠に、全ての責任を業者に押し付けると、責任回避の行動を起こされる可能性があります。「当社…の基準」はどのようにでも解釈できるからです。
 業者責任を追及することも必要ですが、今のうちでしたら改修工事も簡単にできると思います。しかし、放っておきますと基礎の加重を受けている部分に影響が出てくることが考えられます。対象業者の対応が速やかでない場合、第三者機関への調査依頼も一つの方法ですが、知り合いの配管やさんや基礎やさんなどに相談して、処置を優先すべきでしょう。よくあることですが、納得できないといって、業者の責任追及をしている間に事がいっそう深刻化する場合があります。本件も一刻も早い対応が必要です。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。 アドレスは http://www.fas-21.com/ です。 もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。



 「低メンテナンスの外壁材って?」 への「お答えします」についての私の意見ですが、セラミックコートの外装材の場合、耐久性等問題ありませんが、逆に塗り直しができないんではありませんか?
 例えば、野球の硬球のような固いもの(ゴルフボールなど)がぶつかって、ヒビができた場合、補修なんかはきくんでしょうか? 以前、住宅メーカーに行ったときにセラミックだと塗り直しができないと言われました。
   汚れがつきにくいセラミックコートの場合、塗料をはじいてしまいますので、ご指摘の通り、塗り直しはできません。色褪せは従来品よりずっと少なくなっています。また、何か大きな力でぶつかってヒビが入った場合は、シーリングをするか、ひどい場合は一枚丸ごと取り替え(当社品は可能)を行います。
 なお、野球やゴルフボールがあたったり、一般男子の加える衝撃エネルギー程度では割れないように出来ております。



 過去ログに似たようなケースがなかったので、質問させてください。
 現在中古(築5年)マンションを改装中です。部屋中の巾木(床上5センチ程の板です)の板の上に、L字型のステンレスを打ち付け、モダンなアクセントのある部屋にすることとなりました。
 そして、現場へ行って職人が巾木の構造を見るために、居間の一部の巾木を剥がしたところ、黒カビが発生していました。その部分の石膏ボードクロス貼りの壁を隔てた裏はランドリースペース(壁は同じ素材で、防水パン、水道蛇口がある半間程物置きのようなスペース、通気性が悪いドアで閉めることになっている)で、見たところはカビは見えません。
 また、巾木はフローリング床よりも先に打ち付けた構造で、カビが床下へ広がる心配が考えられますか?
 とりあえずカビの部分だけ手で削ぎ取りましたが、職人はランドリースペースからきているカビだから、そっちから水が来ないようにしたほうがいい、とのことですが、巾木はそのまま閉じてしまい、今後上からステンレスを打ち付ける予定です。
 そこで、ランドリースペースのドアを取り払うかルーパードアに替えて、密閉しないようにして、防水パンのコーキングやランドリースペース内壁の防カビ、防水加工を追加する予定ですが、目に見えない奥に発生したカビ対策はほかにありますでしょうか。そして、これは『瑕疵』として売り主に言えるものでしょうか? 購入して1年未満です。アドバイスを宜しくお願いいたします。

 「巾木を剥がしたら黒カビが発生!」の質問ですが、まず、カビがどうして発生したかを考えてみましょう。カビが発生するためには、水分が必要になります。住宅の中で、水はどこにでもありますが、目に見えるところにある水は意識的に排除することができます(例えば、水をこぼしますと、すぐにふき取ります)。問題は、このマンションのように、目に見えないところの水分です。
 ランドリースペースは見たところ、カビが生えていないようですので、ランドリースペースの方から水が来たのではないと思います。では壁の中のカビはどうして? それは、壁の中の温度が、室内の温度より低くなるので、温度差により結露を起こし、その結露水によりカビが発生していると思われます(壁があると、熱はなかなか通過しませんが、水蒸気は、金属・ガラス以外で透湿します)。
 対策としては、結露を少しでも防ぐことです。結露を防ぐためには室内と結露するところの温度差を少なくするか、室内の水蒸気の量を低くするかのどちらかです。
 まず、温度差を考えてみましょう。室内の温度、ランドリースペースの温度、壁の中(特に床のコンクリート)の温度が問題になります。室内の温度に対してランドリースペースの温度は、ドアを開放したりして、少しでも上げることは可能だと思います。問題は、コンクリートの床温度です。その床部分の下の状態が問題です。下に誰かが住んでいて、室内の温度が高ければ(天井の温度も高くなり、下の階の天井は上の階の床なので、床の温度が高くなります)、床の温度も上がりますので、ランドリースペースのドアの開放程度で良いと思います。床の下が何らかの理由で温度の期待ができない場合や、1階のお宅でしたら、床の温度を上げることは大変になりますので、その場合は、水蒸気の量を低くすることを考えたほうが良いと思います。
 次に室内の、水蒸気の量を少なくする方法を考えてみましょう。
 冬場は、水蒸気量が極端に少なくなります(ですから冬に異常乾燥注意報が出る)。外の空気を少し室内に取り入れることで、かなり室内の水蒸気量が少なくなり、結露を起こさない状態になります。
 夏場は、冷房等を使用していれば、室内が除湿されています。しかし、日中、留守にして冷房が使用されないと、室内の温度が上がり、水蒸気も除湿されません。下の階の人が冷房を使うと、そこの天井の温度も下がります。当然、下の階の天井温度が下がれば、上の階の床温度が下がります。ここで温度差が大きくなり結露を起こします。すべてのお宅が冷房を使わないで、同じ条件になればよいのですが、非常に難しい問題です。
 このように、状況により対策も考えていかなければなりません。 
 結論として、ランドリースペース内壁の防カビ材の使用は、1〜2年程度はランドリースペースの壁に対しては効果があると思いますが、壁の中では効果は期待できません。また、防水加工も、水をこぼしたときの対策にはなりますが、壁内部のカビの問題対策にはなりません。カビの対策はあくまでも、温度差と室内の水蒸気量の問題です。それと、瑕疵の問題は、申し訳ありませんが、私は法律家ではないのでお答えできません。
 なお、余談ですが、室内においても、床に厚手のジュウタンなどを敷くと、ジュウタンが断熱材の役割をして室内の熱が床に行かなくなり、下のコンクリートの温度が下がり、結露を起こすことがあり、そのためにジュウタンの下でカビが発生することもありますから、注意をしてください。



 私の両親はもう60歳を過ぎているのですが、今の家が古く、建て替えるか、または私が面倒を見やすいように私の家のそばのマンションを買って住むかで悩んでいます。もちろん両親は建て替えをして、庭いじりなどをしたいみたいで、マンションに住むことに少し抵抗があるようです。
 今マンションに住んでいる方、住み心地はいかがでしょうか? 60歳、70歳の人がマンションに住むことは可能でしょうか? 実際に住んでいる方の意見が聞きたいです。どんなに細かいことでもいいので、いろいろ教えてください。よろしくお願いします。
 



 平成10年12月に新築マンションを購入、入居しましたが、2年点検のときにリビングの天井にクロスの割れがあるのを発見、クロス補修かと思い点検させたところ、クラックの様子なので剥がしてみると3メートル近いクラック。計ってみると割れ幅0.1〜0.3、長さ20.8m、深さ71〜99mmで乾燥収縮とのことで低圧注入をする。
 しかし念のため全部屋調査させると、全室の天井に1〜3mのクラックを14ヵ所発見。3日がかりで低圧注入したのですが、はたして築2年くらいのことでこんなに出るものでしょうか。また強度は大丈夫でしょうか。ちなみにSRC14階建ての6階の南西の角部屋です。工法はPCとのこと。また、西の外壁の窓部分にも2ヵ所クラックが出ています。何かアドバイスお願いします。
 
 「マンションのスラブのクラックについて教えて!」の質問ですが、実際の現場を見ていないため、クラックの方向等もわかりませんので、一般的なことをアドバイスします。コンクリートのひび割れには、乾燥収縮ひび割れ、構造ひび割れ、アルカリ骨材反応によるひび割れ、その他、などがあります。Nさん宅では、乾燥収縮ひび割れと言われたそうですが、3ミリ近いひび割れが2年程度でできるのは少し早いようです。計られると割れ幅1・0〜0・3というのはどういったことでしょうか? 3ミリ幅は、あくまでも3ミリ幅なので正しく記載した文章をもらっておくことが良いと思います。一般的にコンクリートの補修は、0・5ミリ以上は補修、0・2ミリ以下は補修不要、0・2〜0・5ミリの場合は、環境、年数など、いろいろな条件を勘案して、補修の要否を検討します。
 ひび割れを起こす原因を挙げてみます。
 最初に収縮ひび割れ:コンクリートが乾燥収縮するとき、周辺の抗束を受けて引張り力が生じて発生する。原因としては、使用材料、調合、締固め、養生、部材形状、配筋など多くの要因があります。
 次に構造ひび割れ:コンクリートの強度不足、鉄筋量不足、配筋不良、過大な荷重、建物の不同沈下などによって、構造体に発生します。
 その次に、アルカリ骨材反応によるひび割れ:反応性骨材とアルカリとの反応による膨張によって生じます(この場合は、うろこ状のひび割れになる)。
 最後にその他、自然環境、建物の使用状況、鉄筋の発錆、災害などによって生じるひび割れがあります。この中で、自然環境は、建物外側のコンクリートが外気および太陽の影響を受け、毎日膨張収縮を繰り返します。建物全体が大きな力を受けることになります。ですから、外気に直接面していない面でも、構造ひび割れが起きます。それと地域によっては、塩害も考えられます。
 次にコンクリートのひび割れの影響についてお話します。
 ひび割れには問題のあるひび割れと、そのままでも問題のないひび割れとがあります(美観上はどちらも問題あり)。問題のあるひび割れとは、構造物を害する場合で、耐久性の低下です。コンクリートの中の鉄筋は、セメント水和物のアルカリ性のために、錆から守られています。しかし、大きなひび割れや、鉄筋にまで達するひび割れは、その部分の鉄筋が無防備となります。すると、鉄筋は錆始め、その錆の膨張によってさらにひび割れが拡大し、コンクリートの劣化が加速します。ただし、どのようなひび割れでもそうなるとは限りません。小さなひび割れは、深部まで達していないことが多く、深部に達していなければ有害ではないのです。
 それと、PCと書いてありましたが、スラブもPCなのでしょうか? 一般的に、PC(プレキャストコンクリート)は、工場でコンクリートを製作します。現場でコンクリートを打設するのに対し、工場で生産する方の性能が良いはずです。それらを考えると、本当に乾燥収縮ひび割れなのか、疑問が生まれます(あくまでも推測です)。
 詳しいことを知りたいのであれば、しっかりしたところに検査をお願いしたほうが良いと思います。
 なお、コンクリートは、今回のように補修を行い、今後、それらが再発しないで他の部分のひび割れもあまり起きなければ、問題はないと思います。



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